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覚醒したオーストラリア

2021 5/16


中国が経済発展して、他国に対する経済的な影響力を増している中で、オーストラリアは中国への経済依存度を高め、その影響を最も被ってきた国である。


最近、オーストラリアのクライブ・ハミルトン教授が書いた『目に見えぬ侵略 中国のオーストラリア支配計画』という書籍が、書店の平棚に並んでいたが、中国が長年、多額の金をばら撒き、オーストラリアの世論を操作しようとしてきた実態を告発した本である。


オーストラリア経済は、天然資源を外国に買い取ってもらうことで成り立っている為、その最大の購入者である中国がお得意様で、貿易相手国としてその依存度を強めていた。


然し、最近、オーストラリア国民が、中国の影響力が高まるのを警戒し、国民世論は、急速に親中から嫌中に変化しているようである。


その後、オーストラリア政府は、中国系企業による戦略資産の買収を規制すると発表し、州政府や自治体が認可した買収案件に対し連邦政府が拒否権を発動できる法律を策定した。


州と外国の協定締結に「拒否権」 中国念頭に、豪で法案可決
2020年12月08日15時00分 JIJI.com

 【シドニー時事】オーストラリア議会は8日、同国の州政府や大学などが外国政府と結ぶ協定が国益を損なうと判断すれば、外相が拒否権を発動できるとした法案を可決した。中国を念頭にした措置で、豪中関係の険悪化につながりそうだ。

 豪州では南東部ビクトリア州が、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に慎重な連邦政府と十分に相談せずに、同構想に関する覚書を結んだ。この覚書が拒否権発動の第1号になる可能性がある。

ニューズウィーク日本版の記事、『中国の傲慢が生んだ「嫌中」オーストラリア』によれば、2019年当時、マイク・ポンペオ元米国務長官の「一山の大豆のために魂を売るか、それとも自国民を守るか、2つに1つだ」といった発言で、オーストラリアの国民に警鐘を鳴らしたようである。


オーストラリアは、元々は、イギリスの植民地であり、現在でもイギリス連邦の加盟国であるが、1901年1月1日のオーストラリア連邦憲法が、シドニーで宣言され、エドモンドバートンが初代首相に就任した時に事実上の独立を果たしたようである。


アストロデータバンクには、その日時が、「1901年1月1日13:35 シドニー、オーストラリア」と記されている。





このデータで、チャートを作成すると、ちょうどマイク・ポンペオ氏の発言にも促されて、パンよりも魂を選んだ2020年頃からオーストラリアのマンデン図では、マハダシャー太陽期に移行している。



太陽は5室支配で9室に在住し、9、12室支配の木星や10、11室支配の土星、3、6室支配の水星などとコンジャンクトしている。



9室は、国家の建国図においては、最高裁判所、法廷、国際法、国連、外交、条約、協定、外国との貿易・通商、観光、科学、教育、大学などを表わすハウスで、国際関係における正義、正しい行いなどを表わしている。



その太陽期にちょうど2020年6月から移行していることに注目である。



この頃から、オーストラリアは中国に反発するようになり、また中国は、飼い犬に噛まれたかのように憤慨し、オーストラリアに貿易制限を行なっている。



例えば、オーストラリア産天然ガスの輸入を減らしたり、石炭や鉄鉱石、牛肉、麦など様々な品目の輸入制限を始めている。



オーストラリアは、こうした貿易規制によって、非常に困ることになるが、中国も資源を得られなくなって結果的に困ると思われる。



中国が30年かけて築いてきたオーストラリアへの政治的意思決定への影響力が、こうして崩れ去った。



そして、オーストラリアは、この10年間に20兆円を投じて軍を近代化することに決定したようである。



こうしたこと全ては、マハダシャー太陽期が象徴している。



まさに国家としての魂の覚醒である。







その前は、20年間、マハダシャー金星期が続いていたが、金星は、貿易相手国などを表わす7室の支配星で8室に在住し、ラーフとコンジャンクトしているが、これは貿易相手国や外交上の他国への経済的依存を表わす配置である。



そして、その前が、マハダシャーケートゥ期だが、ケートゥのディスポジターはやはり7室支配で8室に在住する金星である為、やはり同じように貿易相手国や外交上の他国への依存を表わしている。



その前は水星期で、9室に在住しているものの3、6室の支配星である。




従って、トータルすると、ケートゥ期、金星期の27年、そして、その前の水星期17年の計44年ぐらいはあまりぱっとしない国であったということが言える。



特にここ27年ぐらいは、7室の支配星が8室に在住して傷ついている所から見ると、外交的には惨めな国であったということが言える。



他国への天然資源の輸出しか経済的な手段がなければ、他国に依存することになる。




特にこの30年で、オーストラリアは中国への経済的依存を強めたというが、まさにこの7室支配で8室でラーフとコンジャンクトする金星がそれを象徴している。



8室のラーフは、人のチャートであれば、結婚願望が強くなり、常に相手の金銭に期待したり、依存したりする配置である。



然し、ラーフが減衰しているので、思ったほど、相手からは高くは買ってもらえず、経済的に惨めな思いをする。



特に天然資源の輸出国などは、相手先に安く買い叩かれる為、オーストラリアの弱い立場を象徴している。



常に天然資源の輸出国を探し、貿易相手国に期待してすり寄っていくという姿勢を意味している。




そうすると、現在は、マハダシャー太陽期になって、パンよりも魂を選び、容易に他国に買収されない精神的に強い国になっていくが、然し、太陽から見ると、6、11室支配の金星が12室に在住して、減衰するラーフとコンジャンクトしている。



これは国家としては、大きな収入の手段を失って、出費が大きくなり、ラーフが12室で減衰して悶々とする時期である。



つまり、中国から経済的な制限を受けて、苦しむことを象徴している。





日本の場合



然し、こうしたオーストラリアの惑星配置と類推して、参考になるのが、今後の日本の行方である。







日本は、まもなく、2022年12月からマハダシャーケートゥ期に移行する。



ケートゥは9室に在住しており、ディスポジターの太陽は5室で高揚し、ラグナロードで4室支配の木星とコンジャンクトしている。



このケートゥ期において、やはり、オーストラリアと同じく、日本は経済的に非常に落ち込んでいくと考えられる。



特にナヴァムシャで12室に在住している配置などからそれが言えそうである。




然し、この頃から、日本には、昔の日本の軍国主義のような精神が復活すると考えられる。



天皇を中心とした右翼、民族主義的で、愛国主義の精神が噴出してくると考えられる。



何故なら、太陽は牡羊座で高揚しており、それは愛国主義を表わす蟹座から見た行為の10室に在住しているからである。



オーストラリアの国民が覚醒したようにパンよりも魂を選ぶようになると考えられる。




今現在、中国が覇権国として台頭して来ており、日本は、米国との同盟関係の中でもより責任ある立場を求められていると言われており、安倍晋三が、再び、改憲論者として注目を浴びているという。



例えば、日本も尖閣問題などで強い対応を取っていく必要があり、また中国の諜報機関である孔子学院などは今後、廃止していくべきである。



また中国人による日本国内の土地の購入などにも厳しく制限を課していくべきである。



そうした多少ファシズムのような気概が出て来なければ、国家を守ることは出来ない。






(参考資料)

中国の傲慢が生んだ「嫌中」オーストラリア
2020年10月15日(木)19時47分 ニューズウィーク日本版
サルバトア・バボンズ(豪社会学者)

<中国に好意的なオーストラリア人は、過去3年で64%から15%に激減した。他の民主国家もこれに続くだろう>

中国はオーストラリアを自陣営に取り込もうと、長年工作を行ってきた。そうした場合に中国が好んで使う武器はカネだ。

オーストラリアの輸出のざっと3分の1は中国向けだ。さらに最近まで中国はオーストラリアに多額の投資を行っていた。

アカデミックな世界でも、中国は影響力を広げている。中国人留学生はオーストラリアの大学の在籍者総数の10%を占める。オーストラリアの公立大学37校のうち13校には、中国政府が世界各国の大学などと提携して中国語と中国文化普及の名目で設立している「孔子学院」がある。またオーストラリアの複数のシンクタンクは、中国政府と関係がある個人や団体から寄付を受け、中国寄りの政策を提言している。

オーストラリアの小さな隣国ニュージーランドでは、さらに中国の存在感が大きい。西側陣営の切り崩しに向けて中国が足場を築いた地域があるとしたら、それはオーストラリアとニュージーランドだろう。

ただ、世論はさほど中国に肩入れしていない。米調査機関ピュー・リサーチセンターが先週発表した「グローバル・アティテュード」調査によると、中国を好意的に見ているオーストラリア人は過去3年間で64%からわずか15%に激減(ニュージーランドでは調査は実施されていない)。逆に中国に好感を持たないオーストラリア人の割合は81%に増え、「どちらとも言えない」は3%にすぎなかった。

中国の好感度が下がっているのは世界的な傾向だが、ピューが追跡調査している12カ国の中では、オーストラリア人の「中国離れ」が最も顕著だ。しかも、その傾向は新型コロナウイルスの発生前から始まっていた。

オーストラリアでは長年「今後の経済成長には中国マネーの流入が必要」という見方が常識になっていたが、少なくとも外交においては、信頼はカネでは買えないようだ。

大バラマキ作戦

中国が大盤振る舞いをしてきたのは確かだ。チャールズ・スタート大学の教授(専門は公共倫理)のクライブ・ハミルトンは2018年の著書『サイレント・インベージョン(静かなる侵略)』で、中国がオーストラリアの世論を操作するため、あの手この手でカネをばらまいてきた実態を告発した。政党への多額の献金や中国語メディアの買収、ジャーナリストや政治家を中国に招待して豪遊させるなど、その手口は多岐にわたる。

こうしたバラマキをしている人物の一人が、中国出身の大富豪で、オーストラリアの市民権を取得しながら、今もビジネスの拠点を中国に置いているチャウ・チャック・ウィン(中国名は周澤榮)だ。オーストラリアの大学に多額の寄付をしているほか、退役軍人の慈善事業や戦争記念館など、オーストラリアの愛国主義的な団体に惜しみなく献金しており、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席と親密な関係にあるため、中国政府の意向を受けて買収・スパイ工作をしているとの疑惑が持たれている。それを報道したオーストラリアのメディアを、チャウは片っ端から名誉毀損で訴え、そのたびに勝訴している。

中国はさらに大規模な買収工作も行なった。オーストラリア南東部のビクトリア州(州都メルボルン)をまるごと取り込もうとしたのだ。ビクトリア州政府は、連邦政府の意向に逆らって、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に参加を表明。2016〜2018年に少なくとも8社の中国国有企業と政府系企業が同州のインフラ事業に投資した。ダニエル・アンドルーズ州政府首相は2017年と2019年に北京で開かれた一帯一路フォーラムに出席。このフォーラムには州など地方自治体レベルの首長はごく少数しか出席しておらず、オーストラリア連邦政府の代表は不参加だった。たまたまかもしれないが、今年に入り中国がオーストラリア産の農産物に懲罰的な関税を課し、輸入を制限した際にも、ビクトリア州の農産物はほとんど影響を受けなかった。

中国の買収工作に屈したかどうかはともかく、2018年までにオーストラリアの多くの大物政治家がアメリカとの長年の同盟関係に縛られない「独自外交」を主張するようになった。故マルコム・フレーザー元首相(任期1975〜1983年)やポール・キーティング元首相(1991〜1996年)はアメリカとの同盟関係の解消まで唱え、ボブ・ホーク元首相(1983〜1991年)は引退後に中国政府のためのロビー活動で多額の報酬を稼ぐありさま。政府系シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所が「米国務省から研究助成金を受けているのはけしからん」と、有力政治家や元閣僚が騒ぎ立てるなど、オーストラリア政界では「親中・反米」派が幅を利かせるようになった。

一方で世論は引き続きアメリカとの協力関係を支持し、中国との関係が強化されつつあることに警戒感を示していた。オーストラリアのシンクタンク・ロウイー国際政策研究所の調査によると、2008年から現在まで一貫して世論の70%以上がアメリカとの同盟関係を支持しており、「オーストラリア政府は中国の投資を認可しすぎだ」と答えた人は一貫して半数を超えている。ドナルド・トランプ米大統領の好感度は低いものの、今でも半数以上のオーストラリア人がアメリカは「世界において責任ある行動をとっている」と見ているが、中国に同じ評価した人は23%にすぎない。

エイブラハム・リンカーンの名言として誤って伝わっている言葉に、「ある時期だけ全ての人を騙すことはできるし、一部の人をずっと騙すこともできるが、全ての人をずっと騙すことはできない」というものがある。オーストラリアにおける中国の影響力拡大については、ハミルトン教授の18年の著書もさることながら、人々の目を覚ましたのはマイク・ポンペオ米国務長官の2019年の発言だろう。「一山の大豆のために魂を売るか、それとも自国民を守るか、2つに1つだ」とポンペオはオーストラリア政府に迫った。オーストラリアは中国に大豆を輸出しているわけではないが、中国の影響力がじわじわと国内に広がることに不安を抱いていたオーストラリアの人々はこの発言に強く共鳴した。

それに続いた決定打がコロナ禍だ。中国が初期に誤情報を流したことで、オーストラリアでも人々の間では中国に対する不信感が一気に高まった。ただこの時点では、政府は中国寄りの姿勢を変えなかった。オーストラリアのブレンダン・マーフィー連邦首席医務官は、中国の迅速な対応により国境を越えた感染拡大は抑え込めると発言。ビクトリア州の有力政治家は、武漢の都市封鎖を手放しでたたえた。

「飼い犬」に噛まれた怒り

風向きが変わったのはその後だ。オーストラリアのスコット・モリソン首相とマリズ・ペイン外相がWHO(世界貿易機関)年次総会で新型コロナウイルスの発生源などについて武漢市を念頭に国際調査を要求。これに中国が猛反発した。

オーストラリアの中国大使館は、「オーストラリアの政治家はアメリカ人が言うことをオウム返しにするのに必死で、アメリカに言われるままに中国への政治的な攻撃を演出した」と苦言を呈した。中国外務省はさらに痛烈な言葉を使い、オーストラリアは「政治的な目的で疑念と告発を利用するという全くもって無責任」な行動を取ったと批判。「イデオロギー的な偏見と政治ゲーム」をコロナ対策に持ち込むなと、オーストラリアに釘を刺した。

調査要求は「中国の人々の感情を傷つけた」と言ったのは、中国の駐オーストラリア公使・王晰寧だ。「オーストラリアは中国の良い友人だと思っていたのに、青天の霹靂(へきれき)のように彼らがこんな提案をしたというニュースが飛び込んできて、中国の人々はショックを受けた」と、王は怒りをあらわにした。

「中国人の心」に対して配慮を欠いたオーストラリアの態度に驚き、中国の外交官たちは自らの言葉がオーストラリア人の心をいかに傷つけるか気づかなかったようだ。オーストラリアの政治家や公的機関に尋常でないほど深く浸透しているにもかかわらず、中国の外交官は、民主的な意思決定のダイナミズムを理解できなかったか、その要求に屈することを拒んだ。もし中国が、有能なPR会社を通じた通常の外交を行っていたら、新型コロナウイルスのパンデミックによる関係悪化はごく短期間ですんでいたかもしれない。

だが実際には、中国政府が30年間にわたって築き上げたオーストラリアの意思決定に対する影響力があっという間に瓦解した。ここ数カ月、オーストラリアは中国系企業による豪戦略資産の買収を厳しく規制すると発表、州政府や自治体が認可した買収案件に対し連邦政府が拒否権を発動できる新たな法案を提出した。またオーストラリアの大学に対する外国の干渉について議会の調査も開始した。中国寄りの姿勢を取る政治家は、今ではかなり勇気のある者に限られる。振り子は逆に振れたのだ。

挫折したエリート取り込み作戦

オーストラリアだけではない。一国のエリート層を取り込む中国の世界戦略は、民主主義国のほとんどで失敗した。中国は、外国の内政干渉を食い止めようとするオーストラリアの努力を「ひどく理不尽な態度」と呼んだ。だが一般市民から見れば、それは常識だ。中国が世界の除け者になり、民主国家の政治家は、中国政府幹部と握手する姿は撮られたがらないし、中国にとってぼろい儲け話もなくなるだろう。

オーストラリアが中国に背を向けたことで、自由主義や西側同盟を重んじる価値観が再確認された。他の民主国家もこの例に倣うだろう。ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、香港や新疆ウイグル自治区における中国の人権抑圧を批判した。欧州でも、中国の干渉に市民が反発している。外国からの脅威に対する民主主義国の反応は必ずしも早くないかもしれないが、最終的には排除する。それこそ中国が学ぶべき教訓だ。
参照元:中国の傲慢が生んだ「嫌中」オーストラリア
2020年10月15日(木)19時47分 ニューズウィーク日本版
サルバトア・バボンズ(豪社会学者)

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