読者の皆様、新年、明けましておめでとうございます。
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ここ数年、鎌倉の鶴岡八幡宮に年末年始に参拝してきたが、今年も鶴岡八幡宮に例年のごとく参拝をしてきた。
そして、そこで、おみくじを引いて、自分のこの一年の前兆学的な傾向を知るのも楽しみの一つである。
今年は「大吉」が出たので、すこぶる上機嫌となって帰ってきた。
他の家族連れの人たちも「小吉」が出たとか「中吉」が出たなどと盛り上がっている。
それで気分が良くなって、「熊手」なども買って帰ってきた。
鶴岡八幡宮は宗教法人なので、「お賽銭」と「熊手」の売り上げなどは、結局、同じものとして処理される。つまり、熊手を買ってその売り上げを宗教活動に生かしてもらえればよいのだ、などと自分を納得させて奮発して「熊手」などを買ったのである。
その帰り道、鎌倉のメインストリートである若宮大路を通り過ぎて気が付いたことがあった。
それは鎌倉の商店は皆、個性的で自己主張しているということである。
年末年始はどの商店も正月向けの特別なメニューや出し物を用意している。
鎌倉に限らず、年末年始のバーゲンセールといったことはどこでもやっていると思うが、
都心のショッピング街で行われているものは比較的大規模なアパレルのメーカーや製造業関連の企業が企画したものであると思う。
鎌倉の場合、小さな商店が集まっており、その商店の一つ一つがそれぞれ自分たちで出し物を考えて、
まるで縁日やお祭りの時の出し物のように何らかの特別メニューを催している。
それが大学の文化祭のノリで、お祭りが好きな人には非常に楽しい空間を創りだしている。
例えば、きゅうりや茄子などを一本丸ごと、漬けたものを棒に指して、客に提供したり、まぐろを扱う商店では、
まぐろの切り身を焼いて串焼きにして提供するようなサービスも行っている。
つまり、完全に縁日、文化祭のノリなのである。
日頃は、質が高く、値段も張るものを提供している鎌倉は、プライドが高く、遊び心に富んだ個性的な商店の集合体である。
つまり、鎌倉とは獅子座の街なのである。
鎌倉幕府が設置された武士の町、鎌倉は、クシャトリアが打ち立てた町であり、また日本の王族が居を構えた町であると考えると、
火の星座である牡羊座、獅子座、射手座の中でも、獅子座しか該当しない。
寺社仏閣が立ち並び、頑固に伝統を保持している鎌倉は、先祖や精神性を尊重する獅子座の町である。
私は現在、獅子座に在住するマハダシャー金星期で、獅子座にラグナや月が在住している友人たちとここ最近、鎌倉に訪れていたりしたのは、鎌倉が獅子座の町だからだったのである。
因みに新しい時代は水瓶座の時代と呼ばれている。
水瓶座の特徴が顕現する時代である。
鎌倉を歩いていて感じたことは、新しい水瓶座の水晶世界における人間の生き方とは、各人が非常に個性的に自らのサービスや商品をお互いに交換するようなお祭り的な世界であるということである。
決して全体主義的に統制された画一的な社会ではない。
以前、このブログでも論じたが、各人が非常に自由に個性的に生きる社会とは、リバタリアン社会主義(アソシエーショニズム)に該当し、これがおそらくは、私が正月に経験した鎌倉での各商店の個性的な楽しげな活動の様子である。
それに対して、ソビエトで行われたような統制的な共産主義、またドイツやイタリアで顕現した国家社会主義、そして新自由主義の下で政府の官僚と企業が一体で推進されるグローバリズム、その結果として生まれる画一化された社会(例えば、マクドナルド、大規模チェーン店)は、水瓶座の真の質の高い顕現ではない。
それらは水瓶座の時代のネガティブな表現である。
然し、こうして自由で個性的な鎌倉市民も鎌倉を世界遺産にするために厳しいルールを共同で導入して運営している。
水瓶座の時代とは、無政府主義ではなく、個性的な人間が連帯することによって、皆が従うべきルールも策定していく世界である。
アリストテレスが「人間はポリス的動物である」と言ったが、水瓶座の時代とは、一人一人の自由も増大するが、一人一人の責任も増大する。
従って一人一人の人間全てが政治にも参加しなければならない。
この最終的な水瓶座の理想的な形態、すなわち、人々が自由に好きなことをして生きる社会、お金や機会の不足がその人間の自己実現を妨げることのない世界(水晶世界)に至るには、まだ時間を要するかもしれないが、現在はその過渡期に入っていると言うことが出来る。
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戦前、戦後に東宝の大女優として活躍した原節子が、昨年の9月5日に亡くなったそうである。
昨年の11月25日付のニュースが報じている。
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昭和の大女優・原節子さん死去 42歳で引退し謎に包まれた晩年
東スポWeb 2015年11月25日(水)23時52分配信
「わが青春に悔なし」「青い山脈」「東京物語」などで知られる昭和の大女優、原節子(本名・会田昌江)さんが9月5日に肺炎のため神奈川県内の病院で死去していたことが25日、わかった。95歳。
1935年、田口哲監督の「ためらふ勿れ 若人よ」で銀幕デビュー。37年には初の日本ドイツ合作映画「新しき土」に出演し、注目を集めた。
戦後は、黒沢明監督の「わが青春に悔なし」(46年)や今井正監督の「青い山脈」前後編(49年)に出演して注目を集めると、「晩春」(49年)で初めて小津安二郎監督の作品に出演。その後、小津監督とは「麦秋」「東京物語」「東京暮色」「秋日和」「小早川家の秋」でコンビを組んだ。
62年、稲垣浩監督の「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」に出演したのを最後に42歳で引退。63年12月に亡くなった小津監督の通夜に参列したのを最後に、表舞台には一切登場しなくなった。映画関係者らとの交流も持たず、神奈川・鎌倉市内で暮らしていたという。
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引退後は、鎌倉の自宅で、映画関係者らとの交流も持たず、鎌倉の浄妙寺の境内の地続きにある自宅に引きこもって暮らしていたそうであるが、原節子が鎌倉を好んだのも獅子座ラグナだからではないかと思ったのである。
原節子に関しては、また別の記事の中で検証したいと思うが、原節子は”永遠の処女”と呼ばれる”伝説の女優”である。
このようなカリスマ的で存在感のある女優は、おそらく獅子座ラグナではないかというのが最初の直観である。
大女優となるからには強い10室が無ければならないが、獅子座ラグナにすれば10室に3、10室支配の金星が在住して、マラヴィアヨーガを形成する。
3室と10室が絡んで俳優のコンビネーションが形成され、また10室の支配星が10室に在住することによって有名になり、大きな影響力を持つ配置である。
獅子座のマガーに設定すると、原節子の様々なことが説明できる。
原節子の経歴については、「原節子 わたしを語る」貴田庄著 に詳しく記されている為、これを参照した。
例えば、原節子は二男五女の末っ子であったので、6人の兄や姉がいる。
そして、兄や姉の多くが映画産業で監督や脚本などに関わっており、家族がそのような一家であったということである。
これは原節子に大きなアドバンテージを与えたことが分かる。
デビューとなったきっかけも兄が映画監督をしていた関係で、その道に入るのは容易だったようである。
獅子座ラグナであれば、ラグナロードの太陽が11室に在住し、11室支配の水星が11室に在住して、1-11室のダナヨーガを形成している。
兄や姉の存在というものから得られる人脈や利益が大きい配置である。
11室の支配星が11室の自室に在住する配置は、基本的に兄や姉に恵まれる配置である。
3室の支配星が3室に在住したり、アスペクトバックすることと同じである。
もし獅子座ラグナに設定すると、3度の海外旅行をしたタイミングも説明できる。
1度目の海外旅行は『新しき土』の宣伝、舞台挨拶のためにドイツへ行った時のことである。
1937年3月10日に東京駅を発ち、12日に下関から船で満州に渡り、シベリア鉄道でモスクワを経由して3月27日にドイツに着いている。ドイツではアドルフ・ヒトラーはじめ、ナチ党幹部から高評価を受けたという。
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1937年3月12日、原は義兄熊谷久虎や東和の川喜多長政らと共に下関から海路大連に向かった。そこからシベリア鉄道を利用して3月26日にベルリンに到着。先に帰国していたファンクが一行を出迎え、アドルフ・ヒトラーはじめ、ナチ党幹部がこの映画をすでに見ており、皆から高評価を受けたと伝えた。宣伝省の工作もあって、原はドイツ各地で大歓迎された。この後一行はフランスからアメリカへ渡り、7月28日に帰国した(ちなみにこの『新しき土』における日独合作映画の製作は、11月25日に締結される日独防共協定の交渉と準備のための両国スタッフの往来をカモフラージュするためのものだったという)。
11月30日に発足した東宝映画株式会社に移籍する。『新しき土』への出演によって一躍、銀幕のスターダムに駆け上がった原だったが、「もっと勉強してからスターになるべきだった」と小杉勇が述懐したように、しばしば演技が未熟であるという批判にさらされることになる。今井正によれば、戦中の原は義兄熊谷久虎(戦争中に国粋主義思想にのめりこみ映画界を離れて、「すめら塾」という私塾まで創った)に影響されて「ユダヤ人謀略説」を唱えていたという。太平洋戦争中は、1942年の『ハワイ・マレー沖海戦』をはじめ『決戦の大空へ』、『勝利の日まで』、『望楼の決死隊』などの戦意高揚映画に数多く出演している。
(wikipedia 原節子より引用抜粋)
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原節子の義兄である熊谷久虎監督は、国粋主義に傾倒しており、原節子もその影響を受けたようである。
4月になってからおよそ1ヶ月ドイツ国内をまわり和服姿で舞台挨拶をした原節子は、5月下旬からパリで1ヶ月近く過ごし、その間、映画撮影所などを訪問し、その後、ニューヨークへ渡って、アメリカ大陸を横断してハリウッドで一週間程、過ごし、7月28日、船で四か月半ぶりに横浜港に戻ってきたと書いてある。
この時、木星/木星/ラーフ期である。
木星は5室支配で12室(海外)に在住し、ラーフは海外の表示体であり、また9室の支配星と接合し、更に3-9室の軸に在住している。
ラーフの対向にあるケートゥは牡羊座のバラニーに在住している。
バラニーはアドルフ・ヒトラーのラグナロードや7室の支配星が在住する星座であり、ヒトラーは牡羊座のバラニーで表されると考えることが出来る。元々ヒトラーがドイツ軍の諜報部にいたこともその為である。
原節子のチャートでは、この牡羊座9室のバラニーにケートゥが在住しているので、ナチスの幹部と交流し、「ユダヤ人謀略説」に影響されたものと思われる。
wikipediaによれば、この『新しき土』における日独合作映画の製作は、11月25日に締結される日独防共協定の交渉と準備のための両国スタッフの往来をカモフラージュするためのものだったという。
木星は蟹座の12室に在住しており、蟹座は民族主義、ナショナリズムの星座である。
またラーフも対向の牡羊座の影響を受けるため、やはり、蟹座、牡羊座という国粋主義者に典型的な星座の影響を受けていたことが分かる。
そして、木星/木星/ラーフ期以外にも、木星/土星/ラーフ期や木星/ケートゥ期にも海外に遠征している。
これらのことは獅子座ラグナでなければ説明できないため、この一点だけで、獅子座ラグナに確定できる。
原節子が、マハダシャー木星期に入ると同時に映画界でデビューしたのは、木星が5室(創作、演劇)の支配星だからである。
木星から見ると3室支配の水星が12室で自室に在住して強い。
当時の銀幕のスターは、映画撮影所で撮影していれば、それ以外はタレントのような活動はしなくても良かったため、3室や5室の支配星が12室に在住していたとしても強ければそれで良いのである。
それ以外にも原節子は、大根役者という評判があったことなども獅子座らしいエピソードである。
つまり、演技が下手くそで、何か別の人間になり切ることが出来なかった。
原節子は自分自身でいることしか出来なかった。
これは獅子座ラグナに典型的な特徴である。
織田裕二や木村拓哉、そして、米倉涼子もおそらくそうである。
獅子座ラグナは、演技が出来ない。
しかし、存在感があり、カリスマ性があるので、スターになるのである。
原節子は、木星期が始まると同時に銀幕にデビューし、そして、マハダシャー土星期が始まる直前に
小津安二郎監督と出会って、監督の作品に出演するようになっている。
小津安二郎監督は、他の監督と違って、原節子の演技を上手いと評価し、原節子をイメージして脚本も書いた。
