別府 - 日本一湯の出る蠍座の街 -


帰宅前の最後に旅の疲れを癒すため、最後の目的地、別府に向かった。


密かに楽しみにしていた最後の目的地である。


以前、大分県の日田市に日田天領水という癒しの水が出る場所があった為、そこを訪れた時があったが、隣接地である別府の公園で、寝袋で野宿したのを覚えている。


あまり時間がなかったため、その時は、温泉なども対して味わうことが出来なかった。


今回は3日間ある為、かなり様々な温泉を堪能できそうである。


(因みに私は水の星座が強いせいか、温泉に入れる場所では必ず温泉に入るのが習慣である)



別府に到着するやいなや、私は別府のあらゆる日帰り温泉を堪能しようと、駅前の旅行案内所につめて、最も温泉通の人が行く、温泉を教えてほしいと頼み込んだ。



観光客ではなく、温泉通の人が、湯治(とうじ)で何日も滞在して訪れているような場所を訪れたかった為である。


その案内所で教えてもらった別府の日帰り温泉で、最も良さそうな場所を1日5~6カ所、3日間で計15~18か所ぐらい訪れて入る感じになった。


温泉ソムリエになれそうなぐらい様々な湯質や温泉の作りや設備などを味わったが、少し勤勉過ぎたかもしれない。


温泉で疲れを癒すというよりも取材するかのような感じで、次から次へと温泉に入った。


今回、限られた時間で様々な温泉を堪能する為に積極的にタクシーを活用して、時間を効率的に使ったが、タクシーの運転手は、慣れているだけあって、別府の温泉の魅力について非常に詳しかった。



別府は、日本で一番の湯量を誇る温泉地である。



そもそも温泉に入るという行為は、非常にユニークであり、日本が世界に誇る伝統文化である。



従って、別府は、世界一の温泉地といってもいいかもしれない。



2番目の湯量は、群馬県の草津温泉であり、3番目は、湯布院であるという。



因みに湯布院は、別府からバスで行くことができる別府の隣接地である。



草津温泉と湯布院の湯量を合わせても別府の湯量にはかなわないそうである。



湯量というのは、単位時間あたりに地中から湧き出す湯の量である。



このように豊かな湯量があるため、温泉はほとんど源泉掛け流しである。



つまり、地下300メートルぐらいから汲み上げて、川の中の管を通すなどして冷やして最適な温度に調節した湯にそのまま入れるということである。



他の地域でも温泉には入れるが、たいていは循環ろ過式と言って、温泉から出た湯をろ過して再度、温泉に戻していたり、その際に再度、沸かしたりしているのである。



従って、別府の源泉掛け流し温泉は、湯量が豊富な地域でのみ可能な贅沢な温泉である。



また別府は、別府だけで7種類の湯質を味わうことができるという点で、他の地域には例がないという。



湯質とは、温泉に含まれているミネラルなどの成分、効能の違い、色の違いなどのことである。



こうしたことを普通に街を走っているタクシーの運転手が温泉に向かう合間に詳しく教えてくれた。




別府の街を海岸に向かって歩く途中に北浜という、スナックやクラブなどが立ち並び、客引きたちが、店の前にずらりと並んで、歌舞伎町のような雰囲気のある田舎の歓楽街がある。


その様子を見た時、私はこの街に蠍座の象意を感じ取った。


三日目に泊まった宿の経営者の話では、最も別府が輝いた時代は昭和30年代で、国が赤線といった売春区域を認めていた時代に炭鉱労働者の親方が多くの部下たちを引き連れて訪れていたような時代であるという。


多くのお金が、この街で使われ温泉旅館などの経営者が経済的に潤ったのだという。


温泉だけが売り物というのでは、経済的には、なかなか厳しいと宿の経営者がぼやいていた。




つまり、私がこの旅の間に見た別府とは、本当の意味での別府らしい別府ではないのである。


水の星座(魚座)の時代の黄金期に栄えた別府とは、今現在の別府とは、おそらく全く別物だと思われる。





また別府というと、地獄巡りが有名だが、最初、私は地獄巡りとは、温泉に入れるのだとばかり思っていた。



然し、実際は観光するだけの場所である。



海地獄、鬼石坊主地獄、かまど地獄、鬼山地獄、白池地獄、血の池地獄、龍巻地獄など、色々ある。



地獄と呼ぶ由来は、熱い湯が噴き出す土地には、当然、作物なども育たずに荒れ地と化してしまうため、その様子を地獄に喩えたようである。




因みに占星術の象意で考えると、水が地面から噴き出している土地は、明らかに水の象意なのである。



然し、その水が100°ぐらいの熱い湯であり、冷やさなければ火傷してしまう。



当然、作物も育たずに全く農地としては、使い物にならない。



然し、地面から湯が噴出しているのを面白いと思って見物に来る客が増えて、それで、観光サービスの地になったということである。




ここでの教訓は、短所というものは、視点を変えれば、むしろ、長所になるということである。



別府は、農地としては、全く栄えることが出来なかったが、温泉、サービスの街としては栄えることが出来たということである。



これは人においても同じで、農民の中に一人だけ背の高い女性が生まれたら、農作業には向かないかもしれないが、モデルの世界では大成功するかもしれない。





別府は明らかに水の象意の街ではあるが、出てくるのが、熱い湯であるというのは、魚座、蟹座、蠍座と水の星座がある中で、蠍座が支配星に火星を持っているからではないかと思われる。



魚座は支配星が木星で、蟹座は月であり、蠍座は火星であるが、支配星が唯一生来的凶星なのである。



だからか、”地獄”というイメージが生まれたのではないかと思われる。



因みに水は感情に喩えられるが、熱い湯は、熱い激しい感情を意味している。



おそらく、これは熱く激しく嫉妬深い蠍座の情を意味しているのではないかと思われる。



世間の皆様も経験があるかもしれないが、蠍座の女性から恨まれたら地獄だが、感謝されれば極楽浄土である。



ヒンドゥー教的に言えば、ドゥルガー女神とか、カーリー女神であり、怒り狂って、人の生首を持った怒れる女神達である。



この別府において、様々な小説のモデルとなるような男女の激しい感情的確執の物語が生まれたことだろう。





私は、別府にて、様々な日帰り温泉に入ったが、具体的に言うと、最初に湯布院の「塚原温泉」や「束の間」という温泉を勧められた。



塚原温泉は火山の火口付近にある温泉で、湯治場として有名で普通の観光客が行かない通の温泉として紹介してもらった。



酸性の湯が皮膚病などによく効くという。





塚原温泉




車でしか行けない為、タクシーで行ったが、行く価値は十分あると思われる。



その途中にある「束の間」という温泉もいい温泉である。





束の間



束の間は、湯の色がコバルトブルーである。





夢想園



そして、山の上にある眺めのいい夢想園という温泉もいいかもしれない。





そして、湯布院で、全く有名とは言えないが、下の湯という管理人のいない温泉が意外に良かった。




下ん湯




ここは管理人がいないので、200円を入り口付近の鉄のポールの所についている穴に入れて、勝手に入る温泉設備である。



中に入ると、地元の人なのか、1人先客が入っていた。



コインロッカーも何も付いていないので、盗難の危険はあるが、そんなことを考えていたら、どこにも入れない。



私は早速、入ってみたが、そのような場所は観光客が敬遠するためか、利用者も少なく、非常に贅沢な空間を楽しむことができる。





別府では、明礬温泉(みょうばんおんせん)が有名であり、また鉄輪温泉で、温泉の蒸気で食材を蒸す「地獄蒸し」がよいと勧められていたが、実際、地獄蒸しで、蒸した野菜なども食べてきた。



こうした地獄蒸しをするには、最初から鉄輪で、地獄蒸しの設備を備えていて、借りられる旅館に泊まった方が良いようである。




このようにして、私は1日5~6箇所の温泉を廻るハードなスケジュールをこなし、別府の温泉アトラクションを堪能し、すっかり俗物と化して帰りの途についた。





由布岳温泉



夢幻の里 春夏秋冬



鬼石の湯



鉄輪むし湯



堀田温泉



竹瓦温泉










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