ZOZOタウン前澤社長の身売りについて



ヤフーがZOZOタウンを買収し、前澤社長が退任するとニュースが伝えている。


ヤフー、ZOZO買収へ=最大4000億円、ネット通販強化-前沢氏が孫氏に打診
2019年09月12日21時19分 JIJI.com

ソフトバンクグループ傘下のヤフーは12日、衣料通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZO(ゾゾ)を買収すると発表した。10月上旬にもTOB(株式公開買い付け)を開始。ZOZO株式の50.1%を上限に取得し、子会社化を目指す。買収額は最大4000億円の見通し。ゾゾタウンの顧客基盤を取り込み、インターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コムや楽天に対抗する。

創業者の前沢友作社長は12日に辞任し、経営から退いた。前沢氏はZOZO株式の約37%を保有しており、うち約30%をTOBに応じ売却し、約2400億円を手にする。ZOZOはTOB後も上場を維持する。

 前沢氏はこれまで、米民間企業の月周回旅行に参加する計画を公表しており、記者会見では「宇宙に行く準備、トレーニングのため辞任を決めた」と説明した。一方で「ゼロから事業をつくり、再び挑戦したい」と述べ、新たな起業にも意欲を示した。

 記者会見には前沢氏と親交がある孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長も登壇。「(前沢氏から)新しい人生を過ごしたいということで、会社をどうするか相談を受けた」と明かした。前沢氏が孫氏に企業売却を打診した形で、これをきっかけにヤフーによる買収がまとまったという。


前澤社長は、自身が取得する37%分の株式のうち30%をヤフーの株式公開買い付け(TOB)に応募し、自らは社長を退任し、経営から退くという。




ニュース記事によれば、前澤氏は、自身の保有する株式を担保にして、1600億円の借り入れを行なっている為、その借金返済の為に身売りをしたとの見方が広まっている。


現在、前澤氏が保有する株式の時価総額は、約2757億円で、ヤフーは、1株当たり2620円で買い付ける為、ヤフーが前澤氏から買い取る株式は2429億円相当となり、そこから1600億円相当を差し引くと、800億円超の現金が手元に残る計算となるようである。


以前、前澤氏のチャートは、蠍座ラグナに設定し、ラグナロードの火星と8室支配の水星が星座交換しているチャートを想定したが、今回の身売り劇は、そのラグナで正しいことを物語っている。




現在、トランジットの土星が2室射手座で逆行し、木星は現在、蠍座を通過中だが、まもなく、11月から射手座に入室する。(既に射手座入室の効果を発揮し始めている)


このため、土星は8室にアスペクトして、逆行して8室の支配星と絡み、木星は8室支配の水星とコンジャンクトし、8室にもアスペクトして、8室にダブルトランジットが生じている。


8室は不労所得、権利収入のハウスであるが、投資家などが株で儲ける場合、8室が強調されるが、特に8室が双子座で8室でダナヨーガなどを形成する場合、株式のキャピタルゲインなどで巨額の収益を得る配置である。


前澤氏は、今回、身売りと言われているが、経営が傾き始めたZOZOタウンを倒産する前に良いタイミングで、高値で売り抜けたとする見方も存在する。



何故なら株式を売却して総額800億円の現金を手にするからである。


前澤氏は、キャッシュフローもなく倒産する前に逃げたという辛辣な評価も聞かれる。


それでは、実際の所は、前澤氏はどのような状況にあるのだろうか?




前澤氏は、確かにトランジットを見れば、8室にダブルトランジットが生じており、8室では、ラグナロードの火星と11室支配の水星が星座交換して、1-11室のダナヨーガを形成し、ラグナロードの火星と9室支配の月もコンジャンクトして、1-9のダナヨーガを形成している。


従って、株式の売却益などの不労所得を得るタイミングである。



然し、ダシャーを見ると、現在、土星/ラーフ期であり、ラーフは損失の12室に在住している。


ディスポジターの金星は7、12室支配で11室で減衰し、土星からアスペクトされて傷ついている。


またディスポジターの金星は、月から見た場合でも12室(損失)の支配星である。



従って、前澤氏にとってはやはり、今回の身売り劇は、自分が経営する会社を失うという損失の物語だったのである。


マハダシャーの土星から見るとラーフは4室に在住しており、ディスポジターの4、11室支配の金星は3室で減衰している。


4室の支配星が3室に在住する配置は、自分の社長の椅子(玉座)を失う(3室=4室からの12室目)という意味である。




土星/ラーフ期になってから、前澤氏は、ZOZOの売上を拡大する為に「ZOZOSUIT」やプライベートブランド(PB)の商品を国内外で一気に拡大させようと野心的な目標を掲げたが、それらの企画は不発に終わったようである。

また2018年末に導入した会員制の割引サービス「ZOZO ARIGATO」は、ZOZOが出展手数料を割引して、有力ブランドの商品を10%引きで販売するというプランだったが、この値引きに「ZOZO」は大丈夫かと疑心暗鬼になり、有力ブランドのZOZO離れを引き起こしたという。


つまり、土星/ラーフ期になってから、前澤友作氏は、やること為すことが全て失敗に終わり、損失をもたらしたことになる。



DIAMOND ONLINEの記事によれば、以下のように記されている。



(略) 「前澤フルコミットで突き抜ける!」――。2018年4月に発表した中期経営計画で、前澤氏はこう宣言していた。そこでは、当時2700億円程度だった主力であるアパレルECサイト「ZOZOTOWN」の商品取扱高を、3年後に7000億円超に膨らまそうという野心的な目標が掲げられていた。そして、水玉模様で話題をさらった「ZOZOSUIT」で計測された個人別のサイズと、これに紐づいたプライベートブランド(PB)商品を国内外で一気に拡大させることで実現するとしていたのだ。

 だがふたを開けてみれば、スーツによるサイズ計測の件数は集まらず、PBも不発。中計は1年であっけなく撤回する羽目になった。19年3月期の連結売上高は当初1470億円を計画していたが下方修正し、1184億円で着地。PBでは125億円の赤字を計上した。

 PBの不発だけではない。18年末には、「ZOZO ARIGATO」と銘打つキャンペーンを突然発表し、出店ブランドの商品をZOZOの負担で、常時10%オフで販売すると宣言した。予告なく安売りされることに対して、有力出店ブランドの間では燎原の火のごとく不満が広がり、一部ブランドが撤退を決める“ZOZO離れ”につながった。そして、2019年4~6月期では、これまで順調に伸びていた年間購入者数がついに減少に転じた。(略)

(2019/09/13 06:00 『ZOZOをヤフーへの身売りに追い込んだ「前澤商法」の限界』DIAMOND ONLINEより引用抜粋)


野心的に色々な企てを計るが全てが空回りして失敗に終わり、損失につながっているのが分かる。


これは明らかに12室に在住するラーフの象意であり、12室のラーフは、色々企てるが、何ごとも成功せず、悶々とする時期である。


通常、この12室のラーフ期は、あれもやりたいし、これもやりたいとあらゆることに手を出すが、全てが中途半端で、何も成果を生まず、何をすればいいのか途方に暮れて悶々とする時期である。


つまり、前澤氏が身売りせざるを得なくなったのは、この土星/ラーフ期が引き金になったのである。



この土星/ラーフ期に前澤氏は、女優・剛力彩芽との交際の様子などをtwitterなどで発信し、批判を受けたが、ラーフのディスポジターは7、12室支配の金星だからである。



然し、その金星は減衰して、土星からアスペクトされている為にあまりよい結果に結びついていない。



その浮かれている様子が、メディアから批判を受けて、やがて交際の様子を公に示さないようになった。



前澤氏は、身売りの話を孫正義に2019年6月頃に持ちかけたようである。




その時に前澤氏は、「ZOZOを引退して新しい人生を送りたい」「月に行く」「彼女とゆっくり過ごしたい」と言ったそうである。



(略)同日朝に電撃的に発表された、ソフトバンクグループ(SBG)傘下のヤフージャパンによるZOZOの連結子会社化。同時に前澤氏の社長退任も発表された。

 夕方の記者会見には、前澤氏と親交が深いSBGの“総帥”である孫正義会長兼社長もサプライズゲストとして登場。孫氏によると、「ZOZOを引退して新しい人生を送りたい」「月に行く」「彼女とゆっくり過ごしたい」などと前澤氏から6月ごろに相談を受けたそうだ。孫氏はこの話をヤフーの川邊健太郎社長につなぎ、両社の協議が始まったという。

(2019/09/13 06:00 『ZOZOをヤフーへの身売りに追い込んだ「前澤商法」の限界』DIAMOND ONLINEより引用抜粋)


この時、既に土星/ラーフ期だが、ラーフのディスポジターである金星は、7、12室支配であり、12室支配は引退して、隠遁生活を送ることを表わし、7室支配は「彼女とゆっくり過ごしたい」という発言を物語っている。


12室は外国という象意があり、月に行くというのは12室の象意に近いものがあると考えられる。



従って、「ZOZOを引退して新しい人生を送りたい」「月に行く」「彼女とゆっくり過ごしたい」というのは、この時に前澤氏が抱いていた本音である。



結局、12室支配の金星が11室に在住して、11-12室の絡みが生じ、利益、利得、役職(称号)、評価を失うという結果につながった。






この土星/ラーフ期とは、マハダシャー土星期の最後から2番目のアンタルダシャーであり、マハダシャー水星期への移行期間、ダシャーチッドラに該当する。



前澤氏は、社長を退任して、次の人生に進むと公言しており、今は、そうした人生の転機を意味している。



ZOZOタウンは、一時1兆5千億円を超えた時価総額も2019年9月11日時点で、半値以下の6750億円に低迷しているとされる。



株式公開買い付けとは、市場に流通している株式より少し高値で、買い取ることを意味しており、前澤氏は、これ以上、株価を上げることを断念したということである。



まだZOZOタウンの株価が下がらないうちに株式公開買い付け(TOB)に応募することで、少しでも有利な価格で、株式を売却したということである。



その為、会社は失ったが、株式の売却益を確保することが出来た。



これは前澤氏の8室が強いためである。



然し、ダシャーを見ると、土星/ラーフ期の経験は、間違いなく損失を意味している。






(参考資料)



ヤフー、ZOZO買収を発表 前沢社長は退任 約4000億円
2019.9.12 09:09 産経ニュース

ヤフーは12日、衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOを買収すると発表した。10月上旬にZOZOに対して株式公開買い付け(TOB)を行い50・1%の株式を取得する。買収額は約4000億円。国内のインターネット通販市場の競争が激しさを増す中、買収で顧客基盤を強化し、先行するアマゾンジャパンや楽天を追撃する。

 ZOZOの創業者の前沢友作氏は同日付で退任。後任には沢田宏太郎取締役が就任した。

 12日夕方にヤフーの川辺健太郎社長や前沢氏が記者会見し、今回の買収について説明する。

 ヤフーのZOZOに対するTOBには、約37%の株式を持つ前沢氏も賛同しており、約30%分をヤフーのTOBに応募する。TOB後もZOZOは上場を維持する。

 ZOZOは800万人超の顧客を抱え、20~30代の若年層の利用が多い。ヤフーはZOZOの買収で顧客基盤を拡大し、物流網も生かしたい考えだ。国内のネット通販市場は拡大が続くが、アマゾンや楽天に加えてフリマアプリのメルカリなど新興勢力も伸びており、てこ入れが急務と判断した。

 一方のZOZOも、幅広いネットサービスを展開するヤフーとの資本提携によって顧客拡大を狙う。
参照元:ヤフー、ZOZO買収を発表 前沢社長は退任 約4000億円
2019.9.12 09:09 産経ニュース

ネット通販強化のヤフーと資金難のZOZO、思惑一致
2019.9.12 11:11 産経ニュース

ネット通販の強化を目指すヤフーにとり、ZOZOが持つ年間購入者800万人超の会員基盤は魅力的だった。ZOZOの株価が低迷した割安感もあった。一方、資金難にあえぐZOZOにとっても、買収提案は“渡りに船”で、両者の思惑が一致した形だ。

 ヤフーはソフトバンクが6月に子会社化。10月には、経営の多角化を狙って、Zホールディングスという名称の持株会社体制に移行する。重要課題の1つがネット通販だ。アマゾンは物流網に多額の投資をつぎ込み、盤石の体制で待ち受ける。楽天は携帯電話事業の参入をてこに事業拡大を狙う。フリーマーケットアプリのメルカリなどの新興勢力も成長している。

 ソフトバンク親会社のソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は「楽天を抜くのはいつだ」と発破をかけていたといわれる。ヤフーは8月、ネット通販の業績低迷を理由に、傘下のアスクルに対し、株主総会での社長解任という強硬手段にも打って出るほど追い詰められている。

 一方、急成長したZOZOは、平成30年1月に始めたプライベートブランド(PB)事業は、全身を採寸できる「ゾゾスーツ」を無料で配り話題を呼ぶも、実際の商品発注にはつながらなかった。有料会員向けの割引サービスは出店ブランドの離反を招いた。利用者の支払いを最大2カ月後とする後払い決済は販売代金の回収期間が長期化する要因となり、資金難に拍車をかけた。一時1兆5千億円を超えた時価総額も11日時点で、半値以下の6750億円に低迷している。(高木克聡)
参照元:ネット通販強化のヤフーと資金難のZOZO、思惑一致
2019.9.12 11:11 産経ニュース

ZOZOをヤフーへの身売りに追い込んだ「前澤商法」の限界
ダイヤモンド編集部,岡田 悟 2019/09/13 06:00

インターネット大手ヤフーが、アパレルECサイト大手ZOZOの買収を決めたと発表した。ZOZO創業者の前澤友作氏はトップの座を退き、経営の一線から離れることになる。一代でZOZOを築き上げた業界の風雲児への評価は高いが、近年は伸び悩み、トラブルも多発。“前澤商法”の限界を指摘する声があがっていた。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

スーツが失敗、PBに代わる成長戦略もなく

ZOZO単独での成長は限界だった

 「社員は家族だと思って、21年間やってきました」――。

 9月12日夕、東京都内で開催された記者会見。社員について話が及ぶと、感極まって涙を流し、目元をハンカチで拭ったのは、アパレルECサイト大手のZOZOを一代で築き上げた風雲児・前澤友作前社長である。

 同日朝に電撃的に発表された、ソフトバンクグループ(SBG)傘下のヤフージャパンによるZOZOの連結子会社化。同時に前澤氏の社長退任も発表された。

 夕方の記者会見には、前澤氏と親交が深いSBGの“総帥”である孫正義会長兼社長もサプライズゲストとして登場。孫氏によると、「ZOZOを引退して新しい人生を送りたい」「月に行く」「彼女とゆっくり過ごしたい」などと前澤氏から6月ごろに相談を受けたそうだ。孫氏はこの話をヤフーの川邊健太郎社長につなぎ、両社の協議が始まったという。

 前澤氏を「経営者として、一人の男として大好き」「生き様が格好いい」などと誉めたたえた孫氏と、強く手を握り、肩を抱き合った前澤氏。会場は集まったZOZO社員らによる温かい拍手に包まれた。だが稀代の経営者同士のこと、単なる美談で済むはずがない。周到な打算に満ちたビッグディールだったと考えるべきだろう。

 まず、ZOZO単独での成長には限界があった。

 「前澤フルコミットで突き抜ける!」――。2018年4月に発表した中期経営計画で、前澤氏はこう宣言していた。そこでは、当時2700億円程度だった主力であるアパレルECサイト「ZOZOTOWN」の商品取扱高を、3年後に7000億円超に膨らまそうという野心的な目標が掲げられていた。そして、水玉模様で話題をさらった「ZOZOSUIT」で計測された個人別のサイズと、これに紐づいたプライベートブランド(PB)商品を国内外で一気に拡大させることで実現するとしていたのだ。

 だがふたを開けてみれば、スーツによるサイズ計測の件数は集まらず、PBも不発。中計は1年であっけなく撤回する羽目になった。19年3月期の連結売上高は当初1470億円を計画していたが下方修正し、1184億円で着地。PBでは125億円の赤字を計上した。

 PBの不発だけではない。18年末には、「ZOZO ARIGATO」と銘打つキャンペーンを突然発表し、出店ブランドの商品をZOZOの負担で、常時10%オフで販売すると宣言した。予告なく安売りされることに対して、有力出店ブランドの間では燎原の火のごとく不満が広がり、一部ブランドが撤退を決める“ZOZO離れ”につながった。そして、2019年4~6月期では、これまで順調に伸びていた年間購入者数がついに減少に転じた。

 競合も力をつけ始めた。ネット通販大手の楽天もアパレルECに注力しており、JPモルガン証券の村田大郎シニアアナリストは、「楽天は、数値は非公表ながらZOZOの取扱高を凌駕しているとの指摘もある。ZOZOが自力で対抗していくのは難しかったのではないか」とみる。前澤氏も当然、そうした危機感をひしひしと感じていたようである。

「ZOZO以外から商品を引き上げて」

突如中止になった出店手数料の値引き

 「出店手数料を下げるので、ZOZOTOWN以外のECサイトから商品を引き揚げてもらえませんか」――。

 ヤフーとの資本業務提携の交渉が続いていた今年7月、前澤氏は自ら、ある有力セレクトショップの首脳を訪ねていた。

 複数のセレクトショップ関係者によると、前澤氏やZOZO幹部は「年末までのキャンペーン」などと称して、ZOZOに出店する有力ブランドに対し、ZOZO以外への出店を取りやめれば、出店手数料を値引きすると提案したという。ZOZOの出店手数料は商品の販売価格の20~40%とされており、値引き幅は出店者によって異なるが、手数料率を数%から10%程度下げると打診した。

 だが、ユナイテッドアローズ(UA)をはじめ有力セレクトショップはライバルながらも“横のつながり”が強い。この提案はZOZO ARIGATOの時と同様に、アパレル関係者の間ですぐさま共有された。「ZOZOは大丈夫か」とセレクトショップ側が疑心暗鬼になり回答を保留している間に、この話はいきなり「中止になった」とZOZO側から連絡があったという。あるセレクトショップの関係者は、「前澤氏の思い付きだったと聞いている」と打ち明ける。

 加えて前述の“ZOZO離れ”のみならず、今年2月に前澤氏がツイッターでアパレル業界の問題点をあげつらった投稿が、“炎上”したこともあり、ZOZOというよりは前澤氏に対する出店者側の不信感は根強かった。

 ZOZOの草創期に前澤氏のビジネスを支えたのに、成長に伴って増長するZOZOや前澤氏に振り回されるようになった状況に対して、「今回の前澤社長の退任で、ようやく禊(みそぎ)が済んだということだ」と吐き捨てるアパレル業界関係者さえいるほどだ。

 そんなZOZOが、「会社の仕事をしていないどころか、ガバナンス上の問題の発生源である前澤氏がいる以上、投資家が株を買い増しできない」(市場関係者)とまで酷評された前澤氏を切り離し、ヤフーが持つ膨大な顧客との相互送客ができれば、新たな成長の機会が得られるというわけだ。

借金の担保だった前澤氏の保有株

ヤフーへの売却で借金返済か

 また、今回の買収劇で前澤氏が大量の株を売却することに対して、前澤氏個人の資金繰りとの関連にも注目が集まっている。

 「借金でクビが回らなくなったなどということは、一切ありません」――。記者会見で前澤氏は、顔をこわばらせて強調した。

 ZOZO創業者にして大株主である前澤氏は、公開済み株式の36.76%に当たる1億1222万株を保有。今回、ヤフーに対して30.37%分の9272万株余りを売却する予定だ。

 ただし前澤氏は、保有株のかなりの部分を担保とし、UBS銀行など複数の金融機関から借り入れをしている。ピーク時の今年2月には、保有株に占める担保の割合は9割弱に上っていた。その後、趣味である現代アート作品をオークションで売却するなどしており、担保比率は直近で6割弱に低下していることから、借り入れの返済をしていたとみられている。

 前述のように、前澤氏は自身の借り入れとヤフーへの株式売却の関連を強く否定している。ただ、前澤氏の盟友として知られる堀江貴文氏は、経済ニュースサイト「NewsPicks」のコメントで、「前澤さんの株担保融資がそろそろ売り条項に抵触しそうなので売るって感じでしょうかね」と独自の“解説”を披露している。ヤフーへの株式売却で前澤氏が得た資金の一部は、借り入れの返済に使われることは間違いなさそうだ。

 しかも、前澤氏の保有株式の時価総額は、9月12日時点の終値(2457円)ベースで約2757億円。このうち担保に入っているのは約1600億円分だ。ヤフーの公表したTOB価格は1株当たり2620円なので、ヤフーが前澤氏から買い取る株式は2429億円相当となる。単純計算すると差し引き800億円超の現金が前澤氏の手元に入ることになる。

 また今回の合意では、前澤氏は6.29%の株式の保有を続けることになるが、ヤフーは前澤氏の株式をすべて取得したい意向だ。希望に応じてこちらも売却すれば、さらに500億円強が手に入る計算だ。

 もちろん、前澤氏自身が代表取締役として仲間と始め、育て上げた会社であり、株の売却に伴う創業者利益が否定されるべきではない。

 ただ、上場してからの株式の扱いは、数多くのステークホルダーに影響する。前澤氏が株を担保に多額の借り入れをしていたことは、経営者としての倫理が問われていた。こうして得た資金の使い道について、前澤氏は記者会見で、「普通の人のローンと一緒。(金額の)桁が違うだけ。宇宙旅行によって得る体験が役立つかもしれないし、価値が上がっている現代アート作品もある」などと主張している。

 加えて、宇宙旅行とアート作品への支出を合計しても、担保価値の相当額に届かないと指摘した記者に、「何を買ったのかここで全部言え、ということか」と強い口調で反論し、そのまま会見を終えた。

 ある意味で前澤氏の借金問題を解決することになった、今回の電撃的な買収の発表。ある市場関係者は、「前澤氏にとって完璧な、非常に、非常に素晴らしいイグジット(売却)だ」と皮肉交じりに誉めたたえた。
参照元:ZOZOをヤフーへの身売りに追い込んだ「前澤商法」の限界
ダイヤモンド編集部,岡田 悟 2019/09/13 06:00









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