年末にデリーのヴァラーティア・ヴィディア・ヴァヴァンで、
15日間の講習があったので、前回、一緒にラオ先生宅を訪問した
仲間と新しく加わった仲間の3人で行ってきました。
15日間という長丁場のコースに参加できるのは、
自由な時間がある限られた人であると思われますが、
今の私には自由な時間があり、自分が今求めているものに従って、
自然に行くことになった訳です。
最初は、ベーシックコースと、アドバンスコースを分けて、
講習する予定だったものが、途中で、分けるのをやめて、
全員一緒に講習することになったのは、臨機応変な対応であったと
思われたが、おそらく私たちのレベルが低くてとてもではないが、
アドバンスコースとして、レベルの高い授業を施すような面子では
なかったからではないかと思われた。
初めてジョーティッシュを学ぶという人もいたり、また途中で、
分からなくて来なくなってしまった人もいた。
コースが始まる前の2週間ぐらいはロシア人向けのコースを
通訳付きでしていたらしく、その修了式に冒頭で参加することになった。
ロシア人でセミナーに参加している人たちは女性ばかりで男性は一人だけだった。
私たちは3人で参加して、ホテルも同じホテルを予約して、
毎朝、一緒にオートリキシャーで通う毎日であったが、
毎日下痢をして、授業中も腹痛で苦しんだり、授業中に何度もトイレに行くなど、
下痢と腹痛との戦いの日々であった。
そして、ある時、おそらくホテルのレストランで食べた卵が原因で、
高熱が出て、激しい悪寒が襲いかかってきて、食中毒の症状というものを
初めて体験した。
これは一緒にいったSさんも全く同じ症状であり、やはり食中毒であったのだと思われた。
私はホテルのコックに毎日目玉焼きを作ってもらい、何個も食べていたため、
この被害は免れえなかった。
そして、もう一人日本人の参加者として、最近、「インド占星術入門」を説話社から出版した
本多さんが来ていた。彼は2002年頃のほぼ同時期に勉強をスタートした仲間であるが、
ラージャヨーガが発動しているらしく、向こうで人気者で、誕生日を祝ってもらうなど、
大ブレークしていた。
セミナーはそれほど大人数でもなく、インドの地元と、オーストラリアや台湾から一人ずつ、
そして、ロシアから3名、私たち日本人は4人参加していた。
日本人の数が多いので、今回の責任者であるジャーナルオブアストロロジー編集長の
ディーパックビサリア氏は、特別に日本人向けに所々の重要な個所を通訳するようにと、
世話係を務めていた清水俊介氏に依頼しれくれたので、私たちは所々で清水氏の通訳を聞くことが出来た。
セミナーは英語ですすめられたが、英語というハードルが高いことに加えて、インドのなまりが
強い英語で発音が聞き取りにくいということもあって、授業内容は詳細に関しては、
ほとんど分からないということが多かった。
然し、チャートを見ながら、惑星がどこにアスペクトして、在住して、ダシャーがこうだから、
こうなのである、といった占星術的な話の展開については理解することが出来た。
一番、良かったのは、ラオ先生によるジャイミニの講習を直接受けることが出来たことである。
「Jaimini’s Chara Dasha」を既に読んでいるため、講座の話のロジックについてはよく理解出来た。
然し、占星術以外の背景的説明やエピソードなどの話の詳細は、ほとんど理解できなかった。
非常に重要なことをたくさん話していたようだが、英語というハードルのせいで、理解できなかったことが、
非常に悔やまれた。人はこういう時に英語をもっと勉強しておけばよかったと思うようである。
然し、ジャイミニはラオ先生がその使用方法を記したオリジナルな研究結果を初めて書籍として、
出版して賞も受賞していることから、ラオ先生にとって最も思い入れが大きいのがジャイミニなのでは
ないかと思われる。
全く明らかでなかったジャイミニの技法を初めて世に示したのであり、科学の世界においては、
基礎研究に値する成果である。私たちが今後、ジャイミニを実践していく上では、この基礎研究を
ベースとしていくことになるのである。
そして、前回、ラオ先生を訪問した時に贈呈された「惑星と教育」という本を書いたnaval sign氏による
惑星と教育に関する授業も参考となったが、ドウィサプタティサマダーシャや、チャツゥルシェシーサマダシャーなどのコンディショナルダシャーなどについても、実際に事例を使って、ダシャーの使い方を示してくれたので、
非常に参考となった。分割図の活用の仕方なども、やはり、普段から使いこなしている人の授業を聞くのが、
最も最短の学習方法ではないかと思われる。
ジョーティッシュの学習にはジョーティッシュグルが必要であると言われるが、
分割図などの使い方を実際に実践して、確信を持って使いこなしている人の講座というものは非常に価値が高いものであると思われた。
英語というハードルは高かったものの、ところどころで断片的に理解できた話の内容は、
今後の学習にとって役に立つ非常に有益なものであった。
水曜日にラオ先生宅でマントラの吟唱などが行われるため、私たち講座参加者全員は、
ラオ先生宅に2回ほど訪問して、それに参加させてもらうことが出来た。
今回の講座の間の私のダシャーは、金星/太陽/水星期で、水星は月、太陽からみて12室、ラグナからみて、
3、6室の支配星である。然し、水星はナヴァムシャでラグナ、月、太陽から見て、9室支配で9室に在住している。従って、プラティアンタルダシャーの水星期に占星術講座に参加するといった展開は非常によく理解出来る。
トランジットは、ラグナからみて木星が12室、土星が6室で、6、8、12室にダブルトランジットしている。
月、太陽からみて5室、9室にダブルトランジットが形成しているため、今回は巡礼の旅であり、また学問のために外国に留学するような時期である。
然し、ラグナから6、8、12室にダブルトランジットもしているため、そんなに幸福とばかりもいかず、
いろいろと問題が付きまとうのが今の時期である。
吉と凶が入り混じって混在しているのが今の時期であるように感じている。
これは決して打ち消しあうのではなく、両方とも、混在しているのである。
健康にしてもそうであるが、水星は6室の支配星であるためか、水星のプラーナダシャーの時期に
卵が原因と思われる強烈な腹痛に見舞われた。
これが起こったのが、金星/太陽/水星/木星/水星期である。
6室支配の水星はプラティアンタルと、プラーナに2度出てきており、
スークシュマの木星からみると水星は6室の支配星で6室に在住して凶星と絡んでいる。
この日の月のトランジットは私のラグナからみて乙女座6室をトランジットしており、
まさに病気となる日であったことは確かである。
然し、この日の講座は、チャトゥルシャーシサマダシャーであり、非常に質の高い占星術的知識を
聞く機会が得られたのであり、やはり、水星期は吉と凶の両方の意味が混在していることが感じられる。
私は毎日のダシャーを調べているので、これ以外にも、もう少し細かいエピソードはいくらでも
かけるのであるが、それを書いているときりがないが、毎日のダシャーと講座中に経験した日々の体験も、
やはり、ダシャーとよく一致していることが確認できる。
セミナーは全体として、非常にやる気があって、授業中によく発言をしたり、質問をするインド人の
参加者メンバーによってリードされ、私たち日本人は内容を聞きとるために、一生懸命に、
それらに耳を傾けて座っているという状況であった。
授業の合間に頻繁にチャイが出るのであるが、このあたりのまめで親切な対応は、
蟹座に惑星が集中するインドならではの母性的なサービスなのかもしれない。
講座はアットホームな形ですすみ、最終日には、修了証と、記念品を贈呈されて、無事終了した。
最後に何人かが壇上に呼ばれて、講座を締めくくるスピーチをするように求められたのであるが、
英語が堪能な本多さんの後に、何故か、私も呼ばれて、おそろしくたどたどしい英語でスピーチした。
なんとか、私がインド占星術と出会って、その素晴らしさに感動して日々勉強を続けてきたという
気持ちは伝わったのではないかと思われる。
その後、12月31日に一緒に来た日本人の友人たちは先に帰国し、
私はその日、ガンジス河の沐浴で有名なヴァラナシに飛んで、正月をそこで迎えた。
今もインドを旅している。
占星術を勉強していると、自分が経験する体験が、こうしたらよかったとか、
こうであればよかった、こう選択していたらよかったとか、言っても無駄なことがよく分かってくる。
運命論者ではないが、その時々に持っている自分の識別力や判断能力を使って、最善の選択をして、結果がこうなっているのであり、すべてはこれでいいのである。
何も間違ってはいないのである。
よかったこともわるかったことも全て、この私が経験すべきことであった。
そう思うだけでいいのである。
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