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新型コロナウィルスの第2波について - 2021年冬、本当に起こるか?-【更新】

2020 4/24


米国の医療関係者が、今年の冬に新型コロナウィルスの「第2波」がやって来て、今より被害が拡大する可能性があると主張している。


「新型コロナウイルス第2波、今冬に米国を襲う より大きな影響も」米CDC局長
2020年4月22日(水)11時14分 Newsweek (ニューズウィーク日本版)

米疾病対策センター(CDC)のレッドフィールド局長は21日、新型コロナウイルス感染拡大の第2波が今年の冬に米国を襲う見通しで、インフルエンザの季節と重なるため、今回よりも大きな影響が及ぶ可能性があると警告した。

米紙ワシントン・ポスト(WP)のインタビューで「次の冬に米国に到来する新型ウイルスの襲撃は、われわれが今回経験したよりも厳しいものになる可能性がある」と語った。

現在の感染状況は、最近の入院率低下などが示すように徐々に落ち着きつつあるが、当局は今後、再び感染が急増する可能性に備える必要があると認識している。

レッドフィールド局長は「インフルエンザと新型コロナの流行に同時に直面するだろう」とし、最初の感染拡大時と比べ、医療制度に一層大きな負担がかかることになるとの見解を示した。

新型コロナは、中国中部の湖北省武漢市で昨年終盤に発生。米国では今年1月20日にワシントン州シアトル近郊で、渡航に関連した最初の感染例が確認された。それ以来、81万人近くが感染し、4万5000人超が死亡している。

レッドフィールド局長や他の衛生当局者は、全国的な外出禁止令や事業閉鎖、学校休校などの措置が感染拡大の抑制につながったと評価している。

ただ、局長はこうしたロックダウン(都市封鎖)措置が徐々に緩和されても、個人が引き続き社会的距離を確保することが重要と強調。同時に衛生当局は検査体制を大幅に強化し、感染者を特定するとともに、接触者の追跡を通じて濃厚接触者を見つけ出す必要があるとの認識を示した。

外出禁止令に抗議するデモが各地で起きていることについては、「助けにならない」と一蹴した。

新規感染者が感染を広めるのを防ぐ鍵となる接触追跡体制を全国で構築するには、30万人の労力が必要との見方もあり、多くの人員を動員する必要性が大きな課題となっている。

レッドフィールド局長は国勢調査局の職員やボランティアプログラムのピースコープ、アメリコーからボランティアを募り、研修を実施して新たな接触追跡体制を構築する可能性について州当局者と協議していることを明らかにした。







先日、「2022年に何が起こるか」のコメントに投稿のあった読者の方からの情報によれば、コロナを予測していた占星術師の青年が、2020年12月20日から2021年の3月末まで別の深刻な災害が起こると予想していたそうだ。



※機械翻訳済み画面キャプチャー




新型コロナウィルスの「第2波」の可能性


確かに2020年のヒンドゥーニューイヤーチャートで、山羊座に土星、火星、冥王星などが在住している配置が、新型コロナウィルスの流行を表わす配置であるが、その山羊座を太陽が通過するのが、2021年1月半ば~2月半ばである。



新月図というのは、1年間を予測するものであるため、1年(12か月)で12星座を移動する太陽の動きは重要である。



この山羊座に形成された象意が噴出するのが、太陽が山羊座を通過する2021年1月半ば~2021年2月半ばである可能性は高い。





実際、2021年1月15日のトランジットを作成してみると、山羊座に土星、木星、冥王星、太陽、水星、月などが集中している。


金星が射手座13°57’を通過している為、あと半月ほどで山羊座に入室する。



太陽のトランジットは、周辺に水星や金星を引き連れてのトランジットとなる為、太陽と金星、水星はセットである。



それらが、山羊座を通過することで、やはり、この山羊座に形成されたカルマが噴出するタイミングである。



この時、土星と木星は一度、山羊座で逆行して、木星は一度、射手座に戻り、再度、山羊座に再入室するのが、2020年12月頃である。




土星は、2020年10月頃に逆行から順行に転じるが、惑星が逆行から順行に転じるタイミングは、あたかもやり残していた仕事を再度、やり遂げるかのような力を発揮するのである。




また土星は星座を出ていくタイミングで、結果をもたらす為、まだ今の段階では、本当の意味で、結果を与えてはいないと考えられる。




今はまだ始まりに過ぎないため、現在の状況は長引くと考えた方がいいかもしれない。





株式市場大暴落、世界恐慌の可能性


また別の読者の方(以前、鑑定を受けられた)からニューヨークの証券取引所のチャートを作成してみたらどうかという意見を頂いた。



実際、ニューヨーク証券取引所のチャートを作成してみて、大きな収穫があった。



ニューヨーク証券取引所の開始時間は、現地時間の9:30である。



また通常、会社のマンデン図などを作成する場合、セレモニーが始まるのが10:00とか11:00ぐらいが一般的である為、時間が分からなかった場合でも10:00や11:00に設定しておくという考え方がある。


今回、9:30や10:00、11:00で作成してみると、ラグナはいずれの場合も牡牛座ラグナであった。





チャートにおいて印象的なのは、水瓶座の10室に土星や太陽が在住している配置である。



牡牛座ラグナであれば、9、10室支配のヨーガカラカの土星が4室支配の太陽と10室でコンジャンクトする配置である。



水瓶座は、銀行ネットワークを表わす星座であり、春分点が水瓶座に向けて移動していく過程で、17世紀頃からイングランド銀行を初めとした中央銀行が創設され、銀行ネットワークが世界中に張り巡らされたのは、その為である。



証券取引所というのもその銀行ネットワークの一部であり、水瓶座で表されていることが分かる。



この水瓶座に土星や太陽が在住している配置は、金融関係者、政府関係者、政治家などが、連携して、こうした仕組みを作ったことを表わしている。



そして、注目すべきは、現在、土星が出生の土星からみた12室目を通過していることである。



一つの土星の公転周期である30年の周期が終わろうとしているタイミングである。



つまり証券取引所の業務が30年の周期を終えて、再出発するタイミングである。



土星が在住する水瓶座を証券取引所の働きを表わすラグナとすれば、そこから12室目である山羊座は、証券取引所の終焉、死を意味するハウスである。



既に『信用収縮・食糧危機の占星学 - トレンド転換のクリティカルポイント -』の中でも書いたが、山羊座に土星や木星などがトランジットするタイミングは、信用収縮が起きて、株式市場が暴落したり、食糧危機が起こるタイミングである。





それで、これまでのニューヨーク証券取引所の現在(2020年)から30年ずつさかのぼった時に何が起こったかを調べて見た。



誤差として、1~3年の幅を考慮したが、以下のような出来事が起こっている。



2020年 今回の大暴落(まだこれから)
1987年 ブラックマンデー(世界的株式市場の大暴落)
1961年 市場が取引量的に分解
1929年 暗黒の木曜日(ブラックサーズデー)大暴落 世界恐慌
1903年 ウォール街に今の取引所建物が竣工

(wikipedia ニューヨーク証券取引所より)


1961年の出来事は、以下のように記されているが、「第三市場」に取引量が大きく流れて、証券取引所に大きな変化があった時期である。


「第三市場」とは、店頭市場と呼び、証券取引所以外の証券会社、金融機関などの店頭で取引するシステムのことを言うらしく、ブローカー兼ディーラーが、上場株式を店頭市場で、継続的に自己売買およびマーケットメイクしたというのは、証券取引所の運営にとっては、一つの事件かもしれない。



1961年 – 年末に「第三市場」へ取引量が大きく流れ、市場が取引量的に分解した。この「第三市場」では、大きな証券取引所に属さないブローカー兼ディーラーが、上場株式を店頭で、継続的に自己売買およびマーケットメイクした。「第三市場」はオートメーション化を強みとして証券取引委員会の後援を受け、店頭のスペシャリストやナスダックを攻撃した。

(wikipedia ニューヨーク証券取引所より引用抜粋)


その後の取引所の運営や仕組みを変えることになる一つの転機となる事件である。



それ以外には、1903年に証券取引所の建物が整えられ、そのおよそ30年後の1929年に暗黒の木曜日(ブラックサーズデー)が起こって、株価が大暴落し、世界恐慌に突入している。



この不況が各国のブロック経済化をもたらし、第二次世界大戦に突入したことは、歴史の事実である。



そして、1961年の上記の出来事があり、1987年には、ブラックマンデーが起こっている。



(同じ頃、1991年から日本でバブルの崩壊が起こっている)




そして、その30年後の2020年に今回の株式市場の大暴落が起こっている。




およそ30年毎にみていけば、当然、土星が山羊座を通過していくタイミングであるが、そこに木星のトランジットが重なったり、ラーフ/ケートゥ軸などと相乗効果を発揮することによって、その影響力も変わってくる。






証券取引所のチャートにおいて、土星が出生の土星から見て12室目に来るタイミングで、株式市場の大暴落が起こって、その後、水瓶座に土星が移動してから、また一から、株式市場の取引高や株価を成長させていくというパターンを何度も繰り返していることが分かる。




そうすると、もし大暴落が起こるとしたら、土星が山羊座を通過している間に起こると考えるのが自然である。




次の水瓶座に土星が移動してからの30年というのは、再度、経済を成長させたり、証券取引所の歴史を新たに一から作っていく期間となるからである。




現在、株式市場は、2008年-2009年のリーマンショック以来の暴落が起こったとはいえ、リーマンショックを超える大暴落にはならない水準にとどまっている。



例えば、ドイツ銀行のデリバティブの取り扱い残高が7~8千兆円あり、破綻の危機にあるといった話も聞くが、更なる信用収縮となれば、一気にリーマンショック以上の、あるいは、1929年の暗黒の木曜日(ブラックサーズデー)を超えるような株式市場の崩壊となって、世界恐慌へ突入する可能性がある。




2008年-2009年のリーマンショックの時は、その直後にビットコインが登場し、新しい金融システム、マネーシステムを模索する動きに繋がった。




そうした新しい金融システムを作って行こうとする動きは、山羊座で株式市場が崩壊し、水瓶座以降の流れの中で、起こったということが出来る。




古いシステムが崩壊して初めて、そのような動きが出て来るのである。







またニューヨーク証券取引所のラグナが正しいと考えると、2019年12月からマハダシャーがラーフ期に入っており、ラーフはラグナで高揚しているが、ディスポジターの金星が12室(損失)に在住し、また月から6室(奮闘)に在住して、土星、火星からアスペクトを受けている。




そのことを考えるとラーフ期18年間は、ニューヨーク証券取引所にとってはそれ程、良い時期には見えない。




ラーフ期の前の火星期は、火星は山羊座で高揚して、2、5室支配の水星との間で、9室で5-7のラージャヨーガなども形成し、ディスポジターの土星はヨーガカラカで10室でシャシャヨーガを形成し、太陽との間に4-9のラージャヨーガを形成していた。




従って、火星期とラーフ期の落差は大きいもので、ラーフ期18年間は、ニューヨーク証券取引所は、これまでのように上手く行かないことがよく分かる。




資本主義を象徴する世界最大の証券取引所が、18年間、このような状態になるということは、やはり金融システム、マネーシステムの大きな転換の時ではないかと考えられる。





以上の情報を綜合すると、次のことが言えそうである。




来年2021年1月半ば~2月半ばの辺りに新型コロナウィルスの「第2波」がやってきて、大幅な信用収縮が生じ、今度はリーマンショックを超える株式市場の大暴落につながり、世界恐慌に突入するのではないかということである。





私は、このことが人類の次のステップにつながる大きな機会ではないかと考えている。





山羊座は急速な進化をもたらす


何故なら、アリスベイリーの著作によれば、山羊座という星座は、しばしば急速な進化をもたらす星座であると記されているからである。




困難や逆境に耐え忍び、猛烈な行動力、実行力によって、人を徹底的に鍛え上げ、高みへと上昇させるのである。




以前、記事に書いたこともあるが、私の木星は10室山羊座で減衰しているが過去において山羊座のアンタルダシャーの時期に山羊座的な人物との関わりを通して徹底的に鍛え上げられたことが何度もあった。




それを通じて、私は、それまでの自分の限界を突破し、より仕事上の能力を向上させることが出来たのである。




つまり、振り替えって考えれば、自分が進化したと言えるような成長をもたらした。





この山羊座への惑星のダブルトランジットは、確かに信用収縮や食糧危機などをもたらすが、その文明の危機を通じて、人類にとって、通常の時には、実行出来なかったような様々な施策を試みたり、実験することが出来る。




そのことによって、社会のあり方を大きく前進させることが出来るかもしれないのである。




例えば、経済不況への対策として、現金の配布やベーシックインカムの導入などを試すことができ、それが平常時にも応用できる経験となる可能性がある。




また新自由主義経済に対する大きな反省をもたらすかもしれない。




現に今現在の米国と中国の間に見られるような貿易戦争や各国のブロック経済化など、政治(独裁者)による経済への強い介入は、新自由主義への対抗策として、出てきているものだからである。




