ラオ先生は6室の支配星と8室の支配星が絡むとき、ほとんど犯罪は免れ得ないとテキストの中で書いている。
それが何故かと考えると、6室と8室の絡みの中に、被害者と加害者、支配者と被支配者の関係性が潜んでおり、その関係性こそが犯罪というのではないかと思うのである。
おそらく単独で存在できる犯罪というものはないのである。
必ず、被害者と加害者が存在するのが犯罪なのである。
従って、犯罪とはつきつめれば6/8の関係のことであり、正しい人間関係が損なわれたことである。
犯罪が起こるとき、被害者と加害者がこの世に同時発生する。
例えば、戦争というのは、どちらか一方が領土に侵略する時に相手方から反発されることによって始まる。あるいは外交的に理不尽な要求をされた時にその要求が受け入れ不可能な場合に宣戦布告という形で始まる。
だから戦争とは侵略行為か、侵略に対する抵抗活動(レジスタンス)かのどちらかである。つまり、支配と被支配の関係性が生じたときに起こるのである。
支配と被支配が無い時が正しい関係である。
戦争が起こる時には必ず、どちらかが正しい関係を破る支配行為を行なっているのである。それがなければ正しい関係は破られ得ない。
例えば、殺人行為ということを考えてみると、殺人とは相手の肉体を破壊して命を奪うことであり、それは支配する行為に該当する。
その殺人行為もそのきっかけは、保険金殺人などの利己的な欲望から発する殺人もあれば、例えば、最近よく起こるような、子どもが親を殺すというような犯罪も見受けられる。
その動機を探ってみると、親が子どもを支配して全く自由にさせなかったが為に子どもが自由になるためにどうしようもなく殺したというのが動機だったりする。つまり、自由になるためのレジスタンス活動であり、最初に親が子どもを支配している訳である。その反発(カルマ?)として、子どもから肉体を破壊し生命を奪うという意味での支配を逆に受けた訳である。
次に盗みについて考えてみると、やはり、盗みも他人の所有物に手を出して、他人の健全に所有し、生存を維持していく自由を奪い取る行為を表しており、これも支配に該当する行為である。つまり、支配なので6室の象意である。
例えば芸能人がよく高価な宝石とか時計とかバックを盗まれたりする。
それは他人の侵略行為、暴力、すなわち、支配を受けたことを表している。
戦争、殺人、盗みと、代表的な犯罪を分析してみると、すべて6/8の関係における支配と被支配の関係がそこには見られる。
だからラオ先生が6室と8室が絡むとき、ほとんど犯罪を免れ得ないと言うのだと思われる。
これは司法制度とは関係なく、6室と8室が絡んで、そこに悲しみや苦しみが生まれる時、それを犯罪というのであって、司法制度が認定していない、あるいは裁ききれない犯罪というものが6/8の関係の数だけ、この世に存在するのではないかと思われる。
犯罪というものは、6/8の関係のことであり、正しい人間関係を失った状態であると明確に定義可能である。
コメント