以前、『ピカトリクス―中世星辰魔術集成』大橋喜之訳 という本を購入して、ざっと目を通してみて、非常に驚愕した。
占星術的なシンボルをイメージすることそのものが、魔術そのものであることがそこには示されていたからである。
自己啓発関連の書籍では、視覚化、イメージする力が重要視される。
イメージは、細部に渡って詳細に具体的にイメージすることに価値を置く場合があり、また目的とするゴールをイメージして途中のプロセスについてはイメージしない場合もある。
視覚化、イメージの方法には色々あるが、とにかくイメージすることが非常に重要であり、イメージすることが創造の力なのである。
この本を紹介する文章が刺激的である。以下のように紹介されており、帯にもそれが記されている。
西洋中世の闇を映す伝説の魔道書、その全容を明らかにする、待望の原典訳! オカルティストたちが渇仰し、ネオプラトニストたちが偏愛した、隠された知の宝庫の深みへと錘鉛を垂らす ラテン語版からの全訳。 韜晦に満ちた奇書の読み解きに欠かせぬ、註・解題・資料も充実! |
この本に書かれていることは、望む結果を得る為には、どのような図象をイメージをすればいいかについて延々と記されているが、その内容はほとんど占星術である。
この本自体の7割は占星術に関する話である。
然し、そうした占星術のシンボルを使って、どのようなイメージをしたり、図柄を作成すると、目的の結果が得られるかという意味で、魔術の本でもある。
従って、魔術の基礎というものは、占星術であるということがよく分かる。
占星術の用語、シンボル、そうしたものに精通して、理解して初めて、こうした本に進むことが出来る。
内容的には、占星学、マントラ、ヤントラ(護符)といったものの集大成である。
『秘密結社版 世界の歴史』ジョナサン・ブラック著の中で紹介されていたが、この本も驚愕するような内容であり、非常に価値ある本である。
この『ピカトリクス (中世星辰魔術集成)』は、ヴェーダを構成する『アタルヴァ・ヴェーダ讃歌―古代インドの呪法』に比較されるものであるが、より占星術的なシンボルの視覚化で彩られている。
この本を読んで、私は魔術というものが一体何を意味するのかを理解した。
私たちは占星術を実践することによって、知らず知らずの間に魔術の基礎を習得していたのである。
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