そのような意味で考えると、現在は大変な状況ではあるが、新しい変化を目前にしたチャレンジの時であるとも言える。







(参考資料)

コラム 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight
金融危機の再燃を予想するマービン・キングの警告
2019/10/21 NRI

財政・金融政策では世界経済は救えない

10月20日(米国時間)までワシントンで開かれていた国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会の関連会議に参加していた筆者が、10月19日午後(米国時間)のセッションで聞いた、元イングランド銀行総裁のマービン・キング氏の講演(注1)は、非常に印象的だった。

「世界経済の上下の変動、混乱時の経済政策」という名のセッションで、マービン・キング氏は、世界経済低迷の原因、金融・財政政策の有効性、中央銀行の危機対応への準備、などについて自説を展開した。

キング氏は、2018年のリーマンショック(グローバル金融危機)から10年以上が経過したが、その間の経済の回復ペースは当初の想定よりもかなり弱く、1930年代の世界恐慌後の経済の回復ペースをも下回ることをまず指摘する。この点は近年、ハーバード大学教授のサマーズ氏によって長期停滞(secular stagnation)と呼ばれるようになったが、その原因を需要の弱さに求めるのは正しくないとキング氏は説く。需要が弱いのであれば、伝統的な財政・金融政策で対応できる面があるが、そうではないという。

長期停滞については、サマーズ氏のようにその原因を需要側に求める議論と供給側に求める議論とがあるが、キング氏は後者だ。産業間での資源配分の失敗をその原因に挙げる。従って、それに対する適切な対応策は、需要全体の押し上げを狙う伝統的な財政拡張策、金融緩和策ではなく、ミクロの産業政策となろう。

生産効率の低い産業に金と人が過剰に集まれば、それは生産性上昇率全体の低下の原因となる。例えば、不動産価格の過剰な上昇によって、不動産業に過剰な資金が流れ込めば、それは不良債権問題など金融面での問題を生むことになる。こうした点から、現在の弱い経済と将来の金融危機のリスクとは結びついていることになるのだろう。

従って、金融危機を伴う深刻な景気後退は、1930年代の大恐慌時のようにブームのような強い成長の後に生じるとは限らない。10年前のリーマンショックの時は、息が長いが弱い回復の後に、金融危機を伴う深刻な景気後退が生じた。次の世界の景気後退も、そうした姿になるのではないか。つまり、「山高ければ谷深し」とはならずに、「山低けれど谷深し」になる可能性がある。そうしたもとで、いつ起きるかは分からないが、深刻な金融危機がいずれ起こるとキング氏は考えているのである。

次の金融危機に十分な備えを

国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会の関連会議や、それに合わせて開かれたG20(主要20か国・地域、財務相・中央銀行総裁会議)でも、財政出動への期待が高まっているが、これについてキング氏は、金融緩和策に対する期待の低下がその背景にあると説明する。最近までは、他に打つ手がないからしかたなく金融緩和に対する期待が世界的に高まっていた(いわゆるonly game in town)が、金融緩和の効果に対する懐疑的な見方が広がり、また金融緩和の余地が限られているとの見方が世界的に広がったことから、消去法的に財政政策への期待が高まっている、との説明だ。当然ながら、キング氏は財政拡張策の効果にも懐疑的だ。

金融危機が生じた場合には、通常の金融緩和策は有効でないとしても、金融システムの崩壊を避けるために、流動性供給などで各国中央銀行が連携して対応する必要が出てくる。しかし、キング氏はこの連携が十分でないという。リーマンショック後は、先進国で構成されるG7(主要7カ国、財務相・中央銀行総裁会議)だけでは景気悪化や金融危機に対応できず、G20にその役割のバトンが託された。しかし、G20も機能せず、再びバトンはG7に戻ってきたが、G7も国際協調の場としては十分に機能してないという。キング氏は将来のグローバルな金融危機に備えて、新たな国際協調の枠組みを早急に作る必要があるとする。

10年前のリーマンショックの時は、国民の税金を投入する銀行救済策を巡って米国議会は紛糾したが、その後、この銀行救済が国民から強く批判されたことを踏まえると、銀行救済策のハードルは一段と上がっているだろう。その結果、次に金融危機が生じた場合、その危機への対応が遅れてしまうリスクがある。これは、米国のみならず他の国でも同様だろう。そのため、危機が起こる前に、金融当局と政府、議会が危機時の対応策についてしっかりと議論をしておくことが重要だ、とキング氏は言う。

リーマンショック後の世界の危機対応、いわば火消し役を担ったキング氏は、再び次の金融危機の発生リスクや対応の遅れを強く懸念しているのである。その言葉は非常に重いものがある。
参照元:コラム 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight
金融危機の再燃を予想するマービン・キングの警告
2019/10/21 NRI
コロナ経済危機がリーマンショックを超える理由
花園 祐 2020/03/31 06:00 JBpress

(花園 祐:中国在住ジャーナリスト)

 中国で発生した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の猛威が世界中へと広がり、医療や市民生活だけでなくあらゆる経済活動に影響を及ぼしています。

 日経平均もすでに2万円の大台を割っており、その急激な落ち込みぶりから、市場では2008年のリーマンショック(世界金融危機)の再来ではないかと危ぶむ声も出ています。

 結論から言えば、筆者は新型コロナウイルス感染症による経済打撃は、リーマンショック以上の規模になるのではないかと見ています。最大の理由は、リーマンショックが「川上から川下へ」という流れだったのに対し、今回のコロナショックは、逆に「川下から川上へ」と影響が広がっているからです。

 以下では、新型コロナウイルス感染拡大が世界経済にどのような形で影響を及ぼすのかを考えてみたいと思います(あくまで筆者個人の見解であることをご了承ください)。

リーマンショックとは逆の流れ

 リーマンショックの発端は、米国のサブプライム住宅ローンの不良債権化でした。これらの信用不安に伴う金融機関の破綻や、公的資金注入によって、世界中で株価が大きく落ち込み、消費や生産活動の低迷を招いたことで、世界的な大不況を巻き起こしました。

 リーマンショック時、皮肉なことですが、当時の日本は長引く不況もあって関連債権への投資額が少なく、おそらく先進国としては初動のダメージが最も少なく済みました。しかし日本国外での生産および消費が大きく落ち込んだことで、結果的に日本の実体経済も大きな打撃を受けることとなりました。

