日本の未来 ― ジャパンライジング ―

大日本帝国憲法発布式



過去に入手して保管してあった資料を色々見返していたらインド占星術研究レポート(東西占星術研究所)が出てきた。


この中の研究内容として、大日本帝国憲法公布時のチャートで出した木星と土星の各ビナシュタカヴァルガと総合アシュタカヴァルガの点数のグラフが、日本の経済成長率の推移のグラフと相関しており、そのグラフの凹凸が一致していることを示すものがある。


このデータ(1889年2月11日 AM 8:30 東京)で、日本のマンデン図を作成して、過去の出来事を検証した所、よく説明できることが分かった。


以前、同じ日付で、00:00:01で作成したチャートで検証をしたが、今ひとつ説明しきれなかった所もあった。



然し、この8:30で作成したチャートだと、様々な過去の出来事などが非常に上手く説明できる。







チャートを作成すると、魚座ラグナで、ナクシャトラは、ウッタラバードラパダーで吉祥である。


ラグナロードの木星は10室でハンサヨーガを形成し、また5室支配で4室に在住する月と相互アスペクトしてガージャケーサリヨーガを形成している。


但し、この木星と月のガージャケーサリヨーガは、ラーフ/ケートゥ軸によって傷つけられている。


ラーフ、ケートゥ自体は、ケンドラに在住して、トリコーナの支配星と絡んでいる為、ヨーガカラカとなっている。



3、8室支配の金星がラグナで高揚して、マラヴィアヨーガを形成し、2、9室支配の火星とコンジャンクトしている。



4、7室支配の太陽は12室に在住し、6室支配の太陽も12室に在住して、これは外国との外交関係などで損失、出費を表わす配置である。



4室の支配星が12室に在住して、国土の損失を表わしている。



そして、11、12室支配の土星が5室に在住する配置も利得の損失などを表わす配置である。





ダシャーと歴史的事実を照合する


例えば、非常に興味深いのが、日本が真珠湾攻撃に踏み切った1941年12月8日のダシャーである。




マハダシャー水星期


この時、マハダシャー土星期の最後のアンタルダシャーである土星/木星期であり、直後にマハダシャー水星期に移行する。







水星は国土の4室と外交の7室を支配して、6室(紛争)支配の太陽と12室(海外)でコンジャンクトしている。



日本が米国との無謀な戦争に突入していくのであるが、大東亜共栄圏の名の下、日本を盟主として東アジアの広域ブロック化に乗り出していくのである。



欧米の植民地支配に代わり、日本中心の東亜諸民族による共存共栄を掲げたのである。



これ自体は、アメリカのネオコンが進めた21世紀プロジェクトにそっくりである。



然し、日本は東南アジアに大規模に戦線を拡大してしまったが為に兵站が長くなり、植民地から得られるものは少なく、それは多大な出費、損失をもたらした。



7室は外交のハウスであるが、傷ついた7室の支配星は戦争を表わしている。遠い外国の地での戦争である。



この7室支配の水星が、6室支配の太陽とコンジャンクトしていることは、外国からの批判を表わし、戦争を表わしている。



因みに水星は、水瓶座に在住しているが、水瓶座は本来、博愛的で、福祉的な星座であり、日本が占領した東南アジアの各国を白人の欧米支配から解放し、これらの国々にインフラを整備し、また独立出来るように支援したのである。



このように日本のアジアの植民地支配を美化しすぎるのも自己欺瞞があるかもしれないが、然し、実際、台湾など、日本の占領統治時代をあの頃は良かったと懐かしく思う人々も沢山いるようである。



この12室水瓶座はそれ程、傷ついているようには思えない。








むしろ、日本が東南アジアの国々の近代化を助けたように思えるのである。



そして、日本は米国に敗戦し、占領統治され、日本国民は、GHQのウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guilt Information Program)で、戦争犯罪を犯した罪深い国家、国民として洗脳されたのである。


大東亜共栄圏構想は、ネオコンの21世紀プロジェクトそっくりであるが、然し、日本人の本来の性質によって、白人ほどひどいことは出来なかった。



その為、東南アジアの人々は、日本の占領政策は、白人の過酷な搾取よりもよっぽどよかった。むしろ、懐かしいと思う人々が出たのだと思われる。




因みにGHQの中には、民政局(GS)というものがあり、マッカーサー司令官の分身と呼ばれたコートニー・ホイットニー准将がいて、社会民主主義志向であった。

日本の軍閥・財閥の解体、軍国主義集団の解散を行ない、男女平等などを盛り込んだ民主主義的な平和憲法を与え、憲法第九条を備えて、二度と戦争を起こさないようにするという理想主義に溢れていた。

一方で、GHQの中には、民政局と対立するチャールズ・ウィロビー少将が率いる参謀第2部(G2)という保守的な組織があり、戦後の日本が社会主義化しないように日本人の社会主義を推進しそうな要人を暗殺するなどの非常に恐ろしい裏工作を行なった。
この参謀第2部(G2)はCIAのような組織である。

その辺りの戦後のGHQが関与したと思われる殺人事件などについて、松本清張の『日本の黒い霧』で検証されている。


話が脱線したが、水星期は1943年9月~1960年9月までである。


主にGHQの占領統治を受けた時期であり、また戦後の復興を成し遂げようと努力した時期である。


1950年6月25日~1953年7月27日まで、朝鮮戦争などが起こり、朝鮮特需などで復興が促進されている。


サンフランシスコ平和条約が、1951年9月8日に結ばれ、この時に占領統治状態から独立に移行している。

(但し、日米地位協定などで、事実上の占領が続いている)


この時期は、国際社会にまだ復帰できない時期であり、1956年10月に日ソ共同宣言でソ連との国交を回復し、1956年12月18日に国連に加盟している。



つまり、水星期は、真珠湾攻撃で戦争に突入し、米国に敗戦し、占領政策を受け、国際社会に復帰するまでの時期で、まさに12室に在住する水星の象意が見られる。




このマハダシャー水星期に移行する前のマハダシャー土星期を概観すると、日本の当時の状況に非常によく合致していることが分かる。




マハダシャー土星期


土星期は、1924年9月~1943年9月までだが、この土星期に日本が軍国主義化していったのは、11、12室支配の土星が蟹座5室に在住しているからである。



蟹座は、国家社会主義、民族主義、国家主義、独裁者を生み出す星座である。



1926年12月25日に大正天皇が崩御し、昭和天皇が即位したが、その昭和天皇が日本軍を統括する大元帥となって大東亜戦争に突入したのだからまさに独裁者の時代といっていい時代である。








1929年9月4日にアメリカで株価の大暴落があり、それをきっかけにして、世界恐慌に突入する。



そして、各国がブロック経済圏を形成して、恐慌を乗り越えようとした。



1930年代は、ファシズムが台頭し、イタリアではムッソリーニ、ドイツではヒトラーが台頭し、日本では、一種のファシズムである北一輝の天皇機関説が唱えられたり、五・一五事件や二・二六事件(天皇を担ぎ上げようとした軍部の青年将校によるクーデター未遂事件)が起こった。



ファシズムが台頭し、日本が軍国主義化していった時期である。



11、12室支配の土星期は、11室の支配星である為、非常に貪欲になる時期であり、また下心ある貪欲な諸外国との同盟関係なども表わしている。



例えば、自国の利益をいかにして引き出すかという意味での計算づくでしかない日独伊三国軍事同盟などもそうである。



つまり、この土星期の日本は、欲を出し過ぎて、全てを失ったということが出来るかもしれない。



魚座ラグナの人は、11、12室支配の土星期に非常に大きな利益を得るものの最後に全てを失って一文無しになるような象意をよく経験するのである。



例えば、1928年6月4日に日本の軍部は、張作霖爆破事件を起こし、中国に進出する口実を得るのである。



1932年2月から3月には、テロリズムによる国家改造を目論む血盟団という右翼組織によって政財界の要人が多数狙われ、井上準之助と團琢磨が暗殺された事件が起こっている。



