大阪でのセミナーも終わって、色々録画した動画の編集作業や写真のスライドなどを作成していた。
色々検索しながら、youtubeの動画などを見ていると、リュック・ベッソン監督の映画『フィフス・エレメント』のメインテーマ「ディーヴァ・ダンス」(エリックセラ作曲)を歌っているサラ・オレインという歌手のことを知った。
(NHK大河ドラマ「西郷どん」の「大河紀行」テーマ曲を歌っていたそうなのだが、テレビを見ていないので、全く知らなかった。)
動画では、高音で難しい歌を堂々と、歌っている姿に感銘を受けたが、コメント欄を見てもこの歌を歌えるのは、凄いと高い評価が沢山付いていた。
それで直ぐに思い浮かんだのは、チャートの惑星配置である。
優れた歌手の典型的な配置は、2室の金星であり、おそらく、サラ・オレインのように音域が広く、声量も豊かなのは木星のアスペクトなどもあるのではないかと予想した。
wikipediaに彼女のプロフィールが載っていたので、チャートを作成すると、天秤座に水星と金星が在住しており、金星は定座で強く、木星が水瓶座からアスペクトしている。
この金星を2室に設定する為には乙女座ラグナにする必要があるが、私の考えていた通り、乙女座ラグナで正しそうである。
おそらく、ラグナは乙女座のチトラーであり、徹底的に技を磨きあげて、人間国宝のようになるのが一番良いとされる、典型的な職人のナクシャトラではないかと思われる。
ラグナが乙女座のチトラーである場合、ナヴァムシャのラグナは獅子座か乙女座に絞り込まれるが、恐らく、乙女座ではないかと思われた。
乙女座をラグナに設定すると、2室で5室支配の土星が高揚し、そこに木星がアスペクトし、2室支配の金星は9室で定座に在住することになる。
2室の強さから、ここでも歌手の才能を表わすことになる。
このように即興で、ラグナを予想してみたが、実際、過去の時系列を見ると、これで正しいように思われる。
ダシャーを検討すると、4歳~21歳までがマハダシャー水星期で、水星は1、10室支配で、両親家族の2室に在住し、2、9室支配で天秤座の定座に在住する強い金星とコンジャンクトしている。
彼女は、5歳からバイオリン教育を受け、シモン・ゴールドベルクという有名な音楽家の高弟ペリー・ハートに6歳より学んだとされる。
そして、13歳からこちらも有名な音楽家ワンダ・ウィウコミルスカの指導を受けたとされる。
14歳の時にシドニー音楽院に入学し、同学院でオペレッタ「ペンザンスの海賊」の主役に抜擢され、歌のレッスンも開始したとされる。
所謂、音楽の英才教育を受けたのである。
両親は、母親が日本人の音楽家で、父親がマレーシア出身の外交官だというので、そうした英才教育を与えるだけの経済的な余裕もあったということである。
2室の強さは、両親から与えられるもの、衣服、食事、また幼少時の情操教育など、教育的で恵まれた養育環境などを指す。
2室は教育のハウスであるが、2室の教育とは、フランスの哲学・社会学者ピエール・ブルデューの言う文化資本に恵まれていたということになる。
両親の影響で、美術館や博物館に行ったり、外交官の娘であることから旅行の機会に恵まれたり、家に両親の豊富な蔵書があったり、芸術的で文化的な雰囲気に囲まれて育ったということである。
wikipediaによれば、2008年に世界で25名の学生が選ばれる東京大学の交換留学生として、オーストラリアを代表して東京大学教養学部に留学したというが、2008年はちょうどケートゥ/金星期で、ケートゥは海外を表わす12室支配の太陽とコンジャンクトし、7室支配の逆行の木星からのアスペクトを受けている。
彼女はオーストラリア生まれである為、日本に来日したことは、海外留学を意味している。
アンタルダシャーロードの金星は2、9室支配で、高等教育、留学の9室を支配しており、そして2室で定座で強いため、やはり音楽や歌にも取り組んだと考えられる。
2006年~2010年まで、シドニー大学言語学部に入学し、日本語学及び音楽を専攻したという。
ちょうど、ケートゥ期に入る直前の水星/土星期に大学に入学し、ケートゥ/ケートゥ→金星→太陽→月→火星と経過して、2010年に卒業している。
ケートゥのディスポジターである水星は2、9室支配の金星とコンジャンクトし、ケートゥはチトラーに在住しているが、支配星の火星は5室(音楽)に在住し、5室支配の土星と星座交換している。
またナヴァムシャで、ケートゥのディスポジターである水星は5室(音楽)に在住している。
水星は言語やコミュニケーションを司る惑星である為、言語学部に入学したということも納得できる。
こうした恵まれた音楽の英才教育を受けていたサラ・オレインだが、中学の時にいじめられて登校拒否になり、高校の時期は自宅で一人で勉強したという。
その頃は、ちょうど1998年からの6年間ぐらいを意味し、ダシャーは水星/月→火星→ラーフと経過した頃である。
アンタルダシャーロードの月は11室の支配星で3室で減衰しており、6室支配の土星とコンジャンクトして、その土星は8室支配の火星と星座交換している。
6室支配の火星や8室支配の土星と絡む減衰した11室(友人、同僚)の支配星の時期である為、この時期に友人たちから虐められたことが分かる。
そして、その次の水星/火星期もアンタルダシャーの火星は、3、8室支配で5室に在住し、減衰した11室支配の月とコンジャンクトする6室支配の土星と星座交換している為、やはり、11室の支配星を傷つけている。
こうして、虐められた時期というのも非常にピッタリとダシャーの推移と一致している。
音楽家の母親との確執?
因みにこのサラ・オレインが母親から音楽の英才教育を受けたことの中に少し極端に見える異常さも感じられた。
例えば、wikipediaには以下のように記されている。
楽器を演奏するため、怪我しないように幼少期より親にスポーツを禁止されており、自転車に乗ったことがなく、自動車運転免許を持っていない。また、包丁を握らないようにしていたため、料理もできなかった。 (wikipedia サラ・オレインより引用抜粋) |
スポーツのハウスは3室であるが、3室に6室支配の土星が在住し、、3、8室支配の火星と星座交換して、3室に6-8の絡みが生じている。
従って、スポーツの3室が傷ついている。
その為、スポーツを禁止されるといった極端な確執があったのかもしれない。
一方で、音楽の英才教育は受けて、バイオリンの訓練を幼少時からほどされていることを考えると、3室と5室で星座交換していることで納得できる。
自転車に乗ったことがなく、自動車運転免許も持っていないということもポイントだが、自動車などの乗り物は4室で表され、4室は料理など、家庭での活動を表わしている。
そうした4室の支配星が6室に在住して、逆行し、4室は土星と火星から挟まれて、パーパカルタリヨーガを形成して傷ついていることが、4室の象意が上手く行かないことを意味している。
そうしたことをおそらく、母親から一切禁止されたというのは異常だが、4室の支配星が6室に在住していることがそれを物語っており、母親が敵のハウスに在住しており、母親との意見の不一致を表わしている。
そして、母親の表示体である月が11室の支配星で、訓練の3室に在住し、そこに土星と火星が3-5の星座交換をして、同時に6-8の絡みも生じていることも非常に注目に値する。
私が想像したのは、音楽家であった母親が、娘を自分の分身として、娘を通して、自分の野心を実現したいが為に娘に英才教育を施したのではないかということである。
これは似たような話として、「ブラックスワン」という映画で、ナタリーポートマン演じる主人公の女性が、幼少期にバレエの英才教育を施されたが、それはバレエのダンサーになりたがったが、それを断念した母親の野心の実現として、娘にバレエの英才教育を施したとするストーリーがあったのを覚えている。
こうした教育を受けた娘は、精神的に少しトラウマを抱え、心に傷を負うことになる。
実際、「ブラックスワン」という映画は、バレエダンサーの主人公(ナタリーポートマン)が、精神に異常をきたし、現実と空想が区別できなくなる物語である。
もしこの乙女座ラグナで正しければ、サラ・オレインは、音楽家であった母親とそれに近いような関係性があった可能性も考えられる。
月が11室を支配する場合、母親が姉のようになるが、母親は野心的で、娘に対しても競争心に溢れている。
実際、娘に対して英才教育を施しながら、娘に対して、音楽家としてのライバル心や競争心も持っているという複雑な関係性なのである。
これは同じように乙女座ラグナで、月が11室の支配星であった神田さやかと松田聖子の関係性の中にも見られる。
野心的な母親が、音楽の英才教育を施し、娘であるサラ・オレインと少なからず、意見の不一致や衝突があり、過度な音楽への英才教育が、学校で友人から虐めを受けるといったことにもつながった可能性があるのである。
そうした様々な物語を感じさせるのが、この減衰する11室支配の月と、それに絡む5、6室支配の土星と3、8室支配の火星なのである。
実際、バイオリンの演奏家でもあるが、やはり、2室の強さから見て、声楽家としての才能の方がよりスムーズであったと考えられる。
もしこの配置が正しいとすれば、サラ・オレインは、葛藤しながら、バイオリンの演奏や音楽の訓練を行ったのである。
しかし、4室支配の木星は水瓶座から2室にアスペクトしており、こうした母親のおかげで、音楽の英才教育も受け、声楽家としての才能も開花したということになる。
母親とは複雑なカルマを持っていると感じざるを得ない配置である。
そうしたことで、勝手に私が、wikipediaの情報を使って、ラグナの検討をしてみたが、あながち見当外れではないと考えている。
外国語に堪能なことを考えると、5室にケートゥを持って来て、牡牛座ラグナの可能性も考えられるが、東京への留学や、中学高校時代の虐めなど、いくつかのことがダシャーの推移から説明でき、また歌手であることが、2室の金星でしっかりと説明できる。
wikipediaによれば、作曲家の光田康典がゲーム音楽曲のため、ネイティブな英語を使う歌手を探していることを知り、自ら働きかけ採用されたという。
サラ・エレインが、そうしたゲーム音楽のために歌っていることなどを考えると、乙女座なニュアンスを感じるのである。
同じように乙女座ラグナだった神田さやかも子供のころからアニメやゲームが好きで、幼い頃から『美少女戦士セーラームーン』のファンだったというが、『アナと雪の女王』といったアニメの主題歌を唱ってブレイクしたことからもそうである。
ゲームやアニメと言えば、乙女座の世界なのである。
写真の見た目からも乙女座の雰囲気が感じ取れるため、おそらく、サラ・エレインは乙女座である。
もし乙女座ラグナで正しいなら、最初に私が、おそらく2室に金星が在住して、そこに木星がアスペクトしているのではないかとする私の第一印象は当たっていたのである。
乙女座ラグナであれば、現在、金星/ラーフ期辺りであり、冒頭の「ディーヴァ・ダンス」をリリースした今は、おそらく、歌手としてのキャリア上の絶頂期なのである。
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