アメリカで起こったドナルド・トランプのポピュリズム旋風(右翼革命)が各国で同じように実現されていくかに注目が集まっているからである。
但し、3月に行われたオランダ総選挙では与党が第一党を維持し、極右政党は伸び悩む結果となっている。
これは左翼リベラル(水瓶座)の巻き返しが起こっているからである。
因みに左翼リベラルの価値観とは、水瓶座、双子座、天秤座が表している。
ドナルドトランプの大統領当選が確定した2月6日の翌日から木星が乙女座で逆行し始めて水瓶座にアスペクトし始めたのである。
それで射手座から水瓶座にアスペクトする土星とあわせて水瓶座にダブルトランジットを形成している。
これが右翼、民族主義、ポピュリズムが伸び悩んでいる理由である。
トランプ就任直後から、トランプに対する激しいデモが起こっているのもその表れである。
そして、オランダに引き続き、フランス大統領選挙がまもなく決選投票を迎えようとしている。
中道左派のマクロン氏(前経済相)と極右政党・国民戦線(FN)の党首マリーヌ・ルペン氏の決選投票になる見込みである。
フランス大統領選、マクロンとルペンの決選投票へ 2017年4月24日(月)10時15分 Newsweek(ニューズウィーク日本版) 23日に実施されたフランス大統領選の第1回投票は、投票終了直後に発表された出口調査で、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が5月7日の決選投票に進む見通しとなった。 妻の不正給与疑惑が打撃となり支持が伸びなかった中道右派・共和党のフィヨン元首相は敗北を認め、決選投票でマクロン氏を支持すると表明した。 仏内務省の開票速報によると、2000万票時点ではルペン氏の得票率が24.38%、マクロン氏22.19%、フィヨン氏19.63%、極左候補のメランション氏18.09%だったが、大都市で作業が進むとマクロン氏が逆転。有権者数4700万人中ほぼすべての4600万票の開票が終了した時点で、マクロン氏23.82%、ルペン氏21.58%、フィヨン氏19.96%、メランション氏19.49%となっている。 イプソス/ソプラ・ステリアの出口調査によると、マクロン氏の得票率が23.7%、ルペン氏は21.7%。ハリス・インタラクティブの調査では、マクロン氏23%、ルペン氏22%。Ifopによると、マクロン氏23.8%、ルペン氏21.6%となっている。 パリでは、出口調査の結果が報道されると、マクロン氏の支持者らが歓声を上げ、国歌を歌うなどした。 マクロン氏は、「私はナショナリストの脅威に立ち向かう愛国主義者の大統領になりたい」と述べ、支持を呼びかけた。 ルペン氏は支持者らに「この選挙の最大の争点は、われわれの文明をリスクにさらしているグローバリゼーションの蔓延だ」と訴えた。 フィヨン氏は会見で、敗北の責任は自分にあると述べ、今後はマクロン氏を支持する方針を示した。 マクロン氏は、金融市場が歓迎する穏やかな規制緩和路線や、財政健全化を掲げる。対するルペン氏は、減税や社会保障の拡充、さらに欧州連合(EU)からの離脱を訴えている。 決選投票の結果がどうなっても、60年にわたり中道左派と中道右派の主流派が担ってきたフランスの政治を大きく変えることになる。 決選投票に関するイプソス/ソプラ・ステリアの世論調査では、マクロン氏が62%得票し、ルペン氏(38%)を破ると予想。ハリス・インタラクティブの調査では、マクロン氏が64%得票して勝利すると予想されている。 出口調査を受け、ユーロが対ドルで一時1.09395ドルに上昇し5カ月半ぶり高水準を付けた。一方、円は対ドルで2週間ぶりの円安水準となる110.64円に下落した。 EUでマクロン氏祝福の声 EU内では、マクロン氏の決選投票に進出する見込みとなったことを喜ぶ声が出ている。欧州委員会のユンケル委員長の報道官はツイッターで、「ユンケル氏は、第1回投票の結果を受けマクロン氏にお祝いの言葉を述べ、決選投票の勝利を祈ると伝えた」と述べた。 ヨルダンを訪問中のドイツのガブリエル外相はマクロン氏の健闘を称え、「マクロン氏が次期仏大統領になると確信している」とツイート。メルケル首相の報道官もツイッターで「マクロン氏が強いEUと社会的市場経済を支持する政策を掲げて成功したことはすばらしい」とし、決選投票での勝利を望むとした。 [パリ/ブリュッセル/ベルリン 23日 ロイター] |
さっそくマクロン氏のチャートを作成してみたが、出生図ではあまりぱっとしない配置かもしれない。
どこがいいのか今一つ分からない。
但し、よく見ると6、9室支配の水星と3、12室支配の木星が6-12の星座交換をしている。
これはドゥシュタナハウス同士が絡むヴィーパリータラージャヨーガである。
また4、11室支配の火星と7室支配の月が4-7の星座交換をして、減衰する火星はヴィーパリータラージャヨーガを形成している。
2つの星座交換がある辺りが非常に個性的で、この辺りの星座交換がラージャヨーガ的に働いたと考えなければこのチャートは読めない。
wikipediaによれば、2008年にロスチャイルド家のフランスにおける中核銀行たるロチルド & Cieに入行し、2010年には副社長格にまで昇進し、一時期の年収は200万ユーロにも上ったと書かれている。
その後、2012年、大統領府副事務総長としてフランス大統領フランソワ・オランドの側近を務め、2014年には第2次マニュエル・ヴァルス内閣の経済・産業・デジタル大臣に就任したと書かれており、2008年ぐらいからキャリア上の上昇の時期に入っているのが分かる。
こうした上昇はちょうどマハダシャーラーフ期(2009年7月29日~)に入る直前から始まっており、主にラーフ期がもたらしたと分かるが、ラーフは出生図では9室に在住している。
ラーフ期はディスポジターがその結果を表すが、そのディスポジターの水星が、6-12のヴィーパリータラージャヨーガを形成している。
ラーフ期に何故、上昇したかは出生図において、ラーフのディスポジターの理論を使わなければ説明出来ない。
ナヴァムシャ(D9)やダシャムシャ(D10)を見ると、強力なチャートであるとはっきりと分かる。
ナヴァムシャのラグナは水瓶座で、4、9室支配のヨーガカラカの金星が2室で高揚し、2、11室支配の木星が11室でムーラトリコーナの座にあって、ラグナロードの土星と相互アスペクトしている。土星と火星は1-10室のラージャヨーガを形成して、そこに木星が参加して、1-11室のダナヨーガを形成している。
また4室では5室支配の水星と7室支配の太陽が、4-5、5-7のラージャヨーガを形成している。4室は王座を表す配置である。
今回の大統領選で勝利できるかどうかはダシャムシャ(D10)に注目する必要があるが、ダシャムシャのラグナには4、5室支配のヨーガカラカの土星が高揚して、パンチャマハープルシャ・シャシャヨーガを形成している。
そして、ラグナロードの金星と1-7室の軸で相互アスペクトして、1-4、1-5のラージャヨーガを形成している。
更に10室支配の月がラグナに在住して、1-10のラージャヨーガを形成し、5-10のラージャヨーガを形成している。
金星はラグナロードだが自室にアスペクトして金星自身を強くし、またラグナ(天秤座)に在住する土星と月を強くする。
また土星と月のコンビネーションはカリスマを表し、大衆から支持を受ける配置である。
記事の中で、「パリでは、出口調査の結果が報道されると、マクロン氏の支持者らが歓声を上げ、国歌を歌うなどした」と書かれているが、大衆から熱狂的に支持されている様子が伺える。
現在、マクロン氏はラーフ/土星/木星期である。
まず、マハダシャーロードのラーフは2室で減衰しているが、ディスポジターの火星からアスペクトされてキャンセルされている。
また減衰するラーフが高揚する星座の支配星(金星)がラグナと月から見てケンドラに在住しているので、ニーチャバンガラージャヨーガである。
減衰をキャンセルして逆にラージャヨーガ的に働く条件を3つ満たしている。
ラーフのディスポジターである火星は11室に在住しており、このハウスは中立ハウスであるが、11室は地位の獲得、成就のハウスである。
そして、9室支配の水星と7-9のラージャヨーガを5-11室の軸で形成している。
アンタルダシャーロードの土星はラグナと月の両方から見て、ラグナで高揚し、シャシャヨーガを形成している。
この配置が最も重要である。
ダシャムシャのラグナに在住する惑星はキャリア上の上昇を表すが、この在住する惑星が高揚して、強力なラージャヨーガを形成する場合は特にそれが強く約束されることになる。
この時点で、私はマクロン氏が勝利するのではないかと考えている。
世論調査の結果でもマクロン氏が有利であり、今回はどんでん返しという訳ではないが、マクロン氏が安定的な勝利を収めるのではないかと考えられる。
次に極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン氏のチャートを見てみるが、ラグナロードで、10室支配の水星が蟹座に在住し、また他に火星と太陽も在住している。
この配置から彼女が極右・愛国主義者として活動している理由が分かる。
常に書いているように右翼、民族主義、国家主義者は蟹座、もしくは蟹座-蠍座-魚座のトライアングルで代表される。
このルペン氏は、現在、ラーフ/木星期であり、選挙の結果が出る5月はラーフ/木星/土星期である。
出生図ではマハダシャーロードのラーフは7室に在住している。
ディスポジターの木星は4、7室支配で12室で9室支配の金星と接合し、4-9、7-9のラージャヨーガを形成している。
ナヴァムシャ(D9)を見ると、ラーフは6室に在住して敵と戦う配置である。
アンタルダシャーロードの木星は9室支配で2室に在住しているが、5、10室支配のラージャヨーガカラカの火星と接合し、5-9、9-10のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。
またこの木星は2室支配の太陽と2-6室で星座交換している。
2-9室のダナヨーガを形成している。
2室はスピーチを表し、9室は教育のハウスである。
従って、2室でこれらの惑星が絡む配置は名演説家の配置である。
またヨーガカラカの火星も2室に在住することで、非常に激しい強くアピールする演説を表しており、極右政党の党首としての現在の活動を表しているように感じられる。
非常に良い配置をしているが、2室は中立ハウスであり、また6室はドゥシュタナハウスである。
ラーフ/木星期は非常に良い時期であり、ラーフは木星の星座に在住している。
従って、アンタルダシャーロードの木星の働きの役割が強化される配置である。
またダシャムシャ(D10)を見ると、マハダシャーロードのラーフは6室で高揚し、5室支配の火星と同室している。
6室に2つの生来的凶星が在住しており、やはり、戦う配置である。
但し、6室でラーフが高揚しており、6室で高揚する惑星は敵も強い配置である。
この配置はそれ程、良いとは考えられない。
またアンタルダシャーロードの木星は2室で減衰しているが、ディスポジターの土星からアスペクトされている為、減衰がキャンセルされている。
但し、キャンセルの条件としてはそれだけである。
また木星が在住している2室は中立ハウスであり、良いハウスではない。
従って、選挙の時のアンタルダシャーの強さで言えば、圧倒的にマクロン氏の方が強いことが分かる。
ルペン氏のラグナで成立するシャシャヨーガや4、5室支配の土星と、10室支配の月によって形成される1-10、5-10のラージャヨーガは強力である。
やはり、分割図のラグナというものは特に重要であり、その分割図のテーマの行方を象徴するハウスである。
ルペン氏もここまで勝ち上がって来て、しかも国民戦線の党首として、大統領選を争うまでになったというのは、ナヴァムシャの木星と火星のラージャヨーガなどに見られるように強い配置があった為である。
現在、木星の逆行で、水瓶座へのダブルトランジットによって、左翼リベラルに巻き返しが起こっており、また木星が今年の9月以降に天秤座に入室すると、水瓶座と双子座にダブルトランジットが形成される。
これは左翼リベラルが強くなる状況が本格的にやってくることを表している。
そうした流れも考慮すると、マクロン氏が勝利するのが自然なように思われる。
オランダ総選挙でも極右政党が伸び悩んだ流れの中にあって、やはり、その延長で、マクロン氏が出てきたと言えるのである。
マクロン氏は、規制緩和と弱者配慮のバランス政策を主張し、EUを重視しているという。
これはバランス感覚のある妥当な政策であると考えられる。
本来、規制緩和、グローバリゼーション、自由主義という流れは変えることの出来ない方向性である。
因みにマクロン氏は29歳の時、高校時代のフランス語の先生であった24歳年上のブリジット・マクロンという女性と結婚している。
24歳年上というと、早婚の人なら24歳で子供を出産する女性もいるため、自分の母親のような年齢の女性と結婚したことになる。
