米大統領選の予備選挙で、不動産王であるドナルド・トランプ氏が共和党から米大統領選に立候補してその歯に衣着せぬ本音の口撃で人気を高めている。
「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」とか、「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」、「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦(ごうかん)犯だ」、「国境に万里の長城を造る」といった偏狭な右翼的な発言を繰り返し、市場原理によって急激に経済格差が拡大したアメリカにあって、移民や人種的少数派の台頭を脅威に感じている白人のワーキングプアからの支持を広げているという。
経済的苦境に喘ぐ白人貧困層の不満を吸収して暴論にしか聞こえないトランプの移民排斥発言やイスラム教徒の入国拒否発言の本音トークに支持が広がっているのである。
この流れは、安倍政権の市場原理主義的、タカ派的な政策が、日本の中流層や中流以下の幅広い国民に支持されているという怪現象に似ているのである。
本来、安倍政権のインフレターゲット政策や市場原理主義的な政策に異議を唱えるべき層が、韓国や中国との外交問題などに目を逸らされ、戦争法案などによる軍事力の強化が国民の不満や寄る辺なき不確かさを吸収して日本国民としてのプライドや自我の補償的な満足に結びいているのである。
右翼的で強い政権でなければ諸外国に言いたいことが言えず諸外国に舐められる。だから安保法制には賛成である。そうした右翼的な風潮が強まっている。
国境紛争や民族問題で絶対に他国に引けを取りたくないという愛国心、それは国家と一体化した個人主義であり、微妙な形での利己主義の発現である。
ドナルド・トランプ旋風は、このような右翼的な政策が結局の所、日本国内で支持を広げているという日本の現実とも合致する。
いや、これは世界的な現象化かもしれない。
市場原理による世界的な格差の拡大、資本主義の情け容赦のない現実、そうした問題に対処するための解決策が無かったり、それを本来、推進するための民主党や他の野党勢力が頼りにならない。
従って、現実的で、弱肉強食な国際外交の世界で、そのような弱い政権で何が出来るのかという現実に引き戻されるのである。
人々が貧困や不平等で苦しんでいる時、分別のあるインテリ層や識別力のある若者は、このような軽薄な右翼的な解決策を採用せずに社会主義や共産主義を支持するのである。
米国で民主党のヒラリー・クリントンの対立候補として支持を集めているバーニー・サンダース上院議員は、ヒラリークリントンは、エスタブリッシュメントとのしがらみで変化を起こせないと批判している。
サンダース上院議員は、自ら社民主義者を名乗り、完全にドナルド・トランプとは全く正反対の左寄りの立場から、対富裕層増税や公立大学の無償化、金融業に対する規制強化などの政策を打ち出し、不平等感を募らせる若年世代から、ようやく自分たちの代弁者が現れたと受け止められる理由となっている。
このサンダース上院議員は、ヒラリークリントンに支持率で猛追しており、アイオワ州の党員集会では引き分けと言ってもいい状況だったという。
当初は泡沫候補扱いさえされていた74歳のサンダース上院議員を支持しているのは、かつてバラク・オバマ大統領を猛烈に支持してアメリカの変化を夢見た都市部の若者やインテリ層である。
然し、サンダース上院議員の政策はあまりにも理想主義的で、現実とかけ離れており、米国の富裕層やエスタブリッシュメントなど強力な支配者階級を規制したり、本来、その性質として最も右翼的で資本主義的な国民に社会主義的な政策をもたらすことが出来るのか疑問である。
また74歳で年を取りすぎているという現実もある。
つまり、今回の大統領選は米国史上最低の選挙になりそうであり、これはという人物がただの一人もいない非常に空しさが漂う選挙である。
ヒラリーとサンダースで支持が割れ、一致団結ができない民主党支持者たちの弱体化の中で、右寄りだが、本音で米国民の不満の琴線に触れるアピールを続けるドナルド・トランプに支持が集まりそうである。
ヒラリー・クリントンが支持を伸ばせず、サンダースの追撃を受けているのは、バラク・オバマでさえもエスタブリッシュメントに取り込まれて、その国民皆保険制度などは保険業界によって骨抜きにされたからである。民主党支持者の間にバラク・オバマへの失望が広く行き渡っている。そして、自らエスタブリッシュメントの口利きをして利益団体が背後に控えるヒラリー・クリントンでは尚更、上手く行かないだろうということは目に見えて分かっている。
従って、サンダースに猛烈な支持が集まるのだが、サンダースは74歳の老人で、社民主義の泡沫候補である。
理想主義者が強く推したとしても民主党の中でも評が割れ、かつ、共和党との闘いに勝ち抜ける程、人物に魅力や力を米国の全国民が感じるかと言えば、それは中々難しいのである。
ドナルド・トランプは共和党でさえも除籍にしたい位の問題発言を繰り返す右寄りの人物であるが、現在の米国の経済的苦境は、そんなトランプのアピールを支持したくなるような寄る辺なき不安な心理状態である。
民主党支持者は、バラク・オバマを支持した時のような情熱も持つことができず、一致団結が出来ないまま、ドナルド・トランプの民族主義的、愛国的熱狂を刺激する本音の躍進の中に敗北していくのではないかと思うのである。
今の米国の経済的苦境は、ヒトラーやムッソリーニの台頭を許した寄る辺なき不安な大衆心理に似通っているのである。
そこにメディアを上手く扱えて、自己顕示欲も強く、本音を放言しまくるトランプ氏が力強く見えて、自分たちを導くリーダーのように見えても仕方がない状況である。
それでは今、ドナルド・トランプ旋風を巻き起こしている本人はどのような人物なのか、その出生図を詳しく調べてみたいと思う。
ドナルド・トランプは父親のフレッドトランプが不動産開発業者であり、1971年に会社の経営権を与えられ、トランプ・オーガナイゼーションに社名を変更している。
ペンシンルベニア大学を卒業し、理学士(経済学及び人類学)の学位を取得し、その後、ベンシルバニア大学大学院ウォートン・スクールにてMBAを取得した(wikipedia)と記されている。
ドナルド・トランプのチャートを見ると、ラグナが獅子座マガーで、獅子座の正統派である。
トランプは4室に12室支配の月が減衰しているが、月のディスポジターはラグナに在住しているため、ラグナから見てケンドラに在住している。
従って、ニーチャバンガラージャヨーガである。
また減衰する月はそのディスポジターからアスペクトされているため、こちらでもニーチャバンガラージャヨーガが成立している。
また減衰する月は高揚するケートゥとコンジャンクションしており、ここでもニーチャバンガラージャヨーガが成立している。
従って、ニーチャバンガラージャヨーガが成立する条件が3つ整っている。
興味深いことにドナルド・トランプは1980年代には、ロナルド・レーガン政権下における未曾有の好景気を背景にした不動産ブームに乗り、オフィスビル開発やホテル、カジノ経営などに乗り出し大成功を収め、アメリカの不動産王と呼ばれることになる(wikipedia)のである。
この1980年代はマハダシャー月期であり、ニーチャバンガラージャヨーガを4室で形成しているこの月のマハダシャーの時代にトランプは不動産王になったことになる。
これは4室で間違いなく、ニーチャバンガラージャヨーガが機能していたとしか考えられない。
このことは、ドナルドトランプの不動産王としての躍進がどのようなものであったのか、今後、研究する必要があると思われる。
例えば、この場合だと12室の支配星が4室に在住している訳だが、12室がどのような役割を果たしたのか、その点が不可解である。
通常、パラシャラの例外則では3、6、8室の支配星が減衰する場合か、惑星が3、6、8室で減衰する場合に成立するが、このケースでは12室の支配星が減衰している。
12室の支配星は損失をもたらすはずだが、ドナルド・トランプはこの時期、不動産をひたすら獲得したのであり、損失はしていないはずである。
従って、二重否定が生じてるかもしれず、12室の支配星を上記のハウスに含める必要があるかもしれない。
これは更なる研究が必要である。
マハダシャーの月をラグナとすると、ラグナロードの火星が10室から4室にアスペクトしており、不動産の建築や不動産賃貸業などに向いている配置である。
ドナルド・トランプには更に興味深い配置があり、ラグナロードの太陽が10室に在住しており、月の対向のハウスに在住している。
つまり、満月の生まれである。
然し、太陽と月はラーフ/ケートゥ軸に絡んでいるため、日蝕の生まれである。
日蝕とは、太陽がすっぽりと月に覆われて暗くなる現象である。
大昔の人は昼間に太陽が隠れてしまうため、昼間に夜が来る恐ろしい現象として体験されたと考えられる。
とにかくそれは普通の出来事ではない。
ドナルド・トランプがここに来て、大統領に立候補し、「ダークホース」候補として躍進しているのは、
この日蝕の現象が顕現しているものと考えられる。
つまり、誰もが大統領になるとは予想もしていなかった候補が、大統領になり、政治権力の地位に就く。
これはあたかも姿の見えなかったステルス戦闘機が、突然、目の前に現れるようなものである。
因みにラグナロードが10室に在住している配置は、政治家として最高の配置である。
特にラグナが支配星を太陽とする獅子座であり、獅子座は王室を表し、政治家としての最も資質のある星座である。
そして、ラグナロードが10室に在住しているとしたら、それは本来、政治家になる配置なのである。
獅子座ラグナで、ラグナロードの太陽が10室に在住する配置は小沢一郎と同じ配置である。
政治家として行政の最高職に就く配置である。
然し、この太陽が日蝕現象によって隠れているのである。
これは実際に顕現するとなると普通でない事象として現れるはずである。
然し、ここで検討しなければならないのは、ラーフは10室牡牛座で高揚しているということである。
そして、ラーフはケンドラに在住して、トリコーナの支配星である太陽と接合しているため、ラージャヨーガを形成している。
然しもラーフは高揚しているため、強力なラージャヨーガである。ラーフは10室の支配星として振る舞い、そのラーフに1室支配の太陽が接合して、
1-10室のラージャヨーガが成立しているのである。
従って、こうしたラーフと太陽のコンビネーションは敵対惑星同士ではあるが、結果は出すはずである。
非常にギクシャクした形で、つまり、大統領になるという野心を燃やして、自己顕示欲を隠しもしない異端の政治家として、猛烈に台頭してくることを表している。
それは今、まさにドナルド・トランプがテレビで本音トークをぶちまけて、やりたい放題で、支持率が上昇しているこの選挙戦に現れている。
因みに米大統領選は、2016年7月18日-21日に共和党全国大会があり、7月25日-28日に民主党全国大会があり、共和党と民主党の候補が決まった後、11月8日に一般有権者による投票および開票が行われ、12月中旬に選挙人による投票が行われる。
そして、2017年1月上旬に大統領および副大統領当選者が正式決定される。
因みに現在、ドナルド・トランプはラーフ/火星期である。
ラーフは10室で高揚し、ラグナロードの太陽と接合して、ラージャヨーガを形成している。
火星は4、9室支配でラグナに在住しているが、月から10室に在住している。
その火星に現在、木星がトランジットし、土星が蠍座からアスペクトしているためにラグナで、
月から10室でもある獅子座にダブルトランジットが生じている。
そして、アンタルダシャーロードの火星に対して、木星、土星がダブルトランジットを形成している。
また今年の1月10日からラーフが獅子座に入室もしている。
こうしたトランジットの影響もあって、今現在、ドナルド・トランプは自己顕示欲が激しくなっているのである。
因みに今年の8月12日から木星は獅子座から乙女座に移動し、山羊座や牡牛座にアスペクトして、蠍座の土星も山羊座と牡牛座にアスペクトするため、6室と10室にダブルトランジットが生じる。
10室にダブルトランジットが生じるタイミングは昇進のタイミングである。
10室ではラーフがラージャヨーガを形成し、アンタルダシャーの火星はラグナで、1-4室、1-9室のラージャヨーガを形成し、月から見て1-10室のラージャヨーガを形成している。
従って、ドナルド・トランプのヴィムショッタリダシャーは強力である。
そして、ドナルド・トランプは、2016年11月14日からマハダシャー木星期に移行する。
木星は5室支配で2室に在住し、また月から見ても2、5室支配で11室に在住している。
2室は自営業のハウスであり、また11室は願望成就のハウスであり、肩書き、飛び抜けて高い地位、称号のハウスである。
木星をラグナとすると、10室双子座で水星がバドラヨーガを形成している。
水星はアールドラーに在住しており、アールドラーの支配星はラーフで、ラーフは10室で高揚して、ラグナロードの太陽と接合している。
