
自民党総裁選の行方がヒートアップして来たが、非常に三者三様、それぞれに政治理念も違い、特徴が異なっていて興味深い。
当初、高市早苗、岸田文雄、野田聖子、河野太郎、石破茂の五者が注目されていたが、野田聖子は、30人の推薦人を集めることが出来ず、石破茂は、既に以前、安倍晋三との一騎打ちで、二回出馬して落選しており、今回は、河野太郎を押した方が世代交代がすすむのでよいとする意見などが出て、出馬を見合わせたようである。
その為、現在、高市早苗、岸田文雄、河野太郎の三者で争う状況となっている。
まず、いち早く総裁選に名乗りを上げた高市早苗だが、前安倍政権の中心人物であり、現在、最も自民党の保守の考え方を代表している人物である。
統制的であり、全体主義的であり、アベノミクスをもじった「サナエノミクスで経済立て直す」などと言いだしており、分かりやすい言葉で国民にアピールしている。
アベノミクスでダメだったものが、サナエノミクスで上手く行くと思えないが、高市早苗が当選したら、コロナ以前のやり方へ後戻りするのではないかとも思われる。
その政策において、リベラル左翼陣営と対立しており、外国人参政権へ反対、表現規制を推進、選択的夫婦別姓へ反対、同性婚へ反対、ロックダウン(都市封鎖)を可能とする法整備を検討するなど、自民党の保守層の考え方が色濃く表れている。
これは安倍政権を支援してきた日本会議(成長の家、神道、宗教連合)の考え方が反映していると考えられる。
特にロックダウンを可能とする法整備の検討と、「電波停止」発言騒動は、強い政府によって、国民を統制していくという意志の表れである。
それに対して、リベラル派ジャーナリストたちが反発している。
安倍晋三が、高市早苗の支援に回ったのは、リベラル政権が成立すると、自分が逮捕されるのではないかという恐れがあるからだと分析する評論家もいる。
実際、安倍晋三は検察から事情聴取を受けるなどし、逮捕ギリギリの所までいったのであり、もう少しリベラル派が優勢になると逮捕される可能性も出てくる。
興味深いことは、全体主義的な風潮の中で、独裁的指導者として台頭した人物は、その統治は短命に終わり、国民から凶弾されることが多いのである。
独裁者は、短期的に絶対的な権力を持つが、それは長く続かず、その後で、権力の座から引きずりおろされ、ムッソリーニのようにレジスタンスに処刑されたり、酷い目に遭うこともある。
一方で、岸田文雄は、池田勇人後援会である宏池会会長であり、池田勇人は吉田茂が官僚出身者を次々と大臣に育成していった「吉田学校」の筆頭である。
従って、日本は再軍備せず、対米従属のハト派で、経済だけ発展していけばいいという考え方で、波風立てないように穏便に物事を運ぶだけである。
宏池会から総理大臣になった佐藤栄作、大平正芳、鈴木善幸、宮澤喜一などを見てもあまり個性がなく、官僚出身で、高い知性はあるが、対米従属で財務省の言いなりで、強い国家主権を主張していくタイプではない。
岸田文雄は、新自由主義経済からの脱却というリベラル左派寄りの経済政策を打ち出しているが、結局、対米従属で、ハト派であり、アメリカに歯向かえない為、新自由主義から脱却できるのかどうかは分からない。
岸田文雄が総理大臣になったら、財務省の言いなりになると言われている。
リベラル派だったら、高市早苗よりも岸田文雄が自民党総裁になってくれた方がよいのかもしれない。
然し、現在は、隣国が領土、領海を犯したり、日本の国家主権を守らなければならない情勢である。
その時に岸田文雄が出て来て、経済が右肩上がりで平和な時代のような自己主張しない宥和的な態度でよいのかどうかである。
安倍政権は、清和会系であり、「反・吉田茂」路線を起源に持ち、親米を基調としながらも自主憲法論、憲法改正論を唱え、再軍備に積極的なタカ派の派閥である。
高市早苗は、特に無派閥で、清和会ではないが、安倍政権の中枢にいて、自民党の最も保守の考え方を身に付けている。
河野太郎は、父親・河野洋平の息子であるが、迷彩柄のマスクをつけて記者会見に臨むなど、変わった感性の持ち主である。

1984年にポーランド中央計画統計大学に交換留学しており、社会主義に対する縁があるのかもしれない。
それはおそらく木星が水瓶座に在住している為である。
変わった感性というのはこの辺りから出て来るのかもしれない。
河合範安さんの投稿によれば、河野太郎は乙女座ラグナであるという。
従って、ここでは出生図のラグナが乙女座であるかどうかを検証し、乙女座ラグナで正しければナヴァムシャのラグナを特定してみたい。