原節子の代表作のかなりの部分が小津安二郎監督によるものである。
『わが青春に悔なし』(1946年 黒澤明)
『安城家の舞踏会』(1947年 吉村公三郎)
『お嬢さん乾杯』(1949年 木下惠介)
『青い山脈』(1949年 今井正)
『晩春』(1949年 小津安二郎)※
『麦秋』(1951年 小津安二郎)※
『めし』(1951年 成瀬巳喜男)
『東京物語』(1953年 小津安二郎)※
『秋日和』(1960年 小津安二郎) ※
つまり、マハダシャー土星期を通して、原節子は小津安二郎監督とタッグを組んで、作品を生み出してきた。
獅子座ラグナであるという前提で話を進めるが、土星は獅子座ラグナから見ると6、7室支配で1室に在住しており、パートナーを表している。
但し、月、太陽から見ると、8、9室(師匠)支配で3室(演技)に在住している。
小津安二郎監督は、彼女にとって配偶者のような存在であったし、また演技指導をする師匠でもあったのである。
だから原節子は、永遠の処女とか、生涯独身を貫いたなどと言われるが、実際は、ほぼ配偶者に相当する人物はいたのである。
それは小津安二郎監督である。
占星術の論理で考えると、原節子の配偶者兼師匠は小津安二郎監督であったとするのが妥当である。
土星は年上の相手を表しているので、原節子と年の差が、かなりあったのはそのためである。
そして、土星は通常はハードな関係を表しており、仕事を通じた関係を表している。
7室の支配星がラグナに在住していたということは常に身近にいた存在ではあるが、6室の支配星でもあるため、緊張感があり、
また月、太陽から見て、9室の支配星で師匠でもあったが、8室の支配星でもあったため、逆らえない上司でもあった。
従って、あまり気楽な感じで交際する相手ではない印象である。
仕事を通じた緊張感あるハードな関係であるといった方がいいかもしれない。
またこの土星は10室に在住する金星にもアスペクトしているため、金星が土星の影響を受けている場合、仕事を通じてパートナーと関係を築くタイプである。
また原節子は、映画で恋愛を演じることが苦手であったという。
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「私はよくお色気に乏しいといわれますし、自分でもそれを知っておりますので、自然お色気をあまり必要としない先生役のようなものを演るようになってしまうのです」
(「アサヒ芸能新聞」1950年2月7日):「原節子 わたしを語る」より
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これは10室に3、10室支配の金星が自室に在住しているが、獅子座から6、7室支配の土星がアスペクトし、火星もアスペクトして、傷付けている。
金星に土星がアスペクトしているため、官能的な演技が苦手なのである。
だから原節子はダンスも苦手だったし、そもそも女優という仕事を選択したことは間違いだったとまで自分で語っていた。
もう一つ重要なことは、原節子は舞台挨拶が苦手であったということである。
そして、自分が嫌なことは頑としてしなかったという。
これはまず獅子座ラグナの特徴でもあり、また舞台挨拶が苦手だったのは、10室に在住する金星に土星がアスペクトしていたこともある。
また創作の5室の支配星である木星は12室で高揚しており、このような配置の人は、プライベートに引きこもって精神的な生活を送ることに喜びを見出す。決して、表に出て行きたくない性格である。
また月、太陽から見ても5室支配の金星は12室で自室に在住して、土星、火星からアスペクトされている。
自分の演技は撮影所の中だけで行って、その他のパブリックな所には出ていきたくなかったのである。
原節子は1963年12月12日に小津監督が亡くなり、その通夜に出席した時を最後に女優業を引退してしまう。
この時、土星/火星期であった。
1968年9月、小津との共同脚本家野田高梧の通夜に出たのを最後に、公の場から姿を消した(wikipedia)という。
この時は、マハダシャー土星期の最後のアンタルダシャーである土星/木星期である。
土星から見て木星は5室支配で12室で高揚している。
そして、以後は、マハダシャー水星期に移行するが、水星は月、太陽から見て1、4室支配で1室に在住しているため、
家に引きこもって公的な場所には姿を見せなくなったのである。
水星はラグナから見ると2、11室支配で11室に在住しているが、11室は兄や姉、そして2室は家族を表している。
元々彼女の一家が映画産業に携わっていたため、人との交流(11室)と言っても、家族や姉兄との交流だけで事足りたのだと思われる。
水星期の後は、ケートゥ期となり、ケートゥ期の後は金星期が来たはずだが、決して、3、10室支配で10室でマラヴィアヨーガを形成する金星期になったからと言って、その時にスターになる訳ではない。
彼女が最も良い時は、小津監督とタッグを組んだマハダシャー土星期であった。
土星から見ると3、10室支配の金星が10室に在住している。
”永遠の処女”とか”伝説の女優”とか、人は色々と勝手に憶測で人を評価するが、占星術でその人のチャートを作成すると、全ての謎が明快となる。
原節子は、兄や姉や多くの家族に囲まれて、またお寺の境内に地続きな自分のプライベートな空間で、幸福な精神生活を送るスピリチャルな人であったのである。
そのような原節子の一面を知る人はおらず、映画の銀幕での姿だけが認知されている。
然し、本来は、銀幕の女優という活動は彼女がお金を稼ぐための仕事だったのであり、彼女の本質は、プライベートの精神生活の方を見なければならない。
例えば、マハダシャー木星期に彼女が600坪の土地付きの家を狛江に買って、家庭菜園で畑仕事をしていたことが、「原節子 わたしを語る」に記されている。
その時はマハダシャー木星期であると思われるが、木星から見て10室支配の火星が4室に在住して、ラーフと接合して、土星からアスペクトされているので、そのような野良仕事をプライベートで一生懸命にしていたのである。
そうしたプライベートの生活は昔、修道院などで祈って働いたキリスト教の牧師と同じである。
原節子は、そうした意味で、非常に清純な印象を与える高貴な人であり、精神的なカリスマであった。
(※原節子に関しては、年表を作成した上で、再度、詳しく検証してみたい)
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昨年が、ヒンドゥーニューイヤーチャートで検証してどうだったかを振り返ると、
まず、日本という国に激震が走った年であったと思われる。
ラグナにラーフが在住しているため、向かう方向性について賛否両論が吹き荒れた。
安倍政権に象徴されるように国家としては、貪欲に国益を追求した一年であったと思われる。
7室に3、8室支配の火星が在住し、12室支配の太陽、11室支配の月、ケートゥなどが在住している。
昨年は外交問題などで揺れた年である。
まず、中国や韓国、ロシアなどの日本に対する外交的な挑発行為などが目立った年である。
そして、日本のジャーナリストがイスラム国に拉致されて処刑されるという悲惨な出来事もあった。
日本の政府が外交的努力を続けたが、結局、解決はしなかった。
これは7室に3、8室支配の火星が在住し、12室支配の太陽が接合しているためであると思われる。
外交的な損失が目立つ年であった。
またTPPへの参加なども外交的損失である。
因みに11室は国家を支える支配者階級、重要人物を表している。
この木星は蟹座で高揚しているため、昨年は蟹座ラグナの安倍晋三首相とする自民党政権が圧倒的に政治を支配し、
強力に右翼的政策を推進した。
この木星は逆行していることにも注目である。
外交的な損失と同時に安倍晋三が米国にいって演説し日米同盟を再確認したり、外交的な努力によって右翼勢力が納得できるような成果を獲得した年でもあった。
7室と11室で星座交換し、木星が7室にアスペクトバックしている効果ではないかと思われる。
安倍政権は、海外から厳しい対応がある中で、右翼的プライドを持って、外交に力を入れた年であったと言える。
国内では安全保障関連法案(安保法案)が可決され、反対デモが巻き起こり、国内のリベラル派の弁護士や法学者が連名で異議を唱えるなど、憲法問題、法律の合憲性などの賛否両論が巻き起こった。
これは9室支配の金星が8室に在住しているからではないかと思われる。
金星は牡羊座に在住しており、何か新しいことを始めたり、前例のないことを始め、道を切り開く星座である。
然し、9室の支配星が8室に在住して、法則、正義の損失を表しているため、憲法解釈を強引に捻じ曲げて、憲法違反に近い法律を作成したことが、この配置に現れていると考えられる。
金星は3室に在住して逆行する土星からアスペクトされている。この土星がメディアであると考えると、メディアの後押しによって、安保法案が成立したと見るべきである。5室支配の土星が9室支配の金星にアスペクトしているからである。
この土星の逆行は、メディアの役割における後退を表している。権力の監視機関としての役割をメディアが果たしていない状況である。
経済政策としては、マネーサプライを増やし、インフレターゲット戦略が取られている。
その為、富裕層には良いが、インフレによって、経済的に苦しい層が増えている。
11室で木星が高揚しているため、インフレ政策によって、企業収益は上がり、また株価の上昇によって、失業問題が無くなった。
然し、一方で、世帯の収入は減少して、生活が苦しくなった世帯が増えている。
こうした状況は、経済政策が、吉凶混合の状況であることを表しており、奮闘を表している。
従って、これはラグナロードで、10室支配の水星が6室に在住している状況が表している。
6室に水星が在住しているということは、経済学者から批判を受けたり、労働者や社会的弱者からの批判を表している。
失業は改善したが、長時間労働や、実質給与の削減などで、苦しい世帯が増えて、それが社会問題を生じている。
依然として奮闘(struggle)が継続している。
それでは、2016年のヒンドゥーニューイヤーチャートを見てみるが、
まず11室に3、6室支配の木星が在住し、ラーフが接合している。
そして6室と11室で星座交換している。
これは日本の富裕層、エスタブリッシュメント、そして、支配者階級が批判にさらされることを表している。
昨年度は安倍政権のインフレターゲット戦略の欠陥はそれ程、はっきりとは見えてこなかったが、今年度は、更にその欠陥が顕在化してくると思われる。
そして、企業収益や税収も低下し、国益の達成においての失敗が露呈するのではないかと思われる。
昨年は安倍晋三のパフォーマンスが功を奏して、国際的な評価はそれなりに良かったと思われるが、今年は国際的な評価に問題が生じそうである。
9室支配の水星が7室に在住しているため、外交問題では安定してくると思われるが、但し、7室支配の火星が2室で自室に在住しているため、慰安婦問題などの最終解決のためにお金を出したり、支出は増えそうである。
2室に火星と土星が在住しているが、2室支配の火星と5室支配の土星がダナヨーガを形成し、火星は自室で強い。
経済状況は苦しいが、何とか堅実にやっていこうとする配置である。
質素倹約して、財政を健全に保たなければならない一年である。
つまり、2室に土星と火星が在住し、11室にラーフが在住して、3、6室支配の木星が在住している。
2室や11室は傷ついており、かなり財政的に苦しい印象である。
インフレターゲット政策の失敗が露呈するのではないかと思われる。
今年1年は経済的に厳しい1年となりそうである。
ラグナロードの金星が6室で高揚し、10室支配の太陽、11室支配の月と接合している。
6室で惑星の星位が強く、1-10、1-11室のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。
これは日本国内の労働者、社会的弱者には良い配置である。
今年1年は失業者や長時間労働や低所得で苦しい大衆にとっては政府の保護をもっと充実させていく可能性がある。
日本の支配者階級や富裕層は、出費が多くなり、社会保障を充実させていく1年である。
因みに通常のサンフランシスコ講和条約発効時の日本の建国図を見ると今年の夏頃、木星が10室に移動する。
そして、今現在、土星が日本の建国図の12室をトランジットしている。
今年いっぱいは12室をトランジットするが、来年から土星が1室に抜けていく。
これは新しい始まりを表すタイミングである。
そして、2017年の初頭に土星が10室のアスペクトして、10室にダブルトランジットが生じる。
10室に対するダブルトランジットは昇進のタイミングを表し、日本が国際社会の中で役割を果たす時期である。
ヒンドゥーニューイヤーチャートのラグナロードの金星が6室で高揚するという配置は、労働者、社会的弱者、マイノリティー、あるいは、発展途上国に対する援助などを表しているかもしれず、6室の吉星というのは、6室の象意にとっては決して悪くはないはずである。
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