フランス大統領選で決選投票に残って大統領候補に最有力候補として急浮上したマクロン氏のチャートだが、当初、パッと見ではマクロン氏の出生図のどこが素晴らしいのか分からなかったが、調べている途中で、実はとてつもなく素晴らしいチャートだということが分かった。
マクロン氏はマハダシャーラーフ期の直前(ダシャーチッドラ)からキャリア上の上昇期に入っている。
2008年 ロスチャイルド家のフランスにおける中核銀行たるロチルド & Cieに入行
2010年 副社長格にまで昇進し、一時期の年収は200万ユーロにも上った
2012年 大統領府副事務総長(オランド大統領の側近として)に就任
2014年 第2次マニュエル・ヴァルス内閣の経済・産業・デジタル大臣に就任
つまり、この上昇はマハダシャーのラーフがもたらしたということである。
ラーフは出生図では乙女座9室に在住しているが、ラーフは水星の星座で強くなり、乙女座で定座になるという説もあり、強い配置である。
そして、マクロン氏のチャートではこのラーフのディスポジターとなる水星が木星と星座交換している。
水星は6室の支配星で、木星は12室の支配星であり、6-12の星座交換が成立している。
これは明らかにヴィーパリータラージャヨーガである。
マハダシャーラーフ期にはこのディスポジターの水星が結果を表すため、当然、この水星が木星との間で形成している6-12のヴィーパリータラージャヨーガの効果も発揮するはずである。
ラーフ期の躍進とは、このヴィーパリータラージャヨーガがもたらしたと考えることが出来る。
そもそも星座交換してる惑星は、それぞれがあたかも定座に在住しているかのように強くなるが、その上で、ヴィーパリータラージャヨーガの効果ももたらしている。
また更に付け加えると、この6室支配の水星と12室支配の木星の星座交換に加えて8室支配の太陽がそれに参加している。
従って、6、8、12室のドゥシュタナハウスの支配星の全てがドゥシュタナハウス上で絡むヴィーパリータラージャヨーガが成立している。
その意味で、この配置こそが、マクロン氏の非凡な配置である。
ナヴァムシャ(D9)の配置を見ても同様で、ラーフは水星の星座である双子座に在住している。
そして、ラグナロードの土星、10室支配の火星、2、11室支配でムーラトリコーナの座にある強い木星からアスペクトされている。
トリコーナとケンドラの支配星からアスペクトされているため、ラージャヨーガの条件を満たしている。
そして、ラーフのディスポジターである水星は4室(王座)で、7室支配の太陽と接合して、4-5、5-7のラージャヨーガを形成している。
従って、この配置があるからこそ、マハダシャーラーフ期になって政府入りし、大統領の側近として大統領府副事務総長に就任したり、経済・産業・デジタル大臣などを務めていたと言える。
そして、もし今回、大統領に就任すれば、行政の最高職に就任し、まさに王座に就くことになると言える。
ダシャムシャ(D10)の配置では、ラーフは2室で減衰しているが、ディスポジターの火星からアスペクトされているため、減衰がキャンセルされており、ラーフが高揚する星座の支配星(金星)はラグナ、月から見てケンドラに在住しているため、減衰をキャンセルする条件が更に2つ加えられ、ニーチャバンガラージャヨーガの成立条件を3つ満たしている。
これらの配置は非常に強力である。
またこの他にも火星は4、11室支配の火星が7室で減衰しているが、ディスポジターである7室支配の月と星座交換しているため、ニーチャバンガラージャヨーガが成立している。
また減衰する火星のディスポジターである月はラグナからケンドラに在住しているため、その意味でもニーチャバンガラージャヨーガである。
従って、マクロン氏の非凡性は、2つの星座交換と、ヴィーパリータラージャヨーガやニーチャバンガラージャヨーガで表されている。
特にこの3つのドゥシュタナハウス(6、8、12室)が絡み合う、ヴィーパリータラージャヨーガの効果は非常に不可測である。
一見、出生図では、高揚の惑星もなく、また定座の配置すらない(但し、ラーフを定座とする説はある)地味なチャートがこのように実は強力なチャートであったという場合の実例の一つである。
このように意外な非凡性をもたらすのが、ニーチャバンガラージャヨーガ、パラシャラの例外則、ヴィーパリータラージャヨーガなどの二重否定であり、また星座交換なども要注意である。
今回はそうではなかったが、特にニーチャバンガラージャヨーガ、パラシャラの例外則、ヴィーパリータラージャヨーガなどを同時に示している惑星は要注意である。
そして、それらが星座交換などの強い絡みによって形成されている場合などである。
そういう意味で、マクロン氏のマハダシャーラーフ期は全くあり得ないような普通でない上昇をもたらす可能性を持っている。
これまでのラーフ期にもそのあり得ない上昇がもたらされてきたはずである。
この3つのドゥシュタナハウスの絡みによって、もたらされた特別なヴィーパリータラージャヨーガが、マクロン氏の人生において、マハダシャーラーフ期にどのように普通でない上昇をもたらしたか調べてみる価値はありそうである。
一つ挙げるとすれば、マクロン氏は、初選挙がいきなりフランス大統領選であり、「政治の素人」から一躍本命に躍り出たという今回の登場も全く普通でないことは確かである。
また24歳年上の元教え子教師を略奪婚したという経歴も普通でないが、このことで逆に人気が上昇しているという。
つまり、この普通でない結婚も究極的には、今回の大統領選にとってもプラスに働いていることになる。
やはり普通でない上昇をもたらしていることは間違いないと言える。
マクロン氏のチャートの非凡性について
2017.04.28
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