核兵器などの使用もちらつかせて威嚇するロシアに対して、アメリカもNATO諸国も本格的にロシアと戦争はしたくない為、ウクライナに軍は派遣しない。
ポーランドがミグ戦闘機をウクライナに提供するという案もロシア側が参戦したとみなすと主張していることで、アメリカも及び腰になっている。
ここでプーチンを追い詰めて、頭の狂ったプーチンが核兵器でも使ったら、核戦争に発展してしまう為、そうしたリスクも考えて、本格的な兵器の提供が出来なくなっている。
このような情勢を考えると、やはり最終的にプーチンのロシアのウクライナを非武装化、非軍事化するという作戦は成功するように思えてくる。
そして、ロシアが撤退する時には、やはり、親ロシア系住民の多いドネツク州やルガンスク州など、今までは一部を占領し、一部の独立を承認していただけだったが、これらの二州の全域を独立させたり、ロシアに併合するということに成功するかもしれない見込みが出て来た。
もはやウクライナ全域に侵攻したロシアに対して、ドネツク州やルガンスク州の2州を割譲するということは撤退してさえくれるなら、むしろ、小さいことのようにも思えてしまう。
そして、これらの二州への実質的な支配地域を拡大し、非武装化されて二度とNATOに参加しないと確約したウクライナの広大な領土という目的を達成して、この戦争は終わるのではないかと思えてきた。

それがロシアの建国図におけるマハダシャー木星期の意味ではないかと思えてくる。
以前、書いたようにラーフ/木星期になる直前にプーチンは、ウクライナ東部のドネツク州やルガンスク州の一部を占領したのであり、領土の拡大に成功したのである。
そうすると、マハダシャーの火星期は、プーチンは国内のチェチェン紛争など国内を軍事的に制圧して、オルガリヒを抹殺して、ソ連の崩壊後、全く混乱していたロシアを再び、強い国にした時期である。
この火星がアンタルダシャーとなるラーフ/火星期が来て、その後、2024年2月13日から木星期に入っていく。
やはり、木星は4、7室支配で4室にアスペクトバックする配置であり、4室(国土)が強い為、ドネツク州やルガンスク州の2州の支配地域を拡大し、場合によっては、今回の戦争の結果、これら二州を併合するのである。
また木星は7室の支配星でもあり、戦争のハウスである為、戦争状態が継続したまま、安定化していくということかもしれない。
ドイツは、ロシアに天然ガスなどのエネルギーの依存率が55%もあり、経済制裁も継続できないのである。
戦争が終わったら、早速、ロシアとの取引を再開せざるを得ない。
その証拠にアメリカのブリンケン国務長官は、ロシアが戦争を止めるまで経済制裁は続くと発言している。
つまり、戦争を止めるまでしか経済制裁はしないのである。
戦争が終わった後も継続して、今回の破壊や死の責任を取らせてロシアを懲らしめる為に経済制裁をし続けるという訳ではないようである。
そういう姿勢が言葉尻からも分かってくる。
結局、今回の件で、プーチンは軍事侵攻を起こした人物といった評価を受け、チャートから見てもプーチン個人は、次回の選挙で再選しない可能性が高いが、ロシアの国家自体としては、ウクライナの東部のドネツク州やルガンスク州の支配地域の拡大や、ウクライナの非武装化、非軍事化という目的を達成するのである。
そして、戦争が終わった後は、何事もなかったかのように西側諸国はロシアとの取引を再開するのである。
ロシアへのエネルギー依存率の高い欧州は、ロシアとの取引を再開せざるを得ず、いつまでも経済制裁している訳にもいかない。
それが、ロシアの建国図におけるマハダシャー木星期なのではないかと思えてくる。
この木星は双子座のプナルヴァス(木星)に在住しており、月から見て3、12室支配で6室に在住している。
12室の支配星が6室に在住している為、ヴィーパリータラージャヨーガで、敵がいなくなるという配置である。
木星は国家財政の2室と、国土の4室、国民の福祉などを表わす6室などにアスペクトして、それらのハウスを保護しており、木星期のロシアの国家運営は安定し、国際社会の中でもリーダシップを発揮していくという考え方にもなりかねない。
プーチンが捨石となって、ロシアが安全保障の問題を解決し、その後、国家としての威信を増していくということかもしれない。
木星のナクシャトラ(プナルヴァス)に在住する木星は、強い配置であり、また木星は拡大傾向を表わし、拡張主義を表わす為、ソ連時代の強くて巨大なロシアの復活という理想主義にも合致して来る。
ここで戦争の結果次第で、プーチンの評価が全く変わる可能性を秘めている。
西側メディアが報じていないこととして、ウクライナ政府は、親ロシア系住民に対して、ドネツク州やルガンスク州などに軍事作戦を展開して、親ロシア系住民に対するジェノサイドがあったらしいのである。鳩山由紀夫もそうしたことを主張している。
アメリカのCIA(ネオコン)が、ウクライナのネオナチを支援して、ウクライナに親EU政権を樹立して、NATOに加盟させる計画で、ロシアの安全保障を脅かしていたというのは、本当のようである。
どちらが正しいのか判断はつかず、どちらが正しいとか正しくないとかそうしたことでもなく、これは平常時から行なわれている戦争であり、西側の自由主義諸国と、独裁国家との闘いである。
この西側の自由主義諸国が推し進める新自由主義も全く民衆にとって害悪であり、アメリカもつい最近まで大量破壊兵器があるなどと嘘を付いて、イラクへの軍事侵攻などをして、いきなり正義を振りかざしても自分がして来たことと矛盾しており、全く無理がある。
戦争に勝利したものが歴史を記録すると言われているが、現実主義(リアリズム)の観点からは、ある程度の軍事力を維持して、国家主権を守らなければならないということがよく分かる。
決して、軍事力で引けを取ってはいけないのである。
アメリカはどうなるか?
アメリカはロシアとの本格的な戦争に突入したくはなく、核戦争のリスクも考えて、ここはロシアを刺激せずに穏便に戦争を終わらせて、プーチンの政界からの退場を待つという考えかもしれない。国内の民主化運動などを支援して独裁政権が自然につぶれていくのを待つことぐらいしかできない。
またウクライナに兵を派遣する余裕はなく、対中国へ照準を定めているとも言われており、逆に中国がロシアへの西側諸国の一致団結した経済制裁を見て、軍事費を26兆円に増額したり、戦争準備をするように軍に号令をかけるなどしている。

先日、ロシアの新月から満月、満月から新月の動き(ルネーション)を検討し、特に3月17日からラーフ/ケートゥ軸が牡羊座/天秤座軸へ移動し、日蝕や月蝕が、ウクライナの建国図の4-10軸で5月1日、10月25日、11月8日のタイミングで形成されることを確認した。
それは中国の建国図でも全く同じで、中国の建国図は山羊座ラグナで、月も山羊座である。
2022年3月17日からラーフが牡羊座の4室に移動し、日蝕も形成されることから、国土に対する欲望が生じたり、4室(国土)の象意で何かが起こるタイミングである。
2023年4月から12月にかけて、4室にダブルトランジットも生じる為、台湾に関する何らかのアクションが生じる可能性がある。
ダシャーは水星/水星/土星⇒水星/ケートゥ/ケートゥ期であり、水星はハスタに在住しているが、支配星の月は7室(戦争)の支配星で、ケートゥはチトラーに在住しているが、支配星の火星は7室(戦争)に在住している。
従って、水星期やケートゥ期は、好戦的で、領土に対する野心などを示す時期と言うことが出来る。
2022年4月14日から木星が魚座に入室して、土星は6月5日から水瓶座で逆行して、7室にダブルトランジットが形成し、2022年の年末にかけて7室(戦争)にダブルトランジットが生じ、戦争の危険性が高まってくる。

アメリカの建国図で、双子座に惑星集中する惑星群は、ロシアでの営業や取引の停止を発表した多国籍企業を象徴している。
ロシアでの営業を停止したビザやマスターなどの大手のクレジットカード会社やロシアでの販売を中止したアップル社、ナイキやマクドナルドなど、米国の錚々たる企業群が、ロシアでの営業を停止している。
但し、これらの企業群は、ロシアでの営業を停止することで逆に売り上げが減り、困る事態にも陥ることになる。
経済制裁は諸刃の剣である。
これは、現在、この惑星集中する双子座から見て、中断の8室に土星がトランジットしていることにも関係してくると考えられる。
ロシアへの経済制裁が、世界経済にも影響して、双子座はウォール街も象徴する為、世界的な株式市場の混乱も予想される。
但し、それでも西側諸国の企業群が、ロシアの経済制裁に踏み切ったのは、まもなく土星が水瓶座に入室していくからである。
水瓶座は双子座から見た9室で、やはり、経済的利益よりも戦争を起こしたロシアへの経済制裁という形で、正義を求めたということではないかと思われる。
つまり、国際法の遵守を求めたということであり、それは9室の象意ではないかと思われる。
アメリカは今後、どうなっていくかだが、私は昨年からマンデン占星術のセミナーを準備する中で、アメリカの建国図をその建国時に遡って、詳細に調べる機会があった。
このアメリカの建国図は、ヨーギ・カルベという超能力者の助言を得て、シュリK.N.ラオが獅子座ラグナに修正したものである。
この建国図は、非常によく米国の過去の歴史を説明することが出来る。
アメリカ南北戦争(1861年~1865年)

例えば、アメリカ南北戦争(1861年~1865年)の時、ダシャーは金星/月、金星/火星、金星/ラーフ期と推移している。
まず金星はマンデン占星術においてはしばしば戦争をもたらす惑星と言われている。
その理由ははっきりしないが、金星は物質主義の惑星であり、物質性を求める結果、戦争が起こる可能性も考えられる。
アンタルダシャーの月は7室(戦争)に在住し、火星は戦争の惑星で、7室の支配星にアスペクトし、また6室(弱い相手との戦争)にもアスペクトしている。
ラーフは、ディスポジターがやはり戦争の7室に在住している。
湾岸戦争 (1991年1月17日~2月28日)

湾岸戦争の時、ダシャーは、金星/土星/ラーフ期で、マハダシャーはしばしば戦争を表わす金星、土星は7室(戦争)の支配星、ラーフはディスポジターの月が7室(戦争)にアスペクトしている。
イラク戦争 (2003年3月20日~2011年12月15日)

アメリカ同時多発テロ事件 (2001 年9 月11 日)が起こり、アフガニスタン紛争 (2001 年10 月7 日 – 2021 年8 月30 日)、イラク戦争 (2003 年3 月20 日 ? 2011 年12 月15 日)が立て続けに起こった2000年代前半は、7室に在住するマハダシャー月期にちょうどぴったりと重なる時期である。
この戦争でアメリカは多額の出費をし、財政が厳しくなる原因となったが、月は12室(出費)の支配星で7室(戦争)に在住していることから、それが言える。
この月期にアメリカは中東に兵を派遣して、戦争をし続けたことを考えると、このアメリカの建国図のラグナは非常に機能しており、ダシャーも正確に機能していることが分かる。
アメリカの木星期
アメリカの過去の歴史を見る上で、非常に興味深いのは、木星期には非常に経済的、地政学上の躍進があることである。
アラスカ購入 (1867年)
例えば、アメリカは、1867年にロシアとの間で、取引を行ないアラスカを購入している。

クリミア戦争の敗北後に国家財政が逼迫するようになり、イギリスに侵攻された場合にアラスカ防衛が困難であり、またイギリスに売却した場合は、シベリア極東部がイギリスの軍事的脅威に晒されるため、アメリカに売却することにしたようである。
この時、アメリカの建国図では、金星/木星期であった。
木星は5室支配で11室に在住して、ダナヨーガを形成し、外国との有利な取引によって利得を得ている。
ルイジアナ買収(1803年)
1803年にルイジアナを買収した時もそうである。

ルイジアナ買収により、西部の農夫達はミシシッピ川を重要な水路として使うことが可能となり、西部辺境からフランス人を追い出すことで広大な農地の利用が可能となったという。
ルイジアナ買収で、合衆国の指導者は「大国」の展望を描くようになったという。
つまり、経済的、地政学的に重要な躍進であったことが分かる。
アメリカの黄金時代 (1920 年代~1930年代)※大量消費社会の到来
因みに1920年代~1930年代のアメリカは、黄金時代と言われており、ジャズ・ミュージックが花開き、フラッパーと呼ばれるこの当時、欧米で流行したファッション、生活スタイルを好んだ「新しい」若い女性たちが登場し、アール・デコと呼ばれるフランスを中心にヨーロッパで流行した装飾様式の建物が街を彩った。
アメリカの作家フィッツジェラルドが『グレート・ギャツビー』(1925年4月10日出版)の中で描いた物質的に繁栄した時代である。

この登場人物の女性たちは、おそらくフラッパーのファッションに身を包んでいた。

このアメリカが物質的に繁栄し、大量消費社会が到来したこの時代全体が、すっぽりとマハダシャー木星期に合致するのである。
従って、アメリカは、木星期に経済的に繁栄し、地政学的にも繁栄するのである。

この時代は広範な重要性を持つ幾つかの発明、発見、前例の無いほどの製造業の成長と消費者需要と願望の加速、および生活様式の重大な変化で特徴付けられる(wikipedia 狂騒の20年代より引用抜粋)という。
wikipedia 1920年代には、以下のように記されている。
第一次世界大戦の特需にアメリカは大いに沸いた。アメリカ経済は空前の大繁栄をとげ、戦前の債務国から世界最大の債権国に発展した。世界経済の中心はロンドンからニューヨークのウォール街に移った。大衆の生活は大量生産・大量消費の生活様式が確立する。一般には「黄金の20年代」と呼ばれ自家用車やラジオ、洗濯機、冷蔵庫等の家電製品が普及した。1920年には女性への参政権が与えられるようになった。ベーブルースによる野球人気やチャップリンの映画、黒人音楽のジャズなどのアメリカ的な文化が開花した。一方で1919年に制定された禁酒法によってアル・カポネなどのギャングが夜の帝王として街を支配するようになった。 (wikipedia 1920年代より引用抜粋) |
因みにこの物質的繁栄は、1929年10月のウォール街大暴落(ブラックマンデー)によって終わりを遂げ、その後、1930年代の世界恐慌に突入し、各国がブロック経済を採用し、経済的不況により、他国に軍事的に侵攻して領土獲得への野心を燃やす不穏な時代に突入する。
この変化が、1932年からのマハダシャー土星期への変化であり、ウォール街の大暴落(1929年)はその直前に起こったことが分かる。
このように過去のアメリカの木星期を見ると、アメリカに重要な経済的地政学的繁栄が訪れたことが分かる。
アメリカの未来
このことは何を意味するかと言うと、アメリカはまだこれで終わらないということである。
アメリカは2018年10月14日からマハダシャーラーフ期に突入し、ラーフは12室に在住し、ラーフから見て12室に惑星が集中している。

これはアメリカが世界から撤退し、内に引きこもることを表している。
蟹座12室に在住するラーフは悪質な愛国民族主義者の暗躍を表しており、ドナルド・トランプの台頭を初めとして、アメリカ・ファースト政策、アジア人への差別やヘイト発言、2021年の連邦議会襲撃事件、アメリカに今、蔓延している陰謀論やフェイクニュース、Qアノンや、温暖化の事実を温暖化詐欺として決めつける態度など、あらゆる反理性主義として現れている。
そんなことで、アメリカは世界の警察として全く機能出来ない状態にあり、当然、ロシアのウクライナ侵攻に対しても強い態度を示すことができない。
自分たちが行ってきたイラク戦争などと比較したら、人のことを言える程、立派なことはして来ていない。
今のアメリカは世界の警察として全く機能出来ず、リーダーシップも発揮できないのである。
今後、その状態が更に進行していくことを表しており、マハダシャーが12室のラーフである以上、アンタルダシャーにどんな惑星が来たとしてもほとんど良い状態にはならない。
アメリカの衰退は、更に今後、深まっていく。

然し、そのような不遇の時期を経た後に2036年10月からアメリカは、マハダシャー木星期に移行する。
これで、アメリカは復活するのではないかと思われる。
この時期は、シンギュラリティー(技術的特異点)と呼ばれる人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点の時期とだいたい一致しており、科学技術が発展した驚異的な未来が訪れる。
そのような世界の変化をアメリカがリードしていくことが予想される。
これは、アメリカのシリコンバレーの企業群などが、そうした未来をもたらすということである。
従って、アメリカは今は、ロシアや中国に対して劣勢に回っているように見えるが、最終的には西側の民主主義諸国が勝利を収め、桃源郷のような未来社会をもたらすのである。
その時、中国はどうなるか?

中国は、結局、アメリカとの戦いに勝てないのである。
ダシャムシャを見ると、マハダシャー土星期にラグナロードで2室支配の土星は水瓶座に在住して強く、この土星期に中国は、深センの発展に見られるようにファーウェイを初めとする巨大IT企業群でアメリカに迫ったのである。
そして、次の現在の水星期は、土星ほど星位が強くなく、そしてアメリカが木星期に移行する2036年には、ケートゥ期に移行してしまう。
ケートゥは中国のダシャムシャで、12室に在住しており、ディスポジターの木星は3、12室支配で8室支配の太陽と共に9室に在住している。
因みに木星期というのは、文化大革命の時期で、毛沢東の狂信的なイデオロギーで、経済的発展や進歩などを台無しにした時期である。
ダシャムシャで、ケートゥのディスポジターは木星になっている為、こうした特徴が若干出てくるものと考えられる。
出生図では、ケートゥは水星の星座に在住しており、基本的に水星期の特徴を引き継いでいく傾向があるが、6室と8室の支配星と絡むことで、あまり良さそうには見えない。
因みに乙女座ラグナである習近平が出て来てから、毛沢東崇拝を復活させ、中国の経済的発展を台無しにするようなIT企業の取り締まりの強化などを行なって、経済的発展を損なっている。
こうした政治の事情による経済発展の衰退は、8室支配の太陽(政治)と6室支配の水星(ビジネス、資本主義)の葛藤と考えられ、習近平がもたらした混乱を象徴している。
この傾向が、習近平が政治の第一線から退いた後も基本的に継続していくことを表しているように思われる。
こうした状況では、中国はアメリカに勝つことは出来ないのである。

結局、水星期とケートゥ期を経た後、2043年になってようやくマハダシャー金星期になるのであるが、金星は5、10室支配で10室でマラヴィアヨーガを形成している為、テクノロジーの発展によって、中国は非常に様変わりすると考えられる。
これはアメリカが2036年から木星期に移行して発展した後に訪れることと、天秤座は土星が高揚する星座である為、中国に民主主義が導入され、アメリカのシリコンバレーと調和的に連携できる状況になった後に初めて、中国の発展が可能になるという解釈となる。
つまり、独裁国家の中国は、長く混乱を深めていくが、アメリカが発展した後に発展するということである。
従って、中国はアメリカに勝つのではなく、アメリカが発展して、アメリカの協力を経て、初めて発展が可能になるのである。
それはアメリカの建国図で、双子座に惑星集中している配置は、シリコンバレーの多国籍企業やウォール街を象徴しているが、そこから見て、天秤座は5室目であり、シリコンバレーやウォール街から教えを受ける5-9の位置関係にあるからである。
その時は、共産党一党独裁から民主主義体制に移行しているかもしれない。
その他のアメリカの過去の出来事
世界恐慌と第二次世界大戦への参戦
アメリカの建国図がいかに過去の出来事を説明出来るかについて、更に見て行きたいと思うが、アメリカの黄金時代 (1920 年代~1930年代)が、1929年の世界恐慌で終わり、その後、世界的な不況の為、各国はブロック経済を行ない、ファシズムやナチズムのような民族主義が台頭して、民族の危機においては他国への侵略も正当化されるといった思想も飛び出してくる。
この土星期は、土星が6、7室の支配星である為、第二次世界大戦が起こった時期であり、アメリカは参戦して、日本やドイツ、イタリアと戦っている。

世界大恐慌で、失業率が25%に達し、1200万人の失業者が街に溢れる状況の中で、アメリカは、財政危機に陥っていたのであるが、土星は国家財政の2室に在住しており、財政難の中で、総力戦を行なった時期であると分かる。
決して、アメリカも楽に日本やドイツに勝った訳ではないのである。
1941年12月8日の真珠湾攻撃の翌日、アメリカが参戦した時、ダシャーは、土星/金星期で、1945年8月6日、9日に太平洋戦争で、アメリカが日本へ原爆を投下した時は、土星/火星期である。
原爆投下と日本占領
そして、土星/火星期に日本を占領して、土星期が終わるまで日本を占領し続ける。
つまり、この辺り、アメリカの建国図で、6、7室支配のマハダシャー土星期が、戦争を表していることはよく理解できる。
戦後のアメリカのリベラル化と、ジョンソン大統領による偉大な社会政策
そして、1951年に水星期に移行するが、この水星期は、2、11室支配で12室に在住しており、アメリカは日本が共産化しないようにするために日本に経済援助し、アメリカの国内情勢を見ても1963年11月22日~1969年1月20日のジョンソン大統領の任期中にリベラル色の強い「偉大な社会」政策が行なわれ、退役軍人などが無償で、大学に行けたりした良い時代が訪れている。

この時期は、大きな政府による社会福祉や教育制度改革、人権擁護を積極的に推進し、戦後、復興しようとする日本に対しても経済援助などを惜しまなかった時期である。
従って、むしろ、アメリカは財政的に厳しかったと考えられる。
この時期は、2、11室支配で12室に在住する水星期としてよく現れている。
アメリカが、気前よく、資金を海外(12室)に援助したり、投資したことを表している。
キューバ危機
そのようにアメリカがリベラル化する中で、ケネディー政権の時にキューバ危機が起こる。
これが1962年10月~11月で、ダシャーは、水星/ラーフ期である。
ラーフは12室に在住しているが、12室のラーフはまさにアメリカの裏庭であるキューバにソ連が核ミサイルを搭載したミサイル基地を建設し始めたことを意味している。
ラーフのディスポジターは7室に在住する月である為、それでソ連との間で、核戦争の危機が訪れたのである。

そのように考えると、今現在、マハダシャーラーフ期において、ウクライナに侵攻したロシアとの間で、核戦争の危機が訪れ、間接的にロシアとの戦争状態に突入したことは、まさにラーフのディスポジターである月が7室に在住する配置のためだと分かる。
ベトナム戦争
そして、1965年11月~1975年4月30日までベトナム戦争の泥沼に突入していくが、この時期は、主にマハダシャーケートゥ期にぴったりと一致している。
ケートゥは6室に在住しているが、6室は自分よりも弱い国家に対して戦争を仕掛けていくハウスであり、ベトナム戦争は、トンキン湾事件という米国の謀略から始まったことはよく知られている。

圧倒的に軍事力において優るアメリカがベトナムに戦争を仕掛けたのである。
然し、ベトナムに膨大な戦費が投入された為、アメリカは財政難に陥り、アメリカ合衆国のドルと金の交換に疑問を持ったヨーロッパでは、イギリスとフランスが、ドル紙幣を金に交換するように要求し、これがニクソン・ショックへとつながり、1944年に制定されたブレトンウッズ体制(金本位制)が終わり、変動相場制に移行している。
ベトナム戦争が、アメリカに財政難をもたらしたのは、ケートゥのディスポジターである土星が財政の2室に在住しているからである。
ベトナム帰還兵が社会問題化したり、アメリカ国民による反戦運動が激化したのは、6室の支配星(貧困者、病人、社会的弱者、労働者など)が2室に在住し、アメリカのエスタブリッシュメントを象徴する11室の惑星群にアスペクトしている為である。
ロッキード事件、ワシントンコンセンサス、年次改革要望書
因みにベトナム戦争で財政難に陥ったアメリカだが、その後、1976年2月に中国との国交を回復するなどして、独自外交を行なった田中角栄をネルソン・ロックフェラーやキッシンジャーが謀略で潰した事件(ロッキード事件)が起こる。
この頃からアメリカが日本に対して厳しくなったことが分かる。
戦後、アメリカの経済援助により日本の経済復興を助け、日本は、高度成長が可能になったが、そうした日本に対する要求が激しくなる。

1990年に入ると、ワシントンコンセンサスにより市場原理主義を推進して、日本や各国に規制緩和、市場開放を迫っていく。
日本などに対しては、毎年、年次改革要望書を送りつけて、日本の国内市場の開放や自由化を要求したのである。
このワシントンコンセンサスの頃から、アメリカは、IMFなどから融資を行ない、発展途上国にダムやインフラ建設などを持ちかけて、借金が返せなくなった所で、規制緩和や市場開放を迫り、緊縮財政や国有財産の民営化などを迫っていくといった形で、第二の植民地政策が進められた。
このプロセスで米国の思い通りにならない指導者に対しては、CIAが反体制運動や軍事クーデターを起こして、国家指導者を失脚させて、米国の傀儡政権を打ち立てるというパターンが頻発する。
この時期はちょうどマハダシャー金星期に該当するのである。
マンデン占星術では、金星は戦争をもたらす惑星であると言われているが、このことはこの時期が実質的にアメリカが世界に対して帝国主義的経済戦争(実質的には戦争そのもの)を仕掛けていたと解釈すれば納得できる。
ソビエト連邦の崩壊
そして、1991年12月にソビエト連邦が崩壊するが、その後にアメリカはマハダシャー太陽期に移行していく。

冷戦が終わり、世界で敵がいない一強となったことは、ラグナロードの太陽が11室に在住していることが象徴している。
これはEUやNATO加盟諸国の中で権力を誇示するアメリカ一強の状況をよく表わしている。
ソビエト崩壊によって、旧ソ連の東欧諸国をNATOに加盟させて、西側の自由主義経済圏を拡大したことは、この11室の太陽によって象徴されている。
9.11同時多発テロとイラク戦争の開始
然し、そうしたアメリカの一強は続かず、経済格差に苦しむイスラム諸国が、2001年9月11日、アメリカの経済的繁栄の象徴たるツインタワーを航空機ハイジャックにより攻撃し、アメリカの威信が挫かれ、アメリカはイラク戦争やテロとの闘いに突入していく。

これが12室支配で7室(戦争)に在住する月期の出来事である。
このようにアメリカの過去の出来事の全てがこの建国図で説明することができる。
従って、アメリカはマハダシャーラーフ期の18年間の低迷期を終えた後、再び、復活して、黄金期を迎えることは間違いないのである。
従って、アメリカを打ち負かして、中国がアメリカに成り代わって世界覇権国となるという予想は間違いである。
中国が繁栄するよりも先にアメリカが復活を遂げ、民主化した中国がアメリカの許可や協力を経て、経済的に繁栄するというのが予想される未来である。
再び土星期へ
その後、アメリカは、2052年10月からマハダシャー土星期に移行していくが、再び、世界恐慌の再来が生じるかもしれない。
アメリカが1920年代の木星期に黄金期を経験した後、1929年10月以降に土星期に移行して世界恐慌となったように16年間の木星期の繁栄の後、再び、世界的な不況に突入するかもしれない。
60年周期説で考えても土星と木星が1929年10月のブラックマンデーの時と同じ位置に戻って来たのが、60年後の1990年のバブル崩壊であり、次の60年後は、2050年である。
但し、それはかなり先の話であるため、それがどのような形式で起こるかは予想が難しい。
2036年からアメリカが躍進するという事であれば、日本との関わりはどう考察されておられますか?
2029年から金星期になる日本は、アメリカの躍進が始まる前に強い時期が始まっており、
以前の記事で上手くいけば独立を取り戻すと書かれておりましたが、その点の考察には今も変更はなく、
今の実質植民地の状態から抜けており、アメリカが再度強くなったとしても今とは違う関係を結べていそうでしょうか?