それはアメリカ合衆国の建国図で、2017年9月9日からラーフが蟹座12室に在住するラーフにリターンするという事実である。

12室のラーフは悶々として自己表現できない苦しみにさらされる。
つまり12室は監禁とか隠遁という意味があるが、閉鎖された狭い空間に閉じ込められることを意味している。
但し、ラーフは飽くなき欲望の惑星であるため、欲望が渦巻いで悶々として葛藤するのである。
通常、12室のケートゥは解脱によい配置と言われる。
都心から離れた郊外や海外の静かな環境に身を置いて、そこで隠遁的生活を送ることが精神修養に善いからである。
然し、12室のラーフは全く逆であり、本来、外向的で積極的で外側に向けて活動したい衝動を持つラーフが、12室の狭い場所に閉じ込められていることなど、全くラーフの性質には似合わない状態である。
それはラーフにとって場違いな状況と言っていいかもしれない。
猛獣が動物園の檻に閉じ込められているような状態である。
猛獣は広大な平原や森林で自由奔放に活動したいはずである。そこで狩りをしたり、走り回る。
それが出来ないで、狭い檻の中で、同じ所をぐるぐると回りつづける。
そんな動物の姿を見たことがないだろうか。
ドナルド・トランプが大統領になると、メキシコとの国境に壁を築いて、移民を締め出し、イスラム教徒の入国も禁じるなど、米国を閉鎖的な檻のような状態にしてしまうのである。
壁を築くことで、自ら檻を作って、そこに自らを監禁するような印象である。
そして、世界の警察としての国際社会での影響力や自己表現の機会を失って悶々と苦しむことになる。
それがトランプ当選後の米国なのではないかと思われる。
米国民がドナルド・トランプを当選させることで、自分たちを檻に閉じ込めるのである。
ドナルド・トランプは偏狭な人種差別主義者で、国境に壁を築いて、自国民を守ろうとするが、それがまさしく蟹座的なアプローチである。
蟹座は外敵から家族を守るためにハサミを使うが、自らハサミを使って、敵に攻め込んだりはしない。
だからドナルド・トランプが大統領になると、世界への影響力を縮小した国内問題に集中する内向きな国家となる。
国境に壁を築くなど偏狭で閉鎖的であるが、積極的に海外に軍隊を展開して、例えば、チェコスロバキアにミサイル基地を作って、ロシアを牽制するといったような地政学的な観点から駆け引きをする外交政策よりもより害は少ないと言える。
それに対して、ヒラリークリントンは民主党タカ派で、アメリカの世界への影響力を保持しようとする。
ブッシュ政権時代にイラク戦争やアフガニスタンへの戦争を起こした新保守主義(ネオコンサヴァティブ ※略して、ネオコン)は、アメリカの力で世界を統治していくという思想であるが、元々は民主党で左翼でリベラルな人々が共和党に鞍替えした人々であるから、民主党タカ派の外交政策はネオコンに近いのである。
ヒラリークリントンが尊敬しているキッシンジャーも、基本的にイラク戦争に賛成だったことから、ヒラリークリントンが大統領になってもアメリカが圧倒的な軍事力で世界を統治していくという外交政策が大きく変化することはない。
然し、ドナルド・トランプが大統領になると、民主党タカ派でもなく、ネオコンでもない、モンロー主義(孤立主義)に近い伝統的な共和党の政策に戻ることになる。
こうした共和党の伝統的な姿勢は、星座で言えば、蟹座の性質である。
家族を守ることが大事で、外のことには関心を持たない。ヨーロッパのことには関わらないという姿勢である。
だから、アメリカは第一次世界大戦の後、国際連盟を提唱したにも関わらず、自ら脱退したのである。
それぞれが個人主義者で、西部開拓時代からの伝統で、自分で銃を持って自己を防衛し、自分のことは自分で面倒を見て、他人のことには関わらないという国民性である。
もしドナルド・トランプが大統領に当選したとすると、2017年1月20日が大統領就任式である。
そして、その8ヶ月後の2017年9月9日からラーフが蟹座に入室して、米国の建国図の12室のラーフにリターンする。
更に1年後の2018年10月14日から米国は12室に在住するマハダシャーラーフ期に移行する。
その時、まだトランジットのラーフは蟹座12室を運行中である。
従って、ダシャーロードのラーフにラーフがトランジットしていることになり、この時期の12室のラーフの働きは強力である。
アメリカはドナルド・トランプが大統領に就任した後、12室のラーフという象意を必ず経験せざるを得ないのである。
因みにドナルド・トランプの出生図をもう一度、確認するが、獅子座ラグナであり、3、10室支配の金星と6、7室支配の土星が12室蟹座に在住している。

この10室の支配星にラーフがトランジットすることで、この時期、おそらくドナルド・トランプは、蟹座的な偏狭性を示すのである。
6、7室支配の土星が同室しているため、彼の政治が問題を起こし、批判を受ける時期である。
そして、ドナルド・トランプにとっても12室にラーフがトランジットする時は、自己表現できずに悶々とする時期である。
メキシコとの国境に壁を築く行為などは、世界との通路を閉ざす自己破壊的で、自殺的な行為であると言える。
このようなことは、三島由紀夫のチャートを研究すればよく分かる。

然し、その計画は挫折し、1970年11月25日に自衛隊市ヶ谷駐屯地を訪れ、東部方面総監を監禁し、バルコニーでクーデターを促す演説をした後、割腹自殺を遂げている。
晩年に才能が枯渇し、自己表現の手段が無くなりつつあった所で、欲望で悶々として、右翼的な思想で、狭い視野となって、自己を破壊していったのがよく分かる。

従って、ドナルド・トランプが大統領になると、この三島由紀夫と同じようになり、メキシコとの国境に壁を作ったり、移民を強制送還したりして、アメリカを破壊していくのではないかと思うのである。
皮肉なことに、このことによって、アメリカの世界覇権は終わり、世界は平和になるのである。
おそらく、ヒラリークリントンはトランジットの木星が乙女座に入室する2016年8月13日のタイミングで、双子座ラグナから見た8室と12室にダブルトランジットが形成されて、中断(8室)、隠遁(12室)に追い込まれるのではないかと思われる。


民主党と共和党の全国大会が行われるのが、7月中旬である。
7月18日 – 21日:共和党全国大会
7月25日 – 28日:民主党全国大会
その頃から雲行きが怪しくなって、8月13日以降、11月8日の一般有権者による投票や12月中旬の選挙人による投票日までの3~4か月の間に行なわれるドナルド・トランプとのテレビ討論会などで徹底的に粉砕されるのではないかと思われる。
そうすると、ヒラリークリントンのラグナが本当に双子座ラグナであるかどうかが問題となる。
念のため、以下の出来事をダシャーとトランジットで検証してみると、
1975年10月11日 ビル・クリントンと結婚
1980年02月27日 チェルシー(娘)を出産
まず、ビルクリントンと結婚した1975年は、水星/木星期である。
水星はラグナロード(7室からみた7室)であり、木星は7室の支配星である。
ナヴァムシャでは、水星は7室の支配星で7室に在住し、木星はラグナロード(7室からみた7室)である。
結婚した時のトランジットは、木星が魚座から7室の支配星にアスペクトし、土星が双子座から7室にアスペクトしていた。
従って、7室にダブルトランジットが成立している。
1980年2月27日にチェルシーを出産した時は、ケートゥ/ケートゥ期で、ケートゥはサプタムシャ(D7)で、
5-11室の軸に在住し、5室支配の火星と接合し、ディスポジターの金星は9室に在住している。
この時、トランジットは、木星は獅子座で逆行して9室にアスペクトし、土星は乙女座で逆行し、9室にアスペクトして、9室にダブルトランジットが生じている。
因みに9か月前は、木星は蟹座で9室の支配星と接合し、土星は5室と5室の支配星と9室にアスペクトして、9室にダブルトランジットが生じている。
従って、ビル・クリントンとの結婚と、娘のチェルシーの出産のタイミングが、ダシャーとトランジットで説明できる。
因みにヒラリークリントンが、バラク・オバマと大統領予備選挙を戦って、敗れた後、バラクオバマに引き抜かれて国務長官として、政治的キャリアを築いたのは、彼女がマハダシャー太陽期の頃である。
太陽は、ラグナから見て3室支配で5室で減衰し、月から6室支配で8室で減衰している。
従って、ラグナと月から見て、パラシャラの例外則が機能しており、更に太陽は月から見て6室支配で8室に在住していることで、
ヴィーパリータラージャヨーガも形成している。
そして、減衰する太陽はディスポジターの金星と接合しているので、ニーチャバンガラージャヨーガも成立している。
つまり、おそらくパラシャラの例外則、ニーチャバンガラージャヨーガ、ヴィーパリータラージャヨーガという3つの二重否定の法則が働いていたからこそ、選挙で敗北したにも関わらず、国務長官として活躍したのである。
このことをヒラリークリントンの過去の記事でも書いているのでそちらを参照して頂きたい。
アストロデータバンクで、もう一つの出生時間の説であるAM 8:02で、チャートを作成すると、天秤座ラグナになるが、そうすると、太陽は、パラシャラの例外則も、ヴィーパリータラージャヨーガも形成せずにニーチャバンガだけが形成される状態である。
マハダシャー太陽期に大統領候補として、オバマと予備選挙を戦い、国務長官に就任した理由が説明できない。
また結婚したタイミングのトランジットが結婚を説明できない。
結婚や子供の出産のダシャーやトランジットは説明できないことはないが、双子座ラグナの時ほど綺麗に説明出来ない。
従って、ヒラリークリントンは従来通りの双子座ラグナで正しいと思われる。
そうすると、ヒラリークリントンは、現在、月/木星期であり、大統領選挙までずっと月/木星期である。
月は2室支配で10室に在住し、木星は10室の支配星で6室に在住している。
月も木星も10室に絡んでいる為、大舞台には立つのであるが、ラージャヨーガは成立していない。
今は10室に在住するマハダシャー月期で木星がアスペクトしていることから人気は出てそれなりに注目を浴びるが、強い配置ではない。
ダシャムシャ(D10)を見ても全く強いチャートとは言えないのである。
月は6室で傷ついており、木星は2室に在住している。


太陽は方角の強さを得て強い配置である。
アンタルダシャーロードの火星はラグナから見て4、9室支配でラグナに在住して、1-4、1-9のラージャヨーガを形成し、月から見てもラグナロードの火星が10室に在住して、1-10のラージャヨーガを形成している。
更に火星は月から見て6室を支配しているが、6室の支配星が10室に在住することは良い配置である。
そして、このラグナと月から見てラージャヨーガを形成する火星のディスポジターは太陽であり、太陽は10室でラージャヨーガを形成しているため、火星は強力なのである。
更に10室に在住するラーフと太陽は、ムリガシラーに在住しているが、ムリガシラーの支配星は火星である。
火星は上述したようにラグナと月から10室で強力なラージャヨーガを形成している。
この強い配置にはヒラリークリントンのチャートは全く太刀打ちできないのは明らかである。
ドナルド・トランプが世界中から非難を浴びるほどの卑猥な発言を繰り返しているにも関わらず、全く勢いが衰えないのは、この強い配置によるものである。


そして、アンタルダシャーロードの火星は2、7室支配で12室に在住しているが、
ラグナロードの金星、4、5室支配のラージャヨーガカラカの土星との間に1-7、5-7のラージャヨーガ、1-2、2-5のダナヨーガをk形成いている。
月から見ると、火星はラグナロードで6室に在住しており、選挙などの戦いに強い配置である。
そして、ラグナロードの火星は10、11室支配の土星、7室支配の金星と相互アスペクトしており、1-10、1-11、1-7のラージャヨーガを形成している。
そして、ラーフ/火星期が終わった後、木星期に移行するが、
木星はD10の4室に在住し、減衰しているが、木星は3、6室の支配星であることからパラシャラの例外則が働いている。
また木星はディスポジターの土星と星座交換しており、ニーチャバンガラージャヨーガが成立している。
また減衰する木星が高揚する星座の支配星である月はラグナから見てケンドラの7室に在住して、ニーチャバンガが成立している。
従って、ニーチャバンガが2つ成立している。
以上のようにヒラリークリントンのチャートと比較すると、ドナルド・トランプが勝利することがよく分かる。
おそらく、2016年3月6日の今の段階で、ヒラリークリントンが大統領選挙で勝利するかもしれないと考えている方がまだいるかもしれないが、2016年の米大統領選でドナルド・トランプが勝利し、それを引き金にしてアメリカは没落していくのである。
米大統領選では、現在はトランプさんが優勢ですが、僕はルビオさんが歴史的なぎりぎり大逆転勝利をするのではないかと見てますね。
その理由は、秀吉先生が以前書かれてましたルビオさんの記事で、ルビオさんのラグナはやはり獅子座ラグナのチャートで正しいと思います。
そうすると、ルビオさんは現在は金星ー月期で、金星は3、10室支配で9室在住。
月は12室に定座にあり、4、9室支配で6室で高揚する火星と相互アスペクトでチャンドラマンガラヨガを形成。
また、4、9室支配で6室で高揚する火星は金星にもアスペクトします。
また、獅子座ラグナで、ラグナロードかつ政治のカラカの太陽は10室に在住。
つまり、トランプさんもルビオさんも獅子座・太陽・10室を始めとした共通点があり、その他9室の絡みを見ても、どちらも大統領候補としては非常に強力と見て間違いないようです。
これは、現在獅子座にダブルトランジットが成立していることと関係あると思います。
ですが、僕はぎりぎりルビオさんが勝利すると思います。
その理由は、トランプさんの1室に火星が、ルビオさんの6室に高揚する火星がいるからです。
1室はその人の特徴を示しますが、トランプさんは火星の通りに過激で情熱的な人。
また、6室は勝てる敵を示します。
つまり、ルビオさんの6室で高揚する火星はトランプさんであり、高揚している為ルビオさんは苦戦を強いられると思います。
しかし、6室は勝てる敵なので、しかし高揚してるのでトランプさんも強く、ぎりぎりルビオさんが勝つと思います。
なので、まだ米大統領選の勝敗は紛れの余地があると思いますね。