そして、1932年3月1日には、満州国建国が宣言され、この辺りは土星の11室の支配星としての利得、獲得の象意が現れている。



1933年2月24日、リットン調査団の報告に基づき、日本軍撤退勧告が国際連盟で可決されたため、1933年3月27日に日本は国際連盟から脱退している。



そして、1934年12月3日には、ワシントン海軍軍縮条約を破棄し、1936年1月15日には、ロンドン海軍軍縮会議から脱退している。



1936年5月18日には、軍部大臣現役武官制が復活し、軍国主義が強化されている。








軍部大臣現役武官制とは、現役の軍の人間が内閣の組閣を妨害することができ、政府を軍の意のままに動かすことが出来る制度である。



そして、1936年11月25日には、日独防共協定を結んでいる。



これらの一連の流れを見ると、日本が軍国主義を強化し、国際的な条約や同盟関係(11室)を放棄し(12室)、新たにドイツとの関係を強化するなど、蟹座に在住する11、12室支配の土星の象意が確認できる。



開戦直前の1940年には、米国の対日経済制裁が始まり、資源の乏しい日本は、開戦に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれている。



そして、米国に対する敗戦によって、日本は、それまでに獲得した利得の全てを失うことになった。



ハルノートなどの分析によれば、日本は米国の謀略によって、真珠湾攻撃に上手く誘導されたようであり、米国もまた貪欲な第三国であったと考えることが出来る。



つまり、11室の支配星の時期とは、自らも貪欲になるが、諸外国(11室)も貪欲なのである。




日本が中国に利権を獲得しなようにする為、国際連盟加盟の各国は、日本に日本軍撤退勧告を行なったのであるが、その当時、自らも中国に進出して利権を握っているような立場で、同じような立場であったことは注目に値する。





日本は総力戦に突入し、5室に在住する12室支配の土星が象徴するように国民は戦争に総動員され、教育を受けられなくなり、子供は疎開し、全ての芸術、映画、音楽などの文化活動、娯楽を享受できなくなった。



これは、5室を12室支配の土星が傷つけている為である。





このように蟹座に在住するマハダシャー土星期に国家社会主義が台頭し、戦争に突入したというのは、非常によく理解できる。






それでは、少し遡って、土星期の前のマハダシャーラーフ期や木星期はどんな時期だったかということである。





マハダシャーラーフ期



ラーフ期は、大日本帝国憲法が公布された翌年(1890年9月)から始まり、1908年9月までの18年間である。








ラーフは4室に在住しているが、5室支配の月、1、10室支配の木星と絡んで、ラージャヨーガを形成している。



従って、この時期は、日本が近代化、富国強兵を計って、国力を増強した時期である。




例えば、マハダシャーラーフ期には以下のような出来事が起こっている。



1889年2月11日 皇室典範が公布され、7月1日は東海道本線が開通


1890年4月21日 民法を公布し、5月17日に府県制・郡制を公布


1890年7月1日 第1回帝国議会選挙が行なわれ、11月29日に第一回帝国議会開会を開会


1890年12月16日 東京・横浜間で官営の電話事業が開始


1892年6月21日 鉄道敷設法が公布され、1893年10月31日には、文官任用令が制定


1894年7月16日 日英通商航海条約(領事裁判権の撤廃・最恵国条款の相互化)を締結し、欧米列強と対等な立場を取り戻す


1894年9月17日 日清戦争で勝利し、下関条約を締結して、中国に対する利権を獲得


(因みに1899年9月6日に米国が清に対する門戸開放宣言を行ない、中国に対する利権を要求している=欲望丸出しのアメリカ)


1905年5月27日 日露戦争で勝利


(『完全近現代史年表』より引用抜粋、一部編集)


このようにラーフ期は、日本が近代国家としてのインフラ整備や法整備などの基礎を固めた時期であることが分かる。


その結果、国際社会での地位が上昇し、欧米列強との対等な立場を勝ち取ったのである。



因みに1905年10月12日に桂首相が南満州鉄道に関してハリマン提案を受けている。


ハリマン提案とは、南満州鉄道をアメリカと共同経営しようという提案だが、後に小村寿太郎はこれを拒否している。



この頃の日本は、まさにアメリカの要求をはねつけるだけの力強さがあり、また4室のラーフの影響で、国土の拡大に対する欲求が強かったようである。




このようにマハダシャーラーフ期に蓄積した国力を背景に更にマハダシャー木星期には、日本はその野望を拡大させていく。





マハダシャー木星期


木星期は、1908年9月~1924年9月までであるが、この間に主に起こった出来事は、南満州鉄道株式会社の設立による本格的な満州の経営である。



この頃、多くの日本人が、新天地で一旗揚げようと、満州に移り住んだ。



まさに10室でハンサヨーガを形成する射手座の木星で表されるような拡大発展である。







おそらく大東亜共栄圏といった大望もこの10室の強い木星から出てきたことは明らかである。



射手座は戦闘的で、非常に高い理想や志を抱く星座であり、また実際、それを獲得する為の十分な実力を持つ星座である。



然し、おそらく木星がケートゥによって傷つけられている為に欧米列強の介入により、日本の南満州の経営が思うように進まないといった状況をもたらしたということかもしれない。




そして、1914年8月23日には、日英同盟を理由に日本は、ドイツに宣戦布告し、1915年1月18日に対華二十一カ条の要求を袁世凱政権につきつけている。



日本は、欧州で起こった第一次世界大戦に便乗して、中国に対して更なる権益を拡大していくのである。




このマハダシャー木星期の特徴は、ラーフ期に蓄積した国力を背景に、その力で、海外(満州、他)に勢力を拡大した時期である。



満州だけでなく、アメリカに新天地を求めた多くの日本人が移り住んだ時期でもある。



然し、その一方で、1913年5月2日、アメリカ・カリフォルニア州で外国人の土地所有を禁止する法律[排日土地法]が成立している。



勢力を拡大し外国にまで溢れだしていく日本人への風当たりも強くなり、米国で日本人をターゲットにした排日政策も起こったことが分かる。



現在、海外に溢れだしていく中国人と全く同じである。








1913年9月1日には、中国で、袁世凱の軍によって南京が占領された際に日本人居留民殺害事件(南京事件)も発生している。




マハダシャー木星期の時点で、日本は領土を拡大して物質的に発展し、完全に欧米列強の仲間入りをして、巧みに勢力を拡大したが、欧米列強の介入にも合うことになった。



その辺りは、木星にコンジャンクトするケートゥに現れている。




ケートゥは、思い違い、誤算、失望、幻滅、裏切りなどを経験させる惑星である。



またこの時点で、かなり軍国的な体質が出ていたが、まだ日本に力強さがあり、外国に付け込む隙を見せるまでには至らなかった。



然し、11、12室支配のマハダシャー土星期になって、国際的な条約から脱退したり、無謀な戦争を始めたりして自滅の道を歩んだのである。






それでは、マハダシャー水星期が終わって、戦後が終わった後、日本のその後は、ダシャーによってどのように解釈できるかである。






マハダシャーケートゥ期



ケートゥ期は、1960年9月~1967年9月まで続くが、ケートゥは、上述したように思い違い、誤算、失望、幻滅、裏切りなどを経験させる惑星である。



ケートゥ期に移行する直前、1960年1月19日に日本の政府が、新安保条約・日米地位協定に調印している。



この時、岸信介首相率いる全権委任団が調印したが、岸信介は、米軍によって巣鴨プリズンに収監されていた時に米国に協力する見返りに釈放してもらっている。



弱みを握られてCIAのエージェントになった人物である。



日本は、サンフランシスコ平和条約後、独立国になったように装われながら、実際の所、米国の占領政策は続いていたのである。







ケートゥには諜報、スパイという象意があり、10室に在住するケートゥは、国家の中枢、首相クラスにCIAのスパイ、裏切り者がいたということである。



他に読売グループの正力松太郎も、ポダムという暗号名のCIAのエージェントである。



戦後の日本というのは、このようなもやもやとした公には、はっきりとしない失望や幻滅を抱えた国になっている。



然し、米国の対ソビエト、反共の防波堤となるために日本の経済成長は後押しされ、このケートゥ期にGATT11条国へ移行し、IMF8条国へ移行し、OECDへ加盟している。



