漫画「ちびまる子ちゃん」でお馴染みのさくらももこのチャートである。
さくらももこは、昨年2018年8月に乳がんで亡くなったが、多方面に知人も多い人気者で、追悼式典なども執り行なわれた。
出生時間はメディアでの対談か何かで本人が12時であると発言したそうである。
3、10室支配の金星が10室でマラヴィアヨーガを形成し、5室支配の木星とコンジャンクトして、5-10のラージャヨーガを形成している。
3-5の絡みなども見られ、3室(手を使ったアート)、5室(創作活動)の結びつきで、漫画かになるような典型的な配置であると言えるかもしれない。
月から見ると、4、11室支配の金星が11室で自室に在住し、9室支配の木星とコンジャンクトして、4-9、9-11のラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。
同室するラーフは、高揚しており、ケンドラに在住してトリコーナの支配星とコンジャンクトしている。
また月から見てもケンドラとトリコーナの支配星とコンジャクトして、ヨーガカラカとなっている。
1984年の大学在学中、ちょうどマハダシャー金星期に入った直後に漫画家としてデビューし、連載をスタートさせている。
大学卒業後の1986年に出版社(株式会社ぎょうせい)に入社するが、勤務中に居眠りするなどして上司から「会社を取るか、漫画を取るかどちらか選べ」と迫られ、退職して漫画家の道を選んだそうである。
この金星の強さから見て、創作の才能が爆発する配置である為、とても会社の地味な活動などやっていられなかったはずである。
そして、早くも1986年8月に『りぼん』で「ちびまる子ちゃん」の連載を開始している。
「ちびまる子ちゃん」は、さくらももこの幼少期をモデルにして描いた作品だと言われる。
大人びて世知辛く擦れた性格の「ちびまる子ちゃん」は、さくらももこの自画像といってもいいかもしれない。
誕生した1965年から1975年までの最初の10年間は、マハダシャー水星期だったが、水星は2、11室の支配星で8室で減衰し、土星と太陽に挟まれて、パーパカルタリヨーガを形成し、火星からアスペクトされて傷ついている。
従って、私はさくらももこの幼少期は、厳しい家庭環境だったのではないかと思った。
「さくらももこ 家族」で検索すると、さくらももこの家族にまつわる不幸なエピソードが掲載されている。
例えば、さくらももこの姉は男に騙され借金肩代わり、〇〇〇で返済するも男性恐怖症で現在、母の年金で引きこもりであるとか、父親は、八百屋の雇われ店員を続けるもまる子が中学生の時に多額の借金と女を作り駆け落ちし、数年後に北海道で凍死しているところを発見されたとか、母親は心労により統合失調症になった、またお祖父ちゃんは、ボケたフリをして姉に性的虐待を行なっていたとか、お祖母ちゃんは、息子の借金と駆け落ちに絶望し、姉の部屋で首吊りといった風に書かれている。
こうした内容は、尾ひれがついており、9割方は、事実と違うということである。
但し、火のない所に煙は立たない為、10歳までの水星期は相当、家庭環境が厳しい状況だったと推測される。
ただ水星は8室で減衰し、月からみて3室支配であるため、ラグナから見ても月から見てもパラシャラの例外則で、ラージャヨーガ的に働く要素があり、また減衰する水星のディスポジターがケンドラに在住していることから、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。
こうしたことから考えると、何か幼少時の家庭環境の困難を災い転じて福となす的な効果を発揮したと考えられる。
例えば、水星のディスポジターである木星は5室支配で、3、10室支配の金星とコンジャンクトしている為、おそらくこうした幼少時の家庭環境での経験をちびまる子ちゃんの尽きないアイデアの源泉として活用した可能性がある。
さくらももこは、10歳まで水星期を過ごし、その後、7年間、ケートゥ期を過ごして、その後、金星期で創作活動に入るが、モデルとなる家族のエピソードを経験出来たのは、おそらくこのマハダシャー水星期しかあり得ない。
従って、水星期の経験が、さくらももこのアイデアの源泉なのである。
幼少時の原体験が、ちびまる子ちゃんの家族のエピソードを生み出したのである。
因みに1990年に『ちびまる子ちゃん』がフジテレビ系でアニメ化され、国民的に知名度を高めているが、この頃が金星/ラーフ期である。
金星/ラーフ期は、その後のブレイクの最初のタイミングであり、有名になっていく時期である。
ナヴァムシャのラグナを牡牛座に修正
因みに12:00でチャートを作成すると、ナヴァムシャのラグナが牡羊座になるが、そうすると5室支配の太陽が8室に在住し、3室支配の水星が12室で減衰する配置となり、漫画家のチャートとしては説明することが出来ない。
最初の結婚
そこで結婚のタイミングを見ていくと、1989年 に『りぼん』の編集者・宮永正隆と最初の結婚をしている。
ダシャーは、金星/火星⇒金星/ラーフ期である。
出生時間を少し進めていくと、12:03:13で、ナヴァムシャのラグナが牡牛座に移動する。
そうすると、金星はナヴァムシャのラグナの支配星で、火星は7室の支配星で5室に在住しており、このタイミングでの恋愛結婚を意味している。
仮に次の金星/ラーフ期に結婚していたとしても金星/ラーフ期は、無条件に結婚をもたらす組合せであり、特にこの場合は在住する配置にはこだわらなくていいかもしれない。
離婚
次に1998年に離婚しているが、金星/土星期、あるいは金星/水星期である。
土星は12室で減衰し、8室の支配星とコンジャンクトしている為、この時期に相手から経済的援助などが得られなくなり、結婚が破綻した可能性が考えられる。
出産
その間に1994年に長男が誕生しているが、この時期は金星/木星期である。
サプタムシャで、金星は、表示体の木星から見た5室の支配星で、木星は5室の支配星である。
ここで重要なことは5室支配の木星は6室に在住して、6、7室支配の土星からアスペクトされているが、特に問題なく無事子供が生まれているということである。
多少の傷つき、また6室の傷というものは何とかなるものである。
次に離婚した後、2003年にイラストレーターうんのさしみと再婚しているが、ダシャーは、太陽/月、太陽/火星、太陽/ラーフ期のいずれかである。
まず、ナヴァムシャを牡牛座ラグナにすると太陽は7室に在住しており、結婚のタイミングを表わしている。
またアンタルダシャーの月はラグナロードの金星とコンジャンクトしており、またアンタルダシャーの火星は、7室の支配星で5室に在住している。
またラーフはディスポジターの月がラグナロードの金星とコンジャンクトし、またラグナロードの金星はラーフにアスペクトしている。
太陽/火星期に結婚した可能性が高いと思えるが、いずれにしても結婚はこの上記のいずれかのタイミングで説明できる。
因みにナヴァムシャのラグナを牡牛座に修正する前に魚座ラグナに一つ遡る可能性も考えたが、その場合、結婚したマハダシャー太陽期が6室の支配星となってしまう。
従って、魚座ラグナだと説明することが出来ない。
次に2007年7月1日に『ちびまる子ちゃん』が中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、日刊県民福井、北海道新聞、西日本新聞、河北新報、中国新聞、徳島新聞、神戸新聞朝刊にて連載開始するなど、仕事上の躍進があったが、この頃、乳がんを患っていたとされる。(wikipedia さくらもももこより)
この時のダシャーが太陽/金星期である。
そして、次のマハダシャー月期は、乳がんの治療に励んだ時期である。
wikipediaによれば、健康の研究を日々行い、飲尿療法や茶葉による水虫治療など多くの民間療法を実践していたと記されている。
もし牡牛座ラグナであれば、太陽はマラカの7室に在住し、金星はマラカで、マラカの3室支配の月とコンジャンクトし、ラーフ/ケートゥ軸と絡んでいる。
※牡牛座ラグナにとって金星はラグナロードであるにも関わらずマラカとして働き、3室支配の月や8、11室支配の木星もマラカとなる。
そうすると、マハダシャー月期が、乳がんとの闘病生活であったことが説明できるのである。
但し、さくらももこは、闘病中、民間療法や自然療法でも良いものがあると聞けば、全国各地に飛んでいったそうである。
また治療で地方に行くといっても悲壮感はなく、その土地土地で、温泉や食事を楽しんでいたそうだ。
さくらももこさん 治療法求め全国へ…友人語るがん模索の日々 2018/09/04 00:00 女性自身 9月2日に放映されたアニメ『ちびまる子ちゃん』の視聴率は14.3%を記録したという(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。漫画家・さくらももこさん(享年53)の逝去を受けて内容を変更し、番組の最後には追悼メッセージも放送された。 さくらさんは7年前から乳がん闘病をしていたというが、公表はせず、ごくごく親しい知人にしか知らせていなかった。出版社『ヒカルランド』社長の石井健資さん(63)もその1人だ。さくらさんと石井さんの交流は18年にも及ぶ。’