また木星をラグナとすると、2、9室支配の金星と5室支配の土星が11室に在住している。
この配置も強力である。
高い地位を表し、エスタブリッシュメントな人脈を表している。
金星も土星も蟹座に在住しているため、共和党系の保守的な人脈である。
因みに大統領になるとまず最初に行うのは就任演説である。
それは大統領からの国民に対する説法のようなものである。
国民に理想を示さなければならない。
ここで、ドナルドトランプは、マハダシャーラーフ期から木星期への移行によって劇的な人生観や生き様の変化を体験するはずである。
その変化というものは、おそらく大統領に当選して、自ら国民に理想を示し、偉大なアメリカの理想を示さなければならない立場に立つからではないかと思うのである。
2室に在住するマハダシャー木星期というのはそのような国民への宗教的な説法を表しているのではないかと思うのである。
そして、木星は10室に在住するラーフや太陽にもアスペクトして絡んでおり、木星期には大統領としての公務を行なうことを表しているのではないかと思うのである。
因みにナヴァムシャでは木星はラグナから見ても月から見ても10室の支配星である。
そして、ダシャムシャで見ると、木星は3、6室支配で4室で減衰して、パラシャラの例外則で、ラージャヨーガ的に働く配置である。
そして、木星から見ると、8室支配の太陽が10室で減衰して、ラーフと接合している。これもパラシャラの例外則でラージャヨーガ的に働く配置である。
つまり、木星から見て10室に太陽が絡んでいるため、公職に就くと考えることができる。
すなわち、それは大統領職に就くことを表しているのではないかと思うのである。
因みにチャラダシャーで見ると、トランプは2016年6月13日から双子座/蟹座である。
メジャーダシャーの双子座から見るとAmKの月が11室にアスペクトし、PKの火星も11室にアスペクトしているが、
サブダシャーの蟹座から見るとAmkの月が10室にアスペクトし、PKの火星もアスペクトしている。
またこれをダシャムシャ(D10)で見ると、蟹座から見て10室にAmKの月が在住している。
更にシャシティアムシャ(D60)で見ると、蟹座にはAmKの月が在住し、蟹座から見て10室で太陽が高揚している。
ドナルド・トランプは双子座/蟹座が終わった後、双子座/双子座を迎えるが、その後、2018年6月13日からはチャラダシャーが蟹座のメジャーダシャーを迎えるのである。
蟹座のメジャーダシャーは2026年6月13日まで続く。
このことから例え、ドナルド・トランプが大統領にならなかったとしても、これからドナルド・トランプは地位が上昇し、活躍する時期に入ることが分かるのである。
それもかなり長期に渡ってである。
彼ほどの実業家がこれ以上、昇進するとしたら大統領職ぐらいしかないのではないかと思うのである。
因みにドナルド・トランプは「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」とか、「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」、「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦(ごうかん)犯だ」、「国境に万里の長城を造る」といった偏狭な右翼的な発言を繰り返している。
これは彼のチャートで10室支配の金星が6、7室支配の土星と12室の蟹座に在住しているためである。
彼は民族主義者であり、愛国者であり、国内に他民族を受け入れて開かれた包容力のある国家にしたくない偏狭な保守主義者である。
これは蟹座の悪い特徴がよく出ていると思われる。
金星も土星も機能的凶星であり、蟹座で星位も弱いため、蟹座の偏狭な否定的な側面が出ていると思われる。
然し、ナヴァムシャでは双子座ラグナで土星は9室支配で2室に在住し、金星は5室支配で2室に在住している。
これは彼が蟹座的なマイホーム主義者であり、自分の家族の中に入る人間には非常に保護者的な良い面も表すことを表している。
ニューヨークのマンハッタンの目抜き通り、5番街に建設された高級アパートメントとショッピングモール、オフィスエリアを擁する複合施設「トランプ・タワー」などはスティーブン・スピルバーグやマイク・タイソンなどのセレブリティが居住しているというが、様々なテナントが同居している建物の構造は蟹座的な発想で設計されているのではないかと思うのである。
またカジノ・ホテル運営会社トランプ・エンターテイメント・リゾーツなどは、そのような蟹座的な発想からリゾートを設計しているのではないかと思うのである。
そして、またwikipediaによれば、彼の蟹座的な保守主義者としての特徴は、彼の外交政策においてもよく出ていることが分かる。
もしドナルド・トランプが大統領になったら、米国は世界の警察という立場を捨てて、軍隊を外国から引き揚げて国内に帰ることになるのである。
これはネオコンが出てくる前の本来の共和党の考え方であり、米国は国内問題だけに集中するべきだとする共和党保守の正統的な立場である。
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外交
ジョージ・W・ブッシュ元大統領をはじめとする共和党のネオコンやヒラリー・クリントンなどの民主党タカ派のリベラル・ホーク(英語版)のような世界中で反共主義や自由化、民主化を掲げて干渉する介入主義的な勢力と一線を画しており、米国は国外の事に関与するよりも国内の事象に集中して取り組んで強い米国を作るのだというモンロー主義(孤立主義)により近いとされる。また、共和党、民主党と限らず激しく敵対するロシアとも友好関係を築くべきであるとも発言しており、「米ロがもっと協力すれば、テロを根絶し世界平和を再構築することができると常に感じている。貿易のみならず、あらゆる恩恵が相互の信頼関係からもたらされる」と述べている。トランプはロシアのプーチン大統領を評価しており、プーチンもトランプを評価していることから、大統領就任は米露のデタントにつながるとの見方もある。
また、トランプは中東に深く関与したこれまでの米国の外交方針を批判しており、CNNのステート・オブ・ザ・ユニオン・ショーでの中で、以下のように述べている。