然し、これは本当の意味での日本の独立国としての繁栄とはいえないものである。



このもやもや感というものが、10室のケートゥで表されるかもしれない。







マハダシャー金星期



マハダシャー金星期は、1967年9月~1987年9月の間であるが、この時期は、日本の高度経済成長の時期~バブル経済崩壊の直前までの時期である。




米国は日本を反共の防波堤とする為、日本に積極的に技術移転し、日本の経済成長を後押しした。




日本は貿易黒字となり、貿易不均衡などが生じたが、米国はそれを問題とせずに日本に黒字貿易を続けさせたのである。




米国の後押しがあった為、欧州などでも全く規制がかけられず、日本は、貿易によって莫大な売り上げを挙げた。




そして、日本はやがて、バブル経済で、米国の世界貿易センタ―ビルを買収するまでになるのである。







金星は、3、8室支配で、ラグナで高揚しているため、日本は米国の技術移転や駐留米軍に防衛してもらえる為、それ程、防衛力に予算を使わなくてもよいといった状況の中で、経済的繁栄のみを負い続けることが出来た。



然し、それは米国の力に頼ったおかげでもある。




然し、それによって日本が失ったものは大きく、日本は米国の従属国、属国に成り下がったのである。




つまり、8室支配の金星がラグナで高揚している配置は、支配者(8室)としての米国に常に管理されるという配置である。




米国に依存し、支配されるが、経済的には繁栄するという配置である。




他国の軍隊が駐留しているという異常な状態がこれを物語っている。




3室の支配星がラグナで高揚している状態は、国民が、テレビや映画などで、芸能界のスターやスポーツ選手に夢中になる様を表わしているかもしれない。




例えば、CIAの日本占領統治戦略として、3S政策というものが、有名である。



3Sとは、スポーツ(Sports)、セックス(Sex)、スクリーン(Screen)の略で、日本国民を娯楽や快楽に溺れさせて、政治への興味を失わせるという政策である。


この3、8室支配でラグナで高揚する金星とは、日本人が、駐留米軍やこれらの3S政策で、軍事的に経済的に精神的に支配されている状態かもしれない。



ラグナというのは、国民と国の一般的な状況、公衆衛生、国民の性格などを表わすハウスである。




このラグナの状態が、こうした状態である為、金星期になって、経済的繁栄の中で、物質的快楽に溺れて、国民性が変容したのである。




もはや米国に抵抗しようとする気概もなく、戦後に安保闘争が起こったような状況ではなくなっている。




あの頃は、まだケートゥ期であった為、国民も不満や失望を持ち、為政者に対して、何か違うという違和感を感じていたと思われるが、もはや、経済的な繁栄の中で、そうしたことはどうでもよくなってしまった、つまり、米国に完全に洗脳されたといってもいいかもしれない。





ところが、こうした米国の対日基本政策は、その後、冷戦の終結と共に根本的に変化するのである。



それが、マハダシャー太陽期への移行と共に始まっている。



バブル経済の崩壊が起こったのもその頃である。







マハダシャー太陽期


マハダシャー金星期の頃は、日本は短期間ではあったがアメリカのGNPを抜いて、世界No.1の経済大国になった。



それで米国の貿易センタービルを買収するなど浮かれ騒いでいたが、それは米国が、日本を反共の防波堤にするという基本路線があったからである。



マハダシャー太陽期は、1987年9月~1993年9月までである。








まず日本銀行が、市中銀行への窓口指導によって、融資枠を制限し、それまで抱負に供給されていた企業への融資を一斉に引き上げたのである。


そのことで、まず、不動産バブルが弾けて、1991年3月ぐらいからバブル経済の崩壊につながるのである。



そして、その後、失われた10年、20年、30年を過ごすことになる。



この大きな原因は、米国の日本経済を育成するという基本路線が変わったからである。



円の支配者 – 誰が日本経済を崩壊させたのか』のリチャード・ヴェルナーによれば、三重野康、福井俊彦、前川春雄らの日銀のプリンスたちが、この状況を作ったのであり、米国の連邦準備銀行、米国の支配者階級の意向を汲み取って、忖度したか、実際に指示されたかして、それで、急激な金融引き締めを行なったということである。



そして、別の記事でも書いたが、1989年にアメリカの国際経済研究所の研究員で、国際経済学者のジョン・ウィリアムソンが発表した論文の中で、「ワシントン・コンセンサス」という用語が取り上げられ、以後、米国が世界に市場原理を推進していくことを宣言したのである。


そして、その市場原理主義政策は、日本もターゲットとなり、日本の規制緩和、市場開放などを迫ることになる。


1989年から貿易摩擦などで、ジョージ・H・W・ブッシュ政権の時から日米構造協議という形で、日本の市場開放を迫ってきたが、クリントン政権の時には、スーパー301条に基づいた市場開放を高圧的に内政干渉に近い形で要求し、その後、年次改革要望書という形で、毎年、要求を突き付けて来た。



マハダシャー太陽期がそのきっかけになったことは非常に理解できる。



何故なら、太陽は6室の支配星で、7室支配の水星と12室でコンジャンクトしている為、米国が日本に対して経済戦争を仕掛けたことがよく分かる。



それで、敗戦後の占領統治時代の日本のような状況になったと考えられる。



太陽は6室支配で12室に在住して、ヴィーパリータラージャヨーガを形成しているからか、日本は、銀行の不良債権処理を行ない、経費削減、不採算部門の閉鎖など、様々な企業努力で、その難局をやりくりして来ている。



それが6室支配の太陽が12室に在住する意味かもしれない。






マハダシャー月期


その後、1993年9月~2003年9月まで、マハダシャー月期となり、そして、2003年9月~2010年9月までが、マハダシャー火星期である。



内閣府の基準によれば、1991年3月~1993年10月までが、平成不況と定義しているため、その時期は、ちょうどマハダシャー太陽期にすっぽりと重なっている。



その後、2003年からITバブルが生じて、日本も多少の好景気に傾いた感があるのである。



この変化をマハダシャーの月期への移行がもたらしたかもしれない。



当時を振り返ると、この時期は、全体的な経済状況として、今のようなひどい状況ではなく、日本にはまだ余裕があったと思われる。






マハダシャー火星期


2003年9月~2010年9月は、マハダシャー火星期であるが、この頃は、2、9室支配の火星がラグナに在住している。



この時期の大きな出来事としては、2003年3月20日からイラク戦争が始まったことである。



この頃、日本のリベラル左翼のデモ運動が活発に行なわれており、ジョージ・ブッシュによるイラク戦争に対する反対運動も盛んに行なわれた。



また2008年9月15日頃にリーマン・ブラザーズの経営破綻から始まったリーマンショックによる世界的規模の金融危機により、ウォール街を囲め運動なども生じた。








日本でもそれに呼応する動きなどもあったかもしれない。



また2010年からアラブの春が起こっている。



外国で起こった活動であるが、日本でもその雰囲気や精神を共有した状況があったと思う。



これは9室支配の火星がラグナに在住する効果として、日本人一般に9室(ダルマ、正義)の影響が現れた結果だと思われる。






マハダシャーラーフ期


次に2010年9月~2028年9月までが、マハダシャーラーフ期である。



つまり、既にダシャーが一巡してしまったことになる。







ラーフ期の初め、2011年3月11日に東日本大震災が起こっている。



これは明らかに4室のラーフの象意である。



その後も水害や地震などが多発していることにも表れているかもしれない。



ラーフのディスポジターの水星が、12室で、6室支配の太陽とコンジャンクトしており、多大な損失を表わしている。



ちょうどマハダシャー水星期に無謀な戦争に突入し、日本が敗戦で焼け野原になったことと比較することが出来る。




1889年2月11日に大日本帝国憲法が発布された翌年から、日本はインフラを整備したり、法整備を整えて、近代国家としての基礎を固めたのである。



つまり、今の日本は、その近代日本の草創期と似たような状況である。




例えば、若手の論客の一人である落合陽一が『日本再興戦略』といったビジョンを示して、そこに賛同している人々も見られるが、AIなどが台頭してくる新しい時代における日本の復活の道筋を提示する人が増えている。



