滅びの美学

以前、見つけた記事で面白いと思って、保存しておいた記事が以下です。 

「フランダースの犬」という最後に主人公が死んでしまう作品に日本人だけが共感するという検証結果である。 

これは社会心理学的に面白い現象で、アメリカ人には全くこうした心情がないらしく、映画製作などでも悲劇の結末をハッピーエンドに書き換えたりするようである。 

以前、自民党のチャートなど分析している時に、日本を構成するのは水のトライアングルではないかということを書いたが、この滅びの美学に共感するというのは、同情心とか、水の性質の感じやすい性質から来るものではないかと思った。 

負けると分かっていても部下達に担ぎ出されて戦わざるを得なくなった西郷隆盛とか、鉄道員ぽっぽやのストーリーとか、日本にはこの手のストーリーが確かに多い。 

自己犠牲とか、一途なこととか、そういうものが日本の物語には多いのかもしれない。 


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「フランダースの犬」日本人だけ共感…ベルギーで検証映画 
12月25日12時9分配信 読売新聞 


 【ブリュッセル=尾関航也】ベルギー北部フランドル(英名フランダース)地方在住のベルギー人映画監督が、クリスマスにちなんだ悲運の物語として日本で知られる「フランダースの犬」を“検証”するドキュメンタリー映画を作成した。 

 物語の主人公ネロと忠犬パトラッシュが、クリスマスイブの夜に力尽きたアントワープの大聖堂で、27日に上映される。映画のタイトルは「パトラッシュ」で、監督はディディエ・ボルカールトさん(36)。制作のきっかけは、大聖堂でルーベンスの絵を見上げ、涙を流す日本人の姿を見たことだったという。 

 物語では、画家を夢見る少年ネロが、放火のぬれぎぬを着せられて、村を追われ、吹雪の中をさまよった揚げ句、一度見たかったこの絵を目にする。そして誰を恨むこともなく、忠犬とともに天に召される。原作は英国人作家ウィーダが1870年代に書いたが、欧州では、物語は「負け犬の死」(ボルカールトさん)としか映らず、評価されることはなかった。米国では過去に5回映画化されているが、いずれもハッピーエンドに書き換えられた。悲しい結末の原作が、なぜ日本でのみ共感を集めたのかは、長く謎とされてきた。ボルカールトさんらは、3年をかけて謎の解明を試みた。資料発掘や、世界6か国での計100人を超えるインタビューで、浮かび上がったのは、日本人の心に潜む「滅びの美学」だった。 



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