リビアを見なさい。イラクを見なさい。イラクに昔はテロリストなどいなかった。フセインならテロリストを即座に殺害していただろう。それが今や、テロのハーバード大学のようなものだ”彼が良い人物だったと言っているわけではない。彼はひどい奴だが、昔は今よりずっとましだった。今や、イラクはテロリストの教練場だ。今やリビアを、誰も知らず、率直に言って、イラクも、リビアもなくなったのだ。皆崩壊してしまった。両国はどうすることもできない。何が起きているのか誰にもわからない。
人々は首を切り落とされ、おぼれさせられている。現在、彼らは、サダム・フセインやカダフィ支配下より、かつてなかったほど酷い状態にあるリビアは大失敗だ。イラクは大失敗だ。シリアもだ。中東中が。そしてこれは皆ヒラリー・クリントンとバラク・オバマが台無しにしたのだ。日本との関係では、日米同盟について、戦時の際に無条件で日本を防衛する義務を負っていることについて「不公平」と批判的である。
内政
グローバリズム拡散による単一市場に対しては否定的であり、保護貿易主義的とされる。これが米国の保守的な白人労働者階級に支持される最大の理由となっている。TPPにも反対である。イスラム教徒の入国禁止を提案している。
共和党の候補でありながら、富裕層への課税強化、ウォール街や国際金融資本への規制強化、累進課税の強化、格差是正、社会福祉の拡充を主張している。また、その財源には大企業やグローバル資本への課税を主張しており、反緊縮の積極財政路線を取る。一方で中小企業や中間層以下には減税をすることで経済活性化を主張。このように、共和党(あるいは民主党右派)の小さな政府・民営化・トリクルダウン理論の新自由主義路線とは異なっており、むしろ民主党の左派の政策に近いとさえ言え、それが中産階級以下の保守的な白人労働者層に絶大な支持を得ている要因となっている。そのため、エスタブリッシュメント層からはポピュリストと糾弾されている。
(wikipedia ドナルド・トランプより引用抜粋、一部編集)
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そして、内政に関してもTPPには反対の立場を取り、グローバリズムによる単一市場に否定的で、保護主義的であるという。
これも蟹座の特徴である。
共和党の候補でありながら、富裕層への課税強化、ウォール街や国際金融資本への規制強化、累進課税の強化、格差是正、社会福祉の拡充を主張している所などは、民主党支持者にも広く訴える政策である。
また諸外国に軍隊を派遣する強いアメリカにうんざりしている米国民にとっては、民主党タカ派のヒラリークリントンよりも遥かに魅力的に見えるはずである。
米国の建国図を見た時に2018年10月14日から蟹座12室に在住するマハダシャーラーフ期に移行するのである。
ラーフは蟹座に在住しており、明らかにこのラーフ期にはアメリカは共和党保守の政策で国家を運営していくはずである。
すなわち、本来の保守のアメリカは国内問題に取り組んで外国のことには関わらないという立場である。
歴代の米国の支配者階級は、そのような国内に引きこもりがちな米国民をヨーロッパで行われている戦争に参加させるために様々な手段を使った。
然し、本来のアメリカは、国内で豊かに満足して生きることの出来る国民である。
世界の警察の立場を捨て、米国が軍隊を世界から引き揚げる日が近づいている。
ドナルド・トランプの外交政策や内政政策を見ると、この米国の建国図に象徴されている近未来の米国の姿が、ドナルド・トランプの政策の中に現れているように思うのである。
因みにドナルド・トランプはプーチンを評価し、ロシアのプーチンは、ドナルド・トランプを評価しているという。
もしトランプが大統領になれば、米国の東ヨーロッパに対する軍事的脅威は無くなり、米国の軍事的侵攻に対抗する意味がなくなる。
そのため、米国とロシアのデタント(緊張緩和)につながる可能性を秘めている。
従って、米国防総省は、ドナルド・トランプが、「イスラム教徒の米国入国を禁止すべき」と発言したことに対して、米国の安全保障を脅かすものだと警告したが、
実際は、米国防総省としては、ドナルド・トランプが大統領になり、世界から軍隊を引き揚げてしまうことについて懸念しているのではないかと思われる。
私はドナルド・トランプが米国大統領となるのではないかと考えている。
そして、ドナルド・トランプの外交政策と内政政策から検討すると、世界はより良くなると考えられるのである。
共和党保守は、米国は国内問題に取り組んで外国のことには関わらないという立場であり、国内で平和に生活していければいいのである。
そのように共和党の本来の保守の政策に戻ることで世界はより平和になる。
米国は国際社会での指導力を失うが、それでバランスが取れるのである。
然し、ラーフのディスポジターの月は7室に在住しているので、そうは言ってもラーフ期の18年の間、米国が全く引きこもる訳ではない。
米国はアメリカ独立革命戦争の時にマハダシャー火星期だったのだが、革命後、イギリス本国から独立し、その後、ラーフ期から米国という国家を創り、安定させていったのである。
従って、ドナルド・トランプが米国大統領となると、そうした米国のスタートラインに再び、米国民を立たせる為に彼は米国民に理想を示さなければならない。
その為にドナルド・トランプは2室に在住するマハダシャー木星期に移行するのではないかと思うのである。
このように米国が衰退していく今、この米国史上最低の大統領選挙に際して、まさに「ダークホース」で人気と不評の多い物議を醸しているドナルド・トランプが、米国大統領に当選するのではないかと思うのである。これはまさにドナルド・トランプの10室で生じている日蝕現象である。
そして共和党保守の政策で「米国は国内問題に集中し外国から軍隊を引き上げる」のではないかと思うのである。そして、世界は平和になる。
それと共にドナルド・トランプは以後、8年に渡って、チャラダシャー蟹座の時期を迎えて、世紀のヒーローになるのである。
この蟹座の分析に関して、私はかなりの自信を持っている。
例えば、三島由紀夫が何故、晩年に天皇を崇拝し、熱狂的な愛国者になって、切腹自殺を遂げたのか、それは彼が蟹座12室に在住するマハダシャーのラーフ期だったからである。
三島由紀夫は国内の自衛隊の同志に向けて演説をして散っていったがそれは非常に小さな狭い観点であった。
蟹座のラーフは民族主義的、愛国的熱狂を表しており、国内向けの活動をするはずである。
ヒラリークリントンは大統領になれない。
彼女の政治的キャリアのピークは、パラシャラの例外則を形成し、ラージャヨーガ的に働くマハダシャー太陽期で終わったのである。
マハダシャー太陽期に彼女は、オバマと大統領指名選挙で戦い、敗れた後、オバマに指名されて国務長官になった。
