魚座で2度、月と太陽がコンジャンクトする場合 -どちらを新月図とするか -

先日の大阪でのマンデン占星術のセミナーで、魚座で2回新月が出来る場合は、どうするのかという質問を受けた。


ヒンドューニューイヤーチャート(新月図)は、現在、春分点は魚座にあるため、基準点となる魚座で、月と太陽が重なった時のチャートである。





そうすると、それが本当の意味での1年の出発点である。


場所は、各国の首都で作成するが、そのチャートを使うと、魚座での新月から次の魚座での新月までの国家の運勢を占うことができる。



セミナーの中で、魚座で、2回、月と太陽がコンジャンクトして、新月を形成したら、その場合はどうするのかという質問を受けた。


その時は、実際、そのようなケースが存在するかどうか分らなかったが、その後、実際、そのようなケースが存在することをブログの投稿欄を通じて教えて頂いた。


2029.3.15に0°付近、と2029.4.14に29°58’付近で成立しているということだったが、2029年は、未来のことなので検証することは不可能である。


その後、1964年にも魚座で、2回、新月が形成されているということだった。



1964.3.14 11:13 0°10’付近
1964.4.12 21:37 29°16’付近



調べてみると、1964年は、日本では東京オリンピックが開催され、また世界でも興味深いマンデンイベントが起こっていた。


まず、ブラジルでは、1964年に軍事クーデターがあり、大統領が追放され、その後の21年間、独裁政権となってしまう事件が起こっている。


当時、ブラジルでは、副大統領から昇格した左翼的傾向を持つゴラール大統領が、社会主義的政策を実施しようとしていたが、1964年3月31日に保守派と結んだカステロ・ブランコ将軍がクーデターを実施し、大統領に就任している。


アメリカは、第二次世界大戦後の第二の植民地政策で、南米諸国を親米政権にしようとして、反政府組織に資金援助したり、CIAが暗躍していたが、アメリカの支援を受けたブランコ将軍がクーデターを成功させた形である。


これは大きなマンデンイベントで、ブラジルの首都ブラジリアで、新月図を作成すると、3月13日のものと、4月12日のものを作成することができる。


3月13日の新月図では、ラグナが蠍座で、土星と火星が4室水瓶座で、コンジャンクトしており、4月12日の新月図は、火星は魚座に移動している。







この2つを比較すると、3月13日の新月図の方は、4室で土星と火星がコンジャンクトしている為、重大で不吉なマンデンイベントが起こりそうな配置をしていることが分かる。



4室は国土を表わし、国会なども表し、10室は首相や大統領、権力者のハウスであり、そこを傷つけている為、軍事クーデターが起こったということは理解できる。



また水瓶座で土星が定座に在住し、そこに火星がコンジャンクトする配置は、力を増しつつある社会主義勢力に対する資本主義勢力の反発を表わしている。



共産主義化し兼ねなかったブラジルにアメリカが軍事介入も辞さない構えで、保守派のカステロ・ブランコ将軍を支援したのである。



その後、大統領に就任したブランコ将軍は、外資を導入する政策を推し進める。




つまり、最初の3月13日の新月図と2回目の4月12日の新月図を比較すると、3月13日の方が、保守派のクーデターをよく示している。



然し、クーデターが起こったのが、1964年3月31日である為、1回目の新月図の後であり、また2回目の4月12日の新月の前に起こった出来事である。



この場合、一回目の新月図が示していると考えるのは論理的に自然である。



従って、このイベントでは、1回目と2回目のどちらの新月図を使えばいいのかという結論は出てこなかった。




魚座で2回形成される新月の間に起こったレアな出来事を取り上げてしまった為にこの出来事の検証では上手く行かなかった。


但し、魚座で新月が2回形成される場合は、最初の新月は次に魚座で新月が出来るわずか1ヶ月弱の間の出来事を表していることを示す事例なのではないかとも思える。

1964年は、アジア初の東京オリンピックが開催された年であり、このことは新月図にも出ていると思われるが、国民の祭典であるオリンピックは5室の象意である。



0°10’で形成された新月図では、5室支配の金星が5室にアスペクトバックしており、5室が十分強く、オリンピックの開催を示唆しているように見える。





ただ29°16’で形成された新月図では、ラグナロードの火星が5室に在住し、5室の支配星と星座交換している。





従って、5室に惑星集中しており、5室の支配星に絡んでいる惑星も多い。




1964年の東京オリンピックは、アジア初のオリンピックということもあり、2021年のオリンピックとは比べ物にならないくらい全ての国民を巻き込んだ一大イベントだったと思われる。




開催に向けての整備

この東京オリンピックの開催に向けて、競技用施設から選手村、公共交通機関などのインフラストラクチャーや観戦客を受け入れるためのホテルに至るまで、東京都内のみならず日本各地において種々の建設・整備がなされた。

東京オリンピックの経費は265億3400万円といわれる(組織委経費の99億4600万と大会競技施設関係費の165億8800万円との合計)。経費の大半は、公営競技の収益金や、記念メダルや寄附金付切手、寄附金付たばこ「オリンピアス」の販売、割増金つき定期預金、電電公社発行の電話帳の広告収入が充てられたほか、1961年から始まった10円募金で賄われた。

(wikipedia 1964年オリンピックより引用抜粋)



そうすると、ラグナロードの火星が5室に在住し、5室支配の木星と星座交換する新月図が示しているようにも思えてくる。



日本全国のインフラ整備が進められたことは4室水瓶座でムーラトリコーナの土星で表されているようにも思われる。




以上のように魚座で、新月が2回出来る時は、後の方に出来た新月図が次の新月図までの1年を占うチャートになる可能性がある。



魚座における新月図から次の魚座における新月図が作成されるまでの約1ヶ月は、最初の新月図で表される可能性がある。



それは、ブラジルの例などは、そうした解釈で上手くいったからである。



この1964年で起こった出来事で、もっと分かりやすく識別できる出来事があるかもしれない為、そうした事例があれば更に検討することで結論が出るかもしれない。



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