【原節子追悼】”永遠の処女”はなぜ結婚しなかったか?

『原節子 わたしを語る』貴田庄著を読んで、原節子の知られざる多くのエピソードを確認して、私は原節子が獅子座ラグナであることが分かった。

存在感があり、決して、演技が上手いとは言われないが、主役を演じる運命にあり、

カリスマ的スターになるのが、獅子座ラグナである。

HaraSetsuko_photo2 原節子は、”永遠の処女”と呼ばれたが、引退してから逝去が伝えられるまで表舞台には一切姿を現さなかったため、”伝説の女優”になったようである。

HaraSetsuko_chart 原節子のチャートを見ると、ラグナから見て6、7室支配の土星がラグナに在住して、7室にアスペクトバックし、月、太陽から見て、8、9室支配で3室に在住しているため、この土星は、ビジネスパートナーでもあり、師匠でもあった小津安二郎監督を表している。

HaraSetsuko_photo5 ちょうどマハダシャー土星期が始まる直前に小津安二郎監督と出会い、小津安二郎監督と共に優れた作品を世に出し、小津安二郎監督の逝去と共に女優を引退したのである。

従って、小津安二郎監督との出会いというものが、原節子にとって重要な出会いであり、それはパートナー兼、師匠との出会いを表している。

そして、マハダシャー土星期を通じて、この小津安二郎監督とパートナーシップを維持してきたのである。

この土星は、通常の俗的な意味で言う所の結婚相手と同じことを表すはずであるが、小津安二郎監督はあくまでも仕事上のパートナーでプラトニックな関係であったようである。

小津安二郎監督は、様々なネット上の情報を収集すると、自分のことを一夫多妻主義であるとか、素人の女性はダメだと発言するような人物だったらしいのである。

そして芸者の元に足しげく通うような人物だったようである。

然し、一方で、何かの席で原節子の隣に座るように設定すると、照れてしまってしゃべれなくなってしまうような人物だったそうである。

あるサイトによれば、自分が精神的に崇拝し理想とする配偶者と性的なパートナーが一致しないような男性であったというような分析が為されている。

明治、大正時代によくいたような家庭には妻がいて、外では芸者遊びをして、それを当然のこととして行うというような典型的な旦那タイプの人物であったらしいのである。

一方で、小津監督は、母親と一緒に生活して身の回りのことは母親にやってもらい、死ぬまでそのように暮らしていたそうである。

結婚というものを求めていない人物であり、本来、配偶者に求めるべき、身の回りの世話とか、性的な欲求などを芸者や母親といった別の存在に求めた人物であったようである。

HaraSetsuko_photo3 HaraSetsuko_photo4 然し、原節子のチャートを見ると7室の支配星であるマハダシャー土星期になったタイミングで小津安二郎監督と出会っているので、明らかにこの土星は配偶者という解釈になる。

原節子の結婚運というものは、このように配偶者と家庭を築くことに全く関心がない人物が自分の配偶者であるというような運勢であったということが出来る。
以前、渡辺淳一のチャートを調べていた時に私は最終的にラグナを蟹座に設定したのだが、渡辺淳一は7、8室支配の土星が7室定座に在住している。

渡辺淳一の『告白的恋愛論』では数々の女性遍歴が記されているのだが、そうした中でもきちんと配偶者たる妻が自分の故郷で堅実に家庭を維持しているのである。

つまり、渡辺淳一は、東京に出て来て好き放題やっているにも関わらず、配偶者は故郷で黙々と実際的に家庭の仕事を行っている。

この関係は、あたかもビジネス上の契約関係であるかのようである。

この配偶者は明らかに7室に在住する定座の土星である。

おそらく7室の土星というのは恋愛ということとパートナー関係が一致しない配置なのである。

それはプラトニックな関係であったり、実務的仕事上のパートナーシップであったり、非常に実際的な契約関係なのであって、ビジネスパートナーと言った方がいいかもしれない。

土星や水星は中性の惑星であり、中性の惑星が7室に在住することは良くないこととされている。

おそらくパートナーと性的な面の一致において良くない配置なのである。

従って、こうしたことから考えると、原節子の結婚運というのは、恋愛としては盛り上がらない、実際的なビジネス関係という結婚運なのである。
つまり結婚しないのではなくて、通常の結婚とは、概念が大きく異なった仕事だけで関わる結婚なのである。

これは7室をラグナとする場合も同じで、ラグナロードの土星が7室に在住しているためにやはりパートナーとは仕事上の付き合いであり、恋愛感情などにならない配置なのである。

また原節子の金星を見ると、土星からアスペクトを受けている。

結婚の表示体である金星が土星と絡むと、やはりパートナー関係が恋愛などの甘美な関係とならずに仕事上の実際的な関係になりやすいコンビネーションである。
ナヴァムシャではアートマカラカである金星は乙女座で減衰し、土星、火星、ケートゥ、太陽などの凶星から挟まれて、パーパカルタリヨーガを形成している。

ジャイミニの技法によれば、この配置は、結婚において試練がある配置であり、その生において結婚に期待することが出来ない配置である。

結婚によって何か人生が引き上げられるといった希望を持たずに自立して生きるように仕事や趣味にエネルギーを投入した方がよい配置である。
因みにラグナに在住する土星は、チャートの主の基本的なパーソナリティー傾向を表すが、原節子が抑制的で、禁欲的な性格であることを示している。

そして、欲望の3室にはラーフと火星が在住して、土星がアスペクトしており、欲望をコントロールして忍耐する強い意志力を表している。

また3室支配の金星には土星と火星がアスペクトしている。
結髪の伊奈もと著『髪と女優』に以下の原節子の言葉が紹介されているという。

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わたくしはどなたにも消極的だといわれますが、生まれつき欲が少ない性格なのかもしれません。おいしいものが食べたいとか、いいお家に住みたいとか、いい着物を着たいと思わないのです。

ですから損得でものをしゃべったり、行動したことはございません。自分を卑しくすると、あとでさびしくなるのでそういうことは一切しないようにしています。

そのために、おカユしか食べられなくなっても、いたし方のないことです。映画でも、私のやる役柄は狭く限られておりますが、この役柄を深く掘り下げていって、ただひとりの観客の心にでもほんとうにしみ入ったら、ということがわたくしの願いです。

女優としてりっぱでありたいというのがわたくしのいつわらぬ気持ちです。
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ラグナから見た8室の支配星は12室に在住し、8室にアスペクトバックしている。

8室は結婚生活のハウスであるが、8室の支配星が12室に在住することによってヴィーパリータラージャヨーガを形成している。

12室は損失のハウスである。
これは二重否定であるため、結婚生活が損失することによって、この状況が逆にラージャヨーガ的な幸福を表していると思われる。
月、太陽から見ると、7室の支配星である木星が2室で高揚している。

7室の支配星が2室で高揚する配置は結婚には良さそうな配置であるが、この木星は姉の11室から見て7室の支配星が2室に在住している配置でもある。

原節子は姉や兄に恵まれすぎており、例えば、姉の配偶者で義理の兄である熊谷久虎監督と、撮影でドイツに行くのであるが、そうした姉の夫で義理の兄である監督と仕事上で関わることで、家族欲求が満たされてしまうといったような事情があったと思われる。

つまり、この月、太陽から見て2室で高揚する木星は、姉の配偶者を意味しているが、その姉の配偶者が原節子の配偶者のようにも働いてしまうという奇妙な非常に近しい姉妹関係を築いていたと思われる。

ネット上では、この義理の兄である熊谷久虎監督には、パートナーに向けるような感情があったと書いてあるため、やはり、月、太陽から見た2室に在住する木星がそのような姉を含めた奇妙な家族関係を創りだしていたということができる。


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