それが彼女の政治的キャリアのピークである。
現在、ヒラリークリントンはマハダシャー月期であり、月は2室支配で10室に在住し、10室支配の木星からアスペクトを受けている。
2015年11月1日から月/木星期に入っており、マハダシャーもアンタルダシャーも10室に絡んでいるため、大統領への出馬を表明し、目立つ立場にはいるが、
月は決して、ラージャヨーガも形成しておらず、ケーマドルマヨーガであり、弱いと考えられる。
マハダシャー太陽期のような二重否定の成功法則はそこでは期待できない。
また今年の8月12日から木星は乙女座に移動してしまう。
そうすると、ヒラリークリントンのチャートにおいて、12室と8室にダブルトランジットが形成される。
その時期は、ちょうど7月25日-28日に民主党全国大会が行われるタイミングであるから彼女は大統領候補に指名されることさえも難しいかもしれないのである。
二番手のサンダース議員が大統領候補として指名される可能性もあるのである。仮にヒラリーが指名されたとしても12室と8室にダブルトランジットが形成される状態では行き詰まりを感じるはずである。
因みにヒラリークリントンの出生時間はAM8:02で、ラグナは天秤座であるという説もあるようだが、この天秤座ラグナにしてみても、木星は8月12日から12室に入室していくのである。このようなタイミングに大統領になるとは考えられない。むしろ、大統領を辞めるタイミングである。
また木星が8月12日乙女座に入室するタイミングで、4室と8室にダブルトランジットが形成されることになるが、これも大統領に指名される時のや大統領に就任する時のトランジットではない。
また従来の双子座ラグナでは、2017年3月2日から月/土星期に移行してしまう。
この土星は8、9室支配で2室に在住しており、月から見ても11、12室支配で5室に在住である。
やはり、大統領に就任して、執務を行っていくような配置とは言えない。
またチャラダシャーで見ると、ヒラリークリントンは2016年1月25日から乙女座/蟹座である。
乙女座から見るとAmKは2室に在住しており、6室、9室、12室にアスペクトしている。
また蟹座から見ると10室にGKがアスペクトしており、大統領になれるような配置とは言い難い。
またヒラリーに迫っているサンダース上院議員のチャートであるが、出生時間は分からないので、ラグナが特定できないが、ドナルド・トランプのチャートに匹敵できるほどの目立った強さは感じられない。
従って、消去法から検討しても、ドナルド・トランプが大統領になる可能性が濃厚である。
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男の本音をくすぐるトランプの口撃
2015年12月31日(Thu)WEDGE REPORT 土方細秩子 (ジャーナリスト)
「メリー・クリスマス。カリフォルニア内陸部はドナルド・トランプを支持する。トランプに投票を」
こんな電光掲示板がクリスマス当日、カリフォルニア州コロナ周辺の高速道路に出現、人々を驚かせた。この掲示板は渋滞、事故情報などを伝えるもので、個人的あるいは政治的メッセージが現れたことはない。
止まるところを知らぬトランプ人気
掲示板を管理するカリフォルニア交通局によると、メッセージは何者かによりシステムが短時間ハッキングされたものだという。熱狂的トランプファンの仕業なのか、あるいはクリスマスジョークなのか。この電光掲示板はちょうど高速道路を走行していた夫婦がビデオ撮影、フェイスブック、ユーチューブなどに掲載し、45万回以上視聴されたという。
もはや止まるところを知らぬトランプ人気。6月に大統領選立候補を表明し、すぐに共和党候補の中で人気トップに立って以来、人々の関心は「いつ化の皮がはがれトップから転落するか」にあった、と言っても過言ではない。数々の名言(暴言)、対立候補への容赦ない攻撃、と選挙をショーに変えた、という点では評価されてもトランプ氏への関心は「怖いもの見たさ」と表現されてきた。
しかし、15年12月に入り、共和党内のトランプ支持率は下がるどころか上がる一方で、一部の調査によると4割を超える。現在2位につけるテッド・クルーズ氏の3倍近い数字で、他の候補の巻き返しはほぼ不可能、とまで言われるようになった。
トランプ人気の秘訣は、移民排斥などにより「移民に仕事を奪われている」と感じるブルーカラー、教育レベルの低い白人層の共感を得たため、と言われてきた。しかしここに来て「本当のトランプ支持率は数字よりもはるかに高い」という説も出てきた。
支持率の世論調査はネット、電話、候補者討論会の出口調査など、様々な方法で行われる。このうち電話、出口調査は匿名であっても質問者と回答者が直に接するため、「高学歴のエリートはトランプ支持を口にするのをためらう」傾向にあるという。ネットでは匿名性がより保たれるため、人々は本音の回答をしやすい。そしてトランプ氏の支持率はネット回答が常にもっとも高い。つまり表面上の数字よりもはるかに「隠れトランプ支持」が多いのでは、と予想されるのだ。
また、欧州の例を見ると、トランプ氏のような移民排斥主義がこのところ台頭してきているのがわかる。今年5月の英国総選挙では同じく移民排斥とEUからの距離を求めるUKIP(United Kingdom Independence Party)が健闘を見せた。スウェーデンの民主党、デンマークの人民党など、同じく移民排斥を訴える党が選挙当日に事前の世論調査よりそれぞれ3%多く得票した。10月のスイスの下院選挙ではスイス人民党が30%の得票、フランスでもテロ事件後、極右勢力として名を馳せたジャン・マリー・ルペン氏の娘であるマリーヌさんが党首の国民戦線人気が高まっている。
イスラム勢力によるテロ、大幅な難民流入などの問題を抱える欧米各国は、今や急速に右傾化しているのかもしれない。トランプ氏の台頭も、こうした世界の潮流に沿ったもの、との見方もできる。
下世話話でクリントン夫妻を口撃
もはや共和党内に敵なし、と自覚したのか、このところのトランプ氏は攻撃の矛先をビル&ヒラリー・クリントン夫妻に向けている。その内容もビル氏の女性問題、ヒラリー氏の「討論会中のトイレ休憩の長さ」と、実に下世話だ。しかし「女性蔑視」と批判を浴びつつも、微妙に男の本音をくすぐる内容なのだ。以前にトランプ氏は対立候補である元HP社CEO、カーリー・フィオリーナ氏の顔を批判した。見るからにキツそうな顔である。建前では「人の顔を批判するとは失礼」と言いつつも、世の男性の多くは内心でトランプ氏に同意したのではあるまいか。
米国ではすでに「クリントン対トランプ」の選挙結果予想が出始めている。それによると最新のものでもクリントン37対トランプ36、と接戦だ。ただし残りの27%は「どちらにも投票しない」「サード・パーティに投票する」と答えた。また、別の調査では国民の過半数が「もしトランプが大統領になったら米国の恥」と考える、と答えた。
2016年の大統領選挙は史上稀に見る「不人気な2人の候補」が火花を散らす結果になるかもしれない。欧州の例を挙げるなら、極右あるいは移民排斥を訴える勢力はある程度の人気は保っても最終的にはトップには立てていない。米国は唯一の例外となるのか、あるいは予定調和的にクリントン勝利となるのか。選挙当日まで予断を許さない。
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米大統領選に見る米国内に鬱積する不満の正体
ビデオニュース・ドットコム 2016年02月06日 19:56
米大統領選挙が2月1日、アイオワ州の党員集会を皮切りに本格的にスタートした。これから毎週のように各州で予備選や党員集会が開催され、民主、共和両党はそれぞれ7月の党大会に向けて党の正式な大統領候補者選びを進める。そうして選ばれた候補者の間で11月8日、大統領選の本選挙が行われ、オバマ大統領の後任となる第45代大統領が選ばれることになる。
しかし、今回の大統領選挙は少なくとも前哨戦の段階では、前代未聞の異例な事態に見舞われている。8年ぶりのホワイトハウス奪還を狙う共和党では、不動産王にしてテレビタレントのドナルド・トランプ候補が、行政経験ゼロの上にこれまで信じ難いような暴論や問題発言を繰り返しながら、支持率でまさかの首位を独走している。かと思うと、民主党の方も、公認確実と見られていた本命中の本命のヒラリー・クリントン元国務長官が、社民主義者を自任し、当初は泡沫候補扱いさえされていた74歳のバーニー・サンダース上院議員の猛追を許し、州によっては支持率で逆転されている。
当初、トランプ、サンダース両「ダークホース」候補の躍進はあくまで一時的な現象であり、いざ選挙戦が始まれば、両党とも妥当な候補者に落ち着くだろうとの見方が強かった。しかし、両候補の支持は時とともに勢いを増すばかりで、そのまま本格的な選挙戦に突入することとなった。
その緒戦となったアイオワ州の党員集会では、共和党では保守勢力のティーパーティ系からの支持が厚いテッド・クルーズ上院議員が27.6%の支持を集めてトップとなり、トランプは24.3%で2位に甘んじた。一方の民主党も大本命のクリントンが49.9%で勝利したものの、サンダースも49.6%の支持を集め、事実上、引き分けと言っていい結果だった。
アイオワの結果は一見、いざ選挙戦となれば本命候補が抜け出してくるだろうとの見方を支持しているようにも見えるかもしれない。しかし、長年、大統領選をウォッチしている上智大学の前嶋和弘教授は、むしろアイオワの結果から、トランプやサンダースの支持が本物であることが証明されたとみるべきだと解説する。
これまでトランプ、サンダース両候補の支持はあくまで世論調査という人気投票の結果であり、果たして実際の選挙戦でどの程度の人が2人に実際に投票するかは未知数だった。ところが、アイオワでは実際の投票でも世論調査に近い結果が示された形となった。現に、翌週予定されるニューハンプシャー州の予備選挙では、事前調査などの結果、トランプ、サンダース両候補がトップに躍り出る可能性が高いと見られている。
前嶋氏は、ダークスースの2候補にここまで支持が集まる理由として、米国内に鬱積する不満の存在を指摘する。急激に経済格差を拡げてきたアメリカにあって、移民や人種的少数派の台頭を脅威に感じている白人のワーキングプアが、圧倒的にトランプを支持している。また、その一方で、過重な学費ローンを抱えた上に安定的な職に就くことが難しく将来不安を抱える学生や若年世代が、サンダースの熱狂的な支持母体となっているのだという。
そのため、常識的には暴論にしか聞こえないトランプの移民排斥発言やイスラム教徒の入国拒否発言などが、そうした不満層の琴線に触れている。また、サンダースが提唱する対富裕層増税や公立大学の無償化、金融業に対する規制強化なども、不平等感を募らせる若年世代から、ようやく自分たちの代弁者が現れたと受け止められる理由となっている。
前嶋氏は現段階でトランプやサンダースが主張している政策は、実際にはほとんどが実現が困難なものだと指摘する。また、現時点では彼らの発言は米国民の不満を代弁した形になっているが、選挙戦が進むにつれてより現実的な政策にシフトしていく可能性が高いと予想する。選挙戦が深まり、トランプやサンダースの主張する政策がより現実的なものにトーンダウンした時、果たして現在の高い支持率を維持できるかどうかは未知数だ。
しかし、前嶋氏は彼らが最後まで高い支持を得続け、両党の候補者選びが党大会まで縺れる可能性は十分にあると言う。それはアメリカで格差の拡大を容認する政策が続いた結果、もはやアメリカ社会では中間層が空洞化し、一握りの富裕層と巨大な貧困層が形成されつづあるからだ。トランプやサンダースがその貧困層にアピールする政策を掲げる以上、彼らに対する支持はそう簡単には弱まることはない。しかも、そうした不満層は、過去の大統領選挙でたびたび有力候補の命取りになったちょっとした失言や過去のスキャンダル程度のことでは簡単には動じない性格を持つ。
いよいよ本格的に始まった大統領選挙を通して、ダークホース候補の大躍進の背後にある現在のアメリカ社会に鬱積する不満の正体について、ゲストの前嶋和弘氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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暴言大炎上でも共和党の「トランプ降ろし」が困難な理由
2015年12月10日(木)16時15分 ニューズウィーク日本版 冷泉彰彦
今週飛び出したドナルド・トランプの「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」というコメントは、与野党一体となっての非難の大合唱に包まれました。
オバマ政権のアーネスト報道官が「大統領候補の資格なし」と切って捨てたのを筆頭に、民主党サイドだけでなく、ブッシュ前大統領、チェイニー前副大統領、ライアン下院議長などの共和党の大物も口を極めて非難をしています。
ペンシルベニア州のフィラデルフィアといえばアメリカ建国時の首都であり、来年7月に民主党の党大会が予定されている大都市ですが、同市のマイケル・ナッター市長は「トランプの入市禁止」を宣言。一方で海を渡ったイギリスでも、「トランプ入国禁止措置を求める請願」が盛り上がっています。
そんなわけで、まともな政治家やジャーナリストの中でトランプを擁護する人間は一人もいなくなっただけでなく、保守・リベラルに関わらず、ほとんどの政治家がトランプを積極的に非難するという事態になっています。
ですが、その一方で共和党は深刻な苦悩を抱えています。
それは「トランプ降ろし」が難しいという悩みです。
トランプの暴走が止まらない中、そのトランプは今でも共和党内の支持率1位というポジションを守っています。来年2月から始まる予備選・党員集会のプロセスをトランプが生き残り、7月に共和党の統一候補となったケースはどうでしょう。その場合は巨大な中間層・無党派層におけるトランプ支持は低いため、おそらくヒラリーになると思われる民主党候補には負けるでしょう。
それどころか、大統領選と自動的に「同時選挙」となる上院の3分の1、下院の全議席の改選においても、共和党は党としての一体感を持った選挙戦ができずに後退する可能性があります。
では、今回の発言を「憲法違反」だとして、共和党全国委員会が「トランプは候補として失格」という烙印を押したとします。その場合には「違う爆弾」が炸裂するというのです。それは「トランプが無所属で出馬する」という可能性です。
この点に関しては、今回の大統領候補レースの初期段階である今年9月の時点ですでに懸念が出ていました。トランプは「予備選で負けても無所属で出るのではないか?」という不安が共和党にはありました。そこで共和党の全国委員会は、トランプに対して「予備選で負けた場合は無所属では出ません」という「宣誓書」を作ってサインさせているのです。
問題は、その宣誓書の効力です。そもそも憲法で定められた被選挙権を否定する効力は持たないという法解釈もあるのですが、それ以前の問題として例えば現時点で「トランプ失格」を宣言すると、トランプは「予備選で負けていないのに追放された」として堂々と誓約書を無視して無所属で出てくる可能性があるというのです。
実際トランプは、直近のFOXニュースの番組内で「公正に扱われないようなら無所属で出馬する」可能性を言明し、さらなる炎上を招いています。
どうして、共和党全国委員会が「トランプの無所属出馬」を警戒しているのかというと、92年大統領選の苦い経験があるからです。このとき、二期目に挑んだ現職のブッシュ(父)は、当時42歳のビル・クリントンに負けたのですが、その原因としては「湾岸戦争と冷戦に勝ったが経済が悪かった」とか「日本の宮中晩餐会で嘔吐して健康不安が出た」というような解説が多いようです。
ですが、本当の敗因は「保守分裂選挙」にあったというのが多くの歴史家の見方となっています。徹底した歳出圧縮と減税を主張したロス・ペローという富豪が18.9%の票を獲得して、保守票を食ってしまったのです。
今回の選挙も、仮にトランプが「第三極」として出てくると、似たような結果、つまり92年同様に「クリントン」の勝利が濃厚になってくるわけで、これは共和党にとっては恐怖のシナリオなのです。しかも、トランプはペローと同じ大富豪で、相当額の資金を自分で供給できる人物です。
それにしても、ここまで「暴言」を続けるトランプにどうして支持が集まるのでしょうか?
例えば、CNNが9日の朝に「トランプの支持者」を集めて討論をさせていたのですが、その場でのやり取りが参考になると思います。トランプの熱心な支持者8人の討論の中で、キャスターが「共和党のリンジー・グラハム議員」が「トランプ発言を批判」している映像を見せました。
おそらくはリベラル寄りと思われるキャスターは、「アンタ達保守の権化のような軍事タカ派のグラハム議員もダメと言っている」ことを突きつければ、支持者は「ひるむ」と思っていたようです。ですが、支持者の反応は違いました。1人の女性は興奮して「グラハムとかマケインとか、あるいはブッシュ、チェイニーなんかも全部ダメ。利権団体が後ろにいる腹黒だから」と言い放ったのです。
政治評論、とりわけ選挙評論の専門家であるNBCのチャック・トッドによると、「トランプは、ブルーカラー保守の大票田を掘り起こして」しまい、彼等は「リーマン・ショック以降の景気低迷の傷が癒えない中で、既成の権威のすべてを疑っている」層だと言うのです。「この人達は、仮にトランプが無所属で出ればついていく」という分析もあります。
そうは言っても、トランプの発言については「憲法違反」であり「大統領候補失格」だということで、メディアも与野党の政治家も「完全に一致」しつつあります。ということは、このままの状態で共和党の大統領予備選を進行するのもまた、かなり難しい状況となっています。
とりあえず、来週火曜の15日にCNNと地元ラジオの主催による「共和党候補討論会」がラスベガスで行われます。ここで共和党全国委員会とCNNがトランプの出席を認めるかどうかが注目されます。
空前の視聴率が見込まれるだけに、CNNとしてはトランプの参加を期待しているかもしれませんが、共和党としては難しい判断になります。もしかするとトランプが先手を打ってボイコットするかもしれません。来週は大統領選にとって年内の大きなヤマ場になると思います。
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コメント
コメント一覧 (6件)
私の鑑定したものの中で(私は例えば秀吉先生やミチユウ氏の様に事業として個人のチャートを鑑定するといった実践をしているわけではないので、鑑定と言うのは烏滸がましいかもしれませんが)
主に以下のものがあります。
ディエゴ・マラドーナ-蠍座ラグナで12室に減衰の太陽(10室支配星)が在住。1986年のメキシコW杯での神の手ゴール、5人抜きといった離れ業をした時、木星と土星が太陽をDTしていました。
マルコ・ファン・バステン-蠍座ラグナで12室支配星の金星が減衰。1988年のヨーロッパ選手権決勝でのボレーシュートは
サッカー史に残る有数のゴールと呼ばれていますが、この時金星にDTしていました。
デヴィッド・ボウイ-9Dでの月から見て金星が12室在住で減衰。金星-金星期に「レッツ・ダンス」などのヒット。
イチロ–蠍座ラグナで12室に減衰の太陽が在住。詳細はこちらに。http://tozai-astrology.com/jyotish/study/study001.html
アラン・ドロン-太陽が12室支配星で2室に在住。金星と水星の星座交換がこれに絡んでいる。
モハメッド・アリ-木星ラグナでの12室在住の土星。
これらの事は12室支配星がパラ―シャラの例外則として、機能している為に生じた事象
かもしれません。
その他のものについては要検証です
12室の支配星が減衰しているか、惑星が12室で減衰している場合にパラシャラの例外則が働くかということを検討したいと思っています。
またパラシャラの例外則が機能している場合にパラシャラの例外則を形成しているハウスへのダブルトランジットをトリガーとして、パラシャラの例外則による上昇が生じているかも確認したいと考えています。
但し、ラオ先生の著作の記述の中に12室で太陽が減衰している場合は良いといった言及があったと思います。
それはパラシャラの例外則とは別に提示されていたと思いますが、マラドーナやイチローの事例は除外したとしても検証に役立つと思います。
マルコ・ファン・バステンやアラン・ドロンの事例については使えそうですが、
実際、上昇が起こっていた時にこの減衰惑星のダシャーが来ていたのか、もう少し細かく調べる必要があると思います。
また減衰惑星へのダブルトランジットによっても、そうした上昇が起こっていたのかも確認したいと考えています。
デヴィッド・ボウイはD9の月ラグナからの12室なので、因果関係が薄くなりそうです。
パラシャラの例外則が機能している場合にパラシャラの例外則を形成しているハウスや惑星へのダブルトランジットをトリガーとして、上昇が生じているかということは、3、6、8室や3、6、8室の支配星に関してはそうなのですが、これまではっきりと意識してその事例を収集していません。
おそらく私の過去の検証事例の中で、何度もパラシャラの例外則がダブルトランジットによって、発火した事例はあったかもしれませんが、はっきりと意識して整理されていません。
そのように考えているのは最近、ブログでも書きましたが、これらの二重否定の法則が重要で、はっきりと機能している法則であることを認識したからです。
それらの法則は以前から知っていましたが、いついかなる時でも絶対不変に働く法則であるとは強く意識して(信用して)いない所がありました。
つまり、パラシャラの例外則はそれが形成されていれば、ダシャーであろうと、トランジットであろうと、常にその例外則による上昇が生じるのかということを確認したいと考えています。
多くの人は減衰惑星の扱いについてあいまいかと思います。
おそらくニーチャバンガラージャヨーガなどもかなりの確率や頻度で成立するため、それが形成されているのと、いないのとでは大きな違いがあるということの識別が出来ていないと思います。
つまり、惑星が減衰していたら悪い、但し、ニーチャバンガラージャヨーガが成立していたら、良い面も出るのかもしれないという程度にしか認識していないかもしれません。
しかし、ニーチャバンガラージャヨーガやパラシャラの例外則などの二重否定の法則は、それがあるのとないのとでは、全く正反対になるような非常に大きな違いとなる配置であるということをもっと強く意識しなければならないと思います。
つまり、減衰惑星を見つけること自体よりも、減衰惑星を見つけたら、そこにニーチャバンガやパラシャラの例外則が形成されているかどうかを見つけることこそが重要なことであると言っていいと思います。
イチローとモハメッド・アリを除く4名の人物のチャートは減衰惑星の発見だけでなく
何度か確認と検証を重ねていましたが
更に、追って検証した処、アラン・ドロンが俳優デビューした時期はケートゥ-水星期で、水星は減衰する太陽と接合し、減衰する金星とも絡んでいます。
ファン・バステンのヨーロッパ選手権での出来事はラーフ-ラーフ-水星期で、水星はアラン・ドロンのホロスコープのと同じ配置をしています。また、その水星期にバロンドール(またの名を欧州最優秀選手賞)を受賞しています。3度目のバロンドール受賞の時期も、2つの減衰する惑星と絡む水星期でした。
確かに機能しているように思えます。
おそらくこのような事例をもっと収集していけば減衰惑星の役割についての
確信が生じてくると思います。
そして、そうした減衰惑星に対して、ダブルトランジットを形成している時に
それがトリガーとなって、上昇が生じているかどうかです。
私も納得するために自分でもチェックしなければなりません。
事例の数は10~20ぐらい集められるといいと思います。
是非、こうした検証を続けて下さい。
秀吉先生が以前された織田信長のチャートにも、
減衰惑星の二重否定が現れているのではないかと思われます。
織田信長は牡羊座ラグナで10室に木星が在住し、減衰していますが
長篠の戦で武田勝頼の軍を破ったのは金星-木星期です。
逆行も影響してそうですが
12室支配星の減衰による二重否定が機能してるのではないかと思います。
減衰する木星が在住する星座の支配星である土星がラグナからケンドラにあるので、
ニーチャバンガラージャヨーガが形成されています。
また減衰する木星は、その在住する星座の支配星である土星からアスペクトされているので、
この条件でもニーチャバンガが形成されています。
また減衰する惑星が逆行している場合、ニーチャバンガであると見なす人もいます。
また月から見て木星は3室で減衰しているので、パラシャラの例外則も働いています。
従って、12Lの木星が減衰した結果、パラシャラの例外則で上昇が起こったとは言えません。
但し、金星-木星期に長篠の戦で武田勝頼の軍を破ったのであれば、それは上記のように
ニーチャバンガラージャヨーガや月から3室でのパラシャラの例外則が働いた効果だと思えます。
12Lが減衰したことでの効果かどうかは分かりませんが、ニーチャバンガラージャヨーガや
パラシャラの例外則が働いた結果、織田信長が金星-木星期に勝利したと解釈できるので、
その点で参考になります。
またマハダシャーの金星から見て木星が8室支配で9室で減衰しており、ここでもパラシャラの例外則が
成立しています。
因みに長篠の戦は1575年6月29日に起こったので、その時、木星は蟹座をトランジットして、
土星は蠍座をトランジットしていたようです。
この減衰した10室在住の木星にダブルトランジットが形成されていた時期で、
この減衰木星が形成するニーチャバンガラージャヨーガと、パラシャラの例外則が顕現したことが分かります。
そうした意味で、この事例は12Lのパラシャラの例外則は実証できないですが、
ダシャーとトランジットによって、ニーチャバンガラージャヨーガと
別のパラシャラの例外則が働いていることは分かるのでよい事例だと思います。