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ユニクロの社長交代劇 -柳井正氏と塚越大介氏の関係性-

2023 9/10


ユニクロの会長兼社長・柳井正氏が、社長の座を44歳の塚越大介氏に譲り渡したことがニュースで伝えられている。




ユニクロ社長に塚越氏、ファストリ柳井社長体制は継続
2023年8月28日 13:12 日本経済新聞

ファーストリテイリングは28日、子会社ユニクロの社長に塚越大介取締役(44)が9月1日付で就任すると発表した。柳井正ファストリ会長兼社長(74)のユニクロでの役職は会長兼社長から会長兼最高経営責任者(CEO)となる。米国事業を黒字化した塚越氏の下でユニクロの海外事業をさらに成長させる。ファストリ全体のかじ取りは柳井氏が担い続けるが、次世代の経営体制づくりを進める。

ユニクロはファストリが持ち株会社体制に移行した2005年に事業会社として発足した。ユニクロの社長交代は初めて。

塚越氏は02年にファストリに入社。19年にグループ上席執行役員に就任した。ユニクロの米国事業やカナダ事業を担当し、22年からはユニクロ事業のグローバルCEOを務めている。

最大の功績は、ユニクロの米国事業の黒字化だ。05年の参入以降、赤字が続いていたが、22年8月期に初めて黒字化した。ケーブルテレビやSNS、新聞で積極的に広告を打ち、ブランドの認知度を高めたほか、米国顧客の声をもとに「クロップドTシャツ」や「ダメージジーンズ」などのヒット商品を開発した。

22年8月期の海外ユニクロ事業の売上収益は1兆1187億円と、国内ユニクロ事業(8102億円)を4割上回る。ファストリが掲げる「10年後に連結売上高で3倍以上の10兆円」の構想を実現するうえでは海外事業のさらなる成長が必須になる。米国事業を軌道に乗せた塚越氏がユニクロ全体を見ることで、他の地域や国の事業もより強化できると判断したようだ。

ファストリは交代の理由について「各国・各地域の経営者と共に築く次世代経営チームおよび各部門が連携し合うグループ一体の全員経営体制づくりを加速し、経営の質を向上させていく」と説明している。

今後の焦点は、ファストリ社長を巡っての柳井氏の後継者選びだ。柳井氏は02年に玉塚元一氏(現ロッテホールディングス社長)に社長の座を譲ったが、05年には玉塚氏を更迭し、会長兼務で社長に復帰。以来、20年ほど経営の第一線に立ち続けている。

現在、柳井氏の息子の一海氏と康治氏がファストリ取締役に就いている。柳井氏はかねて2人については業務執行の責任を負う社長にはしない方針を示している。

今回のユニクロ社長交代は「柳井氏の権限委譲や禅譲を見据えたものではない」(ファストリ関係者)との声があがる一方で、塚越氏については「有力な後継者候補の一人」との見方があった。塚越氏がユニクロ社長として経営手腕を発揮できるかが、ファストリが次世代の経営体制に移行できるかの焦点となる。



親会社であるファーストリテイリングの社長の座にはまだ留まるため、完全な引退ではないが、徐々に若い後継者に譲っていく構えを示したようである。





柳井正氏は、以前、牡牛座ラグナに修正しているが、現在、ラーフと木星が12室をトランジットし、土星が、10室から12室にアスペクトしていることで、12室にダブルトランジットしている。



12室は社長なら、引退とか、辞任の時期である。



ユニクロの柳井正氏の社長交代は、経営者が引退したり、後継者に後を引き継ぐタイミングとして、興味深いが、まだしっかりと親会社のファーストリテイリングの社長の座に留まって、ユニクロを監督する立場を捨てていないことは、土星が10室をトランジットしていることの中に現れている。


実際、全ての実務から引退するようなタイミングは、土星が12室の牡羊座に移動するようなタイミングではないかと思われる。


ダシャーは2021年付近から土星期から水星期に移行し、水星は5室の支配星で、ラグナロードの金星と共に9室に在住している。


5室は弟子のハウスであり、9室は教育のハウスである。


水星期は、社員の中でも優秀な側近的人物を弟子として教育し、養成するような時期かもしれない。


土星期は、土星が9、10室(アルタハウス)支配のヨーガカラカで10室にアスペクトバックし、火星(営業)と相互アスペクトしていた為に事業の拡大発展を模索していた時期かもしれないが、そうした時期が終わり、人生の目的が微妙に変化して来たのかもしれない。


マハダシャーの変化は人生観や生き方に大きな変化をもたらすが、ユニクロ社長の柳井氏もそうした時期が訪れたということかもしれない。



現在、牡牛座ラグナの人には、一見、矛盾する2つの影響が感じられる。



12室に木星やラーフがトランジットすることで、12室の引退、隠遁といったモクシャ的な欲求が高まる時期である。


しかし一方で、土星が10室をトランジットしている為、仕事上の責任があり、まだ公の舞台から退くことは出来ないのである。



従って、辞任や交代といった隠遁的な象意も部分的なものに留まったと考えられる。







一方で、社長の座を譲り受けた塚越大介氏は、あまり情報が少ないが、新卒で、ユニクロに入社して、海外事業に携わり、2015年には執行役員となり、スピード出世して、海外事業を黒字化して来たという。


ユニクロは、北米の店舗を200店舗に拡大する計画を打ち出しており、まさにこうした計画に携わるのが、塚越大介氏である。





こうしたスピード出世や海外事業を意味する12室が強いこと、今回の社長の座を譲り渡されるといった事象を考えると、ラグナが射手座ではないかと思われる。



射手座ラグナにすると、現在、金星/ラーフ期で、キャリア上の上昇の最初のタイミングであり、社会デビューの時期である。


すなわち、上場企業の顔として、財界にデビューしたことを意味している。


そして、ファーストリテイリングの執行役員となったのが、2015年だが、まさにこのタイミングで、マハダシャー金星期に移行している。



金星は、6、11室支配で、11室で定座にあり、9室支配の太陽とコンジャンクトして、9-11のダナヨーガを11室で形成している。


太陽は、減衰しているが、ディスポジターとコンジャンクトしている為、ニーチャバンガラージャヨーガである。


月ラグナから見ても3、8室支配の金星が8室で定座に在住しており、6室支配で8室で減衰するニーチャバンガで、パラシャラの例外則によるラージャヨーガの効果も発揮する太陽とコンジャンクトしている。


おそらく、自己主張せず、忠実な部下として、信頼されているということかもしれない。


ラグナロードの木星も8室で高揚しているが、8室が強いことは相続に強く、社長の座を譲られるというのはそうした8室の強さという形でも現れるはずである。







元々柳井正氏は、8、11室支配の木星が8室で定座に在住しており、何か有能な協力者のおかげで、棚から牡丹餅的に事業拡大を成し遂げた所があるのである。



柳井氏は、大学時代、映画やパチンコ、麻雀などでぶらぶらしていた4年間を過ごし、親の資金援助を受けて、200万以上かけて世界一周旅行をし、就職活動で大手商社を受けたが、ことごとく落ちている。


進路の決まらないまま1971年3月に大学を卒業したが、同年5月、父親の勧めで、ジャスコに入社した。


しかし、ジャスコ四日市店で、家庭雑貨売り場を担当したが、働くのが嫌になり、9ヶ月で退職し、半年ほど友人の家に居候した後、帰省して実家の小郡商事に入社したのである。


そして、小郡商事が展開していた店舗「メンズショップOS」で取り扱っていたのが、紳士服などの男性向け衣料が中心であったが、洋服の青山やアオキなどの郊外型紳士服店が業績を拡大したため、安価で、日常的なカジュアル衣料の販売店を着想し全国展開を目指し、これがヒットすることになった。


つまり、柳井氏は、全く当初は社会人として、有能な感じが全くなく、創業社長として、一からスタートした訳ではない。


親の会社に入社して、棚から牡丹餅的に経営者の座を譲り受け、もし才能があったとしても、紳士服などから現在のユニクロのカジュアル衣料路線に転換したことぐらいである。


1984年父の後を受け小郡商事社長に就任し、そして、「ユニークな衣料 (clothes) 」ということで「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(Unique Clothing Warehouse、略称ユニ・クロ)」と銘打って同年6月に広島市にその第一号店を開店した。


この直後の1986年11月からマハダシャー木星期に移行していくが、木星は8、11室支配で8室で定座に在住し、9、10室支配で、7、12室支配の火星と相互アスペクトして、7-9のラージャヨーガを形成するヨーガカラカの土星に対して、アスペクトしている。


これは有能な部下や協力者のおかげで、事業が拡大発展し、株式市場の力も借りて、棚から牡丹餅的に事業が拡大発展したことを表わしている。



ちょうど、塚越大介氏が入社したのが、2002年頃で、柳井氏が、マハダシャー土星期に移行するタイミングであった。



このタイミングに入社した塚越大介氏は、まさに柳井氏の8、11室支配で8室で定座に在住する木星の表示体なのではないかと思うのである。







実際、この有能な塚越大介氏の活躍のおかげで、海外事業が急成長して、ユニクロの事業規模を拡大して来たのである。



柳井氏の実業家としての成功は、こうした有能な部下に支えられたおかげである。



塚越大介氏のラグナを射手座のプールヴァアシャダーに設定すると、7、10室支配の水星と5、12室支配の火星が12室で、コンジャンクトして、5-7、5-10のラージャヨーガを形成する。


火星は定座で強く、また10室に火星が絡む人物は、営業職としての才能をフルに発揮することができる。



火星はマーケティングや販促を表わす惑星で、火星が10室に絡むと、売り上げの拡大が得意となる。



また5室に火星が絡むと、マーケティングや販促など、売り上げの拡大を四六時中考えるようなマインドとなる。



射手座ラグナは、しばしば自己啓発に関係するが、自己啓発で精神的な成長と共に経済的成功を求めるのは、5室の支配星が火星であり、5室に火星を支配星とする牡羊座が位置するからである。



従って、射手座ラグナは、マーケティング、販促、売り上げの拡大、営業が得意である。



生まれついてのセールスマンなのである。





どうして、このタイミングで社長の座を譲り受けたかと言えば、現在、土星が逆行し、木星も2023年9月5日から牡羊座で逆行を開始し、蟹座へのダブルトランジットが形成されたからである。



蟹座にはラグナロードで8室で高揚する木星が在住しており、棚から牡丹餅的に相続する象意を持っている。







月ラグナから見ると、木星は、1、10室支配で5室で高揚しており、10室にダブルトランジットしている為、実業家として、地位を得るタイミングでもある。



木星はラグナから見ると、8室で高揚しているが、8室支配の月と4-8の星座交換をしている。



これは4室が王座を意味するとすれば、4-8の星座交換は、王座の相続、すなわち、社長の座の相続を表わしている。




この8室で高揚した強い木星は、12室でラージャヨーガを形成する火星と水星にアスペクトし、極めて強い12室を形成しているのである。



これが塚越大介氏が、海外で、ユニクロを急成長させた理由である。




このように塚越大介氏は、柳井氏を実業家として棚から牡丹餅的に成功させ、ユニクロを成功させた貢献者であり、ユニクロの社長になるべき人物で、まさにユニクロの成功を作ってきたその張本人と言ってもいいのである。



塚越大介氏への社長交代は必然であったと言ってもよく、柳井氏もそれがよく分かっており、柳井氏の8、11室支配で8室で定座に在住する強い木星の表示体として、自分の事業にとって、無くてはならない存在なのである。



だからこそ、塚越大介氏は、l2013年ユニクロ米国営業部長→2015年ファーストリテイリング執行役員→ユニクロ米国COO→2019年ファーストリテイリング上席執行役員→2020年ユニクロ米国CEO→2022年ユニクロノースアメリカCEO、ユニクロカナダCEO、2022年9月ユニクログローバルCEO→2023年9月ユニクロ代表取締役兼COOと、スピード出世を果たして来たのである。




柳井正氏も、またZOZOTOWNの前澤社長もそうだったが、8室が強い人は、資本主義のシステムを利用して、従業員の労働力、株式市場から他人の出資金を吸い上げて、事業を急拡大させることができる。



それは、社長を引き継いだ塚越大介氏も同じである。




経営者は成功した後、人生哲学などを語り出し、しばしば精神的な価値を追求し始める。



物流の規模を拡大することは、物質的な物の世界において、拡大再生産する仕組みを確立すれば、後は、自動的に拡大していく。



従って、物質的成功とは実は、条件さえ整えば、あっという間の出来事である。



しかし、そんな経営者でも、晩年には成功哲学を語り出し、人生観や価値観などを語り始める。



柳井氏は、マハダシャー水星期に入って、少しそうした側面が出てきたように感じられる。



しかし、水星は山羊座に在住して、金星、太陽などとの間で、9室でラージャヨーガを形成している。



柳井氏の価値観や思想は、現実主義(リアリズム)であり、ストイックなものだが、それはまさに山羊座から出て来る思想である。



柳井氏が以前、著した『現実を視よ』という本が、その思想を物語っている。





そして、ユニクロの取締役に収まっている自分の息子たちに経営者の座を引き継がずにユニクロ最大の貢献者である塚越大介氏に社長の座を譲ったことにその実際的で、優れた判断が示されている。


実際、塚越大介氏は、武蔵野工業大学を卒業しており、この大学は、あまり偏差値も高くなく、学歴的にはあまり見栄えはしないのだが、柳井氏はそうした学歴といったことは一切、気にしておらず、実力だけで、塚越大介氏を後継者に選んだと言える。


まさに山羊座は、現実主義者であり、純粋にその人の貢献度や能力、実力だけを問題にするのである。


(参考資料)

【トップ交代】ユニクロ柳井正社長の後継者は44歳! 新社長・塚越大介氏とは?ユニクロ初の世代交代に海外も注目
2023/8/30 17:52 FNNプライムオンライン

おととい、ファーストリテイリングが発表した、子会社ユニクロの「新社長」。日本国内のみならず海外でも報道されました。

これまでのユニクロの「顔」と言えば、柳井 正会長兼社長。

ユニクロを一代で世界的なファッションブランドに育てた、日本を代表する経営者の1人です。

そんな柳井氏からバトンを受け、来月1日から新社長に就任するのが…。

ユニクロ新社長 塚越大介氏:

皆様はじめまして。ファーストリテイリングの塚越大介と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

現在、取締役を務める塚越大介氏。年齢はなんと44歳です。

74歳の柳井氏から…30歳若い塚越氏へ、一気に若返りを図ったユニクロ。

世界的的な大企業に誕生することとなった、44歳の新社長に、街ゆく40代からはこんな声が…。

40代男性:

やっぱり期待したいというのが一番のところですね。実績を出して(若い社長が)日本のスタンダードになっていくといいなと思ったりはします。

40代男性:

やっぱ若くしてそういう立場になるっていうのはすごい夢があると思っていて、自分の刺激にもなるし、こう社会全体がそうなったら、若い人ももっと頑張れるってなることが日本全体にとってよくなるのかな。

塚越新社長と同じ44歳の男性:

――同じ44歳の方がユニクロの新社長ですが?

そうなんですか。へえ~。町工場の社長とかが自分より、若くなったりすることありますけど、そんな大手の人は、あんまり聞いたことがないんですけどね。今の若い子たちに夢がある話だと思います。

倉田アナウンサー:

若くしてユニクロの新たな顔となる塚越大介氏。一体、どんな人物なのでしょうか?

塚越大介氏 1978年11月生まれの現在44歳

・武蔵工業大学(現東京都市大学)卒業後、2002年に新卒でファーストリテイリングに入社。

・国内の店舗で店長を務めたり、日本以外の中国やアメリカなどでCEOでも経験を積む

・9月1日付でユニクロの社長に就任すると発表 ユニクロにとって社長交代は初。

MC谷原章介:

金子さん、同じ78年生まれの方がグローバル企業の社長に就任されましたが、驚かれたんじゃないですか?

コメンテーター 金子恵美氏:

素晴らしいと思いますし、若い世代にバトンを渡すということもユニクロらしくて、後継選びまで大胆で革新的だと思いました。柳井さんもお元気なので今後も経営に関わっていくと思いますけど、ユニクロの再出発大いに期待できますよね。

倉田アナ:

柳井さんは、今年の3月こんなことをおしゃっていました。

柳井正社長の塚越新社長への期待(今年3月ファーストリテイリングHPより):

「世界中で経営の実績を積んできた塚越大介が各国の店舗を回り『即断、即決、即実行』し、店舗と本部が密着した経営を行っていきます」

倉田アナ:

経済評論家の加谷珪一さんによると今回の社長交代は、柳井社長のお眼鏡にようやくかなう人物が出てきた交代劇なのだといいます。

ユニクロ内で長く課題としてあげられていたのは、柳井社長の「後継者」問題。柳井社長の手腕やカリスマ性がゆえに、柳井社長が認めるほどの後継者がいなかったんです。

そんな中で大抜擢されたのが塚越さん。柳井社長のお眼鏡にかなった人材とあって周囲の期待も大きいということなんですね。

倉田アナ:

柳井社長が塚越さんの実力を認めるまでの存在になった裏側には、どのような手腕が発揮されていたのでしょうか?

塚越氏の手腕(1)「値引き販売からの脱却」

・2005年の進出以降、ずっと赤字が続いていた北米事業。当時、北米では「ユニクロって何?」と言われるぐらい知名度が低い状況。

・赤字の理由を「値引き販売に依存した商売」と判断した塚越氏。イメージを脱却するため「シンプルで上質」というコンセプトをケーブルテレビ・SNS・新聞で積極的に広告を出す。

→北米の競合他社もコスト削減や値引き販売を実施する中、ブランドの認知度を高めることに。

塚越氏の手腕(2)「客の声をもとに商品を開発」

・「クロップドTシャツ」や「ダメージジーンズ」などヒット。

・ずっと赤字が続いていた北米事業で初めて黒字化に成功

MC谷原章介:

加谷さん、柳井社長は具体的に塚越さんのどういった面を評価していたと思いますか?

経済評論家 加谷珪一氏:

ユニクロの最大の課題というのが、あまりもカリスマ性のある柳井社長の後任をだれにするかということ。なかなか条件に沿う方がいなくて心配されていた。ユニクロは世界企業ですので、グローバルでの経験が豊富でなければ次のトップにはなれないと。そういう意味では塚越さんのグローバルな経験が最も買われたと思います。

倉田アナ:

では、塚越新社長がどんな人柄だったのでしょうか?「めざまし8」では以前、塚越さんが店舗で店長をしていたとき、同じ職場でアルバイトをしていたという女性を取材。

・とにかく明るく・話しかけやすく冗談も言い合えるし、アルバイト・社員、男女分け隔てなく接する人だった。

・休憩などを行うバックヤードには、店長の事務机の一角に人との接し方に関する本やビジネス書などがたくさんあった。

・アルバイトの女性に対して面談で「清掃業務も自信と誇りを持ってやってね。とても大切な業務だよ」と励ましていた。

塚越さんへの初の社長交代を発表したユニクロはこうコメントしています。

ユニクロのコメント

「各国・各地域の経営者と共に築く次世代経営チームおよび各部門が連携し合うグループ一体の全員経営体制作りを加速し、経営の質を向上させていきます」

(めざまし8 8月30日放送「わかるまで解説」より)
参照元:【トップ交代】ユニクロ柳井正社長の後継者は44歳! 新社長・塚越大介氏とは?ユニクロ初の世代交代に海外も注目
2023/8/30 17:52 FNNプライムオンライン
「ポスト柳井」に浮上、44歳ユニクロ新社長の手腕
柳井氏が標榜する「チーム経営」は実現するか
2023/09/08 5:10 東洋経済ONLINE (山﨑 理子 : 東洋経済 記者)

「ポスト柳井」の最有力候補となるのか――。

「ユニクロ」や「ジーユー」を展開するファーストリテイリングは9月1日、子会社である株式会社ユニクロの社長交代を行った。取締役の塚越大介氏(44)が代表取締役社長兼COO(最高執行責任者)に就任。これまで代表取締役会長兼社長を務めていた柳井正氏(74)は、代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者)となった。

ユニクロは国内ユニクロ事業をはじめ、ユニクロのグローバルヘッドクオーター機能を担っている。2005年、ファストリが持ち株会社体制に移行した際に事業会社として発足。ユニクロの社長交代は初めてで、今後は柳井氏と塚越氏の2人が代表権をもつことになる。親会社であるファストリの経営体制は変わらず、柳井氏が代表取締役会長兼社長を務める。

社長就任は「既定路線」

「ああ、やっぱり」。ユニクロの社長に塚越氏が就任することを知ったファストリ関係者は、塚越氏の社長就任は既定路線だと話す。

塚越氏は2002年、大学卒業後に新卒でファストリへ入社。日本国内のユニクロ店長やFR-MICと呼ばれる社内教育部署の部長を務め、2015年にファーストリテイリングのグループ執行役員、2019年には上席執行役員に就任している。

中国事業のCOOを経て、2020年9月からユニクロUSAのCEOに就任。2022年9月にはユニクロ事業のグローバルCEOと、出世の階段を順調に上ってきた。引き続きユニクログローバルCEOは塚越氏が兼任するという。

ユニクロ社長抜擢の要因として考えられるのが、北米事業の黒字化だ。2022年4月、塚越氏は北米事業の責任者としてファストリ決算会見に登壇。そこで披露したのが「ユニクロ北米事業 事業拡大のステージへ」と題されたプレゼンテーションだった。

塚越氏はメディアやアナリストを前に、北米事業が2005年の参入から約17年かけて「創業以来、初の通期黒字化」が目前に迫っていると説明。そして実際、北米事業の2022年8月期は黒字で着地した。

ユニクロの北米事業は、2005年のニュージャージー州での出店を皮切りに始まった。当時を仕切っていたのは、柳井氏の右腕として知られていた堂前宣夫氏。コンサル大手のマッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン出身で、1998年にファストリに転じた。

堂前氏は10年以上にわたり役員としてサプライチェーンや欧米事業などを管轄し、副社長も歴任。しかし2015年頃にファストリを去り、2021年からは「無印良品」を展開する良品計画の社長を務めている。

難題続きだった北米事業

北米事業の黒字化は簡単ではなかった。日本やアジアほど知名度がなかったため、ニューヨークのソーホーや5番街といった目抜き通りへ大型出店を進めたことで先行投資がかさんだ。こうした旗艦店は一定の効果を発揮したものの、進出10年が過ぎてもユニクロは知名度の低さに苦しみ続けた。

さらに衣料品の販売は天候に影響を受けやすく、高い精度での販売管理が欠かせない。アメリカはユニクロの多くの服を生産している中国から距離があり、商品管理の難易度が高かった。

冷夏や暖冬の影響で計画未達となるたびに、値引き販売を強いられた。売り上げ予測が難しいうえ、販売好調な商品も再入荷まで日数がかかるため機会ロスが出てしまう。塚越氏は、北米事業のこうした課題と向き合う必要があった。

2022年4月の決算会見で塚越氏は「事業構造の大改革を実行した」と説明した。不良在庫を一掃して商品発注や販売期間の管理を強化することで、値引きに依存した販売慣習からの脱却を目指した。

商品仕入れ日数の問題については、船便より短い日数で着荷できる航空便を活用。売れ筋商品の追加投入を迅速にできるようにした。こうした取り組みの結果、粗利益率(売上高に占める粗利益の占める割合)はコロナ前に比べて約8ポイント改善した。

並行して赤字店の閉鎖を進め、人件費や家賃など固定費も削減した。塚越氏がユニクロUSAのCEOに就任した2020年以降、コロナの影響でニューヨークやサンフランシスコといったアメリカ主要都市部では観光客をはじめとした人流が減少し、実店舗は大きな打撃を受けた。

ユニクロは西海岸初の店舗だったサンフランシスコ・ユニオンスクエアの約800坪の店舗、ニューヨーク中心部の34丁目にあった1000坪規模の店舗などを閉鎖。いずれもアメリカ本格進出を象徴する旗艦店だったが、メスを入れた。その他の既存店舗では賃料の見直しを進めている。

こうして約17年に及ぶ苦節の末、ようやく達成した北米事業の黒字化。前出のファストリ関係者は「塚越氏は、先人達が積み上げてきたノウハウ、一方で失敗などもきっちり取り込みながら成功を収めてきたのではないか」と評価する。

ユニクロ社長就任で何が変わる?

今後の焦点は、何と言ってもポスト柳井の行方だ。塚越氏がユニクロの社長に就任したとはいえ、経営の意思決定などには柳井氏が深く関わることになるのは確実だ。

ファストリ側もリリースで「(柳井氏は)今後も代表取締役会長兼CEOとして、経営の意思決定および事業拡大をリードしていきます。また、柳井は、株式会社ファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長としても、これまでと同様にグループ全体の経営の意思決定ならびに経営執行を担っていきます」と表明している。

このため「ユニクロの社長に就任しても、グローバルCEO時代と実質的には変わらないのではないか」と見る市場関係者も少なくない。柳井氏の後継者をめぐっては、過去に候補と目される人物が何人も現れてはファストリを去っていった。結局は柳井氏自らが舵取りし、アパレル業界で世界3位まで上り詰めて今に至る。

次世代の経営について柳井氏は「チーム経営」を標榜する。その中で塚越氏が、中心的な役割を担うことになるのか。北米事業を立て直した手腕を、ユニクロ事業全体でも発揮することが期待されていることは間違いない。44歳の次世代リーダーの活躍に注目が集まる。
参照元:「ポスト柳井」に浮上、44歳ユニクロ新社長の手腕
柳井氏が標榜する「チーム経営」は実現するか
2023/09/08 5:10 東洋経済ONLINE (山﨑 理子 : 東洋経済 記者)

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