 このリーマンショック時における経済への影響は、「金融業 → 製造業(2次産業、生産) → サービス業(3次産業、消費)」という流れで波及していったと言えます。

 金融の信用不安発生によって製造業のキャッシュフローが滞り、生産が落ち込んだことで個人消費が冷え込み、サービス業も打撃を受けていったという流れです。

観光業、飲食業、小売りから影響が拡大

 これに対し今回のコロナショックは、逆の流れで影響が広がっています。

 コロナショックで最初に影響を受けた業界は観光業であるといって間違いないでしょう。中国において1年のなかで最大の旅行シーズンである春節(旧正月)直前に実施された武漢市封鎖、それに伴う自粛命令によって、日本を含む世界各国の観光業者が大きな打撃を受けました。

 その後、各国の外出自粛命令によって飲食業や小売業も大きな打撃を受け、感染者の隔離政策や工場稼働停止命令などにより製造業の生産活動も大きく阻害されました。特に製造業においては、物流も止まったことからサプライチェーンの寸断が起こり、今もなお多くのメーカーで供給面での混乱が続いています。

 そして3月に入って欧米でも感染症の流行が広がると、冒頭で述べた世界的な同時株安状況が発生しました。

 以上の流れは「消費 → 生産 → 金融」という順番です。つまり、リーマンショックが川上から川下へと影響が波及したのに対し、今回のコロナショックは川下から川上へ波及していると言えるでしょう。

財政出動は処方箋となるのか

 こうした経済危機の“震源地”の違いは、各国政府の財政出動の効果に影響を与えます。

 前述の通り、リーマンショック時は、まず川上に当たる金融業界の信用不安やデフォルトによって資金が滞り、川下である製造業においてキャッシュフロー問題を引き起こしました。それだけに、公的資金注入といった金融機関救済をはじめとする政府の緊急財政出動は即効性のある処方箋となり得ました(もっとも、当初はEUをはじめ誰が最終的な負担を請け負うのかで揉めたため、財政出動が必ずしも迅速に行われたわけではありませんでした)。

 今回のコロナショックは、小売をはじめとする第3次産業の現場が震源地です。それだけに中央銀行などが金融機関へ向けて資金供給を増やしたところで、リーマンショック時とは違って、震源地に対する直接の救済策とはなりません。その効果が第3次産業の出血を止めるにまで至るかというと、可能性は薄いと思われます。

現金配布は効果を生むのか

 では、直接的に消費を促すのがいいのでしょうか。安倍政権周辺では国民に現金や商品券を配布する案も出ていますが、こちらについてもその効果は疑問です。

 理由は大きく2つあります。

 1つ目は、感染症流行期間においては防疫対策のためにヒトやモノの移動が大きく制限されるので、手元に現金があっても消費は限定的となるからです。

 2つ目としては、経営体力の弱い小売や飲食業企業は、一時的にこうした救済策を受けても、損失を挽回するまで経営を維持できるのかが未知数だということです。

 とはいえ、財政出動自体は衝撃を一時的に緩和するためには効果的であり、やらないよりはやった方がいいでしょう。特に「消費 → 生産 → 金融 → 生産 → 消費」というサイクルのなかで、「金融」以降のセカンドサイクルへの影響を食い止めるためにも重要な一手となるはずです。ただ上記の通り、その財政出動効果はリーマンショック時と比べると限定的にとどまると思われます。

新型肺炎の流行は来冬も再燃するか

 以上のように、今回のコロナショックでは、リーマンショック時と比べ、各国政府による景気対策効果は限定的になるというのが筆者の見方です。

 コロナショックの場合、需要の有無にかかわらずヒトやモノの移動が突然止まり、消費の現場が真っ先に影響を受けるという点で、過去の不景気とは大きく趣が異なっています。加えて、次の冬も新型コロナウイルス感染症が再び流行し、現在各国で行われている渡航制限や隔離措置が行われる可能性があります。その場合、経済への打撃は来年度も継続することとなりそうです。

 世界経済はここ数年間好景気にありましたが、2019年末には景気後退期への移行が懸念されていました。そうした矢先で起きたこともあり、コロナショックをきっかけに本格的な景気後退期に入った場合、影響は長期化するというシナリオも考えられます。

 以上の要素を勘案する限り、コロナショックはリーマンショック以上の打撃を世界経済にもたらすと言わざるを得ないでしょう。

 もちろんこうした予想が当たらないに越したことはありません。各国が一致して適切な経済、防疫対策を採り、影響や被害が最小限にとどまることを心から願ってやみません。
参照元:コロナ経済危機がリーマンショックを超える理由
花園 祐 2020/03/31 06:00 JBpress
資金需要リーマン超えも 日銀調査、企業先行き厳しく
2020/4/21 10:43 日本經濟新聞

日銀が21日発表した4月の主要銀行貸出動向アンケート調査によると、企業の資金需要の強さを示す判断指数(DI)は今後3カ月の見通しがプラス46と、リーマン危機時を超えて過去最高となった。新型コロナウイルスの感染拡大による経済の停滞で、中小企業を中心に資金繰りが逼迫しつつあることが浮き彫りになった。

調査は3月10日から4月10日にかけて全国の銀行や信用金庫のうち、貸出残高の上位50行庫を対象に実施した。政府が緊急事態宣言を出すなど、コロナ対策で経済活動の縮小が次第に加速した時期に重なる。

DIは資金需要が増加すると答えた金融機関の割合から減少すると答えた割合を引くなどして算出する。企業向けの今後3カ月の見通しのDIは前回の1月調査のマイナス1から47ポイント上昇し、過去最大だった06年4月のプラス24を大きく上回った。実績値と比べても、リーマン・ショック直後にあたる09年1月のプラス43を超え過去最高となった。

1~3月の企業向けDIの実績は全体で前回から12ポイント上昇のプラス14。内訳は大企業向けが5ポイント上昇のプラス6、中小企業向けが12ポイント上昇のプラス13だった。特に逼迫感の強い中小企業を業種別にみると、製造業が12ポイント上昇のプラス12、非製造業が9ポイント上昇のプラス11だった。

企業の資金需要の増加の背景について金融機関は「資金繰りの悪化」や「手元資金の積み増し」などを挙げた。世界的な移動制限を受けた需要の蒸発による生産の落ち込みや店舗の営業停止などが影響している。
参照元:資金需要リーマン超えも 日銀調査、企業先行き厳しく
2020/4/21 10:43 日本經濟新聞
「未曽有の危機」警告 世界恐慌以来の不景気に―IMF専務理事
2020年04月09日21時06分 時事ドットコム

