MENU

安倍首相のXデーについて(再)

2017 3/03
以前、2017年2月7日以降に安倍首相の出生図で金星/太陽期に移行すると、太陽は金星から見て11室の支配星で12室に在住し、12室の支配星と接合しているので、何か肩書きや評価(11室)の損失(12室)などが起こるのではないかと予測していた。


AbeShinzo_chart2
ナヴァムシャでも太陽は金星から見て6室支配で12室に在住し、10、11室支配で12室に在住する土星と接合している。

金星/太陽期におけるアンタルダシャーの太陽は12室(損失)の象意を何重にも保持している。

従って、安倍首相の評価が失墜し、職務の継続にとって厳しい時期である。


実際、2月7日を過ぎて安倍首相に起こっていることを確認すると、まずドナルドトランプとの間で、日米首脳会談を行ったが、「土下座外交」だと批判する論評も出ている。

また日米安保で尖閣諸島がカバーされていることを確認してもらった見返りに経済的な問題で妥協を強いられるのではないかとの懸念も強まっている。


また学校法人「森友学園」に市場価格の1割程度の値段で国有地が払い下げられた問題に関与した疑いが浮上している。

それに対して安倍首相は否定しているが、この問題が浮上したこと自体が評価の失墜である。

因みに「森友学園」の理事長は憲法改正を主張している日本会議の関係者であるということである。


これらの動きは安倍首相の評価の失墜の動きであると考えられるが、まだこれは始まりに過ぎない。


金星/太陽期における更にプラティアンタルダシャーを検討していくと、


実際に総理大臣の職務に大きな負担が生じるのは金星/太陽/火星期から金星/太陽/土星期ではないかと思われる。



つまり、この2017年3月28日~9月27日までが安倍首相のXデーである。


AbeShinzo_dasha_level3
金星/太陽/土星期でその緊張はクライマックスに達するはずである。


土星は出生図で8室の支配星で10室と10室の支配星にアスペクトしている。

10室に対する8室の絡みはキャリアの中断を表している。


この土星がプラティアンタルダシャーロードの火星、ラーフ、木星にアスペクトしている。


そして、今年2017年1月26日からトランジットの土星が射手座に入室し、10室支配の火星の上を通過している。


トランジットの土星は出生図で支配する7室や8室の象意を保持しているのであり、その土星が10室の支配星の上を通過していくことが職務上における試練や負荷を表していると考えられる。


土星は大衆を表すため、大衆からの政権批判や監視の目が厳しくなるのである。



金星/太陽/火星⇒金星/太陽/ラーフ⇒金星/太陽/木星⇒金星/太陽/土星と経過していく時、プラティアンタルダシャーロードは、皆、出生図上で土星からアスペクトされたりして土星と絡んでいる。


この間、ずっと土星が10室支配の火星の上を通過していくのであり、元々出生図上で示されている土星の試練をトランジットが強調することになる。



最後にダシャムシャ(D10)において、土星は3室に在住している。


AbeShinzo_dasha_D10
3室は8室から見た8室であり、キャリアの中断を表すと解釈できる。


今回、金星/太陽期に予想通り、安倍首相の評価が失墜するような状況になって来ており、2017年の経済予測として、アベノミクスが行き詰まり、量的緩和政策から大きく舵を切る可能性が指摘されているが、金星/太陽期の評価の失墜とはそうした状況とも連動していると考えられる。


しかし、結論から言うと安倍首相は今回の評価の失墜で、辞任することはなく、私の予想としては、2020年7月24日から始まる東京オリンピックを終えて、延長された9年の任期を終える迄、総理大臣を辞任しないのではないかと考えている。


AbeShinzo_Jaimini_chart

何故なら、ジャイミニで見た時に現在、安倍首相は獅子座/乙女座である。


獅子座から見てAmKは11室(高い評価、肩書き)に在住し、乙女座から見ても10室(地位)に在住している。


AmKの月はラーフやケートゥやGKの太陽からジャイミニアスペクトされて傷ついてはいるが、AmKの配置が良いため、直ぐに辞任する状況ではないのである。


評価が下がったり、批判を受けながらも総理大臣としての職務を継続していくものと思われる。




因みに安倍首相は2006年9月20日(水星/土星/木星)のマハダシャーケートゥ期の直前に自民党総裁に選ばれて内閣総理大臣に就任している。

然し、2007年9月25日(ケートゥ/金星/ラーフ)に内閣総辞職し、胃腸機能異常などで病院に入院している。

そして、2012年9月12日(ケートゥ/土星/木星)に再度、自民党総裁に就任し、2012年12月16日(ケートゥ/水星/ケートゥ)に内閣総理大臣に再就任している。


