キッシンジャー死去 -アメリカの外交政策を決定した男-




キッシンジャー米元国務長官が死去したとニュースが伝えている。


キッシンジャーは、ニクソン政権下で、国家安全保障問題担当補佐官としてスカウトされて政治キャリアが始まり、ベトナム戦争の終結交渉や、中ソ対立の緩和、米中国交正常化などを行い、1973年にベトナム戦争の停戦交渉で、パリ和平協定をまとめ、米軍のベトナムからの完全撤退を実現したとして、1973年にノーベル平和賞を受賞している。


キッシンジャーの外交政策は冷徹なリアリズム(現実主義)に基づくもので、力の均衡理論が有名である。


米ソ中など、複数の国家が等しく力を持つことによって、戦争が防がれ、世界平和が実現するという考え方である。


中国でも三国志に登場する諸葛亮孔明が、天下三分の計を唱え、三つの勢力を等分することで、パワーバランスを保ち、天下を治めるという考えの下で、魏呉蜀の勢力均衡を図ったことが記されている。


中国の歴史書は、リアリズム外交の先駆けである。


確かにこの考え方は有効なのであって、三者が集まることで、初めて社会が出来上がるのであり、その関係ではお互いに牽制し合う為、支配服従関係が生じにくいのである。


二者関係だと、力の強い弱いがはっきりしてくると一方的に弱いものが強いものに従属するという関係性になりがちである。


アメリカは、北朝鮮との外交交渉をする際に多国間協議を求めたが、北朝鮮は、アメリカとの一対一の取引を望んだのは、三者以上の多国間の関係の中で、身動き取れなくならない為である。


逆にアメリカとの一対一の取引によって、自分たちに有利なアメリカのお墨付きを得たい為である。


ミサイル発射で脅して、アメリカとの取引によって有利な立場を得たいということである。


トランプ政権時代にアメリカがTPPから離脱して、日本とは独自の二国間協定を結ぼうとしたのも、日本に対して有利な交渉を進めたいと思ったからである。


TPPの多国間交渉の中で、全ての国と同じ交渉内容で合意したくなかったのであり、一対一の関係で、自国に有利になる妥協を引き出す為である。


交渉とは一対一だが、三者以上の話し合いになるとそこに社会性が生まれて来て、一人の国家が我がままを言うことは出来なくなる。


そうした三者以上の合意とは、そうした三角形の力の均衡のメカニズムが働くのである。



キッシンジャーの出生データはアストロデータバンクで、AAとなっており、信頼できるデータである。





チャートを作成すると、天秤座に7、10室支配の木星が在住し、5室支配の金星が牡羊座11室に在住して木星と相互アスペクトすることで、5-7、5-10のラージャヨーガを形成している。


5室支配の金星は、11室で牡羊座のバラニーに在住し、天秤座にアスペクトバックすることで、金星と天秤座は強くなっている。


この木星と金星の影響を受けた強い5室が、キッシンジャーの思想を表わしており、天秤座は、調和や平和を表わしており、駆け引き上手である。


天秤座は押したり引いたりする交渉事が得意であり、生まれながらの外交官とも言える星座である。


勢力均衡や調和を図るのは、天秤座の役割であって、この天秤座の木星が、勢力均衡理論を生み出した可能性が高い。



一方で、5室支配の金星は牡羊座バラニーに在住しているが、バラニーは諜報のナクシャトラであり、米国においてはCIAなど関係し、また牡羊座は、上下関係を重んじ、基本的に自分が最も先頭や上に立ちたい星座であり、覇権主義を表わしている。


上下関係や、どちらが支配してどちらが服従しているかを常に意識している星座であり、戦争の星座でもある。


この5室支配の金星が、アメリカの第二の植民地政策を推し進めるような覇権主義をもたらした可能性もある。


(例えば、日本全国を統一した織田信長のラグナが牡羊座であるように牡羊座は、支配や統一、覇権と関係がある)



従って、キッシンジャーの思想は、そうした好戦的な牡羊座の金星と、調和や均衡を図る天秤座の木星の影響を受けていることが分かり、これはキッシンジャーの外交政策そのものである。