マダム・マクロンは24歳年上の妻-高校教師と教え子時代からの伴走者 2017年4月25日 12:25 JST BloomBerg by Helene Fouquet もし夫がフランスの次期大統領になったら、ブリジット・マクロンさんは同国のこれまでの大統領夫人像から最も遠いファーストレディーになるだろう。 フランスのファーストレディーは派手な金遣いや不倫などでメディアをにぎわせ歴史を彩ってきたが、夫の人生の成長期に重要な役割を果たしたという点ではブリジットさんをおいて他にいない。仏大統領選挙の第1回投票で首位に立ったエマニュエル・マクロン前経済・産業・デジタル相の夫人ブリジットさんはマクロン氏の24歳年上で、同氏が15歳の時からそのガイド役、コーチ役を務めてきた。大統領選のキャンペーンでも積極的な役割を演じ、同氏の演説に助言し、公約作成を事実上支えた。 マクロン陣営のアドバイザーで2007年の夫妻の結婚式にも立ち会ったマルク・フェラッシ氏は、「エマニュエル・マクロン氏は彼女なしではこの冒険に乗り出せなかっただろう。彼には彼女の存在が不可欠だ」と語る。 マクロン氏(39)は23日、第1回投票勝利後の演説で、ブリジットさん(63)が「常にそばにいてくれる」ことに謝意を表明。夫人がいなければ「今の自分はなかっただろう」と話し、支持者は大声でブリジットさんの名前を叫んだ。投票日当日には衆人が見守る中で手をつないでいる姿が見受けられた。 マクロン氏が5月7日の決選投票を制して大統領に就任した場合、夫妻はその通常とはやや異なる経歴で世間の関心を重要な点からそらすことにならないよう注意が必要だ。夫妻の年の差はトランプ米大統領とメラニア夫人のケースと同じで、米国の場合は夫の方が年上であるだけだ。次期仏大統領は英国の欧州連合(EU)離脱決定やトランプ政権誕生の後の世界に向き合うとともに、国内では失業率が高止まりし回復の勢いの乏しい経済に直面することになる。 ブリジットさんは身長163センチ、歯に衣着せない発言をする。高校教師として仏文学とラテン語を教えていた。実家は北部アミアンで有名チョコレート「トロニュー」を製造する資産家だ。1992年に同地のイエズス会系のプライベートスクールで演劇の指導をしていた時に、当時15歳のマクロン氏と知り合った。マクロン氏はブリジットさんの作品で演じ、2人の関係は徐々に恋愛へと発展。ブリジットさんは当時の夫との間に3人の子どもをもうけていたが離婚した。 マクロン陣営のフェラッシ氏は「彼らは標準的なカップルではないが、それが2人の関係を強めている」と話している。 原題:Madame Macron: The Singular Woman Behind France’s Front-Runner(抜粋) |
実際、マクロン氏のチャートを見ると、7室支配の月が4室(母親)に在住し、4室支配の火星が7室(配偶者)に在住しており、4室(母親)と7室(配偶者)が星座交換している。
それで配偶者に母親のような役割を求めて母親のような人物と結婚したのではないかと考えられる。
因みにこの火星は7室で、蟹座のアーシュレーシャに在住している。
アーシュレーシャは、世間の常識を容易に踏み越えるナクシャトラであり、例えばそれは恋愛問題などにおいて強く発揮されるのである。
例えば、不倫、三角関係、駆け落ち、略奪婚といった恋愛に関した世間の倫理観や道徳観念を容易に踏み越える人々なのである。
アーシュレーシャの象意については以前、瀬戸内寂聴のチャートに関する記事で解説しているので是非、参照して頂きたい。
アーシュレーシャの人々の恋愛は非常に世間の常識を飛び越えている。
このマクロン氏と24歳年上のブリジット・マクロン夫人の結婚も当時、教え子と教師の許されざる恋愛であり、また略奪婚であったという。
母親の4室に母親の表示体である月が在住する配置は、母親とのつながりが深くなり、母親から離れられない関係となるが、4室に母親の表示体である月が在住する配置は、母親にとっては困難な配置と言われている。
wikipediaによれば、実の母親は医師だったと書いてあるが、この実の母親との関係はどうであったのかは気になる所である。
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