総理大臣を務め、一度、辞任してからもう一度、総理大臣に再選されたこの期間は、マハダシャーケートゥ期である。


ケートゥはダシャムシャ(D10)でラグナに在住しており、キャリア上の上昇期を表している。


AbeShinzo_dasha_D10
2006年9月20日に自民党総裁に選ばれて内閣総理大臣に就任した時と2012年9月12日に再度、自民党総裁に就任した時に注目すると、いずれもアンタルダシャーが土星期である。


土星は出生図で8室の支配星で10室にアスペクトしているが、仕事の中断という象意ではなく、むしろ仕事上で、総裁などの責任の重い役職に自民党総裁選で選ばれて、リーダーシップを発揮している。



土星は4室で高揚して、シャシャヨーガを形成し、同じく高揚してマラヴィアヨーガを形成する金星と接合しており、この土星期は、むしろ、選挙で選ばれたリーダーになった時期のようである。




土星はナヴァムシャでもダシャムシャでも星位が強く、出生図上での8室の否定的な象意は出ていないようである。


またダシャムシャでも3室(8室から8室目)に在住しているが、仕事の中断、あるいは終了という事態に陥っていない。




木星は6室の支配星でラグナに在住し、7、8室支配の土星と火星がアスペクトしており、ラグナロードの月がケートゥと接合して、火星からアスペクトされているので、健康面での不安が生じやすい配置である。

ラグナで6室と8室が絡んでいる。


因みに2007年9月25日に総理大臣を辞職した時、ケートゥ/金星/ラーフであったが、ラーフは6室に在住し、ラーフのディスポジターは6室の支配星でラグナに在住して、7、8室支配のマラカの土星、火星からアスペクトされている。


従って、今回、金星/太陽/ラーフ⇒金星/太陽/木星は健康問題なども噴出しやすい時期ではないかと考えられる。


トランジットの土星もラグナロードにアスペクトしていくからである。


土星が蠍座を通過している間は、土星はラグナにもラグナロードにもアスペクトしていなかったので、身体に対する負荷は少なかったと考えられる。


そうした時期を経過した後、金星/太陽/土星に移行していく。


従って、この金星/太陽/ラーフ、金星/太陽/木星期辺りが問題が生じやすく、金星/太陽/土星期(2017/7/31~2017/9/27)がキャリア上の負荷が大きい時期ではないかと考えられる。



金星/太陽/火星 2017/3/28
金星/太陽/ラーフ 2017/4/18
金星/太陽/木星 2017/6/12
金星/太陽/土星 2017/7/31



但し、土星は出生図で高揚し、ナヴァムシャやダシャムシャでは水瓶座でムーラトリコーナの配置であり、シャドバラも1.75と強力で、非常に星位は強力である。


既に述べたように安倍晋三は水星/土星/木星期に首相に就任し、ケートゥ/土星/木星期にも自民党総裁に再就任している。


アンタルダシャーの土星期はむしろ上昇の時期である。



8室支配で4室で高揚し、10室にアスペクトする土星はキャリアの中断として現れていない。


むしろ、強い土星によってキャリアを取得したと考える必要があるようである。



従って、今回、安倍首相は評価は失墜するが、辞任するまでには行かないのではないかと考えているのである。


土星期は土星の星位が強く、出生図でも4室で高揚してシャシヨーガを形成し、政治家にとって4室が強いことは政界で自分の議席を確保することを表している。


それで、水星/土星期とケートゥ/土星期のアンタルダシャー土星期に首相に就任したのではないかと考えられるのである。



土星/太陽期の次は、土星/月期だが、月はラグナロードで、5、10室支配のヨーガカラカの火星と1-5、1-10のラージャヨーガを6-12室の軸で形成している。


この配置は強力であるため、外交の舞台での活動を表しているように思われる。



そして、金星/火星期が続くが、アンタルダシャーは依然として、月との間に1-5、1-10のラージャヨーガを形成する火星期である。


従って、これはやはり国際外交の舞台での高い地位を表しているように思われる。


但し、火星は6室に在住して、ラーフと接合し、この火星に対してトランジットの土星が接合しているため、非常に野党や国民の風当たりが強い中での職務の執行になるのではないかと考えらえる。