00年当時、徳間書店に勤務していた石井さんが手がけたチリの小説『アミ 小さな宇宙人』をさくらさんが絶賛し、なんと「表紙を私が描いてあげる」という申し出があったのだ。石井さんは言う。 「さくらさんは宇宙や精神世界、そして死後の世界に関する、たくさんの本を読んでいて、知識も豊富でした。私の会社でもスピリチュアル分野の本を出版していますが、私なんかよりずっと詳しいのです。自宅ではパワーの集まるというピラミッド形の帽子を見せていただいたこともあります」 ’10年3月に石井さんが徳間書店を退社し、自分で会社を立ち上げることを打ち明けると、すぐに会社のロゴも描いてくれたのだ。 「まるちゃんのお父さんのヒロシさんも酒好きキャラとして描かれていますが、さくら先生ご本人もお酒が大好きな方でした。特に出身地の静岡県の日本酒がお好みで、ご自宅にはたくさんの銘柄がそろっていたのです」 “何事にも真摯で丁寧”というのが、さくらさん流だった。 「たとえばサインを描くのも、まるちゃんやコジコジなどキャラクターを入れて、1枚に20分とか30分とか、納得できるまで、丁寧に時間をかけるのです。『納得できないことはしたくない』というのは先生の性分だったと思います。だから乳がんという病気についても、ものすごく調べていらっしゃいました。『私は、いつ死んでもいいの』なんて冗談めかして言っていましたが、治療についても自分で責任を持たれたかったのでしょう」 さくらさんは、病院や医師についても丁寧なリサーチの後に選んでいたという。石井さんが続ける。 「治療法についても姿勢は同様で、切除手術は受けても、抗がん剤は使わないとご自分で決めていらしたのです。その代わり、民間療法や自然療法でも良いものがあると聞けば、全国各地に飛んでいきました。四国での治療には私も何度か同行したこともあります。『バイオレゾナンス』というドイツ発祥の治療法です」 バイオレゾナンスとは、専門の機械により、症状にあわせた周波数の波動を受けることで、自然治癒力や生命力を高めるという治療法だ。 「治療で地方に行くといっても、さくら先生の場合、悲壮感はありませんでした。その土地土地で、温泉や食事を楽しんでいたのです。もともとお料理は得意ですが、食事療法も詳しかったですね。そういった努力の成果で、私も先生が、がんを克服されたと聞いていましたので、今回の訃報に接したときには、とても残念に思いました……」 最後まで自分流を貫き通したさくらさん。その分身である“まるちゃん”は、これからもみんなに愛され続ける。 |
もしナヴァムシャのラグナが牡牛座なら、3室支配の月はラグナロードの金星と共に9室に在住し、ケートゥとコンジャンクトしている。
3室は短距離の移動を表わし、3室の支配星が9室(長距離旅行)に在住する配置は、典型的な旅行の配置である。
旅先に赴き、あちらこちら尋ね歩く配置である。
そこに自然療法や伝統療法(ケートゥ)を求め、腕利きの医師(9室)を求めて、全国各地に旅をしたというのは、まさにこうした配置が物語っている。
ラグナロードの金星も同室して、3室支配の月(食欲)とコンジャンクトしている為、温泉や食事を楽しむ、自分探しの旅でもあったのである。
月は出生図では12室支配で12室の自室に在住しているが、全国各地の辺境の場所に病気療養に出かけたことを意味している。
また月は水の星座で自室に在住していることから、温泉などに浸かってゆっくり静養したことを表わしている。
然し、この月のマハダシャーの間、月の星座である蟹座にラーフ(癌)が在住している為、乳がんに悩まされ続けたことを意味している。
マラカの月が6室支配でラーフ/ケートゥ軸とコンジャンクトし、土星からアスペクトされて傷ついた金星とコンジャンクトしていることは、婦人科系の疾患、すなわち、乳がんを表わしていたと考えられる。
そして、2018年8月15日に亡くなった時、ダシャーは火星/火星/ケートゥ期であった。
火星は、ナヴァムシャのラグナが牡牛座なら、7室支配のマラカであり、2、5室支配の水星と相互アスペクトしている。
この2、5室支配の水星は、通常はマラカとして働かないが、凶星と絡んでいるような場合には、マラカとして働く要素も出てくる可能性があり、注意が必要である。
プラティアンタルダシャーのケートゥは、マラカの金星、マラカの月とコンジャンクトしている。
また出生図では、火星は月から見たマラカの2室に在住し、ラグナ、月から見たマラカの土星と相互アスペクトしている。
このように見て来て、さくらももこのナヴァムシャのラグナは牡牛座で、出生時間は、12:03:13~12:19:22の間である。
ダシャムシャのラグナの修正
因みに出生時間が12:03:13~12:19:22の間であると分かったが、12:16:09からダシャムシャのラグナが乙女座から天秤座に移動する。
ダシャムシャのラグナが乙女座なら「ちびまる子ちゃん」でブレイクしたマハダシャー金星期は、金星が2、9室支配で5室に在住し、3室支配の火星とケートゥとコンジャンクトして、11室にアスペクトしている。
これは創作活動においては非常に素晴らしい配置である。
5室は10室から見た8室で、職業が中断するハウスであるが、芸術家は、おそらく会社勤めなどしない為、10室が中断していてもよいのである。
実際、マハダシャー金星期に移行した後、さくらももこは、出版社に就職したが、仕事中に居眠りをしてしまうので、2ヶ月で辞めている。
金星は9室の支配星で、9室も仕事を損失する(10室からの12室目)ハウスである。
従って、2、9室支配の金星が5室に在住する配置とは、会社などに勤めずに自分の好きな創作活動をしてお金が稼げる配置である。
そして、その金星に3室支配の火星がコンジャンクトしているが、火星は高揚している。
火星は実行力の惑星であり、連載を続けていく力などはこの火星がもたらしたと考えられる。
そして、さくらももこの漫画は独特な味わいがあり、決して写実的ではないシンプルな絵だが、これはケートゥのコンジャンクトが、こうした独特な特徴をもたらしたと考えられる。
従って、乙女座ラグナでも、うまく説明出来そうである。
金星/ラーフ期にブレイクしたのもラーフが11室に在住していたということで説明できる。
但し、もし出生時間が12:16:09~12:19:22の間で、ダシャムシャのラグナが天秤座であったら、それでも一応、説明することは出来る。
金星期は、ダシャムシャのラグナと、月からのラグナロードで、ケンドラの4室で強い為、それで金星期にキャリア上の上昇を成し遂げたと考えることが出来る。
またマハダシャー月期においても月は10室支配でラグナに在住していることから仕事上の上昇の時期であると考えることが出来る。
実際、亡くなる直前のマハダシャー月期において、精力的に漫画家としての活動は続けており、仕事は順調に見える。
マハダシャー太陽期にも以下のように仕事を精力的に行っている。
2002年 – 親子共作による絵本+エッセイ『おばけの手』を発表(長男のペンネームはさくらめろん)。 2003年 – イラストレーターうんのさしみと再婚。 2005年 – デビュー20周年を記念し、各地で原画展「さくらももこワールド 20年の軌跡展」を開催。 2006年 – 4月18日、『ちびまる子ちゃん』実写ドラマ化。自身は第1話の脚本も担当。 2006年 – 10月31日、『ちびまる子ちゃん』実写ドラマ第2作放送。 2007年 – 4月19日、レギュラーとして実写ドラマ+バラエティの複合番組『まるまるちびまる子ちゃん』放送開始。原作を同じくする実写とアニメが同時期に放送される珍しいケースとなる(2008年2月28日放送終了)。 2007年 – 7月1日、『ちびまる子ちゃん』が中日新聞、東京新聞、北陸中日新聞、日刊県民福井、北海道新聞、西日本新聞、河北新報、中国新聞、徳島新聞、神戸新聞朝刊にて連載開始。8月1日からは新潟日報でも連載が開始される(2011年12月31日連載終了)。なお、没後に東京新聞に掲載された記事によれば、この連載の当時から乳がんを患っていたという。 (wikipedia さくらももこ より引用抜粋) |
ダシャムシャが乙女座ラグナだと、太陽が12室支配で3室に在住し、天秤座ラグナだと11室支配で2室に在住する。
問題は、このマハダシャー太陽期の仕事と、ダシャムシャの配置をどのように考えるかである。
このダシャムシャ配置をどう考えるかについて結論が出ない為、ダシャムシャのラグナは検討中である。
ナヴァムシャのラグナは、牡牛座で間違いないと思われる。
コメント
コメント一覧 (2件)
出生図の高揚する太陽と火星の星座交換については触れていませんね。1-4、1-9のラージャヨーガを形成しています。
このヨーガが、太陽・火星期や火星・太陽期において何らかの形で強力に顕現したのではないのでしょうか。
wikiには掲載されていませんが、さくらももこ氏は、大学時代に家庭教師をしていたそうです。教え子に自分の描いた漫画を見せ、感想を聞いていたそうです。出生図では、アセンダントからみて10室に木星が在住しています。このエピソードは彼女のラグナが獅子座ラグナであることを裏付けていると思います。
wikiに掲載されている彼女の価値観や考え方、生活習慣を見ると、やはり問題を抱えていたのだと思います。若くして乳がんを患った事実には納得できました。