昨年(2024年)の12月19日、球界のドンであり、政界のフィクサーとも呼ばれた渡辺恒雄が亡くなった。
「ナベツネ」の通称で親しまれ、野球界、メディア、政界など、日本の影の実力者であることは、衆目の知るところであった。
しかし、テレビや新聞にはもはやかつてのような勢いはなくなっており、時代も変わりつつある。
テレビや新聞の全盛期における一時代を築いたメディア王とも言えるかもしれない。
堀江貴文は、ライブドアーが球団買収を試みた際に失敗したのは、渡辺恒雄に挨拶に行かなかったのが原因ではないかと自ら振り返っている。
1945年4月、東京帝国大学文学部哲学科に入学し、その後、陸軍に徴兵されているが、直ぐに終戦となっている。
陸軍で上官から暴行を受けたこともあり、軍人を嫌い、復学してから反天皇制を掲げる共産主義に傾倒し、共産党に入党して活動していたこともある。
その後、1950年に読売新聞社に入社し、警視庁出身の読売新聞社長・正力松太郎の眼鏡にもかない、政治部記者として、自民党の大物、大野伴睦の番記者になり、以後、保守政界と強い繋がりを持つようになったという。
つまり、番記者として政治家に張り付いて、政治家と親しくなり、政治家の為に色々仕事を引き受けるようになる。
ウィキペディアには以下のように記されている。
渡邉に対する大野の信頼は篤く、渡邉は大野の依頼を受けて自民党総裁や衆議院議長ポスト獲得交渉の代行、自民党政治家のゴーストライターとして、週刊誌の論説の執筆まで引き受ける。児玉誉士夫と懇意になり、児玉の指令のもとに九頭竜ダム建設の補償問題や日韓国交正常化交渉の場でも暗躍したとされている。また渡邉は後年、大野が戦時中から自由主義者であり、かつ反戦・反軍主義者であったことから気が合ったと振り返っている。 (wikipedia 渡邉恒雄より引用抜粋) |
政治家の為に記事を書いて、世論を動かしたり、政治家の使い走りをして、政界の工作活動などに従事し、政治家との人脈を元に読売新聞内の地位も獲得したと言える。
これが渡邉恒雄の成り上がり物語である。
1977年に編集局総務(局長待遇)に就任し、取締役論説委員長にも就任して、1984年には元旦の社説も執筆するようになる。
そして、1989年に球団内の最高経営会議のメンバーに選ばれ、読売ジャイアンツに関わるようになったが、野球の知識はほとんどなかったという。
後で述べるが、この野球の知識がほとんどなかったにも関わらず、球界のドンとして振舞っていたことはポイントである。
その後、1991年に読売新聞社社長に就任してからは、横綱審議委員となり、1999年には日本新聞協会会長に就任する。
そして、2005年には、読売新聞グループ本社の会長に就任する。
政治家の御用ジャーナリストとして、政治家の為の世論の操作や工作活動に従事し、政治家との人脈を背景にして、読売新聞内で出世して、最後には会長の地位に上り詰めたというのが、渡辺恒雄の出世物語である。
つまり、渡辺恒雄の出世物語は、サラリーマン出世物語であり、若くして亡くなった銀行員の父親が残した11軒の貸家からの家賃収入を得るだけの生活基盤はあったが、特に実家は、大資本家でもなかったように思われる。
父親が若くして亡くなった為、小さい頃から家長として一家の将来への責任を背負っていた。
因みに渡辺恒雄は種々検討の結果、おそらく、牡牛座ラグナである。
渡辺恒雄は、1955年に元東宝の女優で、当日、モデルとして活動していた篤子夫人と結婚した。
28人目の交際相手だったらしく、「過去の27人より素晴らしい」と独特の求愛言葉で口説き落としたという。
威圧「暴君」渡辺恒雄氏の素顔 妻と野鳥と小動物愛し 欠かさなかった外出前のキス 2024年12月20日 04:00 スポニチアネックス 渡辺氏は愛妻家としても知られていた。2017年に死去した妻の篤子さんとは後輩の紹介で知り合い、渡辺氏が一目ぼれ。55年に結婚した。「過去の27人より素晴らしい」と独特の求愛言葉で口説き落としたという。 97年に渡辺氏は前立腺がんが発覚し、翌98年に全摘手術を受けた。闘病生活を支えてくれた篤子さんだったが、99年に脳出血で倒れた。渡辺氏は会社に「2週間出社できない」と伝え、術後の篤子さんの手を握り続けた。その後、篤子さんは認知症を発症するも奇跡的な回復を遂げた。 新婚当初、渡辺氏の外出時にはお互いの頬にキスをすることが夫婦の習慣だった。当時数カ月で終わったが、結婚生活50年を超えた頃にお出かけのキスが復活。深い愛情で結ばれていた。 ≪ハムスター飼育 穏やかな一面≫ 「たかが選手が」発言などで「暴君」の印象が強かった渡辺氏だが、そのイメージとは正反対の穏やかな一面も持ち合わせていた。私生活ではハムスターなど小動物を飼育し、バードウオッチングを趣味としていた。自宅の庭に餌場を設け、野鳥が訪れるのを楽しみとしていた。音楽鑑賞もたしなみ、ベートーベンやチャイコフスキーなどのクラシックを好んで聴いていた。 同業者の仕事に理解も示していた。巨人の球団経営に参加し始めた1990年代から2000年代には、宴席の後に記者団から取り囲まれることが常だった。「夜討ち朝駆けの経験があるから、苦労している記者には応えたい」という記者出身ならではの思いから、長時間張り込みをしていた記者をないがしろにすることなく向き合っていた。顔見知りとなった男性記者に「独身か?独身だったら女性を紹介するぞ」と声をかけたこともあった。 |
この時のトランジットを見ると、1955年5月30日の時点で、木星は蟹座から蠍座にアスペクトし、土星は天秤座で逆行し、蠍座にアスペクトして、蠍座にダブルトランジットしていた。
牡牛座ラグナであれば7室へのダブルトランジットである。
そして、ラーフ/ケートゥ軸も結婚生活を表す2-8軸をトランジットしていた。
ダシャーは、月/土星期、あるいは月/水星期辺りだが、このダシャーからおそらく、ナヴァムシャのラグナは獅子座ではないかと考えている。
出生図では、月は3室支配で結婚生活の8室に在住し、土星は月から見た結婚生活の2室の支配星である。
また水星は結婚生活の2室の支配星でラグナ(7室から7室)に在住している。
ナヴァムシャのラグナを獅子座とすれば、月はラグナ(7室から見た7室、結婚の分割図のラグナ)に在住し、土星は7室の支配星で、水星は結婚生活の2室の支配星で、結婚生活の8室に在住し、2室にアスペクトバックしている。
獅子座ラグナであれば、ラグナロードの太陽が10室で、4、9室支配の火星とコンジャンクトし、1-4、1-9のラージャヨーガを形成し、5室支配の木星とも相互アスペクトして、1-5、4-5,5-9のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。
10室には高揚するラーフも同室しているが、ケンドラとトリコーナの両方の支配星とコンジャンクトして、ラーフはヨーガカラカ(ラージャヨーガ)になっている。
10室の太陽はリーダーシップや統治力、地位を表し、火星は管理能力、司令官としての実行力を表している。
またこうした配置は、ラグナと月が同じ獅子座であることで、強調されている。
つまり、一国の総理大臣を凌駕する権力は、この配置がもたらしたのである。
逆に言えば、この配置でなければ、渡辺恒雄の権力を説明することが出来ない。
ナヴァムシャが獅子座ラグナであれば、出生図のラグナは、牡牛座ムリガシラー第1パダになる。
支配星は、火星であり、好奇心旺盛で、ピッタ系の活力があり、社会・経済に対する興味関心が強く、ジャーナリスト向きであると言える。
また支配星が火星であることから、金や権力にも関心が高く、ムリガシラーは27のナクシャトラ中、アヌラーダと共に最も金運に恵まれているナクシャトラの一つである。
然し、権力者でありながら、「ナベツネ」の愛称で親しまれ、ムリガシラーには独特の愛嬌があるとされるが、こうして点全てが渡辺恒雄の人物像に一致してくる。
所有者、コレクターとしての牡牛座の特徴
因みに先に言っておくが、牡牛座ラグナだと考えると、渡辺恒雄は、野球の知識がほとんどなかったにも関わらず、読売ジャイアンツの勝ち負けにこだわったり、選手の獲得などに熱心になったのは、牡牛座の持つ所有欲に関係していると思われる。
牡牛座ラグナの人物は、しばしばコレクションをする癖があり、沢山、物を蒐集して、しばしば博物館などを立ち上げる人も多い。
動物園や博物館、美術館といった生き物や物の蒐集は、物の所有にこだわる牡牛座ラグナの性質がもたらすものである。
私は以前、デヴィッド・ロックフェラーのチャートを検討した(2017年5月12日付『デヴィッド・ロックフェラーとフリーメーソンについての考察』)が、デヴィッド・ロックフェラーは、ロックフェラー家の3代目当主で、チェース・マンハッタン・コーポレーションの会長兼最高経営責任者で、世界皇帝と呼ばれた人物で、15万人分の名刺を収めたホルダーを所持しており、ロックフェラー宅を訪問した斎藤邦彦(元駐米大使、元外務事務次官)によれば、ロックフェラーは趣味である昆虫、甲虫類のコレクションを所持している。
デイヴィッド・ロックフェラーのオフィスには150000人の名刺を納めたローロデックス(Rolodex、名刺ホルダー)がある。世界の政財界の要人4万人と親交のある「銀行外交官」と称された。 趣味は昆虫学、甲虫類(beetle)の研究とコレクションである。斎藤邦彦(元駐米大使、元外務事務次官)はロックフェラー宅で甲虫類のコレクションを見学している。 (wikipedia デヴィッド・ロックフェラーより引用抜粋) |
つまり、デヴィッド・ロックフェラーは昆虫採集を趣味としており、15万人分の名刺を所持して、人材採集にも勤しんでいたと思われる。
デヴィッド・ロックフェラーは、月、太陽、金星が牡牛座に在住しており、典型的な牡牛座の人物である。
(そのうち、ラグナの特定もしたいと考えている)
渡辺恒雄は、その所持する権力やフィクサーとしての立ち位置などが、このデヴィッド・ロックフェラーによく似ている。
またおそらく、物や昆虫(生物)、人材などの蒐集癖も似ているのではないかと思われる。
渡辺恒雄がプロ野球に夢中になるのは、自分がプロ野球を愛好し、プレイヤーとして野球を楽しみたいというプレイヤー目線の欲求からではなく、優れた選手を獲得、所有し、その選手たちの力で、読売ジャイアンツが優勝し、その広告宣伝効果などで、読売グループが経済的に潤い、自らの名誉や権力欲、所有欲などを全てを満たすことが出来る為である。
渡辺恒雄の野球への関心は、そのような球団オーナーとして、監督や選手など、全てを所有する支配者としての興味関心である。
農家の主人が、自分が飼っている牛が良く働いてくれると関心を持つのに似ている。
そうした事実は、渡辺恒雄が、球界再編問題の渦中で述べた以下の発言によく表れている。
日刊スポーツ・S記者「明日、選手会と代表レベルの意見交換会があるんですけれども、古田選手会長が代表レベルだと話にならないんで、できれば、オーナー陣といずれ会いたいと(言っている)」 渡辺「無礼なことをいうな。分をわきまえないといかんよ。たかが選手が。たかが選手だって立派な選手もいるけどね。オーナーとね、対等に話をする協約上の根拠は一つもない」> 渡辺自身が「失言」と書いているから、まずいことをいってしまったという思いは発言直後に感じていたのだろう。あわてて「たかが選手だって立派な選手もいる」とフォローしても後の祭り。民放テレビ1社が一部始終を撮影しており、弁明の余地もなかった。 (「たかが選手が」渡辺恒雄氏を追い詰めた“失言”の背景、球界のドンはプロ野球をどう変えたのか 2024年12月28日 Wedge ONLINE 中島章隆( 元毎日新聞運動部長・論説委員)より引用抜粋) |
首相の意思決定に影響を及ぼす権力 -「国有地の払い下げ」問題での暗躍-
渡辺恒雄が、一国の首相の意思決定に影響を及ぼした事例だが、大手町の国有地を読売グループが手に入れる為に1966年12月24に当時、記者だった渡辺恒雄が、佐藤内閣への批判キャンペーンを行なったという事実がある。
1966年12月24日、朝刊一面トップで「総選挙にかける」という特集記事が組まれ、「黒い霧の審判 歓迎されぬ首相の応援」「史上最低の不人気内閣」「(支持率)二五パーセントの不人気首相」と、渡辺恒雄記者による佐藤内閣への批判キャンペーンがおこなわれる。1961年以降、旧大蔵省関東財務局・国有財産局であった「国有地の払い下げ」問題がこじれたためであった。跡地は日比谷通りに面した一等地のため、100社以上の応募が殺到。読売新聞は、49番目の応募だったが、「角さん、俺のとこに社屋の土地をよこせよ」(渡辺恒雄の田中角栄への直談判の時の発言)と、熾烈な政界工作を展開。1963年、読売への払い下げが決定された。ところが水野成夫産経新聞社長の巻き返しで、1966年夏、払い下げは白紙撤回。そのため1966年12月22日、業を煮やした務台光雄副社長は、読売新聞本社部長会の席上、「大手町の国有地を払い下げるとはっきり約束した。この約束が反故になったら日本の政治はもうおしまいだ。道義は地に墜ちてしまう。そうなったら内閣と一戦交えるしかない」と発言。12月24日朝刊記事は、国有地を読売にわたさない佐藤内閣へ、解散総選挙を利用した圧力であった。1966年12月27日、「黒い霧解散」で衆議院が解散される。12月29日、務台光雄と佐藤栄作は、首相官邸で会談をおこなう。読売新聞は、460万部の部数をバックにして、大手町の国有地を手に入れることに成功した。 (wikipedia 讀賣新聞より引用抜粋) |
この時は、まだ記者に過ぎなかったが、この頃からジャーナリズムを利用して、一国の首相の政治的立場に影響を及ぼす為の工作を行っていた。
その後、2005年に読売グループ本社の会長に就任した時、それが、どれだけの権力を意味するかは容易に分かる。
この時、渡辺恒雄のキャンペーンが功を奏し、読売新聞は、1966年12月29日に大手町の国有地を手に入れることに成功した。
この時のトランジットを見ると、土星が11室をトランジットし、木星が蟹座から11室にアスペクトして、11室にダブルトランジットしている。
この国有地取得の功績により、渡辺恒雄の評価が高まったことが推測される。
そして、8室太陽、水星、金星がトランジットし、逆行する木星と土星が8室にアスペクトして、8室にダブルトランジットしている。
またそこには3室支配の月も在住している為、3室にもダブルトランジットしている。
3-8の絡みが成立している8室にダブルトランジットしていることから、他のメディアの妨害を受けたり、確執があったことが推測される。
また国有地を棚から牡丹餅で手に入れるという8室の象意も考えられ、実際、渡辺恒雄は、この功績により、臨時ボーナス(8室)を受け取ったかもしれない。
共産主義思想への傾倒、反ポピュリズム論
渡辺恒雄が若い頃、共産党に入党し、マルクス主義に傾倒したのは、月ラグナから見た5室支配の火星が水瓶座(共産主義)に在住して、1、4室支配の木星とコンジャンクトし、1-5、4-5のラージャヨーガを形成している為である。
東京帝国大学文学部哲学科に入学し、哲学に傾倒したのもこの配置の為である。
木星は宗教、哲学の表示体であり、その木星が5室に絡んでいる為、哲学へ興味を持ったが、5室支配の火星や木星が水瓶座に在住している為、共産主義に興味を持ったのである。
水瓶座は、ポピュリズムの対極にある星座で、ポピュリズムは、大衆的な現象であり、大衆一人一人が自分自身の生活や権利を守るという視点から一人の指導者を熱狂的に応援し、独裁者が誕生するような現象を指している。
基本的にポピュリズムは、個人主義であり、大衆としての個人が、一人の指導者に自分たちの夢や希望を託すことによって、独裁者が誕生する。
しかし、大衆は蟹座(月)が象徴しており、熱しやすいが、冷めやすく、月が満ち欠けを繰り返すのと同じように変化も早いのである。
ポピュリズムは、それ程、長くは続かずに直ぐに終了し、大衆が飽きると、独裁者は大衆から捨てられ、見向きもされないことになる。
ポピュリズムは利己的な大衆の欲求を原動力にしている為、長期的視点の公共的な大きな課題などを解決することが出来ない。
ポピュリズムに迎合する政治は、ばら撒き政治と呼ばれるのである。
渡辺恒雄は、こうしたポピュリズムに反対する主張を2012年に刊行した『反ポピュリズム論』の中で展開している。
ポピュリズムに迎合するのではなく、国家のエリートが、国家の繁栄を目標とする為の長期的視点に立った制度設計や法整備を整えることを主張している。
この渡辺恒雄の『反ポピュリズム論』は、共産主義というものが、エリート主義であり、全体主義的であることを物語るエピソードである。
共産主義というものは、大衆のわがままを許さずに一定の画一化されたルールや秩序に従わせるという側面を持っている。
大衆は好き勝手には行動できず、大衆にはある程度の制限された権利や自由しか認めないのである。
その為に優れたエリートの統治が必要であり、大衆には、上から平等な社会を与えるというスタンスになりやすい。
例えば、以前も述べたが、スマートシティーという構想があるが、環境にやさしい循環型の街づくりの計画である。
然し、この街づくりの構想は、全体的な視点が必要である為、そこで暮らすことになる個々の大衆の意見はある程度までしか反映されない。
そこで暮らす人々は、勝手に家を作ったりは出来ず、全体的な計画への調整、適合が求められる。
基本的には、知的エリートによって設計される街である。
これは今、現在、シリコンバレーの知的エリートが、どんどん社会に対してソリューションを提供し、社会の制度設計を推し進めているが、そうした人々が持つ考え方と同じである。
例えば、paypalを創業して、社会に決済手段のソリューションを提供したイーロン・マスクは、その後、沢山の人工衛星を打ち上げ、スターリンクという人工衛星を経由したインターネット網を構築したり、更にトランプ政権内で、政府効率化省という部署の責任者として、社会の制度設計を進めていくことの中にも見られる。
しかし、水瓶座というのは、平等主義、博愛主義の星座であるが、決して無条件の平等主義ではなく、平等ということの中には自分を含めていない。
水瓶座は、自分自身は、知的エリートとして、大衆が平等に生きていく社会を管理運営する責任があると自負している。
つまり、管理者側と管理される側という形で、階級は存在するのである。
渡辺恒雄の『反ポピュリズム論』では、当然、自分自身は、国家を管理運営する知的エリートとして、国家の長期的な指針、制度設計、法整備などを進める権利があると考えているのである。
渡辺恒雄は、陸軍の上官から暴力を受け、反天皇制、資本主義にも反対する共産主義に傾倒したが、その後、自分自身が資本主義の中の頂点に君臨した時、ポピュリズムに反対し、大衆を管理し、大衆に快適な生活を与え、平等を与えるという、全体主義的な思想家に変貌したのである。
全体主義というと、ヒトラーのナチズムのように右翼民族主義から生じる全体主義もあるが、旧ソビエト社会主義共和国のように左翼系の反体制的革命運動から生じる全体主義もあるのである。
右翼的な道だろうと、左翼的な道だろうと、権力を持つものは、いずれにしても世界を管理し、統制していくことを考える。
渡辺恒雄が、若い頃、共産党に入党していたというエピソードは、渡辺恒雄のチャートの水瓶座に火星や木星が在住しているのと絡めて考えると興味深いのである。
肺炎で死去
渡辺恒雄は、2024年12月19日2時に肺炎の為、都内の病院で亡くなった。
年齢的に98歳であった。
やはり牡牛座の人物は、食や健康に気を使う為、長生きである。
土の星座で、安定性と持続力がある為か、やはり、寿命という点でも長寿である。
これは101歳まで生きたデヴィッド・ロックフェラーと共通するものがある。
ダシャーは水星/金星/土星期で、水星はマラカの2室の支配星で、マラカの7、12室支配の火星からアスペクトされている。
通常、水星は2、5室支配である為、通常は、トリコーナの5室の吉意により、マラカとはならないが、トリシャダハウスの支配星などから傷つけられている場合、マラカとなり得るのである。
この場合、マラカの7室を支配する火星からアスペクトされており、6室の表示体である火星が、2室支配の水星を傷つけ、マラカとしての性質を引き出したと考えられる。
また1、6室支配の金星は、ラグナロードであるにも関わらず、マラカ(二次的なマラカ)に分類され、同じく7、12室支配のマラカの火星からアスペクトされている。
また土星は月から見た2、3室支配のマラカであり、月ラグナにアスペクトしている。
この場合、肺炎としての死因にプラティアンタルダシャーの土星が大きな役割を果たしていることが分かる。
因みに肺の表示体は月であり、3室支配で8室に在住し、ラーフ/ケートゥ軸と土星によって激しく傷つけられている。
また同じく4室支配の太陽が、マラカの2室支配の水星とコンジャンクトし、マラカの7、12室支配の火星からアスペクトを受けている。
この傷ついた4室支配の太陽の象意が、肺炎として、水星のマハダシャーの時期に顕現したと考えられる。
またプラティアンタルダシャーロードの土星は、ラグナロードでマラカでもある1、6室支配で12室に在住する金星にアスペクトし、土星から傷つけられており、更に土星は、8室に在住する傷ついた月にアスペクトしている。
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