河野太郎は、1995年に結婚しているが、1995年6月2日の時点で、土星は魚座を通過し、木星は蠍座から魚座にアスペクトして、魚座にダブルトランジットしている。

乙女座ラグナであれば、7室にダブルトランジットが生じているが、1993年11月の時点で、土星は水瓶座を通過し、木星は天秤座から水瓶座にアスペクトして、水瓶座にダブルトランジットが成立していたが、水瓶座には7室支配の木星が在住している。
従って、1993年末ぐらいから、ずっと水瓶座にダブルトランジットが形成され、7室の支配星にダブルトランジットが形成されている。
従って、結婚のタイミングである。
その後、魚座から水瓶座に逆行するが、それでも7室にダブルトランジットし続けるのであり、1994年、1995年通しで、7室にダブルトランジットしている。
そして、その時、2-8軸にラーフ/ケートゥ軸がトランジットしている。

2室にラーフがトランジットして、結婚願望などを表わしている。
ダシャーは、水星/木星、水星/土星期辺りである。
水星はラグナの支配星で、木星は7室の支配星である。
乙女座ラグナに設定すれば、5室にケートゥが在住し、外国語の才能を表わし、1、10室支配の水星と5室支配の土星が5室でコンジャンクトする為、有能な人物になる。
月は蟹座のプシュヤになり、水星と土星は月ら7室に在住し、土星は月から見た7室の支配星にもなる。
マハダシャー水星期は、1981年から始まるが、4月頃、慶應義塾大学経済学部に入学するも2ヶ月で退学し、その後は、渡米して、マサチューセッツ州アンドーバーでサマースクールに通ったり、コネチカット州のボーディングスクール、サフィールドアカデミーで1年間過ごし、1982年9月にワシントンD.C.のジョージタウン大学に入学、比較政治学を専攻するなど、海外留学を経験している。
1984年には、交換留学で、ポーランド中央計画統計大学(現在のワルシャワ経済大学)で学び、1985年12月にジョージタウン大学卒業している為、およそ5年間、海外留学している。

このように豊かな海外留学の経験をし、語学力を身に付けたのは、5室で、土星と水星の強力なラージャヨーガが形成されており、ケートゥがそこに絡んでいるからである。
この土星と水星は、11室支配の月と相互アスペクトしており、3、8室支配の火星が減衰して、パラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な効果を発揮し、ニーチャバンガラージャヨーガも形成している。
帰国した後の1996年からは、富士ゼロックスに入社し、調査統計部、企画部、国際事業部などを経験し、自動車や電気機器の部品メーカーで開発生産や海外輸出を担当するなど、技術系の起業で、実務をこなしていることから、5室に水星が在住し、ここに土星、ラーフ/ケートゥ軸、火星がアスペクトして絡んでいるという配置で正しいと思われる。
こうした国際事業部などでは語学も駆使していたと考えられ、5室の象意に合致している。
また河野太郎には、2002年11月29日に息子が誕生しているが、その直前のトランジットを見ると、土星が9室を通過して、9室の支配星にアスペクトし、木星も5室と9室の支配星にもアスペクトして、9室にダブルトランジットしていた。
また火星も5室と9室にアスペクトしており、子供の誕生のタイミングを表わしている。
因みにナヴァムシャのラグナは、海外留学した時期がナヴァムシャで説明でき、また子供が誕生した時期をサプタムシャで説明できるという観点で、検証した所、ナヴァムシャが双子座ラグナ、サプタムシャが双子座ラグナ、ダシャムシャが天秤座ラグナとなった。

例えば、1981年1月から水星/水星期に入っているが、水星はラグナロードで11室から5室(学習)にアスペクトし、5、12室支配の金星と相互アスペクトしていると考えると、この時期の海外留学が説明できる。
そして、1982年9月にワシントンD.C.のジョージタウン大学に入学しているが、この時期は、水星/ケートゥ期で、ケートゥが9室(高等学問)に在住していることで納得できる。
また1984年にポーランド中央計画統計大学に交換留学しているが、この時期は、水星/ケートゥ、水星/金星期にまたがっており、金星は5、12室の支配星である。
5、12室の支配星とは、学習と海外生活を意味している。

サプタムシャで、子供が誕生した2002年11月29日のダシャーを見ると、ケートゥ/木星期だが、木星はラグナに在住し、ケートゥは3室に在住しているが、ラーフ/ケートゥ軸という形で、9室に絡み、またディスポジターの太陽はラグナに在住している。
そのようにして、ナヴァムシャのラグナを修正した結果、ダシャムシャのラグナは天秤座になった。

ラグナで、金星がムーラトリコーナの座にあり、マラヴィアヨーガを形成していることが分かる。
金星期は、2005年1月から始まっているが、その頃から自民党内で、要職を割り当てられるようになっている。
ダシャムシャで形成されるマラヴィアヨーガと、ハンサヨーガ、ガージャケーサリヨーガと、サラスヴァティーヨーガ
そして、2015年10月7日の第3次安倍第1次改造内閣において、初入閣しているが、この時は、金星/木星期で、木星は、ダシャムシャの10室でハンサヨーガを形成している。
木星は、出生図では、蟹座で定座に在住する月から見て、8室に在住して、ムクタヨーガを形成している。
そして、2021年9月現在、ダシャーは、金星/水星/金星期である。

ダシャムシャで、金星はラグナでマラヴィアヨーガを形成している為、キャリア上の上昇の時期である。
然し、そればかりではなく、ダシャムシャでは、ラグナと月から見て、木星、金星、水星が、ケンドラに在住して、サラスヴァティーヨーガを形成している。
このうちの木星と金星はそれぞれ高揚し、ムーラトリコーナの座にあり、ハンサヨーガやマラヴィアヨーガを形成する強さを持つため、非常に質的にも強力に形成されていることが分かる。
そして、月と木星は、ガージャケーサリヨーガも形成している。

また水星と金星は、ナヴァムシャでは、5-11室の軸で、マハダシャーとアンタルダシャーが絡む形で、ラージャヨーガを形成している。
これはこの時期が、強力に上昇の時期であることを物語っている。
チャラダシャーで見ると、蟹座/乙女座/双子座の時期であり、乙女座と双子座から見て、AmKの太陽(政治権力)が、10室にアスペクトしている。
これは行政の最高職に就く配置であると言える。
従って、河野太郎は、自民党総裁になるように見える。
この後、マハダシャー金星期が暫く、2025年まで続き、金星は、ダシャムシャのラグナで、マラヴィアヨーガを形成し、ラグナと月から見たサラスヴァティーヨーガを形成している。
そして、金星/水星期自体は、2023年11月まで続いていく。
従って、自民党総裁選が終った後も調子が良さそうに見える。
然し、高市早苗、岸田文雄は、自民党総裁選の直後にマハダシャーが移行し、その時期はあまりよく見えないのである。
この9月末に自民党は世代交代を計り、河野太郎という新しい自民党総裁が選ばれる可能性がきわめて高いと思われる。
確かに秀吉先生が仰る通り、自民党総裁選挙投票日に10室にダブルトランジットが無くなる点や、投票日時点のダシャーが金星ー水星ー金星期になるとすると、金星がD9・D10でムーラトリコーナやマラヴィアヨガを形成する河野が当選と見ることもできるかもしれません。
しかし、一つ気になるのは、高市の異常に強い土星です。
D1で1Hで定座でシャシャヨガ、月から10Hでシャシャヨガ。
D9で7Hでムーラトリコーナでシャシャヨガ。
D10で7Hで高揚でシャシャヨガ、月から10Hでシャシャヨガ。
これは非常に強い配置です。
ただ、D1でダシャーラグナの水星から見て土星が12Hに在住している点もあり、判断が難しそうです。
しかし、D9では水星から見て、4・5Lの土星は1Lの金星・11Lの太陽に片側アスペクトして、ラージャヨガ・ダナヨガを形成。
D10でも水星から見て、1Lの土星は2・11Lの木星や4・9Lの金星とラージャヨガ・ダナヨガを形成。
D10のラグナが牡羊座か牡牛座なら、土星と木星は9-11のダナヨガを形成します。
それと次期総理は、おそらく2022年と2023年は総理大臣をこなすような運勢と思われます。
過去の総理大臣は、総理大臣していた時期のダシャーの星の星位が強い人物ばかりでした。
例えば、安倍晋三は2013年〜2020年まで総理でしたが、だいたいがマハダシャー金星期でした。
金星はD1で4Hでムーラトリコーナでマラヴィアヨガ。
D9で1Hで高揚でマラヴィアヨガ。
そして、菅義偉は水星ー木星期の時期に総理を務めました。
木星はD1ではムーラトリコーナ。
D9では高揚。
D10では定座。
と非常に強力でした。
この菅のケースは重要です。
決して、17年間あるマハダシャーの水星の星位が強かったのではなく、総理任期中を含む2年程度のアンタルダシャーの木星の星位が強かったのです。
つまり、総理大臣の任期中のダシャーの星位が強かった。
そこで2022年と2023年の運勢を見ますと、河野は金星ー水星期です。
この場合、水星の星位が重要ですが、水星は出生図でも分割図でも配置されてるハウスやヨガは良好ですが、星位は強くないです。
一方の高市は水星ー土星期です。
土星の星位は出生図・分割図で非常に強いです。
こうしたことを考慮すると、高市が勝利するんじゃないですかね。
もちろん、土星が非常に強いのは、マハダシャー水星期以前のマハダシャー土星期の活躍を示しているに過ぎないとの反論も理解できます。
しかし、このタイミングでアンタルダシャーが土星期になったのは、菅義偉が強力なアンタルダシャー木星期に当選したのと同じケース、すなわち高市当選が起きるんじゃないかとも考えてます。
私の結論は当初から二転三転していて当てになりませんが、高市早苗のラグナが山羊座と判明してから、高市当選だと考えております。