2024年度 東京都知事選挙 結果考察
2024.07.08
7日7日七夕決戦とも言われた2024年度東京都知事選挙は、出口調査で、小池百合子が当選確実となった。
予測が外れたことについての振り返り
小池百合子落選を予想していた私としては、この結果について総括しなければならないが、まず、予測の技術的な点から蓮舫が勝利するという最初の予測自体がミス鑑定だった。
蓮舫のラグナを獅子座に修正したのは間違いなかったと思うが、蓮舫は、現在、土星/金星期である。
この土星/金星期の見方として、まず、凶星がマハダシャーの時、それと絡んでいる吉星のアンタルダシャーの時期は、吉凶混合するということである。
(土星と金星が絡んでいない場合は、完全に凶星の土星が結果を与える)
アンタルダシャーの金星は、3、10室支配で12室支配の月とコンジャンクトし、6、7室支配の土星と相互アスペクトして、何もラージャヨーガを形成していない。
従って、土星/金星期は、マハダシャーロードの土星に傷つけられた10室支配のアンタルダシャーロードの金星期として、キャリアに関して良くない結果を予測しなければならなかった。
次の土星/太陽期も、凶星がマハダシャーロードの時、それと絡まないヨーガカラカのアンタルダシャーの時期は、非常に悪いという原則を当てはめるべきだった。
この場合、太陽はヨーガカラカではなく、ラグナロードであり、トリコーナの支配星であるが、同じことである。
因みに土星と太陽は、5-9の関係にあるが、これは絡んでいないと見なすことにする。
(マハダシャーロードとアンタルダシャーロードが、ケンドラやトリコーナの位置関係にある時、絡んでいると見なす考え方もあるが、例えば、私が参考にしているマークボニーは、こうしたケンドラ、トリコーナ関係について絡んでいないと見なしていた)
このケンドラ関係、トリコーナ関係を絡んでいると見なすかどうかは、今後も研究の余地がある。
蓮舫は、木星/金星期や、木星/太陽期は、民主党が政権を取得した非常に良い時期で、彼女自身も閣僚入りして、事業仕分けなどで力を振った。
しかし、マハダシャーロードの木星は、生来的吉星、機能的吉星で文句なしの吉星であり、木星/金星期や木星/太陽期は、主にこの吉星としての木星の影響下におけるアンタルダシャーになる為、木星/金星期や木星/太陽期は良い結果を生み出したのである。
これが、マハダシャーロードが、生来的凶星で、機能的凶星である土星期になったら、基本的にこの凶星のマハダシャーの影響下におけるアンタルダシャーの解釈となる。
その場合、そのアンタルダシャーロードの金星が、土星と絡んでいる場合は、吉凶混合し、そして、絡んでいない場合は、主に生来的機能的凶星の土星が結果を与える。
従って、土星/金星期は、吉凶混合し、土星/太陽期は、上述した不可解な例外則として、非常に悪い結果をもたらす。
この原則を素直に正確に当てはめればならなかった。
この原則は、とっくに知っており、重要な原則であったが、土星/金星期や土星/太陽期も、アンタルダシャーロードの金星や太陽が、多少は、結果を出すと判断してしまった。
実際は、少しも結果を出さないのである。
だからこそ、「凶星がマハダシャーロードの時、それと絡まないヨーガカラカのアンタルダシャーの時期は、非常に悪い」という不可解な例外則において、「非常に悪い」という形で、念が押されているのである。
これは技術的な怠慢であったと言わざるを得ない。
分かっていたとしても実際、適用して正しい予測が出来なければ分かっていなかったということなのである。
理論的にも経験的にもその原則が、当たり前のように機能する法則として、当たり前のように日常的に適用して、正しい予測が出来るまでの段階に達していなかったと言える。
しかも今回の結果を見ると、蓮舫は、立憲民主党や共産党からの組織票も得ながら、無党派層の支持を取り込めず、石丸伸二にも負けて、3位と惨敗した。
蓮舫は、選挙結果のインタビューにおいて、涙目で、敗戦の弁を語ったが、立憲民主党を離党し、参院議員を辞職してまでして臨んだ東京都知事選において、惨敗し、政治家としてのポストも失い、一市民に戻ってしまった。
これは明らかにウッタラカーラムリタに記されている土星/金星期、あるいは、金星/土星期は、王から乞食に転落するか、乞食から王に上昇するかのいずれかであるという記述がまさに当てはまっている。
蓮舫は、土星/金星期において、王から乞食に転落したのである。
このように木星/金星期や木星/太陽期と、土星/金星期や土星/太陽期は、全くその結果は違うのである。
それは分かっていたし、途中で、マハダシャーが土星期であることについての懸念も述べたが、最初からこれを検討しなければならなかった。
因みに小池百合子の当選だが、木星/水星期は、確かに水星は月から見た3、6室の支配星で、批判を受けやすくなることは確かで、実際、その通りになって、学歴詐称問題で提訴されたり、色々苦労したことはあったが、実際に蓋を開けてみれば、小池百合子は何とか逃げ切って三選した。
しかし、水星はナヴァムシャのラグナが水瓶座であれば、5-10のラージャヨーガを形成し、ダシャムシャにおいて、マハダシャーロードの木星とアンタルダシャーロードの水星が、10室でコンジャンクションしている。
これもダシャムシャの仕事というテーマにおいて、結果を出せる配置である。
マハダシャーとアンタルダシャーロードが絡んでいること自体が吉兆であり、しかも10室で絡んでいて、2-5、5-11のダナヨーガまで形成している。
ただ私の表現の中で、小池百合子は三選するということではなく、水星期において引退しているようには見えないという表明にとどまった。
それは、水星がダシャムシャの10室に在住していることから、そのように述べたが、それは引退はもちろんしないし、三選すると予想しなければならなかったということである。
蓮舫が、土星/金星期、土星/太陽期に当選すると予測してしまったが為に小池百合子は、木星/水星期に落選しなければならなかった。
その理由を探す分析になってしまったというのが、反省点である。
(そして、その理由として、水星は、繰り返し5室の支配星(10室から見た8室:仕事の中断)になっているというロジックを持ち出したが、これは、小池百合子が三選したことを考えると、あまり機能しておらず、役に立たなかった。)
つまりは、蓮舫についてもラグナは正しく、また小池百合子についてもナヴァムシャやダシャムシャのラグナは水瓶座で正しい可能性が濃厚である。
以前の記事の中で、その辺りは詳しく検討して、火星がダシャムシャのラグナに在住しているという可能性も検討したのである。
そうしたことは、全て、今回、忘れてしまっていた。
過去の検証結果を引っ張り出して来て、十分に見る余裕がなかったということもあり、ナヴァムシャやダシャムシャのラグナについて十分に検討しなかったが、木星と水星がダシャムシャでコンジャンクションしており、しかもそれらは10室に在住していたから、当選したのだとも考えられる。
とにかく、ダシャムシャ(D10)において、東京都知事への就任をもたらしたマハダシャーロードの木星と、アンタルダシャーロードの水星がコンジャンクトしていることが重要である。
だから、この水星が、結果をもたらしたのである。
因みに小池百合子の8、11室支配で12室に在住する木星は、明らかにヴィーパリータラージャヨーガの効果を発揮しているということが改めて明らかになったと思っている。
何故なら、この木星は、牡牛座ラグナにとって最悪の機能的凶星にも関わらず、12室に在住することによって、ヴィーパリータラージャヨーガとなり、学歴詐称問題がこれだけ噴き出しても結局、彼女は、東京都知事としての地位を失わないばかりか、三選までしたからである。
結局、これだけ彼女の学歴詐称が公然と暴露されたにも関わらず、カイロ大学が口裏合わせをして、それを日本のメディアも司法もどうすることも出来ないのである。
公職選挙法などで一切、裁くことが出来ない状態である。
そして、もう一つ言えば、私は、今回、小池百合子が当選出来るかどうかについて、かなりジャイミニメソッドも参考にしたのである。
小池百合子は、水瓶座のメジャーダシャーに移行してしまい、そこから見ると、6室で、AmKの水星やDKの金星がコンジャンクトし、10室にジャイミニアスペクトしているが、GKの月も10室にアスペクトしている。
こうした6室への惑星集中と、10室へのGKのアスペクトが、落選を象徴していると考えた。
しかし、水瓶座はそもそも10室で、6室にあるAmKの水星やDKの金星が、10室にジャイミニアスペクトする配置は、これから仕事上の昇進を果たす可能性を示唆している。
GKが10室にアスペクトしていることは、職業上の困難があることは意味するが、だからといって、それで地位が失われる訳ではない。
やはり、AmKやDKが、6室からではあっても10室にジャイミニアスペクトすることが重要である。
そう考えると、小池百合子は、これから困難を抱えながらも、キャリア的には最も良い時期を迎えるようである。
これまでは、魚座のメジャーダシャーで、10室にAmKの太陽やDKの金星がジャイミニアスペクトしていなかった為、むしろ、水瓶座のメジャーダシャーに移行するこれからの方が、活躍する時期なのである。
このようにジャイミニのメソッドを適用しても、キャリアの深まりを落選と読み間違えたことは、停滞ミスであった。
但し、やはり、魚座や水瓶座のメジャーダシャーがそもそも11室や10室であるからこそ、東京都知事という高い地位に就いているということなのである。
その辺りの単純な根本的なロジックをもっと意識すべきであるということを再確認した。
石丸伸二の躍進
小池百合子と蓮舫の一騎打ちになるかと思っていたが、組織票に一切、頼らない石丸伸二が、蓮舫を破って、2位にまで浮上したことは快挙であった。
街頭演説で、蓮舫や小池百合子よりも多くの聴衆を集め、無党派層の支持を集め、また組織票からもかなりの部分が、石丸伸二に流れた結果、蓮舫を上回る結果を出せたのである。
石丸伸二の演説を見ると、自分が立候補して、それに投票することは政治を変えるチャンスなのだと述べ、聴衆の人たちに自分たちの意志によって政治を変えることを鼓舞した。
あたかも自己啓発セミナーの講師のスピーチのように聴衆の心を掴んだのであるが、多くの経済人も競って名乗りを上げて、石丸伸二を応援することを宣言した。
私は今回、石丸伸二のラグナを牡牛座に設定したが、そうすると、かなり、小池百合子と似ているチャートとなる。
牡牛座ラグナで、牡羊座12室の月から見て、土星が6室乙女座に在住している。
そのことによって、今、小池百合子にとっても、石丸伸二にとっても10室にダブルトランジットしている。
一方で蓮舫は、10室にダブルトランジットしていなかった。
従って、組織票を得ており、かなり有望と言われた割には、Youtubeなどでの露出なども少なく、盛り上がりに欠けていた。
石丸伸二は、ラグナの取り方によって、今現在、ラーフ期か、木星期かのいずれかのパターンがあり得るが、いずれにしてもラーフは、ラージャヨーガを形成し、木星はヴィーパリータラージャヨーガを形成している。
木星は、ナヴァムシャでは月と共に射手座に在住しており、だから、石丸伸二は、自己啓発セミナーの講師のようだったのだと納得する面もある。
今がマハダシャー木星期であるという可能性は検討してみてもいいかもしれない。
そうすると、石丸伸二の木星は、ダシャムシャにおいて減衰しているが、定座の土星や高揚する火星と共にあって、ニーチャバンガラージャヨーガを形成しており、ガージャケーサリヨーガも形成し、チャンドラマンガラヨーガ、グルマンガラヨーガなども形成している。
司令官で、教師であり、異常な実行力を持つカリスマである。
この配置が、組織票を持つ蓮舫を打ち破った理由ではないかと思える。
今、木星期が始まったばかりなら、再び、石丸伸二は、公の舞台に出て来ることが予想され、その時は、また自己啓発セミナーの講師のように国民の意識を鼓舞し、司令官のように号令をかけるかもしれない。
石丸伸二の選挙後のメディアからのインタビューなどでも、インタビュアーの誘導するような質問に対して、一々、それに突っかかり反発する態度を示すのは、最初は、異常な性格によるものだと考えていたが、最近は、見ていて小気味よくなってきた。
メディアのインタビュアーたちの放送に携わる者の権力にものを言わせた傲慢な誘導的な質問に対して、石丸伸二が、一々反発し、皮肉を言う様を見ていると、メディアの権力を改めて意識することになった。
メディアの質問というのは、自分たちでレッテルを張り、かなり意図的にそのレッテルに合致するような回答を相手から誘導的に引き出そうとしているのである。
2024年度 東京都知事選について
(出典:NHK)
出口調査の分析によれば、今回の選挙では、小池百合子は、自民党と公明党からの組織票を得て、当選したようである。
無党派層の支持もある程度、取り付けたようである。
一方で、蓮舫は、立憲民主党や共産党からの組織票を得たが、人気がないこともあって、無党派層の取り込みには失敗した。
石丸伸二は、無党派層の取り込みに関しては、小池百合子と全く互角だったが、自民党からの組織票を押さえていた小池百合子に軍配が上がったようである。
各政党から個人的にかなり石丸伸二を応援する動きもあったが、小池百合子には届かなかった。
まず、組織表に頼らないで、全く一人で戦って、これだけの票を獲得したというのは画期的なことで、無党派層の支持をかなり大きく取り付けたことは画期的だった。
しかし、蓮舫と石丸伸二の票を足せば、小池百合子に勝っていたので、それは残念である。
結局、自民党と公明党の組織票の支援を受けた小池百合子に対抗する票が、蓮舫と石丸伸二に割れてしまい、それで、小池が何とか逃げ切ったという選挙だったのである。
自民党と公明党の既得権益の勢力、小池百合子が東京都知事であれば、金が流れてきたり、飯が食えるという人々が、勝ったのである。
また意外なのは、無党派層が小池百合子をある程度、支持しているという面も浮き彫りになった。
小池百合子と石丸伸二は、無党派層の取り込みにおいて、全く互角であった。
都民も国民も学歴詐称疑惑や政治資金パーティー券問題などは、ほとんど問題にしていないことがよく分かる。
それよりも政治家としての実力を重視しているのである。
あるいは、人物として好きか嫌いかという、ポピュリズム的な要素が重要なのである。
石丸伸二が、東京都知事選に出馬する頃から、私は、石丸伸二が、安芸高田市長として、何を行って来たのかを過去のyoutubeの動画を見て、確認した。
その中で、市議会の議員たちと、指定管理者制度を使った民間事業者への税金の垂れ流しを是正することに苦労しているのがよく分かった。
指定管理者制度とは、「公の施設」の管理運営を行う民間事業者等を「指定管理者」として、指定して、そこに税金から管理運営費を支払う制度である。
しかし、この管理運営費が割と高額であり、利用者が少ないにも関わらず、人件費などを水増しして請求している所がある。
その為、安芸高田市は、指定管理者を廃止し、市が直接、運営するという方法に切り替えて、かなり管理運営費のコストダウンに成功していた。
しかし、その指定管理者の廃止に対して、市議会の議員たちが、雇用創出の機会を奪っているとして、猛反発している光景を目にした。
利用者の少ない施設に指定管理者となった地元の民間企業が、地元の人に事務員など生産性の低いつまらない簡単な仕事を割り当てて、それで、高額な管理運営費を市から引き出しているのである。
その仕事を民間企業に紹介した市議会の政治家は、地元で顔を効かせることになり、それが権力の源泉であり、地元でボスとして振る舞うことになり、色々お礼の品や賄賂など有形無形の返礼を受け取る。
つまり、そうした指定管理者制度を利用して、地元の民間企業に委託された仕事は、皆、地元の政治家と民間企業が共同で保持する利権と化している。
そうした指定管理者制度を利用した事業とは、全く人が来ない施設に事務員が一日中、暇そうに座っているだけの仕事とか、そうした意味のない仕事である。
つまり、必要ない施設やサービスを維持する為に必要ない管理運営費を支払い、そこに雇われた人も必要ない仕事をしているのである。
全く必要がない公金を上から下に垂れ流しているだけの仕組みである。
これで雇用が生まれたとしても、積極的でダイナミックな経済効果を発揮しているとは全く言えない。
働いている人のモチベーションも極めて低いのである。
石丸伸二が行なってきたことは、こうした無駄な事業を廃止して、生み出された資金を子供の教育とか、給食費の無償化とか、未来につながる投資に割り当てたということである。
民主党の石井紘基議員は、日本の特別会計の闇を暴いた人物として有名である。
石井紘基議員は、国会議員が持つ「国政調査権」を使って、省庁の外郭団体や特殊法人などが、日本の国家予算よりも大きい予算を割り当てられて、それを上から下に垂れ流すだけの経済の仕組みをソビエト連邦に留学した経験から、ソビエト連邦の官僚制度と似通っていることを指摘した。
日本では、こうした行政の延長としての特殊法人など省庁の外郭団体が、経済の7割を押さえて、民業を圧迫している、そうした国なのである。
国家予算をこうした特殊法人に分配することが、日本の経済であり、市場の再生産機能が全く働かない仕組みであることを資料などをもとに明らかにした。
そうした事実を暴かれることが不都合な人たちによって、石井紘基議員は、暗殺されたのである。
民主党が政権を取った時にこうした省庁の外郭団体や特殊法人など、必要ないのにただ税金の分配を受ける為だけに存在しているような組織を廃止する為に事業仕分けを積極的に断行した。
その時に活躍したのが、蓮舫で、「2位じゃダメなんですか」という発言が話題となった。
石井紘基議員は、ソビエト連邦のように公金の分配を受ける為だけに存在しているような事業を廃止し、健全な市場の再生産機能を活性化することによって、日本の資本主義経済を健全に発展させるという考え方だった。
行政の無駄を省くということでは、維新の会とも合致するし、また石丸伸二の考え方にも合致する。
従って、石丸伸二と、蓮舫は、ほとんど考え方に共通点も多いので、本来は、2候補に別れるべきではなかった。
蓮舫を応援した人々が、石丸伸二を応援していれば、おそらく小池百合子に勝ち、自民、公明連合に勝っていたと思われる。
因みにれいわ新撰組の山本太郎が、石丸伸二についてどう思うかという質問に回答する動画を見たが、山本太郎からすると、石丸伸二は、れいわ新撰組とは今後、全く接点が出来そうにない人物で、新自由主義側の人間であり、維新の会とウマが合うんじゃないかという意見だった。
因みに山本太郎の意見では、東京都は、経済規模が大きいので、東京都知事は、積極財政を行っていくべきだという考えである。
石丸伸二は、安芸高田市が膨らませた赤字を解消する為に田んぼアート事業を中止し、婚活事業を打ち切り、観光協会を解散し、美術館や老人福祉センターを廃止し、中学校を統廃合し、市花火大会を廃止し、青少年海外派遣事業を廃止し、甲田古墳整備の凍結するなど、あらゆる事業を廃止し、そして、浮いた金を子供の教育や給食費無償化などに投入したという。
山本太郎のれいわ新撰組の考え方では、現代貨幣理論(MMT)でも言われているように国家は、インフレ率の範囲内で、いくらでも国債を発行し、お金を作り出すことが出来るのだから、国債を発行して得た資金で、積極財政を行っていくべきだというのである。
山本太郎は、経済合理性というものを否定する為、事業仕分けなどで仕事を削減することには反対で、人々から雇用を奪うことにも反対なので、ほとんど利用する人がいない公共事業を廃止することが出来るのか、疑問が生じる。
そこには勤めている人がいて、その人たちに給料が支払われており、それがその人たちの生活を支えていると考えたら、その事業を廃止は出来ないはずである。
従って、山本太郎のれいわ新撰組が、政権を取得すると、行政サービスは増えて、公務員も増えて、公務員の給与も上がり、日本の経済の7割を特殊法人などの省庁の外郭団体などが支えるソビエト連邦のような官僚的な体制を強化していく流れにならないかと考えてしまう。
例えば、山本太郎の考えからすると、小泉、竹中が、日本の市場を開放する前の田中角栄と、その子分たちである金丸、竹下、小沢によって行なわれていた土建屋政治が理想なのである。
積極財政で、公共事業を日本全国で行ない、雇用を創出するというのが、正しいあり方なのである。
山本太郎が新自由主義によって、世界に格差が開いてしまった現状に憤る姿勢は、素晴らしいが、しかし、積極財政を無差別に行なう結果、必要のない事業ばかりが増えて利権化する状態も良くないはずである。
地方自治体が、赤字を垂れ流し続けて、財政破綻したら、北海道の夕張市のように市民が行政サービスを受けられなくなり、劣悪な環境下で暮らさなければならなくなる。
従って、企業の経営と同じように収支を考えて、行政を行なわなければならないのであって、赤字のサービスは廃止しなければならない。
赤字を垂れ流し続けても国がその赤字を補填してくれるだけの資金を国債を発行して、地方自治体に無制限に注入してくれる訳ではないのである。
国債とは、国民の未来の労働(生産性)の先取りであり、国債発行可能な限度は、国民の生産力(能力)×人口 という式で、求められるかもしれないが、人口が減っている限り、国債発行能力も低下してくることが予想される。
国民の生産力の許容以上の量の通貨が発行されることにより、インフレにもなってしまう。
やはり、国債を発行して、積極財政を行なうということばかり言っていてもダメなのではないかと思われる。
石丸伸二が、安芸高田市でやってきたことは、財政健全化であり、最近、流行りの現代貨幣理論(MMT)とは全く違うアプローチである。
収支を縮小して、贅沢をしないで、コツコツ借金を返して、我慢して暮らすということである。
江戸時代中期に米沢藩の上杉鷹山が、上杉家の財政を健全化した時も倹約をして、学問を奨励し、産業振興を図ることによってであった。
やはり、教育に力を入れて、新しいアイデアなどで価値を生み出す人が増えることが重要で、エリート教育が、重要である。
石丸伸二は、東京都知事選で、維新の会から出馬しないかとオファーを受けたそうであるが、断ったそうである。
都民、国民の為に政治を行なう為に一切の政党の支援を受けない方針を伝えたという。
石丸伸二がやってきた財政健全化というのは、民主党が行った事業仕分けと何ら変わらないのであり、行政の無駄を排除する活動だった。
考え方も似通っている為、票が割れてしまったことは残念である。
石丸伸二の安芸高田市での活動を見た結果、れいわ新撰組の考え方との違いなども浮き彫りになった。
どちらが正しいのか。
政治に参加するには、そうしたことも考えていく必要がある。
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