キッシンジャーは力の均衡理論を提唱したが、米ソ冷戦の中で、ソ連の台頭を封じ込める為に中国を資本主義陣営に取り込んで、ソ連包囲網を築くという政策を行った。


その為、ソ連の社会主義を打倒することを目標に掲げ、左傾化した各国政権の打倒も唱導した。


南米の社会主義に移行しようとしているチリやアルゼンチンに米中央情報局(CIA)が反体制組織などを支援して軍事クーデターを起こし、アメリカの傀儡政権を樹立するなどのことを盛んに行なった。


力の弱い中小国はアメリカの支配下、資本主義陣営に組み入れようとしたのである。


一流コンサルティング会社のチーフエコノミストで、CIAの工作員だったジョン・パーキンスが、『エコノミック・ヒットマン』の中で、途上国を債務の罠にはめ、アメリカの支配下に組み込むことを行っていたことを暴露している。 途上国に橋や港、道路、ダムなど、大規模インフラを構築するプロジェクトを持ちかけ、IMFが融資してそれを行うが、その債務を返済できなくなったら、アメリカに有利な条件で、地下資源を採掘する契約を結んだり、港を使用する契約を結んだり、公的部門を民営化させ、アメリカの企業が参入できるようにしたり、国連での採決の際にアメリカに協力するように持ちかける。


途上国がアメリカの言うことを聞かない場合は、アメリカのCIAの工作員によって最終的には軍事クーデターを起こして、傀儡政権を打ちたてるということである。


キッシンジャーは、そうしたアメリカの戦後の外交政策、第二の植民地政策を推進した人物でもある。


アメリカの国益となるとみれば、人権なども無視し、対中国交正常化の仲介役を果たしていたパキスタンが行っていた東パキスタンにおける大規模な虐殺、レイプなどの非人道的な行為を擁護するなどもした。



そして、中国の指導者たちを育成し、アメリカの資本主義陣営に組み入れるように働きかけた。


デヴィッド・ロックフェラーが、銀行業で中国に進出することも支援した。


おそらく、中国の上海閥というのは、アメリカの外交政策が育てたのである。



従って、力の均衡理論(天秤座の木星)を提唱したが、アメリカの帝国主義(牡羊座の金星)も推進したのである。


弱い中小国は、アメリカに従わせ、資本主義陣営に組み入れて、ソ連の拡大を抑える為、中国を育てて資本主義陣営に組み入れて、米中ソの勢力均衡を作り出そうとしたようである。







またアメリカの頭越しに中国との国交正常化を行った田中角栄をロッキード事件で失脚させたのもキッシンジャーの働きかけによるものだったことを自ら暴露している。


敗戦国日本の財界人や大物政治家の中には、アメリカのスパイであった人物が複数いて、正力松太郎、岸信介、笹川良一、児玉誉士夫などがいて、暗号名までも存在している。


そうした状況である為、田中角栄を失脚させることは簡単なことであった。


こうしたキッシンジャーの権力の源泉は、第二次世界大戦中にアメリカ陸軍に入隊し、ドイツ語の能力を生かして、ヨーロッパ戦線の対諜報部隊軍曹として従軍し、アレン・ダレスの部下としてOSS(後のCIA)に配属されたことから来ているように思われる。



FBI長官が歴代の大統領のスキャンダルなどを把握した秘密のファイルを持っているという話も有名だが、同じようにCIAに勤務すると、大統領など国家の重要人物の秘密を握り、諜報員たちを動かせる立場に就くため、影の権力を持つのである。


こうした諜報部で、力を得たことは5室支配の金星が牡羊座でバラニーに在住していることや、ナヴァムシャで11室支配の太陽が7室牡羊座のバラニーで高揚していることから読み取れる。


OSS(後のCIA)が、戦後の日本の共産化を防ぐために日本国内で様々な謀略活動を行ったことは、「日本の黒い霧」松本清張著に詳しい。


つまり、キッシンジャーは、CIAの大物たちとのつながりがあり、こうした諜報部の人間をいくらでも動かすことが出来る人物で、アメリカに逆らう日本の政治家を失脚させることは簡単に出来る立場である。


またそれは、火星が牡羊座のバラニーに在住するデヴィッド・ロックフェラーも同じである。


ジョン・F・ケネディー大統領の暗殺は、CIAが関与したと考えられているが、それは、デヴィッド・ロックフェラーやキッシンジャーが直接関与したか、または、これらの人々に忖度して行なわれた可能性が高い。





デヴィッド・ロックフェラーの側にキッシンジャーが番頭のように控えている姿が写真で確認できる。



キッシンジャーは、第二次世界大戦後、ハーバード大学に入学し、政治学の学位を取得し、ハーバードの修士号、ウィーン体制の研究で博士号も取得している。



博士論文では、欧州で大きな戦争が防がれた国際秩序が、どのようにして作られたかが論じられており、敗れたナポレオンのフランスに対して、メッテルニヒやカースルレーらが、懲罰よりも力の均衡の回復を重視したことを上げている(ウィキペディアより)という。



キッシンジャーの勢力均衡理論は、このハーバードでの研究が元になっていることは明らかである。



そして、キッシンジャーはちょうど、1945年から5室天秤座に在住して、5室支配の金星と相互アスペクトするマハダシャー木星期に入った直後にハーバードに入学した為、まさにこの5室の木星が学問の道へ導いたと分かる。




ハーバード大学は、アメリカのリベラル派の牙城であり、400年近く前にピューリタンの入植者ら(つまりは、フリーメーソン)によって設立された大学である。



ハーバード大学を背景にして勢力均衡理論を生み出したのは、この5室天秤座の木星であることは明らかである。



つまり、ノーベル平和賞は、この5室天秤座と11室牡羊座の木星と金星の相互アスペクトによるラージャヨーガがもたらしたと言える。



キッシンジャーの死去に際して、中国各界はキッシンジャーの世話になったことを覚えているのか、哀悼の意を表している。



キッシンジャーは中国通で、中国の歴史文化や哲学思想を理解することを重視し、自らの著書『中国論』に中国古代の儒家思想や『孫子の兵法』が128回も引用されている。



孫氏の兵法の中には、兵士をいくつかのグループに分けて、互いに競わせることで、兵士を上手く管理することが出来ることを述べていたり、中国思想とはリアリズムそのものであって、キッシンジャーと相性が良いのだと思われる。



またローマ時代の帝国が植民地を支配する方法に分割統治というものがあるが、植民地が互いに同盟して帝国に逆らわないようにする為に待遇を差別化したりする方法である。



そうした理想主義ではなく、冷徹な現実主義によって、世界を統治する思想を徹底させて、戦後のアメリカの外交政策を行ってきたのが、キッシンジャーである。





ラグナと月に対する土星と火星の影響


但し、こうした5-11室の軸の木星と金星の良い配置とは対照的に、ラグナには6、11室支配の火星が在住し、8、9室支配の土星が4室からラグナにアスペクトして、ラグナに6-8の絡みが確認できる。



またこの6室支配の火星と8室支配の土星は月に対しても影響しており、月ラグナから見ると、火星は3、8室支配で、土星は6室支配であり、ラグナと10室にこれらの凶星が影響している。







従って、キッシンジャーは、支配的なパーソナリティーであることは間違いなく、アメリカの国益の為に敵とも組んだり、謀略を仕組んだりと、心穏やかでないことがよく分かる。



キッシンジャーは、1938年にナチスから逃れてアメリカに移住したドイツ系ユダヤ人であり、ドイツに残った親類はナチスに殺害されたという。



この辺りは、両親や親族を表わす2室の支配星が、8室支配の土星と6室支配の火星によって、傷つけられていることから読み取れる。



1933年に反ユダヤ人政策を推進するナチスが政権を掌握した為、その頃から迫害が酷くなり、5年後の1938年にアメリカに移住したのである。



1933年は、ラーフ/土星期で、ラーフは獅子座で逆行の8室支配の土星と絡んでおり、ディスポジターの太陽は、1、4室支配の水星と12室(海外、移住)に在住している為、このラーフ期にアメリカへ移住したことがよく分かる。



アメリカに移住した後は、「ジョージ・ワシントン高校に3年半通い、後半2年間は夜間クラスで、昼間は髭そり用ブラシの工場で働き、週約15ドルの賃金が一家のアパート住まいの生活を助けていた。」(ウィキペディアより)という。


また卒業後は、工場で働く一方で、職場近くにあったニューヨーク市立大学シティカレッジ経営・行政管理学部で、パートタイム学生として通っていたという。



ラーフは努力、訓練、忍耐を意味する3室に在住する凶星で、ラーフ期がキッシンジャーにとって異国の地での下積み生活であったことがよく分かる。





キッシンジャーは、リベラル派の寛容な政策の恩恵で、ハーバードに入学した


興味深いことにキッシンジャーは、フランクリン・ルーズベルトが1944年に署名した復員兵援護法(通称GI法)による教育給付を利用することで、ハーバード大学、大学院に進学できたのである。



戦後、1956年までに780万人の退役軍人のうち、この教育給付を利用し、約220万人が大学に進学したという。



1965年のジョンソン大統領の「偉大な社会政策」よりもずっと前だが、戦後のアメリカのリベラル派の恩恵を受けた世代なのである。



そこで得た博士号によって、ハーバード大学政治学部で教鞭を取り、外交問題評議会への参加を通じて、同時代の外交政策にも積極的な提言をはじめたという。



またビルダーバーグ会議にも毎年、出席するようになる。







そして、1960年の大統領選挙で共和党の大統領候補指名予備選に立候補したネルソン・ロックフェラーの外交政策顧問を務めることで、ロック・フェラー家との親交を深め、ニクソン政権では、国家安全保障問題担当大統領補佐官としてスカウトされ、政権中枢に入って、ニクソン外交を取り仕切ったという。


国家安全保障問題担当大統領補佐官としてスカウトされたのは、外交問題評議会などに入って、ロックフェラー家と親交があるからであり、またハーバード大学時代に社交クラブ入りして、エスタブリッシュメントな家系と親交を深めたのかもしれない。



あるいは、第二次世界大戦中にアレン・ダレスの部下としてOSS(後のCIA)に配属された頃からの人脈もあると思われる。



そうした人脈を経由して、アメリカのエスタブリッシュメントのインナーサークルに入っていったと考えられる。



つまり、キッシンジャーの勢力均衡理論とは、ハーバード大学の人脈や思想風土から生まれた勢力均衡により世界平和をもたらすというフリーメーソンの理論であると考えられる。



その出世の始まりが、マハダシャー木星期から始まったハーバード大学政治学部への入学だったのである。



そして、デヴィッド・ロックヴェラーの番頭で、外交問題評議会やビルダーバーグ会議(※これらは現代のフリーメーソン)にも出席している所を考えると、現代のフリーメーソンの超大物ということになる。



この外交問題評議会やビルダーバーグ会議などは、双子座、天秤座、水瓶座などの風の星座のエネルギーを体現しているが、世界政府の樹立を計画する影の世界政府とも考えられている。



そして、こうした影の世界政府が管理する現代社会は、非常に生きにくい不幸な世界になっていることを考えると、これらの人々は悪人である。



リベラル派の恩恵によって、ハーバード入りしたキッシンジャーは、その後、政界の大物になると、アメリカの帝国主義的な第二の植民地政策を推し進める超タカ派の人物として振る舞い出したのだ。



タカ派だが、デヴィッド・ロックフェラーの側近であり、現代のフリーメーソンでもある為、イラク戦争を推進したネオコンのジョージ・ブッシュとその側近たちとは少しカラーが違うようにも思われる。





木星期 1945年~1961年



木星期は、ハーバードで博士号を取得し、同政治学部で教鞭を取り、外交問題評議会に出席して、外交政策にも積極的な提言をはじめた時期である。





土星期 1961年~1980年


土星期に入ってから、ニクソン政権入りして、政治キャリアを築き始める。



この土星期にネルソン・ロックフェラーと共謀して、田中角栄をロッキード事件で潰す謀略を行なうどした。







またこの土星期には冷戦政策の再構築を意図して、米中和解への道筋をつけ、ベトナム戦争終結に向けた北ベトナムとの秘密停戦交渉を行い、ソ連とも第一次戦略兵器制限条約(SALT1)を締結するなどデタント政策を推進している。



そして、1973年にパリ協定が調印され、ベトナム戦争終結への道筋をつけた功績により、ノーベル平和賞を受賞したが、この時は、土星/火星期辺りである。



ニクソンが退陣すると、次のフォード政権にて、1973年に大統領補佐官に留任したまま国務長官に就任し、外交政策の全般を掌握し、デタント政策をリードした。



しかし、デタント政策に批判的なドナルド・ラムズフェルド(大統領首席補佐官・国防長官を歴任)とは閣内で対立していたという。



従って、ブッシュ政権で猛威を振るったネオコンとは一線を画しており、キッシンジャーは、好戦的なネオコンではなく、デタントに舵を切った平和主義者であるということはよく分かるのである。



その辺りは、5室天秤座に在住して5室支配の金星からアスペクトバックする木星がもたらしたものである。





水星期 1980年~1997年 
ケートゥ期 1997年~ 2004年



キッシンジャーは、1977年にフォード政権の退陣と共に国務長官を退任し、1980年に『キッシンジャー秘録』で全米図書賞受賞している。



1982年に国際コンサルティング会社「キッシンジャー・アソシエーツ」を設立し、対中ビジネスを行う企業を対象にコンサルタント業務を始めた。



これが、キッシンジャーの水星期である。







水星はビジネスの表示体で、太陽と共に海外の12室に在住している。




金星期 2004年~2024年


2007年1月4日に「核兵器のない世界に(A World Free of Nuclear Weapons)」と題した論文を『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙上に発表し、核兵器に過去のような抑止効果は存在しないとして核兵器廃絶をアメリカが唱道すべきことを訴えている。


金星は、5室支配で、5室に在住する木星と相互アスペクトしている為か、核の均衡理論を捨て、核兵器廃絶という考え方にシフトしたようである。









以下にwikipedia ヘンリー・キッシンジャーから引用抜粋するが、マハダシャー金星期に移行してから、キッシンジャーは中庸を旨とする平和主義者に変化したように見える。


やはり、5室天秤座の木星と連携する金星が平和主義的な発想をもたらしていると考えられる。




2022年5月23日、スイス東部ダボスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にオンラインで参加。ウクライナ情勢について「今後2カ月以内に和平交渉を進めるべきだ」との見解を示すとともに、「理想的には、分割する線を戦争前の状態に戻すべきだ」と述べた。また「ロシアが中国との恒久的な同盟関係に追い込まれないようにすることが重要だ」と強調した。同月31日、バイデン大統領は米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)に寄稿し、ウクライナへの侵攻を続けるロシアのプーチン大統領について「米国は彼(プーチン)の追放を模索したりはしない」と強調。「この戦争は最終的に外交的解決しか道はない」とも述べた。バイデン大統領はウクライナとロシアの和平実現に向け、プーチンにも一定の配慮を示した。

2022年5月23日にバイデン大統領が来日し、日米首脳会談後に行われた記者会見の場で「台湾有事の際には台湾の防衛に軍事的に関与する意思がある」というホワイトハウスが意図しない発言をしてしまった事態に対してキッシンジャーは、「台湾を米中交渉のカードにすべきではない」と米CNBCのインタビューに応じた。

2022年7月11日、日本の奈良で8日発生した安倍晋三銃撃事件の報道を知り、ニューヨークの日本総領事館に設けられた記帳所へ弔問に訪れた。その際、「日米関係はとても強固で重要なものであり、それは安倍氏の努力によるものだと思う」「彼はアメリカの同盟国として、またアジアの枠組みの柱として、不可欠な日本を築き上げた。彼を知ることができて光栄でした」と言葉を残した。

2022年10月26日、来日したキッシンジャーは岸田文雄首相と30分ほど面会を行った。面会の内容について松野博一官房長官は「国際情勢について一般的な意見交換をした」と説明。訪日した理由としてはこのときJPモルガンが主催する「The International Council」が東京で開かれたためである。

2023年7月19日、中国を訪問し、北京で李尚福国務委員兼国防相と会談した。米中関係が悪化する中、キッシンジャーは「米中はお互いに誤解をなくし、対抗を避けるべきだ」と述べ、「両軍が対話を強める」必要性を強調した。その後、21日には習近平と会談した。


(wikipedia ヘンリー・キッシンジャーより引用抜粋)



因みにキッシンジャーは、日本の軍事力に対しては以下のような見解を持っていた。




日本については、経済大国である以上政治・安全保障両面でも大国として台頭しようとする欲求を持つだろうとの見方を一貫して示している。特に、1971年の周恩来との会談で日米安全保障条約に基づく在日米軍の駐留が日本の「軍国主義」回帰を抑えており、同盟関係を解消すれば日本は手に負えない行動を取り始めると警戒感を示した「瓶の蓋」論は有名である。冷戦後間もない時期の著書である『外交』でも将来日本が政治的に台頭するとの予測を示した。2008年1月放送の「日高義樹のワシントン・リポート」でも変わらず、「日本は10年後に強力な軍隊を保有しているだろう」と述べ、日本の核武装や憲法改正については「日本が決めることだ」と発言している。

(wikipedia ヘンリー・キッシンジャーより引用抜粋)


日米安全保障条約による在日米軍の駐留がなくなれば、日本は軍国主義に回帰すると警戒している。



この辺りはリアリズムに基づいた冷徹な分析を行っており、基本的に日本の軍国主義を世界への脅威とみなすフリーメーソンの考え方と同じである。




日本への原爆投下についての解釈



田原総一朗に日本への原子爆弾投下についてインタビューされたことがあり、「あなた方は広島と長崎に原爆を落とした。そしてまったく何の罪もない一般市民を大量に殺した。この責任をアメリカはどうとるつもりなのか」と聞いたら、キッシンジャーは「広島と長崎に原爆を落とさなければ日本は本土決戦をやるつもりだった。本土決戦で何百万人、あるいは一千万人以上の日本人が亡くなるはずだった。原爆を落とすことでその人数をかなり減らしたんだから、むしろ日本はアメリカに感謝すべきだ」と答えたという。オリバー・ストーンは「キッシンジャーの見方は私たちの見方とはまったく違います。私たちは広島・長崎への原爆投下は必要なかったと思っていますし、キッシンジャーは何もわかっていない人だと思います。彼はノーベル平和賞を受賞しましたが、同時に南米各地でのアメリカの残虐行為に関わったということで、戦争犯罪人として入国できない国もたくさんあるようです」と述べた。

(wikipedia ヘンリー・キッシンジャーより引用抜粋)


キッシンジャーは、勢力均衡理論を提唱し、東西冷戦をデタントに導いたが、一方で、南米での謀略に関与したと考えられており、その辺りで、善人なのか悪人なのか物議を醸している。



これがノーベル平和賞受賞が物議を醸している理由であり、国務長官退任後にコロンビア大学の教授に就任しようとした時も学生からの激しい反発にあって就任を断念したこともあった。



こうしたことは、チャートにおいて5-11軸が金星と木星によって吉祥であるにも係らず、パーソナリティーを表わすラグナや、心を表わす4室や月が6室支配の火星や8室支配の土星から激しく傷つけられていること、月ラグナから見た行為の10室が、8室支配の火星と6室支配の土星から激しく傷つけられていることなどがヒントになる。





死のタイミング


キッシンジャーが死亡したのは、2023年11月29日で、金星/ケートゥ/水星期だった。







金星は12室の支配星で、マラカの7室支配の木星と相互アスペクトし、ケートゥはディスポジターの土星が傷ついた8室の支配星で、マラカの2室支配の月とコンジャンクトしている。



水星は、ラグナロードで、12室に在住している。



水星が12室の在住星であることなどは、マラカとしては一番、優先順位は低いが、主にケートゥのディスポジターである土星がラグナを激しく傷つける傷ついた8室の支配星で、マラカの2室の支配星とコンジャンクトしていることが働いたと考えられる。






キッシンジャーの勢力均衡理論、現実主義は、軍事力を均衡させれば、戦争は起こらないとする考え方で、道徳や倫理とは全く関係がない。



キッシンジャーは、動機を全く重視しない功利主義者である。



国益の為に軍事介入や秘密工作を行い、カンボジア侵攻、チリ・クーデター、インドネシアによる東ティモール占領への協力などを行い、東パキスタンで、虐殺やレイプなどを行っていたパキスタンを支持したり、敵と手を結ぶことなどが出来るのである。



キッシンジャーの外交は、損得勘定や利害関係、功利的考えに満ちている。



経済に関しても全く同じで、富の分配を市場原理に任せておくと、富の偏りが生じ、富の公平な分配は不可能となり、力の強いもの(資本家)が生き残る社会となる。



市場原理は、道徳や倫理とは全く関係がない。



政治、経済が、あまりにも功利主義によって、運営されているのが現代社会である。



その為、2010年頃には、功利主義の問題点を指摘し、カントの哲学(動機を重視)を用いて、道徳の問題に踏み込んだマイケル・サンデル教授が注目を集めていた。



しかし、その後、2016年頃から、世界的な右傾化が生じ、ドナルド・トランプの大統領就任や、ブレグジットなどが起こり、中国の軍事拡大路線や、ロシアのウクライナ侵攻などが起こっており、世界的にも犯罪や詐欺が多発して、弱肉強食の雰囲気が蔓延し、道徳について語るような風潮ではなくなっている。



この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA