オッペンハイマー -『今、われは死となれり。世界の破壊者となれり』ー



今、「原爆の父」と呼ばれるオッペン・ハイマーが話題になっている。


映画化されて、原爆の唯一の被爆国である日本は、内容が日本人の反発を招くものとして、公開が慎重に検討され、延期されていたが、遂に公開に踏み切られた。


私も見に行ったが、クリストファー・ノーラン監督の過去の出来事を淡々と綴っていく独特の演出で描かれており、まさに映像叙事詩とも言うべき作品であった。


映画は最初に赤狩りの風潮が高まる米国社会の中で、オッペンハイマーが共産主義者、ソ連のスパイの嫌疑をかけられて、聴聞委員会で証言するシーンから始まり、過去が回想されていく。


マンハッタン計画の責任者グローヴス准将とロスアラモスに街を建設し、原爆開発メンバーを招集して最初の原爆実験を成功させるまでの軌跡や、戦後の水爆の開発を推進したいルイス・ストローズとの確執、恋愛と結婚、三角関係などを振り返っていく。





原爆の実験は、ニューメキシコ州中部の荒地ホルナダ・デル・ムエルトで行なわれたが、実験はトリニティー実験と名付けられた。


実験が成功した時のことをオッペン・ハイマーは以下のように回想したようである。



「爆風が過ぎるのを待って壕の外に出た。それは実に荘厳の限りであった。世界は前と同じでないことを私たちは悟った。
笑う人もいた。泣く人もいた。大部分の人はおし黙っていた。私はヒンズー教の聖典『バガヴァッド・ギーター』の一行を思いおこした。
王子はその責務を果たすべきであることを王子にわからせようとヴィシュヌは試みている。そして王子の心を打とうとして、
ヴィシュヌはその千手の姿をとり、『今、われは死となれり。世界の破壊者とはなれり』と言う。私たちはみな、何らかの形で、そうした思いを抱いたものと思う」。

(『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』森永茂著 ちくま学芸文庫 P.240より引用抜粋)


オッペン・ハイマーが思い起こした『今、われは死となれり。世界の破壊者とはなれり』というフレーズはあまりにも有名である。



オッペン・ハイマーの出生データは、アストロデータバンクによると、「1904年4月22日 午前8時15分 アメリカ合衆国、ニューヨーク」で、Rodden Ratingでは、「DD」(Dirty Data)で、曖昧で信頼性に乏しいデータである。





チャートを作成してみると、ラグナは双子座ムリガシラーで、ナヴァムシャのラグナが蠍座になった。



種々検討してみたが、これで正しいのではないかと思われた。



オッペン・ハイマーは、ウィキペディアによれば、非常に早熟で、子供の頃から鉱物や地質学に興味を持ち、数学や化学、18世紀の詩や数ヶ国の言語を学んでいたという。



一方で、運動神経にはあまり優れず、同世代の子供たちと駆け回って遊ぶことはほとんどかったが、セーリングと乗馬は得意であったということである。



理論物理学者として知られているが、ハーバード大学に入学した後は、化学を専攻し、飛び級して、最優等の成績を修めて、3年で卒業したという。



卒業後は、ケンブリッジ大学に留学し、物理学や化学を学び、ニールス・ボーアと出会って、実験を伴う化学から理論中心の物理学の世界へと入っていくことになったということである。





化学、語学、ヒンドゥー教の古典や詩への興味


この最初に化学を専攻したことと、詩や数ヶ国の言語を学んでいて、ヒンドゥー教の古典『バガヴァッド・ギーター』にも本格的に関心を持っていたという所がポイントである。



知性や識別力、専門教育を表わす5室支配の金星が、10室魚座で高揚して、マラヴィアヨーガを形成し、同じく、ハンサヨーガを形成する7、10室支配の木星とコンジャンクトしており、極めて強いのだが、化学は、通常、5室と水の星座、あるいは月が絡んだ上で、テクニカルプラネット(生来的凶星)が絡んだ時に生じる適性である。







5室支配の金星が水の星座で、テクニカルプラネットであるケートゥとコンジャンクトしている配置が、化学への興味をもたらしたのではないかと思われる。


また同時に5室の支配星が、強い木星とコンジャンクトしている為、ヒンドゥー教などの宗教や聖典の知識への興味を呼び起こしたのである。



また数カ国語の言語を学んでいたというのは、5室の支配星にケートゥがコンジャンクトしていたからではないかと思われる。


5室とケートゥの絡みは、通常、語学の才能を表わし、人を翻訳家や通訳にする配置である。



またケートゥは数学への興味も生じさせる惑星であるが、一方で、詩にも興味があったのは、やはり、木星が絡んでいるからだと思われる。


理数系の素養だけでなく、文系の素養にも恵まれていたのである。




原子爆弾製造のカルマ


一方で、原子爆弾という最先端のテクノロジーの開発に従事して、世界で初めて原爆の開発に成功したという業績は、この牡羊座から太陽、火星、水星が5室にアスペクトする配置がもたらしたと考えられる。


月ラグナからすると、5、10室支配の火星が10室で、ルチャカヨーガを形成し、水星、太陽とコンジャンクトしている。







牡羊座は火の星座であり、そこに2つの火の惑星である太陽と火星が強い状態で、コンジャンクトしているが、アメリカ政府の最高機密マンハッタン計画の中で、ロスアラモス国立研究所の初代所長としてマンハッタン計画を主導し、原爆製造に関わったカルマを表わしていると思われる。


10室で強い火星は、リーダーシップ、管理職を表わし、太陽は政府の仕事を意味している。



因みにラグナは双子座でムリガシラーに在住しているが、支配星の火星は、牡羊座で、死の神ヤマ神が司るバラニーに在住しており、この火星が、オッペンハイマーの人生で特に強調されることになる。


牡羊座のバラニーに在住する火星は、まさにオッペンハイマーが、死の神ヤマ神の化身として、世界の破壊者になったことを示している。



このマンハッタン計画は、当時の国家最高機密であり、ナチスと原爆の開発競争をする中で、慎重に取り扱われる領域であった。


牡羊座のバラニーは、インテリジェンス(諜報)の世界にどっぷりと浸かり込むナクシャトラであり、しばしばCIAやモサド、KGBなどの国家諜報部の人間(スパイ)の表示体でもある。



オッペン・ハイマーは、広島と長崎に原爆が投下されて第二次世界大戦が終結した後は、次第に責任を感じて、水爆の開発に反対するようになる。


その為、共産主義者との嫌疑がかけられ、諜報部の監視下に置かれることになり、国家最高機密へのアクセス権が解除されている。




このように最初の見立てとしては、ラグナは双子座で正しそうに思えた。



そこで、次に過去の時系列から、ラグナが正しいか更に検証を進めた。




恋愛と結婚


まず、アストロデータバンクには、オッペン・ハイマーの結婚や恋愛に関するエピソードが記されている。



まず、1936年から1939年まで、オッペンハイマーはジーン・タトロックという女性と恋愛関係にあったようである。






ジーン・タトロック





この1936年~1939年にかけて、双子座ラグナであれば、トランジットの木星が、6室、7室、8室、9室を通過していく為、この時期に女性と恋愛関係にあったという可能性がよく分かる。



ダシャーは、水星/ラーフ期→水星/木星期にまたがった時期である。








マハダシャーロードの水星は、ラグナロード(7室から見た7室の支配星)であり、アンタルダシャーロードのラーフは、そのディスポジターは再び水星となる。



またもう一つのアンタルダシャーロードである木星は、7室の支配星で、結婚、配偶者の表示体である金星とコンジャンクトしている。



ナヴァムシャでは、水星は8、11室支配で、結婚生活の2室に在住して、7、12室支配の金星とコンジャンクトしている。



そして、ラーフは4-10軸に在住しており、ディスポジターの土星は、月ラグナから見た7室の支配星である。



そして、木星は、2、5室の支配星で、結婚生活の2室を支配している。




ナヴァムシャのラグナ


因みにナヴァムシャを蠍座ラグナとした場合には、5室支配の木星が山羊座(土星の星座)で減衰し、定座に在住する月のアスペクトを受けている為、これが化学への興味をもたらした配置ではないかと思われる。






テクニカルプラネットであるラグナロードの火星と、3、4室支配の土星が11室から5室にアスペクトする配置が、理系の分野、物理学者としての素養を表わしている。



物理学の適性は、水星、太陽などの数学の能力にプラスして、土の星座の影響を受けたテクニカルプラネットが関係する場合に生じやすい。特に土星である。


これは物理学というものが、物を扱う学問だからではないかと思われる。



そして、ナヴァムシャにおいてもう一つ大事なのは、10室支配の太陽が、8室に在住して、土星からのアスペクトを受ける配置である。


結局、オッペンハイマーは共産主義者の嫌疑をかけられて、国家プロジェクトから排除されて、お払い箱にされるのだが、そうした政府との確執は、この配置に現れているように思われる。



恋愛、結婚の話に戻るが、オッペンハイマーはジーン・タトロックという女性と交際していたが、1939年8月にバークレー校の過激派学生で元共産党員のキャサリン・(「キティ」)・ピューニングと出会っている。





キャサリン・(「キティ」)・ピューニング




アストロデータバンクによれば、キャサリン・(「キティ」)・ピューニングは1938年に医師で医学研究者のリチャード・ハリソンと結婚しており、既に既婚者であったが、オッペンハイマーとキャサリン・(「キティ」)・ピューニングがパーティの後に一緒に寝たことでちょっとしたスキャンダルを起こしたと、記されている。


そして、1940年の夏にキャサリン・(「キティ」)・ピューニングはニューメキシコにあるオッペンハイマーの牧場で過ごし、妊娠したため、ハリソンに離婚を申し出て、1940年11月1日にオッペンハイマーと結婚している。


但し、この時、キャサリン・(「キティ」)・ピューニングは4回目の結婚であったという。



つまり、オッペンハイマーの結婚は、既婚者との不倫から始まった結婚であった。


しかし、子供が誕生した後、オッペンハイマーは、再び、ジーン・タトロックとの情事を再燃させたということである。



つまり、女性関係に関して、オッペンハイマーは、不倫三角関係が多く、しかも結婚した後も前の交際相手と交際していることから、自分が支配者側になって、女性を愛人にするタイプである。







このことは、蠍座ラグナであるとすると、7、12室支配の金星が、8、11室支配の水星と2室に在住しており、結婚生活の2-8軸が強調されており、更に7-8のコンビネーションが生じている為、不倫三角関係になり、愛人を囲いやすい配置となり、こうしたパートナー関係の事実を説明するものとなる。


2-8軸は、不倫三角関係など、パートナー関係が変容していく配置であり、腐れ縁のようなものが続いていく配置である。



ジーン・タトロックとの交際を水星/ラーフ期と水星/木星期に行っており、水星が、8、11室支配で、7、12室支配の金星と共に2室に在住しているという配置は、まさにそうした女性との腐れ縁が生じやすい配置である。


そして、1940年11月1日に既婚者であったキャサリン・(「キティ」)・ピューニングに離婚させて、結婚したのだが、これもやはり不倫三角関係からの結婚で、ちょうど水星/土星期であった。


同じように水星は、8、11室支配で2室に在住しており、土星は3、4室支配で、ラグナロードの火星と11室でコンジャンクトしているが、月から見た7、8室の支配星である。



その後、子供が2人誕生した後、オッペンハイマーは、ジーン・タトロックとの情事を再燃させたが、彼女は、1944年1月4日に自殺してしまい、オッペンハイマーは悲しみに暮れる。


この1944年1月4日は、ケートゥ/金星期であるが、ケートゥのディスポジターは、太陽で、8室に在住しており、金星は、7、12室支配で2室に在住し、8、11室支配の水星とコンジャンクトしている。



結局、オッペンハイマーは、キャサリン・(「キティ」)・ピューニングと結婚したが、以前に交際していたジーン・タトロックとの関係が断ち切れずにずるずると交際を続けて、悲観したジーン・タトロックが自殺してしまうのである。



こうした不幸な不倫三角関係を経験するのは、やはり、ラグナが蠍座でなければ不可能である。


7室をジーン・タトロックのラグナとした場合、ラグナロードで、6室支配の金星が8室に在住する形となり、愛人として、支配され苦悩する配置である。



こうした恋愛、結婚遍歴は、蠍座の前後の天秤座や射手座をラグナとしても出てこない為、ナヴァムシャのラグナは蠍座で正しいと思われる。




子供の誕生


オッペン・ハイマーは、キャサリン・(「キティ」)・ピューニングと結婚した後、1941年5月の水星/土星/ケートゥ期に最初の子供ピーターが誕生している。





ここでサプタムシャを見た所、8:15で作成したチャートだと、サプタムシャのラグナが蟹座になるが、水星は3、12室支配で4室で、土星は、7、8室支配で7室、ケートゥは4室に在住する形になり、全く5室や9室との絡みが確認出来ない。



そこで少し出生時間を遡らせて、しかもナヴァムシャのラグナは蠍座のまま変わらない範囲で、微調整した結果、出生時間を8:13:55にすると、サプタムシャのラグナが双子座になる。







双子座ラグナであれば、水星はラグナロードで5室に在住し、土星は8、9室支配で8室に在住し、5室支配の金星とコンジャンクトし、ケートゥは5室の在住星となる。



また2番目の子供キャサリン(「トニ」)が、1944年12月7日のケートゥ/太陽/木星期である。




ケートゥは5室に在住し、太陽はラグナの在住星で、木星は子供の表示体で、9室の支配星や5室の支配星とコンジャンクトしている。



従って、サプタムシャのラグナは、双子座で正しそうである。




出生時間を更に遡らせていくと、8:09:54まで遡った所で、ナヴァムシャのラグナが天秤座に移動してしまう。



ナヴァムシャのラグナは蠍座でなければならない為、出生時間の範囲は、8:09:55~8:13:55の間である。











マンハッタン計画


マンハッタン計画への着手が始まったのは、1942年10月で、オッペン・ハイマーが招集され、1942年11月にオッペンハイマーの提案で、研究所がニューメキシコ州ロスアラモスに置かれることが決定した。







この時は、ちょうど水星/土星期であり、マハダシャーケートゥ期に移行する直前であった。



プルトニウムの生産には大量の水と電気が必要とされ、プルトニウムを遠心分離器で、濃縮していく過程もある。



これは完全に液体を扱う分野であり、化学の分野であって、これはケートゥが5室支配の金星と共に水の星座に在住し、木星とコンジャンクトし、土星によってアスペクトされる配置がもたらしたと考えられる。



山羊座で定座に在住する土星(月から見てシャシャヨーガ)が、ケートゥとコンジャンクトする5室の支配星にアスペクトして、物理学の素養を与えているのである。



ナヴァムシャでは、ケートゥのディスポジターが10室支配の太陽で、8室に在住し、土星からアスペクトされている配置が、顕現するタイミングであり、このマンハッタン計画への参画は、ある種、政府から雇われた不自由な仕事であったということも出来る。







軍部が主導して行なうプロジェクトに科学者として参画させられたのであり、そこに自由はなく、所詮は政府の雇われ人であり、政府の監視下に置かれ、国家機密に危険が生じた場合には排斥されるような存在である。



マンハッタンプロジェクトへの参画は、オッペン・ハイマーにそのような政府との葛藤、軋轢をもたらしたことが、容易に想像できる。



実際、原爆を開発して、広島、長崎に投下した後、水爆の開発に反対し始めたオッペンハイマーは、水爆推進派だった米原子力委員会委員長ルイス・ストロースによって、赤狩りの風潮を利用して、ソ連のスパイであるとの嫌疑をかけられ、聴聞委員会で取り調べを受け、原爆開発の現場から追放されたのであり、ナヴァムシャで、10室支配の太陽が8室に在住して、土星からアスペクトされる配置は、キャリアの中断や行き詰まりを表わしており、まさにこの政府内部での確執を表わしている。




ルース・ストローズ




ナヴァムシャ、サプタムシャのラグナが特定している為、おそらく、ダシャムシャのラグナも使えると思うが、ダシャムシャのラグナに太陽が在住していることには注目である。






これは、国家プロジェクト、政府の仕事において、キャリア上の上昇がもたらされるという配置であり、特に太陽期にそれが顕現するという配置である。(但し、オッペンハイマーは、金星/水星期に亡くなっている為、生涯において太陽期は訪れていない。太陽期は、アンタルダシャーレベル以下で経験されたことになる)







ケートゥは6室に在住しており、奮闘を表わしているが、6室のケートゥは敵を粉砕する配置であり、強い配置と言える。



ケートゥ期に何とか国家プロジェクトをやり遂げたことを意味しており、またディスポジターの木星は、6、9室支配で、11室に在住し、4、11室支配で定座の金星とコンジャンクトし、4-9、9-11のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。



この国家プロジェクトを何とかやり遂げ、原爆の製造に成功したことが、オッペンハイマーの生涯における最大の業績であり、それはこの配置によく現れている。




トリニティー実験写真



オッペン・ハイマーは、戦後は、水爆の開発に反対するなど、自分が原爆を開発したことに責任を感じていたようであるが、映画では、ルイス・ストローズが、オッペンハイマーは、原爆に責任を感じているふりをしているが、実際は、自分が原爆の生みの親として目立ちたかったのであり、支配者になりたかったのだと揶揄している。おそらく映画は史実を描いたものだと思われ、実際、オッペンハイマーは名誉欲が強かったようである。


実際、チャートを見ると、11室にラグナロードの水星、3室支配の太陽、6、11室支配の火星が在住しており、6-11の絡みは同僚との激しい競争を表わしている。







11室は貪りのハウスであり、名誉欲や他者からの認知を求める強い欲求を表わしている。



自分こそが、原爆の製造を最初に成し遂げたいという強いエゴを持っていたのであり、原爆の生みの親であると讃えられたかったのである。






口頭癌の為に死去 -2室への傷-



そして、オッペンハイマーは、1967年2月18日の金星/水星/金星期にニュージャージー州プリンストンで咽頭癌のため亡くなっている。(62歳)





マハダシャーロードの金星は、マラカの7室支配の木星とコンジャンクトし、ケートゥとコンジャンクトし、土星からのアスペクトを受けている。



アンタルダシャーロードの水星は、ラグナロードで、6、11室支配の火星からアスペクトを受けている。



またダシャーロードの金星から見ると、マラカの7室の支配星で、2室(喉)で、6室支配の太陽や2、9室支配で、マラカの2室(しかも喉の2室)を支配する火星とコンジャンクトしている。



そして、アンタルダシャーロードの水星から見ると、プラティアンタルダシャーロードの金星は、2、7室支配のマラカで、喉の2室を支配しており、12室に在住して、ラーフ/ケートゥ軸及び、土星によって傷つけられている。



ナヴァムシャでも金星は、7室支配のマラカで、マラカの2室(喉)に在住し、6室支配の火星からのアスペクトを受け、また水星は、8、11室支配のマラカで、マラカの2室に在住している。



ナヴァムシャの配置では、マハダシャーロードの金星、アンタルダシャーロードの水星、プラティアンタルダシャーロードの金星が、マラカの2室に在住しており、このタイミングでの死を表わしている。



この死のタイミングにおいても、ナヴァムシャのラグナが正しいことをよく表わしている。



またそもそも2室には2室支配の月が在住しており、そこに8室支配の土星や6、11室支配の火星がアスペクトして、2室や2室の支配星を激しく傷つけている。



従って、2室(喉)への傷が死をもたらしたことを意味しており、口頭癌で亡くなったことを物語っている。



但し、ダシャーとしては、月や土星や火星が登場するダシャーで亡くなったのではなく、金星/水星/金星期に亡くなったのである。



これはよくあることであり、ポテンシャルとして2室の喉が弱かったのであるが、ダシャーにおいては、傷ついたラグナロードの時期に亡くなったりするということが起こるのである。



必ずしも死因となる配置を構成する惑星のダシャーの時期に亡くなるのではなく、傷ついたラグナロードの時期とか、他に健康問題を示唆する惑星のダシャーの時期に亡くなることはよくあることである。





天才を生み出すラグナ=双子座


このオッペンハイマーのラグナを検証して、双子座ラグナであることがはっきりと分かったが、つくづく思うが、双子座というのは、高い知性を持つ天才科学者を生み出すラグナである。







アインシュタインとオッペンハイマー





例えば、アインシュタインも双子座ラグナだし、コンピューターの生みの親であるフォン・ノイマンのラグナも双子座である。







そして、ビルゲイツのラグナも双子座である。








オッペンハイマーは、幼少期に運動神経にはあまり優れず、同世代の子供たちと駆け回って遊ぶことはほとんどかったというが、双子座ラグナはそれ程、運動神経や身体的能力が高くなさそうである。



これは双子座の支配星が水星であり、水星が、言語やコミュニケーション、知性を表わす惑星で、双子座が、戦いや闘争を表わす火の星座でなく、あるいは、耐久力や持続力を持つ土の星座ではない為、運動などはあまり苦手なのである。



今で言う所のゲームや数学、パズルなどに知的遊戯に熱中するのが、これらの人たちなのではないかと思われる。



但し、そうではあっても、オッペンハイマーは、セーリング(※水上を滑走する速さや技術を競う)と乗馬はたしなんだようである。



特に乗馬ということになると、3室支配の太陽が、牡羊座のアシュビニーに在住しており、アシュビニーには馬の頭という象意があり、何かと馬に関係するナクシャトラである。



趣味やパフォーマンスを表わす3室の支配星が、アシュビニーに在住することによって、乗馬という趣味をたしなんだことが推測される。



映画『オッペン・ハイマー』を視た後であれば、このラグナが双子座ムリガシラー第4パダで、ナヴァムシャのラグナが蠍座である、この出生チャートが、オッペンハイマーのチャートであると納得できるのではないかと思われる。




時代精神


オッペンハイマーが再び注目を集めているのは、現在、ウクライナ戦争という代理戦争の形で、第三次世界大戦が戦われており、ロシアのプーチン政権によって核兵器が使われるリスクが高まっているからである。



ちょうど、マンハッタン計画が実施された時は、ナチスやソ連が原爆の開発を進めており、特にナチスよりも先に原爆を開発することが急務であった。



この当時、原子爆弾という新しいテクノロジーが開発されて、世界には、もう後戻りが出来ない変化が生じた。



現在も、おそらく状況としては似通っているのだが、映画を見ていて、このオッペンハイマーが原爆を開発した時代からは、既に相当の年月が経過し、時代が一巡して、また同じような状況が起こっているかのようである。



現在、核兵器が使用されるリスクはもちろんあるが、ドローンやAIという新しいテクノロジーがゲームチェンジャーとなり、全く戦争の形が変わってしまうことこそが、今、起こりつつある変化である。




AIによって自動操縦されたドローンが今後の兵器であり、人が操縦する戦車や航空機は時代遅れであり、また高価なミサイルなども時代遅れである。



安価なドローンによって、戦車が破壊されたり、戦艦が撃沈されている様子こそが、時代の変化を物語っており、AIが世界の脅威になるかどうかが語られているが、まさに原子爆弾以来の新しいテクノロジーが台頭しつつある。







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