 【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は9日、新型コロナウイルスの感染拡大で各国が今年、「世界恐慌以来で最悪の不景気に落ち込む」と警告した。深刻なマイナス成長は避けられず、1930年代以降で経験のない「未曽有の危機」に陥ると懸念を表明した。 新型コロナに続き「世界的食料危機」の恐れ、国連とWTOが警告

 専務理事は来週にテレビ会議形式で行われるIMF・世界銀行の春季総会を前にワシントンで講演した。感染拡大は前例のない速さと規模で世界に打撃を与えたと強調。170カ国以上で1人当たり所得が減少に転じる恐れがあると憂慮した。

 専務理事は、世界が2008年のリーマン・ショック時を超える「リセッション(景気後退)に陥った」と明言している。来週公表する今年の世界経済成長率の見通しは、IMFが集計を始めた1980年以降で唯一のマイナスだった2009年(マイナス0.1%)より悪化するのは確実だ。
参照元:「未曽有の危機」警告 世界恐慌以来の不景気に―IMF専務理事
2020年04月09日21時06分 時事ドットコム
コロナショックの経済危機はリーマン超え
This Could Be Worse Than 2008

2020年3月27日(金)16時10分 Newsweek(ニューズウィーク日本版)
アダム・トゥーズ(コロンビア大学教授)

<止まらない資本流出で大打撃必至の新興国──最大の懸念は中国による「禁断の錬金術」>

ドナルド・トランプ米大統領は2018年5月に米政府のパンデミック(世界的大流行)準備ユニットを再構築し、規模を縮小した。現時点で振り返れば軽率な判断に見える。

しかし、こうした措置を取った大統領はトランプだけではない。国家安全保障会議(NSC)の世界保健安全保障ユニットはビル・クリントンの政権下で1998年に設置された。その何年か後、まずジョージ・W・ブッシュ、次いでバラク・オバマがこのユニットを一時閉鎖した。

要するに官僚組織は、蓋然性は低いが大きな犠牲を伴うパンデミックのようなリスクにはほとんどお手上げなのだ。この手のリスクは縦割り型の行政機構とリスク評価モデルにはうまく収まらない。

NSCでさえこんなありさまだから、経済政策の立案担当者はなおさらなすすべを知らない。彼らとて「テールリスク」、つまり数十年から数百年に1度起こるかどうかのリスクを議論することはあっても、パンデミックで経済活動がストップする事態など想像もできなかったはずだ。

2008年に私たちはリーマン・ショックで金融市場が大混乱に陥るのを目の当たりにした。サブプライムローンの焦げ付きに端を発した金融危機で、経済全体が心臓発作を起こしかねない状況だった。

2008年から09年にかけての冬には全米で毎月75万人超が失業し、景気後退期全体を通じて870万人が職を失った。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やクライスラーなどアメリカが誇る大企業も経営破綻に追い込まれた。

影響は世界全体に及び、世界の貿易量はかつてないほど落ち込んだ。それでも各国の大胆な金融・財政政策のおかげで景気後退の深化と長期化は回避でき、2009年下半期には回復の兆しが見え始めた。

いま私たちが直面している新型コロナウイルスによる経済危機がどの程度進むのかはまだ予測できないが、景気後退は避けられそうにない。昨年から既に世界の製造業は伸び悩み始めていた。今や最低でも数カ月間、世界の経済大国が軒並み経済活動を大幅に制限せざるを得ない状況だ。工場は操業を停止し、店舗、ジム、バー、学校、大学、レストランが閉鎖されている。

現時点での指標を見る限り、アメリカでは6月までに毎月最大で100万人の失業者が出ると予想され、2008〜09年よりも深刻な事態になりそうだ。航空産業など一部の部門は特に大きな痛手を受けるだろう。石油業界では需要の急減を見越してOPEC(石油輸出国機構)とロシアと北米のシェール石油会社が熾烈な値下げ競争を繰り広げている。

値下げ競争が他部門にも広がれば「負債デフレ」、つまり物価の下落で企業の負債が実質的に増大する現象が起きる。世界全体で企業の負債は2008年の2倍に上っており、この負担が増大すれば世界全体で景気が急激に冷え込む。

流動性確保に走る市場

だが新型コロナウイルスによる景気後退には、減税や政府支出など古典的な財政政策で対処できる。感染拡大の最悪期を乗り切れたら、まずは公衆衛生インフラに投資することだ。今回明らかになったように、どの国も感染症の監視、モデリング、緊急対応システムを大幅にグレードアップし、物品の備蓄や予備能力を拡充する必要がある。それにより建設的な投資機会が数多く生まれ、質の高い雇用が創出されるだろう。

2008年と違って今回は危機をきっかけに成長が見込める部門もある。アメリカのGDPの約18%を占める医療部門はその代表格だ。人と人の接触を避ける必要があるため、非対面型のデリバリーサービスやウェブ会議システムの利用も増えている。こうした部門は危機後も成長するだろう。

とはいえ2008年と同様、景気後退に対処する前に抑えるべき脅威がもう1つある。金融パニックのリスクだ。パニックは景気後退とは違う。今回の金融パニックは3月第2週から始まり、今も市場を揺さぶり続けている。

直接的な引き金となったのは、サウジアラビアとロシアの石油減産交渉の決裂と、その後のサウジアラビアの大幅な増産決定だった。イタリアの感染拡大のニュースに、経済に直結する油価のニュースが重なったため、世界的な信用収縮と、安全な資産への資金逃避に火が付いた。

感染症という異質の要因が経済にもたらした衝撃が、信頼感と信用の崩壊という経済システムの内部崩壊に「変異」しつつあることが、市場関係者にも少しずつ分かってきた。

突然の信用収縮は、ビジネスモデルが弱いにもかかわらず、莫大な借入金によって仕事を回してきた企業をあぶり出す。その経営悪化は、操業停止や雇用喪失、さらには本来なら優良な資産のたたき売りを通じて、経済全体の先行きを怪しいものにする。

こうした企業が借入金の返済に窮すれば、債権者のバランスシートがダメージを受ける(そんな企業に融資していた時点で間違っているのだが)。そしてこの種の連鎖的な破綻に対する不安が、全面的な信用収縮をもたらす。

2008年の金融危機の「主犯」は銀行だった。だがその後、アメリカの大手銀行はバランスシートを強化してきたから、今回は困難に陥るとは考えにくい。だがヨーロッパの銀行は違う。2008年の金融危機とユーロ圏の財政破綻のダブルパンチから、まだ本当に立ち直ったとは言えない状況だ。イタリアの公的債務は今も危険なレベルにある。