おそらく安倍首相が本当に厳しいのは、土星が山羊座に入室する2020年1月24日以降である。


その時、アシュタカヴァルガで山羊座のサルヴァシュタカヴァルガの合計は25ポイントで、土星のビナシュタカヴァルガは0ポイントである。


土星の点数が低いことからこの時に大衆からの支持を失うのではないかと考えられる。


またこの時、土星は月から8室に入室する為、良くない時期である。



土星と木星が7室に入室し、ダブルトランジットがマラカの7室と1室に形成されるが、1室には6、9室支配の木星が在住しており、8室支配の土星がアスペクトしている。


ちょうどダシャーも金星/火星期から金星/ラーフ期へと移行していく。


アンタルダシャーのラーフのディスポジターは木星であり、木星はラグナに在住している。


そして、1室で、6室と8室の絡みを生じている木星に土星と木星がアスペクトする。


1室、7室、9室、6室にダブルトランジットが形成され、9室は仕事を辞めるハウスであり、6室は病気のハウス、7室はマラカハウスである。


従って、安倍首相はオリンピックまで総理大臣を務め、その後、任期の満了を迎えると考えられる。








(参考資料)

内閣も自民党も総汚染 「安倍晋三記念小学校」疑惑の闇
2017年2月20日 日刊ゲンダイ

なぜ、大メディアは及び腰なのか。大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」にタダ同然で払い下げられていた問題は、内閣が吹っ飛んでもおかしくないスキャンダルなのに、メディアの追及は鈍い。

 この土地には今春、“日本初の神道小学校”をウリにした「瑞穂の國記念小學院」が開校する予定だ。小學院の理事長を務める森友学園の籠池泰典総裁は、安倍首相の支持基盤である右派組織「日本会議」の大阪幹部。そして、小學院の名誉校長にはファーストレディーの昭恵夫人が就任。しかも、当初は「安倍晋三記念小学校」というフザケた校名にする予定で、寄付金を募っていたことも分かっている。

「国有地は国民の財産です。それが、不可解な経緯で、首相に近い団体の幹部に『実質ゼロ円』で供与されていた。こんな分かりやすい話はありません。本来なら、テレビのワイドショーが飛びつくネタのはずです。しかし、北朝鮮の暗殺事件や、都政の小池劇場に時間を割くばかりで、安倍政権を揺るがす重大疑惑を取り上げようとしない。

この土地問題は、掘れば掘るほど、埋蔵ゴミの量を上回る疑惑が出てくるのに、新聞も社会面でアリバイ的に事実関係を報じるだけで、背後に日本会議の人脈があるという核心には触れたがらない。あまりに深刻な問題だからこそ、日本会議に支えられた安倍政権に遠慮して報道を控えているとしか思えません」(政治評論家・本澤二郎氏)

 安倍晋三記念小学校という名称について国会で質問された安倍は、「いま初めて知った」とトボけたが、「妻から森友学園の先生の教育に対する熱意は素晴らしいという話を聞いている」「私の考え方に非常に共鳴している方から、『安倍晋三小学校』にしたいという話がございましたが、お断りした」とも言っていた。少なくとも、打診があったことは認めたわけだ。

■「こんなに軍国じみていたとは……」

 一方の籠池理事長は「週刊文春」や「しんぶん赤旗」の取材に、安倍晋三記念小学校の名称は「内諾を得ていた」と証言していて、どちらの言い分が本当なのかは知らないが、それにしても、「考え方に共鳴している」という安倍の発言は聞き捨てならない。

森友学園が運営する塚本幼稚園は昨年、「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載した文書を保護者向けに配布。ヘイトに当たると問題視した大阪府は今年1月に籠池理事長らから事情を聴き、行政指導を行う必要があるか検討することにしている。

 そもそも塚本幼稚園は、園児に教育勅語を暗唱させ、五箇条の御誓文や愛国行進曲などを教え込む“軍国教育”で有名だ。18日付の東京新聞「こちら特報部」は、「愛国教育を重んじるのも、しつけのためならば良いかと思ったけれど、こんなに軍国じみていたとは……」と困惑する保護者の言葉を紹介している。

 塚本幼稚園のHPを見ると、「園長が防衛大臣賞を受賞いたしました」と、稲田防衛相の名前で昨年10月22日に贈られた感謝状の画像が掲載されている。感謝状は理事長室に飾られているというが、そこには「永年にわたり防衛基盤の育成と自衛隊員の士気高揚に貢献されるところ大なるものがありました」と書かれている。「防衛基盤の育成」って何なのか。愛国教育によって、国のために命を捧げる若者を社会に送り出すという意味か。

 そういうヘイトと軍国教育に熱心な学園の総裁と「共鳴している」と、安倍は言ってのけた。教育基本法に反する戦前教育を施す学校法人にお墨付きを与えたようなものだ。

長い時間をかけて歴史修正主義首相を育成した日本会議

「籠池理事長、安倍夫妻、稲田防衛相、麻生財務相、そして払い下げ当時の下村文科相や、小学校の新設をスピード認可した大阪府の松井知事……。登場人物は、みな日本会議の関係者です。極右思想を共有する仲間内で、国民財産を私物化し、便宜を図ったとみられるのが当然なほど、役者が揃っている。日本のメディアは、韓国の朴大統領の親友による国家介入でサムスン電子副会長が逮捕された事件は大々的に報道していますが、構図は同じですよ。小沢一郎の時は、正当な土地取引の単なる“期ズレ”を大犯罪のように騒ぎ立て、メディアが事件をでっち上げたのに、今回はダンマリなんて筋が通りません。安倍政権や日本会議が絡んでいる疑惑は追及できないとすれば、由々しき問題です。安倍政権では、大半の閣僚が日本会議の関連団体に名を連ねている。国家運営の黒幕は、戦前回帰を目指す日本会議ということになります」(本澤二郎氏=前出)

自民党で幹事長などの要職を歴任した故・加藤紘一氏は第1次安倍政権が発足した06年、朝日新聞のインタビューに答えて、「安倍政権の背後には日本会議がある。だから安倍政権は今までの自民党政権とは異質で極めて危険だ」と指摘していた。この時から、すでに自民党は日本会議に乗っ取られていたのだ。

 ジャーナリストの魚住昭氏が言う。

「加藤氏は日本会議の危険性をいち早く察知していた。国民が気づかないうちに、日本会議は政権中枢を汚染していった。政治に働きかけて、元号法制化や国旗国歌法の制定など、自分たちの政策を着実に実現してきた日本会議が、長い時間をかけて育成したのが安倍首相です。その拠点になったのは、94年に発足した『歴史・検討委員会』や、97年に結成された『日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会(「教科書議連」)』などで、もともと安倍首相に右派的な気分はあったのでしょうが、それを歴史修正主義に持っていった。そうした積み重ねの集大成が、日本会議の悲願である憲法改正なのです」

■戦前よりひどい全体主義国家になる

 共著「愛国と信仰の構造―全体主義はよみがえるのか」で、ナショナリズムと宗教の結びつきに警鐘を鳴らした政治学者の中島岳志東工大教授は、日刊ゲンダイのインタビューにこう語っている。

〈偏狭な愛国心が、宗教と深く結びついたときになにが起こるのか。戦前の日本では、国家神道などの宗教が、天皇や日本という祖国を信仰の対象とすることで、ナショナリズムを過激化させ、全体主義の時代になだれ込んでいき、大きな戦争にまで突入した〉〈(日本の現状は)ここで選択肢を誤ると、立憲主義も民主主義も根こそぎになり、戦前以上にひどい全体主義国家になってしまうのではないか。そのくらいの危機感を持っています〉

 安倍政権は、式典での国旗掲揚と国歌斉唱を国立大に要請。文科省が14日に公表した幼稚園の教育要領案でも、「我が国の国歌に親しむ」の文言が加わった。保育所を管轄する厚労省も同日、3歳以上の幼児に対し、国旗や国歌に親しむことを求める文言を盛り込んだ保育所保育指針改定案を公表した。愛国心の強要を推し進める主体が日本会議であり、国家権力と結託して、教育にまで侵食してきているという事実に戦慄を覚える。

くだんの塚本幼稚園の運動会では、「日本を悪者にする中国や韓国は心をあらためて。安倍首相がんばれ」と園児に選手宣誓させる映像が残っている。籠池理事長は、週刊文春の取材に対して「安倍総理は政治家というより偉人」と語っていた。もはや、国家神道でもなく、「安倍晋三教」と言っていい。そこから、安倍晋三記念小学校などという狂った発想が生まれ、それに付随して、疑惑まみれの国有地払い下げ事件が起きた。

 さすがに安倍も、払い下げで直接の指示を下すようなヘマはしないだろう。だが、首相を支持する日本会議の影がチラつく上に、昭恵夫人まで名誉校長として関わっているとなれば、何も言わなくても忖度して便宜を図る連中がいる。直接の口利きよりも、こういう状況の方が危機的なのだ。安倍を崇拝していれば、どんな不正も「愛国無罪」でおとがめなしというのなら、もはやこの国は民主主義国の看板を下ろすしかない。
参照元:内閣も自民党も総汚染 「安倍晋三記念小学校」疑惑の闇
2017年2月20日 日刊ゲンダイ
日米首脳会談で発覚!トランプは「安倍より、麻生がお気に入り」 新聞・テレビが報じられない全内幕
現代ビジネス 2/22(水) 13:01配信

世界が注視する日米首脳会談が、紆余曲折を経て実現した。だがトランプ大統領の「意中の人」は安倍首相ではなく、「日本のトランプ」とも言える男だった。日米間でいったい何が起こっていたのか。

前代未聞の「土下座外交」

 「トランプ大統領は安倍首相との日米首脳会談の直前に、米メディアとのインタビューで、『彼(安倍首相)が私のパートナーかどうかを見極めたい』と発言していました。

 だがトランプ大統領が、本当にパートナーかどうか見極めたかったのは、もしかしたら安倍晋三首相ではなくて、随行した麻生太郎副総理兼財務相だったのではないでしょうか」

 衝撃的な告白をするのは、ある外務省関係者だ。

 安倍晋三首相が待ち望んでいたドナルド・トランプ大統領との初めての日米首脳会談が、2月10日、ホワイトハウスで実現した。

 だが、安倍首相の気分は、とても晴れ晴れとしたものとは言えなかった。それは66年もの間、同盟関係にあるアメリカの大統領との首脳会談としては、前代未聞とも言える「土下座外交」を強いられたからだ。

 日米首脳会談の直前まで、外務省と経済産業省を中心に、トランプ大統領にアピールするアメリカ人の雇用促進方針案「日米成長雇用イニシアチブ」の策定に追われた。

 それは、アメリカとウインウインの関係を築く政策というよりは、日本の国益を削ってアメリカに差し出すものだった。このせいでアベノミクスは、ますますゴールから遠のくことになってしまったのである。

 過去を振り返れば、いまからちょうど4年前の2月22日にも、安倍首相は同じホワイトハウスで、不愉快な思いを体験している。

 その日、念願のオバマ大統領との初めての日米首脳会談に臨んだ安倍首相は、会談の冒頭で、オバマ大統領が尊敬しているアイゼンハワー元大統領の話題を振った。

 「私の祖父の岸信介首相は、1957年にこのホワイトハウスでアイゼンハワー大統領と首脳会談に臨んだ。その時、意気投合した日米両首脳は、共にゴルフを楽しんだのだ」

 それを聞いたオバマ大統領は、「祖父のスコアはどうだったんだい? と質問した。安倍首相はその問いを想定していて、用意していたジョークを述べた。

 「それは日本の国家機密さ!」

 安倍首相としては、まずはジョークでオバマ大統領と打ち解けて、個人的な人間関係を構築しようと目論んでいた。

 だがオバマ大統領は、「時間も限られているし、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の話をしよう」と冷ややかに述べたのだった。

 オバマ大統領との初会談を終えた安倍首相は、周囲にぼやいた。

 「オバマっていうのは、冷たい男だなあ」

 結局、その後4年にわたって、安倍首相はオバマ大統領と会談を重ねたが、個人的な人間関係を築くことはできなかった。

「アソウを同行してくれ」

 冒頭の外務省関係者が解説する。

 「オバマ大統領とウマが合わなかった安倍首相としては、新たに就任したトランプ大統領とは、しっかりした人間関係を築きたいと考えています。

 かつてのレーガン大統領と中曽根康弘首相のロン・ヤス関係、ブッシュ大統領と小泉純一郎首相の蜜月関係など、同盟国アメリカの大統領と確固とした人間関係を作れれば、長期政権を築けるからです。

 だから安倍首相は、トランプ氏が当選を決めたわずか8日後の昨年11月17日に、ニューヨークのトランプタワーを訪問。1月20日にトランプ政権が誕生してからも、イギリスのメイ首相に次いで2番目に、トランプ大統領との首脳会談にこぎ着けました。

 正直言って、トランプ大統領は安倍首相との早期の首脳会談に、あまり乗り気でなかったが、安倍首相が、半ば強引に押し込んだ。それだけに、日本は法外な『手みやげ』を強いられたのです」

 今回の日米首脳会談を、最終的に確定させたのは、日本時間の1月28日土曜日深夜に行われた、安倍首相とトランプ大統領との42分にわたる電話会談の場だった。外務省関係者が続ける。

 「安倍首相の電話会談に立ち会ったのは6人で、うち4人は外務官僚でした。そのためすぐに省内で、電話会談の内容が憶測を呼んだのです。

 それが、麻生財務相のことでした。例えば、電話会談の前半で、トランプ大統領は『アソウはいまそこにいるのか? と聞いてきた。

 電話会談を終える時に、安倍首相が、『それでは、続きは2月10日に実際に会って、ゆっくり話そう』と言うと、トランプ大統領は再度、念を押すように告げた。

『分かった。ワシントンへは、必ずアソウを同行させてくれよ』。

 それで外務省では、トランプ大統領のこの執拗な『麻生ラブコール』は、一体何を意味するのかと、議論になったのです」

 総理と副総理が、同じ場所に外遊に出るというのは、あまり前例がない。もしもの事故や事件に遭遇した際に、日本の最高権力者と最高権力者代理を、同時に失ってしまうからだ。

 だが今回は、トランプ大統領のたっての願いということで、例外的措置として実現した。財務省関係者が語る。

 「麻生財務相自身も、『なぜオレまで行かなきゃいけないんだ』とボヤいていました。財務相の外遊は外相より多いので、予定外の外国訪問はしんどいのです。それでアメリカ側の真意を確かめる目的もあって、腹心の浅川雅嗣財務官を、7日に『先遣隊』として訪米させました」

「カネの匂い」がする男

 麻生財務相が今回、安倍首相に同行して訪米した表向きの目的は、二つあった。

 一つは、カウンターパートであるマイク・ペンス副大統領と初顔合わせをすることである。

 「トランプ大統領の言動が、日々物議を醸していることもあって、これまでは『ホワイトハウスの盲腸』などと呼ばれていた副大統領が、にわかに多忙を極めています。アメリカ内外の人士が、『まずは副大統領と話そう』とするため、面会要請が殺到。そのため、副大統領の存在感が増しているのです」(前出・外務省関係者)

 もう一つの目的は、日本の経済金融政策について、トランプ政権の面々にきちんと説明することだった。

 トランプ大統領は1月23日、アメリカの大企業の経営者たちを集めた会合で、日米の自動車貿易は不公平であると吠えた。31日には、製薬会社の経営者たちとの会合で、日本は為替を操作し、自国の通貨安に誘導していると?みついた。

 2月7日に発表された昨年のアメリカの貿易収支は、日本からの赤字額が689億ドルになり、中国の3470億ドルに次いで2位に浮上。このことも、トランプ大統領の日本に対する攻撃材料になった。

 日本としては、こうしたことに一つひとつ反論していく必要があったというわけだ。

 「だが、それにしても不自然です。麻生副総理兼財務相とペンス副大統領の対面は、特に急を要するものではなかった。それに、経済金融政策については、『アベノミクス』と命名されているのだから、安倍首相本人がトランプ大統領に説明すれば済んだ話だったからです」(同・外務省関係者)

 それではなぜ、トランプ大統領は、麻生副総理兼財務相の訪米にこだわったのか。この外務省関係者は、次のような見解を述べた。

 「どうやらトランプ大統領は、周囲の日本通の人から、『日本にはあなたとソックリのアソウという政治家がいる』と吹き込まれたようなのです。つまり、人権や民主主義といった理念や政治哲学よりも、カネの匂いに敏感な政治家だということです。

 周知のように、トランプ大統領は就任したばかりというのに、アメリカ国内外で四面楚歌の状態です。そのため、自分を百パーセント理解してくれる『盟友』が、同盟国にほしいと願っている。

 安倍首相とは、昨年11月にトランプタワーで会ったものの、どうも肌合いが違うと判断したのでしょう。そこで、日本の『もう一人のリーダー』である麻生氏に強い関心を持ったというわけです」

ゴルフ会談の目的

 麻生財務相とトランプ大統領は、今回が初対面だった。だがこの二人、たしかに共通点が多い。例えば、次のようなものだ。

 ①経営者出身の大富豪

ともに父親の会社を継いだ経営者で、トランプ大統領は不動産王として名を成し、麻生財務相は、麻生セメント社長や日本青年会議所会頭などを経て、政界に転身した。そのため、両者とも「会社経営の視点から国家経営を考える」タイプの政治家だ。

 ②非エリートで遊び好き

トランプ大統領は、少年時代は素行不良で、ハーバードやプリンストンではなく、ペンシルベニア大学卒。不動産業の延長として、趣味を活かしてカジノ経営者になったほどのカジノ好きだ。

 麻生財務相も小学校から大学まで学習院で、43歳で結婚するまで派手に遊んでいた。いまでも夜のネオン街をハシゴし、浮き名を流す。

 ③高齢

70歳のトランプ大統領は、1期目の大統領就任時の年齢が、歴代大統領の中で最高齢。76歳の麻生財務相も、安倍内閣の閣僚中、最高齢だ。

 ④大口叩き

周知のように両者とも、問題発言の数では、日米政界でそれぞれ、圧倒的なチャンピオンである。

 ⑤国語が苦手

怪我(かいが)、低迷(ていまい)、未曾有(みぞうゆう)……。国会答弁などで次々に不可解な漢字の読みを連発した麻生財務相。

 一方のトランプ大統領も、昨年暮れ、unprecedented(前代未聞の)という単語を、unpresidentialという、「大統領にふさわしくない」という単語に似ているが実在しないスペルでツイッターに投稿し、失笑を買った。また大統領選挙中のスピーチは、「小学1年生レベルの英語」と酷評された。

 前出の外務省関係者が続ける。

 「今回、日米首脳会談の翌11日のフロリダ州でのゴルフが話題になりましたが、あれは安倍首相からトランプ大統領に持ちかけたものでした。安倍首相には二つの思惑があったのだと思います。

 一つは、アメリカ大統領とゴルフをやって、かつて同じことをした尊敬する祖父の岸信介に追いつきたいということ。もう一つは、日本のトップは麻生副総理兼財務相ではなく自分だということを、トランプ大統領にアピールする目的です」

 安倍首相と麻生財務相は「長年の盟友」と称されるが、アメリカから帰国後の二人の「関係」が気になるところだ。もしかしたら麻生財務相は、「ポスト安倍はオレだ」と思い始めたかもしれない。

 「週刊現代」2017年2月25日号より

参照元:日米首脳会談で発覚!トランプは「安倍より、麻生がお気に入り」 新聞・テレビが報じられない全内幕
現代ビジネス 2/22(水) 13:01配信

スポンサーリンク


スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

コメント

コメント一覧 (6件)

  • 安倍氏が首相を続けられるということは、共謀罪が通り、改憲もなされるということです
    日本国民の大半にとっては地獄が続くということですね
    今や6人に一人の子供が貧困に喘ぎ、労働者の権利は搾取されている
    この相対的貧困というけれど、生活必需品の物価の高い日本においては食事もままならない絶対的貧困に近い
    この状況を安倍氏が改善することははっきり言って無い
    占いとは関係なしに、客観的に見て「そういう人物」だからです
    この件においては外れて欲しいものです
    • 安倍政権が当面続いていくと予想しましたが、2020年までに政権が変わらない場合であっても政治情勢は変化していくと思います。実際に安倍晋三が途中で辞任するか任期満了するかは是非、今後もモニターを続けて頂ければと思います。
      • 3月に共謀罪が通ってしまえばやりたい放題ですし、メディアや検察・司法まで支配し、自民内で反対勢力もいない安倍氏が首相の立場を保持したままで政治情勢が変わるとは私個人は懐疑的です
        安倍氏の外交とは経団連優先&理念も何も無く、プーチンやトランプといった傑物と同列アピールの「ええかっこしい」外交
        安倍氏の外交力とは即ち、日本を売り渡すことと同義ですから困ったもんです
        (今まで自分をサポートしていたジャパンハンドラーとトランプが敵対してることも分かってないんじゃないかと)

        完全なる願望ですが
        またもや病気を理由に首相を辞めるけれど、今まで神輿(安倍氏)を担いで利用してきた連中のおかげで政治家としての存在感は維持するが、2020以降には連中共々完全に政治への影響力を失う・・ようなパターンの方になって欲しいものです
        ・・もはや祈りです

        もちろん今後もモニターを続行させていただきます
        • 私が書いたり、予想したことをそのまま信じないようにお願いします。

          私が展開した占星術的なロジックが本当に正しいのかどうかを批判的に検証し、そして、もし当たらなかった場合、何故、当たらなかったのかという理由を一緒になって考えるような姿勢が必要です。

          こうした活動では当たらなかった時にその当たらなかった理由を考えていくことがスキルの発展にとって重要です。

          いずれにしてもよく考察し、予想を立てていると、その成果は非常に大きいです。
  • 心情などでバイアスがかかるより星が語ることからの推測をかかれてるのは正しい判断だと思う。仮にそれが外れてもおっしゃるように検証することで腕を磨けますからね。
    むしろ外れたことを甘いジャッジで当たったと考える方がまずいですからね。

    いろんな占い師の記事をみてるけど多くは曖昧にしてますが、判断を丁寧に書かれてるのは誠実だと思いますよ。リスクを背負ってるんですからね。

    この問題や憲法改正のことはきになるけど、西洋の方の春分図で日本は大変特徴的な配置というのが今年みたいだし、東洋の方の話は見つかってないけど立春以後のにほんの動きは日本会議関連が中心ですしね。流れは極端な思想の異常さと腐敗がクローズアップされてるような気もしますね。

    インドの方でも日本の今年に特徴的な感じありますか?

    政治がらみは心情と占いを分けにくい分野なんだなと思ってみてます。うまく分けておられるように見える秀吉さんには期待してます。
    • >インドの方でも日本の今年に特徴的な感じありますか?

      今年の日本の春分図、ヒンドゥーニューイヤーチャートは、
      ラグナが蟹座0°になり、双子座と蟹座の境界線にあってどちらを取ればいいか微妙ですが、
      蟹座だと考えると火星が牡羊座バラニーで自室に在住し、ルチャカヨーガを形成しており、
      国家社会主義的な力、政府の独裁的な力が強まると考えています。

      例えば、昨年10月に自民党総裁の任期が3期9年に延長されましたが、
      安倍晋三がもっと総理大臣で居続けたいという個人的な要求を通した形ですから独裁者が誕生としたとも考えられます。

      然し、森友学園の問題なども出てきて、森友学園は全体主義のような教育を施していたことで、話題になっていますが、
      そうしたことで賑わっていること自体が、このバラニーでの火星の象意かもしれません。

      ラグナロードの月が魚座で高揚する金星と接合しており、9Lの木星からアスペクトバックを受けており、
      9室の教育、科学技術の発展、法律などの象意において良さそうに思えます。

      また7室支配の土星が6室に在住しており、これは強気の外交を行なっていくような印象もあります。

      基本的に6室の凶星は敵を粉砕する配置です。

      例えば、その象徴的なのが、2017年1月6日に日本大使館前に慰安婦像が設置されたことで、
      日本政府が「日韓通貨スワップ協議再開の打ち切り」をし、在釜山日本総領事が一時帰国したことに現れています。

      これまでに無かったような強気の外交姿勢を取っていることに現れているのかもしれません。

      今年のヒンドゥーニューイヤーチャートは世界のどこで作成したとしても火星は牡羊座のバラニーに在住し、
      水星が接合して、木星が乙女座で土星が射手座から乙女座にアスペクトして、乙女座にダブルトランジットが形成されています。

      その辺りが特徴と言えるかもしれません。

      ですから牡羊座の火星の表示体をラグナとした場合、6室にダブルトランジットが形成されています。

      国家社会主義的、国粋主義的な人物が力をふるう場面が多そうです。但し、6室なので批判も受ける訳です。

      例えば、オランダにもドナルドトランプのような極右的な人物が出て来て選挙で敗北したようですが、
      そのような現象にも表れていると思います。

      日本の建国図を見ても今年に入って射手座から見た10室にダブルトランジットが生じており、日本が世界の中で俄然、
      存在感を上げているように見えます。

コメントする

CAPTCHA