日本は、明治維新後の何もない所から出発した近代日本の草創期と同じような状況なのである。







今現在、日本は、ラーフ/水星期(2018年8月~2021年3月)であり、本当に戦後の焼け野原の状態かもしれない。



新型コロナウィルスが襲い掛かって、経済が疲弊している状況がそれを物語っている。




然し、2028年9月からマハダシャー木星期が始まっていることを考えると、その頃から、ジャパンライジング(日本の躍進)が始まると考えることが出来る。




何故なら、大日本帝国憲法発布直後の日本もそれ程、パッとしないからである。




日清、日露戦争などを挑まれて、日本はやっとのことで勝利している。



特に日露戦争に至っては、当時、日銀副総裁であった高橋是清は、戦費調達のために戦時外債の公募で同盟国のイギリスに向かったという。



投資家は、兵力差による日本敗北予想や日本政府の支払い能力への懸念があったというが、高橋是清は、



「この戦争は自衛のためやむを得ず始めたものであり日本は万世一系の皇室の下で一致団結し、最後の一人まで闘い抜く所存である」



と述べたそうである。




だから、今、日本は頼りない状況かもしれないが、日本人の精神力、底力を見せるべき時であるとも言える。




そうして、2028年9月以降、ジャパンライジング(日本の躍進)が始まるのである。





このようなシナリオは、考えられるシナリオである。



何故なら、今後、世界恐慌が起こり、中国では、香港でもや武漢でのコロナ被害、大規模なデモ活動など、体制転換が生じ、アメリカもまだ大分先まで、12室に在住するマハダシャーラーフ期である。



特に中国に押し寄せるバッタの大群、そして、環境汚染と、頻発する自然災害、アメリカもコロナ後に世界恐慌が来れば、ダメージを受けて立ち直れない。




到底、他国を管理している状況ではなさそうに思える。




従って、中国とアメリカが共倒れになり、アメリカが衰弱して衰えた所で、米軍が日本から撤退し、それで、日本が独立国として再生する可能性も考えられる。




中国とアメリカ及び西欧諸国は、多大な被害を被ったが、日本は何故か、コロナが流行っても、死亡率が極端に少ないのである。




これらの国々は神の逆鱗に触れたが、日本は逆鱗に触れてはいないようにさえ見える。






サンフランシスコ平和条約時のチャート


敗戦後に独立した日本の建国図では、2029年12月からマハダシャー金星期に移行する。



金星は出生図では6、11室支配の機能的凶星で、土星によって傷つけられているが、ナヴァムシャの配置が非常に強いのである。







ナヴァムシャでは、ラグナから見て5室支配で10室で高揚し、月から見て5室で高揚している。




またナヴァムシャ以外でもサプタムシャ(D7)、ショダシャムシャ(D16)、ヴィムシャムシャ(D20)、サプタヴィムシャムシャ(D27)など4つの分割図で高揚し、それ以外でも友好星座などに在住して強い配置である。



特にチャトゥルヴィムシャムシャ(D24)では、水星と星座交換し、シャシティアムシャ(D60)では、土星と星座交換している。



また非パラシャラ系の分割チャートであるD11などでも金星は高揚し、D5のアイヤー版でも更に金星は高揚している。



またD6やD8でも金星は高揚している。



またD11のアイヤー版では、金星は水星と星座交換している。



金星は、非常に強い為、何らかの良い象意が期待できる。





それまでの2022年12月~2029年12月までの7年間は、変容の時期である。



何か日本人の心に深い変容がもたらされ、自信がもたらされるのではないかと思われる。



ケートゥは変容をもたらす惑星であり、9室に在住していることから、精神的変容である。



そして、そこから日本人は間違ってはいなかったという確信が生じるのである。




おそらく世界恐慌で、世界が苦しんでいる間に日本人はその悟りを得るのである。






日本の未来は明るいか?


今回、大日本帝国憲法の公布日(1889年2月11日 AM 8:30 東京)で、チャートを作成した所、ラーフ期⇒木星期⇒土星期⇒水星期⇒ケートゥ期⇒金星期⇒太陽期と日本の過去の状況が、チャートの配置通りになっていることが、非常に分かりやすい形で、確認出来た。


これ程、分かりやすいのは、例えば、中国の建国図のマハダシャー土星期から水星期への変化などでも経験したが、それに匹敵するか、それ以上である。



日本の右翼のように「日本はすごい」と自画自賛する気にはなれないが、大日本帝国憲法のダシャーの推移から見て、現在のマハダシャーラーフ期は、何もない一からのスタートの時期である。



日清、日露戦争の時のように国民が一丸となって精神力で、難局を乗り切る時期である。






この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA