アメリカ、イギリス、アルゼンチンで集団強盗が頻発 -資本主義の末期的症状 -
アメリカで頻発するフラッシュモブ強盗
最近、アメリカやイギリス、アルゼンチンなどで集団強盗が流行っているという。
去年のアメリカでの被害額は14兆円だとニュースが伝えている。
資本主義、特にここ数十年のネオリベラリズム(新自由主義)による格差拡大の結果、貧困層が、力づくで、強奪しなければ生きていけない状況になって来ていると考えられる。
新自由主義は、資本を持っている者、権力のある者が利益を最大化し、福祉やセイフティーネットは削減して、強い者だけが生き残るとする弱肉強食の思想である。
利益を拡大再生産しようとする盲目的な資本の論理が、市場を使って、あらゆるものを飲み込もうとしている。
この思想が社会に浸透している状況というのが、暗黒の時代、カリユガのもっとも堕落した社会の姿と言える。
そうした思想に対抗して、貧困層が集団で強盗する、つまり、力の行使を行ない、実力で、自らの生存を確保するというのは、新自由主義思想を逆手に取ったものと言える。
つまり、あなた方がそうくるなら、我々もこうするしかないという訳だ。
これは集団強盗という形で、犯罪として扱われているが、これに理論的正当性が与えられれば、革命行為だとも考えられる。
ロシア革命などでも、富裕層の家に労働者階級の革命家が、土足で上がり込んで、ピアノや家具調度類などを運び出している光景は、よく見られた歴史の事実である。
集団強盗が、理論的正当性を主張し、理論武装したものが、革命行為である。
つまり、今現在、目撃されている状況は、資本主義の末期的状況である。
例えば、プーチンのウクライナへの侵略行為も西側諸国による新自由主義政策の推進により、自分たちの生活(主権)が脅かされている為、近隣諸国を侵略して、土地や資源などを確保しようとした泥棒行為であり、集団強盗と言ってもいい。
国家指導者が先頭にたって、集団強盗を行っているということである。
集団強盗が起こるのは、それなりの理由があってのことであり、資本が、不公正に富を溜め込んでいる為である。
「盗むより盗まれる方が罪深い」というインドの霊的な箴言が、思い出される。
こうした状況を見て、アメリカやイギリスやアルゼンチンは、怖い社会で、野蛮な国だと考え、日本で良かったと考えている人は、現在の状況の本質が理解出来ていないと言える。
日本でも振り込め詐欺や闇バイトが流行っており、また銀座で白昼堂々と時計店に押し入った強盗行為などで、この上記の国々で起こっているような集団強盗が見られるようになったが、日本の場合、振り込め詐欺や闇バイト、万引きといった形で、弱者である老人を狙って水面下で目立たないように行なわれているに過ぎない。
アメリカやイギリス、アルゼンチンなどの社会は、振り込め詐欺に引っ掛かるような素直で未経験な人間は少ないと考えられる。
その為、白昼堂々と集団強盗が行われるに過ぎない。
日本では、コロナ下で、コロナ予備費12兆円が、使途不明金として、何に使われたのか分からない状況というのがあるが、国庫から補助金という形で、巧みに強奪されたのである。
白昼堂々と行なわなくても、公には分かりにくい形で、静かに集団強盗が行なわれるのが、日本の文化である。
アメリカでは、バイデン政権がコロナ下で巨額なばらまきを行い、その間は、集団強盗の話は聞かれなかったが、最近、集団強盗のニュースが盛んに報じられている。
こうしたばら撒きの効果が薄れて、インフレ下で、厳しい生活に置かれている人が増えていることが予想される。
最近、日本でも食品や消費財などの値段が、短期間で値上がりしている状況が見られるが、インフレというのも消費者に対するコソ泥的な行為である。
原材料費が値上がりしているから、消費者に価格として転価しなければならないのだが、盗まれたら別の者から盗み返せといった行為なのである。
資本主義は、その性質上、共食いになってしまい、共存共栄が難しいのである。
従って、人間が生き残るためには、最終的に社会主義に移行しない限り、難しいと言える。
社会主義と言っても、旧ソビエトや中国のような特権階級による全体主義的な管理体制を意味しない。
それは、シュンペーターが言うように資本主義は、最終的に自らの発展の結果、共産主義的な体制に移行せざるを得ないのである。
社会主義革命や独裁者による属人的な体制ではなく、資本主義が持つ合理性そのものが、共産主義的な体制に変わらざるを得なくするのである。
資本家が、どれだけ資本を投資して、商品を陳列棚などに並べても、そのすべてが集団強盗で奪われてしまうような状況があったら、全く資本家にとっても得にならない。
それだったら、福祉やセイフティーネットを充実させて、ある程度の富を再分配した形で、自らのビジネスが追求できた方がよいということになる。
アメリカ主導の西側システム(ディープステイト)は、資本家、エスタブリッシュメントが集団で、労働者、消費者を管理していく体制である。
一応、彼らは独裁者の出現というものを嫌うため、消費者、労働者に対してではなく、自分たちのサークル内では、民主主義的な体制を好んでいる。
一方で、ロシア、中国型の独裁者による属人的な体制は、独裁者の裁量によって、経済的苦境を乗り越える為、戦争行為(集団強盗)を行なったり、独裁権力を維持する為に国民に対して、監視を行い、反体制分子は、抹殺しなければならない。
興味深いことにアメリカやイギリス、アルゼンチンなど、西側システムを採用している国は、強盗する自由があることが分かる。
特にリベラリズムが浸透するアメリカのカリフォルニアでは、950ドル(13万円)までなら万引きをしても犯罪に問われない為、それで集団強盗が盛んに行なわれているようである。
一応、これらの国は強盗する自由がある国だと言える。
しかし、ロシアや中国には、集団強盗という話はあまり聞かれないのである。
ロシアや中国は、国家指導者や特権階級が、国民から集団強盗しており、国民は厳しく監視し、自由を制限している。
どちらがよいかと言う話である。
やはり、強盗する自由がある国の方が、マシなのではないかと思える。
集団強盗は、資本家の資本の貯め過ぎに対する抗議行動で、貧困層が生存する為の非合法の最後の手段である。
それに打って出る人が増えるという状況が、資本主義の末期的状況なのである。
資本主義が自らの姿を残すとしても、社会主義的な要素を取り入れて、人々が自らの生存を持続可能にする社会に移行しなければ、末期的な状況は更に深刻度を増していく。
共食い資本主義は、最終的に共食いで全滅してしまうからである。
そうこうしているうちに以前から予測しているようにアメリカの経済が傾き、西側システム自体が壊れようとしている。
アメリカの建国図で、2023年11月20日以降のラーフ/土星期にそれが起こると予想している。
その状況では、株式市場を始め、アメリカが作った経済システムがもはや機能せず、ネオリベラリズム(新自由主義)の推進自体がもはや出来なくなるのである。
今、起こっているのは、西側システムの資本の論理があり、その資本のシステムを導入したロシアや中国が、独裁主義によって、このシステムに反発しているという状況である。
最終的には、西側システムの資本の独裁も、ロシア、中国の独裁主義も、両方とも終わるべきである。
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