孫正義のチャートから見る資本主義の行方



孫正義が今年(2021年)の4月半ば頃に過去最高益を出したとニュースが伝えていた。



【独自】巨額赤字から一転、ソフトバンクGの最終利益4兆円台後半…国内企業で過去最高
2021/04/21 07:08 讀賣新聞オンライン

ソフトバンクグループ(SBG)の2021年3月期連結決算(国際会計基準)で、最終利益が4兆円台後半になる見通しとなった。国内企業では過去最高となる。世界的な株高を追い風に、投資先の新興企業の上場などで利益が押し上げられた。20年3月期の巨額赤字から一転、最高益を更新する。

好調の要因は、投資ファンド事業だ。韓国インターネット通販大手「クーパン」など複数の出資先が株式上場し、高値で取引されたことで数兆円の含み益が生じ、利益に反映された。グループの携帯電話子会社ソフトバンクやネット通販大手のヤフーも、コロナ禍での「巣ごもり消費」などで業績が好調だった。

 20年3月期は投資ファンド事業が足を引っ張り、過去最悪の約1兆円の最終赤字を計上した。

 SBGは近年、投資会社としての性格を強めており、世界の株式市場の動向によって業績が浮き沈みしやすい構造となっている。

 SMBC日興証券によると、国内企業の最終利益はこれまで、トヨタ自動車の約2・5兆円(18年3月期)が最高だった。海外企業では、米アップルが約6兆円(20年9月期)、米グーグルの親会社が約4・2兆円(20年12月期)。


驚いたのは、昨年は、いつ倒産するか分からないなどと論評されていたにも関わらず、いつのまにか復活しているようである。



単なる不動産会社で、テクノロジー企業でも何でもないウィワーク(Wework)という会社に1兆円投資して、ウィワークの不祥事などで上場延期になり、巨額の損失が確定して、孫正義がどうなるかに注目が集まっていた。







孫正義が危機に陥ったのは、2018年6月~2019年6月の水星/火星期に行なった投資の判断ミスによるものである。



アンタルダシャーの火星は12室(損失)の支配星で、生来的凶星の土星のアスペクトなども受けている為、巨額の損失を計上したのである。



この時期、元ゴールドマンサックスの社員たちがソフトバンクに入社して来て、その箴言に乗せられたのか、全く価値のない会社に巨額の投資をしてしまったのである。



孫正義のラグナを牡牛座に決定する際にもこの危機となった時期を12室支配の火星のアンタルダシャーの時期に設定すると、上手く説明できることも材料としている。



私は、孫正義の次の水星/ラーフ期は、奮闘の時期であると考えて、前回の記事にもそのように書いた。



ラーフが、ラグナから見て、6室(奮闘:struggle)に在住していたからである。


6室の凶星の時期は、困難がありながらも何とかそれを乗り越えていくという時期になる。決して惨めなだけではない時期である。




但し、この時期は、孫正義にとってまさに「奮闘」の時期であったことは間違いないようである。




孫正義は、2016年に英国の半導体設計大手のArm(アーム)を3.3兆円で買収した。



ARMを買収した直後、自らCPUの設計に関わることができることに喜びを示し、その後もARMを買収してつくづく良かったと感慨深く語っている。



然し、孫正義は、2020年9月13日に約400億ドル(約4.2兆円)でNVIDIAにArm(アーム)を売却したのである。



3.3兆円で買ったものを4.2兆円で売却したので大きな利益が出たが、このArm(アーム)は、孫正義が今後、IOT(インターネット・オブ・シングス:物のインターネット)が進んでいく中で、全てのデバイスや電子機器類が、インターネットに接続する時代となるに先立って、事業戦略として、CPUの設計についての技術を持つこの会社は、今後も保有してゆきたい会社の一つであったはずである。


然し、それを手放して、少しでも利益を確定し、また兆単位の資金で、自社株買いを繰り返さなければならなかったのである。



それで、株高などの後押しもあって、やっとのことで、乗り越えた危機である。



これはまさに水星/ラーフ期の奮闘と言えるものではないかと思われる。



ラーフのディスポジターは、金星で、金星はラグナロードで、2、5室支配の水星と1-2、1-5のダナヨーガを形成している為、それで奮闘の結果、水星/ラーフ期の後半において復活を成し遂げたのである。




この孫正義のダシャーの推移からは、ダシャー解釈の重要な原則を学ぶことが出来る。



マハダシャーが、2、5室支配の水星で、月から見ても5室支配の水星で、機能的な吉星であるような場合、アンタルダシャーに多少、生来的凶星や機能的凶星が来たとしても、基本的にはマハダシャーの吉意が結果を支配し、その凶意は、部分的なものに留まるのである。



また孫正義の場合、アンタルダシャーロードの12室支配の火星は、マハダシャーロードの水星とコンジャンクトして絡んでいる為、基本的に吉凶混合すると解釈できる。



従って、孫正義の水星/火星期の危機は、部分的なものに留まり、その後の奮闘で、何とか復活を果たすことが出来た。




喉から手が出る程、欲しかったArm(アーム)を生き残りの為に手放したということは、孫正義にとっては大変な奮闘であったことは間違いないのである。



そして、次は、水星/木星期(2021年12月~)が控えている。







この水星/木星期は、出生図、ナヴァムシャ、ダシャムシャなどでダナヨーガやラージャヨーガを形成する強い配置であり、私は、孫正義が復活する時期だと前回の記事で書いたのである。



然し、その水星/木星期になることを待たずに水星/ラーフ期の現在、孫正義は復活したようである。




但し、上述したようにその舞台裏では生き残りをかけた大変な苦労があったと考えられる。





この孫正義のチャートは、牡牛座ラグナで上手く説明できるが、孫正義の性格は、クリティッカーの特徴が強いため、クリティッカーであるという前提で考えると、ナヴァムシャのラグナは、水瓶座、魚座、牡羊座に絞り込まれる。



このうちで、事業家として成功しそうなのは、ナヴァムシャが水瓶座ラグナの場合だけである。



従って、私は、孫正義に関しては、ナヴァムシャのラグナの修正にも成功したと考えている。



この為、アンタルダシャーの象意のタイミングが綺麗に説明出来るのである。






資本主義の未来


因みにこの孫正義のチャートを眺めていて、気づくことは、2026年12月からマハダシャーがケートゥ期に移行するということである。



この時期を孫正義の引退の時期であると考えたが、そのような一個人の出来事を示すだけでなく、この時は、株式市場が消えてなくなってしまうような激震がある時期ではないかと考えた。



現在、中国が覇権を取るかといった問題があるが、今の株式市場は、基本的にニューヨーク証券取引所(ウォール街)など、米国が運営している市場である。



孫正義の12室に在住するケートゥ期は、基本的にディスポジターの火星が結果を表わす時期であるが、その火星は12室(損失)支配の火星である。






孫正義が水星/火星期に大変な危機に陥ったことを考えると、このケートゥ期は、孫正義の株式という資産が全て吹き飛んでしまうようなそうした大きな社会的なイベントが起きる可能性も示唆している。



それは例えば、世界覇権の交代などによって、米国が運営する株式市場の価値が一気に崩れてしまうというような出来事である。



孫正義のソフトバンクグループは、今は、ITや通信の会社ではなく投資会社に変貌しており、巨額のファンドを運営する会社であり、孫正義の損失というのは、社会的にも余程、大きなイベントになるはずである。



そうしたことを考えると、孫正義がマハダシャーケートゥ期に移行する2025年~2026年というタイミングは、非常に重要なタイミングであると考えられるのである。





この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA