途中経由地での滞在を余儀なくされて、その後、フランスのニースに飛び、列車でパリに入り、深夜バスでロンドンに到着でき、それで何とか、BAVAカンファレンスの初日に(少し遅刻はしたのであるが)間に合ったのである。
英国ヴェーディックアストロロジー協会のカンファレンスを今回、リードしていたのは、アンドリューフォス(Andrew Foss)とゴードンブレナン(Gordon Brennan)であり、司会進行、お世話係といった立場で会議を取り仕切っていた。
そして、プレゼンテーションしたスピーカーはアンドリューフォス、ゴードンブレナン、ブレンダンフリーレイ(Brendan Feeley)、デヴィッドフローリー(Dr David Frawley)、シャンバビ(Shambavi)….他….などの方々でした。
今回はアイスランド火山の噴火の影響で、コミラサットンとデビッドフローリー、シャンバビが来れなくなったので、インターネットでウェブカメラで接続してのプレゼンテーションとなった。
彼らは皆、大学の教授レベルの人たちであると言えるかもしれない。自分たちで新しい理論を発案したりしているし、また本を出版している人も多い。皆、仲間であるアンドリューフォスのソフト、シュリジョーティスターを使用している。
これは仲間付き合いという点もあるとは思うが、本当に優れた機能を備えているからであると思われる。
私がアンドリューフォスに「あなたのソフトはものすごく機能が豊富で優れているが、印刷や画面表示のビジュアル的な点で満足できないので、まだパラシャラズライトを使っている」と言うと、彼はムッとして、来なさいと私に手招きし、レクチャールームで、私にソフトの画面を見せて、ヴァージョン6からヴィジュアル的にも改良されたのだと説明してくれた。また検索機能の使い方やレクティファイする機能、印刷画面のフォーマットの作り方などを説明してくれたのである。
私が一つ一つのチャートに日本語で説明を加えて保存したいと言うと、次期ヴァージョンから日本語フォントも標準で実装したいとのことであった。日本人の協力を得て、日本語ヴァージョンを作りたいとも言っていた。
私が私は英語力がないから手伝えないと言うと、日本人の協力者を探すから大丈夫だと言っていた。然し、私たちは既に英語の占星術ソフトを使うことに慣れてしまっているので、日本語フォントを入れてもらい、説明書きなどを日本語で保存できるようになればいいのである。
シュリジョーティスターは一度購入すれば、ヴァージョンアップなどは無料ですることができる経済的なソフトであり、また機能も優れている。
アンドリューフォス氏にソフトの画面をコピーして貼り付けて、ウェブページや書籍の出版に活用したいと言うと、著作権フリーで自由にやっていいとのことであった。
(これは今回の参加の収穫であり、アンドリューフォス氏から直接、ウェブや書籍への活用の許可を受けたので、今後は堂々と活用することができそうである。)
彼は自分のソフトについて、自信とプライドがあり、著作権などを主張するよりも、まずは使って欲しいようであった。
自分の楽しみと誇りの為にボランティアで常に改修を重ねてヴァージョンアップを図っているのだと思われる。
◆ ◆ ◆
デヴィッドフローリーやブレンダンフリーレイは非常にアーユルヴェーダのドーシャ(ヴァータ、ピッタ、カパ)の概念を多用するので、アーユルヴェーダに興味のある人はいいかもしれない。然し、アーユルヴェーダのドーシャの概念はメディカルアストロロジーにあまり興味のない私には使いこなすのが難しく感じるのである。
12星座の2区分(男性、女性)、3区分(運動、固定、変通)、4区分(火、土、風、水)の要素を使いこなすことの方が先ではないかと思うのである。
また彼らはジャイミニのアスペクトをラシ・アスペクトと呼んで、非常に重要視しているようであった。通常、パラシャラシステムの中では、パラシャラのアスペクトだけを用い、ジャイミニシステムの中ではジャイミニのアスペクトだけを用いるのであり、どちらのシステムで見ているかを明確にするのであるが、レクチャーの中では、チャートを基本的に分析していく時に両システムを切り換えずにほとんど同時にパラシャラのアスペクトに加えて、ジャイミニアスペクト(ラシアスペクト)を検討しているようであった。
ヴィムショッタリダシャーやチャラダシャーなど、両システムぞれぞれのダシャーシステムを見る時に、パラシャラのアスペクトとジャイミニのアスペクトを混ぜてはいけないと思うのである。
然し、レクチャーでチャートの基本分析の所で、パラシャラのアスペクトに加えて、ラシアスペクトを非常に重要視して最初から言及していたようであり、特に両システムを区別しているようには見えなかった。
これはジャイミニに習熟しているので、最初からチャートを見る時に、パラシャラのアスペクトの解釈と同時にジャイミニのアスペクトの解釈もしてしまうのかもしれないし、ダシャーの時点では両アスペクトを使い分けているのかもしれず、実際にどのように考えているのかは、私の英語力ではほとんどレクチャーの内容が理解できないので、よく分からなかった。
然し、彼らは非常にラシアスペクトという単語をたくさん口にして、ジャイミニアスペクトを使って考えているようであった。
ほとんどレクチャーの内容が理解出来ないため、最終日はデヴィッドフローリーと彼の奥さんのシャンバビによるアーユルヴェーダのヒーリングに関するワークショップだったのだが、私は欠席してロンドン観光に行ってしまった。
然し、この判断が後々後悔の念を起こさせる結果となり、非常に最後の締めくくりがしり切れとんぼで、突然、中断(8室)してしまい、後味の悪いものとなった。
レクチャーの内容はほとんど理解できなかったが、BAVAの参加者たちとは積極的に交流を図り、BAVA参加の成果は十分にあったと思われる。
参加者はフランスやイタリアやスイスなど、ヨーロッパ各地のいろいろな国から来ていた。メインイベントの時でも20~30名ぐらいの参加で比較的少人数である。
一つのレクチャーが終わると、ティータイムとなり、地下のレストランで休憩して、歓談するという優雅な構成になっていた。
(BAVAが拠点にしている会場はBOND STREET駅の近くのMandeville Placeという東京で言えば、銀座とかに該当しそうなお洒落で高級感あふれる場所であった)
皆、それ程、ジョーティッシュに習熟している訳でもなく、初めて参加するような人が多いのにも驚いた。学習歴もそれほど長くないようであった。
私が2002年から8年ぐらい学習していると言うと、それは平均的には長いほうの部類に入るようであった。
然し、ヨーロッパに住んでいる人たちは、英国に行くのは非常に手軽なようである。
例えば、ライアンエアーなどの格安航空会社を使うと、3000円とか4000円とかで、英国に行けるのである。私たち日本人にとっては英国旅行は長旅であるが、彼らにとっては、ちょうど日本人が大阪や京都から東京に出てくるのと何ら変わりがないようである。いや大阪や京都どころか、名古屋や静岡に住んでいる人が東京に出てくるのと変わらないかもしれない。
現に私は今回たまたま深夜バスで、パリからロンドンに行き、途中でバスごとフェリーでドーバー海峡を渡ったのであるが、一晩で、早朝にロンドンに着いてしまった。
ヨーロッパはほとんど一つの国であり、皆、英語を使いこなし、私たちとは全く異なる気楽な感覚で、行き来しているようであった。
従って、気楽に参加できるだけにジョーティッシュを何年も勉強している人ばかりでなく、初めて参加したとか、アーユルヴェーダをやっていたが興味があったので来てみたとか、いろいろな人がいて、そうした人たちに対して、ゴードンブレナンとか、ブレンダンフリーレイなどの人たちが、かなり難しいことをレクチャーしているのが印象的だった。
おそらく日本だけが高い航空料金によって世界から隔離され、切り離されているのである。
日本の航空事業に自由化を導入すると、競争力のある外資によって、日本の航空会社は打撃を受け、国家としての日本は弱体化するかもしれない。然し、国民にとっては安い航空券で海外に行けることは魅力である。
国家としての日本の利害と、国民の自己実現というものが矛盾しているのが日本である。常に日本はこのような問題を抱えて来ている。
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