一方、原油価格の急落で石油収入が激減した産油国は、政府系投資ファンドの資産売却を強いられるかもしれない。そうなれば、本来なら優良資産だったものが買いたたかれて、幅広い市場に連鎖反応を引き起こしかねない。

だが、何より懸念すべき兆候は、株価と米国債の急落だ。本来なら米国債は、資金の安全な逃避先となるはずだ。その価格が下がるということは、相当な数の投資家が、必死で手元資金を確保しようとしていることを意味する。

それなのに、各国の中央銀行の対応はどこか頼りない。ECB(欧州中央銀行)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は3月半ば、ECBにはイタリアを支援する義務はないと示唆するかのような発言をして市場を動揺させた。

FRB(米連邦準備理事会)が15日に緊急決定した措置も、インパクトに欠けた。政策金利を実質ゼロにまで引き下げ、4回目の量的緩和に乗り出すというものだったが、これでは2008年の対策と基本的に同じだ。

確かに、感染症のパンデミックにぴったりの金融政策は存在しない。実際、米欧の金融当局はどちらも、これは財政政策によって対処するべき問題だと主張する。だが、たとえ中央銀行が取れるパンデミック対策は限られているとしても、信用システムそのもののリスクが高まることは阻止しなければならない。

FRBのリードに期待

今のところ世界の中央銀行には、2008年の世界金融危機で見られたレベルの連携はない。ただ、明示的な連携は必要ないかもしれない。私たちは十分な時間をかけて、世界金融危機の経験を消化してきた。その展開をよく理解して、FRBがリーダーシップを取らなくてはいけないことは、誰もが分かっている。

世界の金融市場はドルベースで動いている。それだけにFRBが15日、日本やイギリスの中央銀行と協力して、ドル資金の通貨交換(スワップ)を拡充すると発表したことは重要だった。

こうした中央銀行の世界的な協力体制に、トランプと米政権内の経済ナショナリストが異議を唱えるのではないかという懸念も、パンデミック以前は根強かった。

スワップ協定は、簡単に言えば、FRBが他国の中央銀行の要請に応じてドルを供給するものだ。「アメリカを再び偉大な国に」と気勢を上げる人々に支持される政策ではなさそうだが、自宅から出ることさえ恐れている最中に、経済ナショナリズムにこだわる余裕はないようだ。

しかし、FRBの介入も市場の売りを止めることはできず、緩和政策がさらに拡大するのか、様子見が続いている。

FRBはまず、金融機関が国債などを担保に短期資金を貸し借りするレポ市場に、緊急の資金供給を追加した。続いて、大企業が無担保の短期約束手形で資金を調達するコマーシャル・ペーパー市場にも、流動性を供給している。

ただし、世界全体との関係を考えたとき、中央銀行の行動には根本的な限界がある。

近年のスワップ協定は、先進国の中でも最重要国に限られてきた。先の金融危機に際して一時的に拡大したときも、FRBのドル供給の恩恵にあずかることができるのは14の中央銀行だけ。そのうち新興市場は、韓国、ブラジル、メキシコだけだった。

中国が米国債を換金?

とはいえ、2008年以降、最も進んだ新興国経済と先進国経済の垣根は、次第に曖昧になりつつある。

パニックが起きると、資金はアメリカを中心とする先進国に流れる。今のところ、ドル建て資産への資金流入は始まったばかりのようだ。しかし、いくつかの新興国市場は既に、深刻な金融逼迫に直面している。実際、新型コロナウイルスの不安が世界的に広まり始めてからというもの、外貨の大規模な流出が続いている。3月中旬までの8週間で、新興国市場から逃げ出した資金は550億ドル。2008年の金融危機や、2013年にFRBが量的緩和策の縮小を示唆して金融市場が動揺した「テーパータントラム」の際の2倍に当たる規模だ。

メキシコやブラジルなど、人口が多くて、公共インフラや財政が脆弱な国は、特に深刻な影響を受けるだろう。

ただし、最も懸念されるのは中国だ。2008年の中国経済はたくましかった。資金流出の影響を受けず、大規模な財政・金融刺激策によって、自国の経済も、中国への輸出に頼る国々の経済も、大きく底上げしてみせた。

FRBと中国人民銀行がスワップ協定を真剣に検討することもなかった。2008年以降、中国はドルではなく人民元を核に、独自にスワップ協定網を確立している。

その中国が経済活動の大部分を閉鎖せざるを得ない事態となり、世界の貿易が大幅に縮小しようとしている今、問題は中国のグローバル企業のドル需要がどこまで増えるかということだ。

2008年以降、中国企業の国際進出は目覚ましく、他の新興国市場の企業と同じように米ドルを大量に借り入れている。中国の外貨準備も膨大だが、現金の米ドルではなく、ほとんどを米国債で保有している。

米債券市場の不安定さを考えると、世界が何よりも恐れているのは、中国がその膨大な外貨準備高を現金化せざるを得ない状況に追い込まれることだ。そうなれば、公的資金によって市場の安定を図ろうとしているFRBの努力は、水の泡になりかねない。

一方で、FRBが人民元を担保に中国と大規模なスワップ協定を結ぶことは、想像しにくい。FRBも米議会の反中タカ派の怒りを買いたくはないだろう。

世界が公衆衛生危機に直面し、経済の安定を守るという共通の利益が脅かされている。官僚の創意が、この危機を政治化したい人々のあからさまな誘惑に打ち勝つことを、願うしかない。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年3月31日号掲載>
参照元:コロナショックの経済危機はリーマン超え
This Could Be Worse Than 2008

2020年3月27日(金)16時10分 Newsweek(ニューズウィーク日本版)
アダム・トゥーズ(コロンビア大学教授)
元経済ヤクザが断言!「コロナ後、世界恐慌はこうしてやってくる」
菅原潮氏が激白! 欧米、そして日本でも 新型コロナで大型倒産時代がやってくる
2020年04月13日 FRIDAY DIGITAL

「世界経済の中心であるウォールストリートがあるニューヨークでさえ、もはや死んだ街になってしまいました。これまで米国の好景気が世界の株式市場を引っ張ってきましたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でそれが終わった。これから間違いなく世界大恐慌が始まります」

東京五輪・パラリンピック選手村を眼下に見下ろすタワーマンションの一室でこう話すのは、猫組長こと菅原潮氏(55)だ。元山口組系暴力団組長で経済ヤクザだった菅原氏は、世界のアンダーグラウンドマネーに精通し、現在は投資顧問会社「NEKO PARTNERS」を運営。そんな闇経済の水先案内人が話す――。

「私はバブル崩壊を経験していますし、リーマン・ショックや東日本大震災の時も投資の世界に生きていました。そうした経験から見ても、今回のコロナ・ショックは危機の規模がまったく違います。

感染拡大がいつ収束するか見通せないなか、ヒトとモノの動きが止まりました。その結果、どうなったか。米労働省が3月26日に行った発表によると、米国の新規失業保険申請件数が328万件だったというのです。前週比11.7倍というとんでもない数字です。こうした尋常ではない経済指標がこれからどんどん出てきます。

今は旅客機もほとんど飛んでいませんから、航空産業は世界中ダメでしょう。それに伴い、宿泊産業もサービス業もダメ。そうした業種で働く人はみんな失業していく。この夏までに米国の失業率は10%に到達するでしょう」

金融緩和の問題

トランプ米大統領は経済危機を避けようと、2兆ドル(220兆円)というケタ外れの景気刺激策を打ち出した。米連邦準備制度理事会(FRB)もゼロ金利政策を復活させ、市場に莫大な量の資金を供給している。だが、ヒトとモノが止まっている以上、いくらカネを注ぎ込んでも意味がないと、菅原氏は言う。

「トランプ大統領の政策の売りは、株高と低い失業率です。それを守るために株式市場にジャブジャブと資金を注ぎ込んで、それで株価は一時期より持ち直していますが、実際は週に328万件の新たな失業保険が申請され、今後、それが増えていくわけです。世界最大の航空機メーカー、ボーイングでさえ倒産の危機にあります。

そのボーイングに出資している金融機関も危ない。そこに政府が資金を突っ込んで助けようとしている。もし、数ヵ月以内にコロナ禍が収まって米国経済が復活するならいいですが、そうでない場合、傷口が大きくなるだけです」

一方、日本の景気刺激策は米国などの諸外国に比べて不十分だとよく指摘される。だが、菅原氏は株価維持のための金融政策には意味がないと言う。

「日本も株価を上げようとして、金融市場にカネを流そうとしていますが、これはあまり意味がありません。株価は本来、個々の企業の業績と成長性によって決まるもの。金融政策で『実体のない株価』が生まれることが本来おかしいのです。

これから続く経済危機を考えると、生き残れない企業に融資しても再起は不可能ですし、資金の回収はできないでしょう。たとえが悪いですが、末期がんの患者にシャブを打って、一時的に元気にさせたって、余計に寿命を縮めるようなもの。だったら、穏やかに死ぬ方法を提供してあげたほうがその人のためです」

弱い企業が潰れていくことは仕方がない。ただし――。菅原氏はこう続ける。

「企業が死んでも、そこで働く従業員は必ず守らなければいけません。これ以上、コロナが拡大しないように都市封鎖を行う一方、仕事がなくても数ヵ月間は食べていけるよう、国民にカネを配る。対象者を選別するのではなく、一律に均等に配給する。金持ちからは後から税金で回収すればいいんです。

私たちは今、歴史の転換点にいます。政府も国民もいったん株式市場のことは忘れて、弱い人びとを助けることに注力してほしい。日本人は戦後の焼け野原から復興しました。同じことがこれから試されるようになると思います。

私たち投資家は『最悪のケース』に備えてリスクヘッジし、それが起こらなければ、『安い保険料で済んでよかった』と安心するものです。今回の想定も現実にならなければいいのですが……」

東京五輪は1年の延期が決まった。はたして無事に開幕できるのだろうか。

『FRIDAY』2020年4月17日号より
参照元:元経済ヤクザが断言!「コロナ後、世界恐慌はこうしてやってくる」
菅原潮氏が激白! 欧米、そして日本でも 新型コロナで大型倒産時代がやってくる
2020年04月13日 FRIDAY DIGITAL
失業「年内100万人増」予測も 労組関係者「リーマン超え」危機感
2020.4.22 05:00 SankeiBiz

新型コロナウイルス感染拡大による景気悪化を受け、非正規労働者を中心に、解雇や雇い止めに関する悲痛な相談が急増している。年内には失業者が100万人以上増えると予測するエコノミストも。労働組合関係者は、大勢の労働者が職と住まいを失った2008年のリーマン・ショック時を「上回る可能性がある」と危機感を募らせる。

突如の派遣切り

 「仕事は、しあさってまでだ」。4月上旬、東京都内のホテルのフロントで派遣社員として働く女性は突如、派遣先の上司から「派遣切り」を言い渡された。

 2月から3カ月の契約で働き始めた当初は、上司から「長期で働ける」と言われ、5月以降も更新する予定だった。だが新型コロナの感染拡大で宿泊客が減少。4月になって派遣元から「契約は満了となる月末で終わり。更新できない」と言われ、翌日になってホテル側から休館と満了日前の打ち切りを告げられた。

 女性は「納得できない。せめて月末までの給料を払ってほしい」と訴えるが、派遣元は最終勤務日までの給料しか払わない意向という。

 4月からは戦場

 連合や全労連、日本労働弁護団など30以上の団体は7日、インターネット中継で会議を開き、深刻化する現状を話し合った。「3月上旬は休業の相談が多かったが、3月末から解雇中心になった」「4月に入ってからは戦場のようだ」。地方の労働組合からは、企業が派遣切りを見据えて派遣契約の期間を短縮し始めているとの報告もあった。

 出席者の念頭にあったのは、仕事と住む場所をなくした派遣労働者らによる「年越し派遣村」のきっかけとなったリーマン・ショックだ。会議開催を呼び掛けた日本労働弁護団の棗(なつめ)一郎弁護士は「製造業の派遣労働者が中心だったリーマンと違い、今回はあらゆる雇用形態に問題が及んでいる」とみる。

 影響「まだ入り口」

 働く現場への打撃はエコノミストも注視する。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は、政府の経済対策の規模が不十分で、失業率は3.9%まで悪化すると予想。失業者数は19年10~12月期の156万人から、20年の同時期には272万人になると試算する。リーマン時は08年7~9月期から09年同時期までに増えたのは94万人で「増加幅は今回の方が大きい」と話す。

 景気の影響を真っ先に受けやすい非正規労働者を支援する「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長は「企業はリーマン時の『反省』を生かし、解雇や雇い止めを一斉にではなく、時間差で実行する恐れがある」と述べ、大量失業が表面化しにくくなることを懸念する。「新型コロナの影響はまだ入り口段階。全業種に波及し、リーマン時より深刻になる可能性が高い」と警鐘を鳴らす。
参照元:失業「年内100万人増」予測も 労組関係者「リーマン超え」危機感
2020.4.22 05:00 SankeiBiz

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • 秀吉先生の本記事を読んで確信したのですが、やはり株価は米大統領選の11月頃までには、木星の逆行で射手座に帰還することで上昇してトランプを再選させる。
    しかし、大統領選後の11月、12月以降に木星が射手座から山羊座に入ると、本格的なリーマンショック超えの株価の大暴落をする。

    コロナとは関係ない出来事が原因かもしれませんが、コロナの第二波がもたらすかもしれないと思ってます。
    と言うのは、スペイン風邪の時も、1918年の春頃に流行し、1919年と1920年は冬に感染拡大したからです。

    更に、木星が水瓶座に移動する2021年4月に株式市場から流れた資金が、仮想通貨に向かうと思われます。
    水瓶座と仮想通貨は関係があると思いますので。

    私が調べたところ、様々な仮想通貨保有者の運勢が、2021年3月以降に好転しているように見えます。
    例えば、秀吉先生は金星ー土星ー金星ー金星ー土星期に大きな魚を釣り上げたようですが、2021年3月頃に金星ー土星ー金星ー土星期になります。
    私は2019年前半のPADがラーフ期や木星期で、当時は仮想通貨価格が上昇してました。
    私はD1・D11でラーフと木星が強い配置ですが、2021年3月頃から再びPADがラーフ期と木星期になります。



    また、2021年9月に辞任するだろう安倍総理の次の総理を予測することも一連の出来事の理解を深めると思い、次期総理を予測してみましたが、やはり岸田文雄議員が有力と思われます。

    岸田議員はおそらく、
    D1が獅子座ラグナ
    D9が蟹座ラグナ
    D10が蠍座ラグナ
    の生まれと思われます。
    D9の蟹座ラグナは、安倍総理のD1、小泉進次郎議員のD9同様に、外国やウォール街に貢ぐ配置です。

    総理就任はラーフー火星期ですが、火星はラージャヨガカラカで、ラーフの支配星はラージャヨガを形成してます。
    岸田議員は木星ー木星期の総理となります。
    分割図での木星8Hと出生図での木星8Lは、安倍総理からの禅譲と外国や安倍総理の傀儡政権ということを示していると思われます。

    また、彼が長期に渡って外相を務めてきたのは、D1やD9で12Hが強調されているからで、D1では1・12の星座交換、D9では1Lが12Hとなってると思われます。
    • なるほどスペイン風邪も冬に感染拡大したんですね。

      ウィルスの拡大にそういうパターンがあるのであれば可能性は強まると思います。

      11月までに木星と土星が逆行して射手座にダブルトランジットして、株価上昇というのはそうかもしれません。

      その後で、株価が大暴落するというのもそうなると思います。


      それで2021年4月以降に仮想通貨が上昇するかどうかですが、

      私はビットコインに関しては、リバータリアン(急進的市場原理主義者)や無政府主義者(アナーキスト)が始めたコインである為、

      蟹座-山羊座軸に惑星が在住している時の方が上昇したり下降したりが激しくなると思います。


      木星が水瓶座に移動した時、ビットコインにとって水瓶座はあまりよい星座ではなく、むしろ、ビットコインの価格が低迷し、ボラティリティ自体が無くなっていく可能性があります。

      何故なら、水瓶座は共産主義の星座であり、固定星座である為、価格の安定を求めるからです。

      銀行システムなどは、まさにこの安定感がある為、これまで長く安定した金融システムを築いてきました。

      水瓶座の象意に移行した後は、水瓶座の対向には政府を表わす獅子座があるため、むしろ、国家が発行して管理する仮想通貨が主流になってくると思います。

      あるいは、フェイスブックが始めるリブラなどのような価格がドルと連動して安定しているようなボラティリティが少ない通貨が出て来るかもしれません。

      一方で、ビットコインのように政府が管理出来ない通貨に関しては、政府は規制をかける傾向が出て来ると思います。


      政府発行の仮想通貨が価格が安定していてビットコインと同じように低価格の手数料で送金できるとなれば、それが使われるようになると思います。

      そうした状況になれば、ビットコインはその先駆的な役割を終えると思います。


      ビットコインが価値を失えば、ビットコインとある程度、連動しているアルトコインは皆、価値がなくなっていく可能性もあり得ます。

      水瓶座の影響が強くなった社会というのは、対向に獅子座(政府)があるため、政府の管理の力というものが働くと思います。


      おそらく2021年4月以降に株式市場の大暴落が起こるとすれば、それに連動して、ビットコインも暴落すると思います。

      然し、ビットコインが暴落し過ぎるので、それでまた40万円ぐらいに値下がりした所から、また元に戻すかもしれません。

      それでそのまま上昇していくということはなく、ボラティリティが少なくなっていき、価格レベルは今ぐらいのレベルで安定していくのかもしれません。


      ですから木星が水瓶座に移動すると、資金が株式市場から仮想通貨市場に流れ込むのかはよく分からない所があります。


      2021年9月の安倍首相の次の首相の有力候補となっている岸田文雄氏については、時間がある時に見たいと思います。
  • ニューヨークの証券取引所のリーディング、さすがです。 ありがとうございました。
  • (強制的な)閉じこもりと言えばインド占星術では12室そのものですが、新型コロナで多くの人が(強制的に)家に閉じこもっているわけで、今家に閉じこもっている人は全員、個人レベルでは当然12室に絡んでいると考えますか。それ以外に現在の隔離、閉じこもりの占星術的な解釈ありますかね。
    • 現在の状況を表わす象意としては、山羊座を通過している土星や木星で表されると思いますが、

      山羊座は土星を支配星とする星座で、土星は(6室)、8室、12室の表示体であり、中断や停滞、損失を表わします。

      また木星は2、5、9、11室の表示体でそれが減衰していることで、経済活動や生産活動、幸福度が低下していると思います。

      木星自体が拡大発展の惑星ですが、木星が減衰する山羊座は、縮小、削減などを表わしており、無駄な文明の過剰さというものが、削ぎ落される所があると思います。

      山羊座の方の身体の特徴は、痩せており、無駄な贅肉がついていないと表現されますが、そういうことです。

      ごく必要最小限の経済活動しか行なわれないようになっています。


      然し、土星は労働者やサービス業を行なう人々を表わしている為、医療従事者や飲食業のような人々、またインフラ関係を維持管理する方々は、忙しく働いています。

      ホテル業、旅行業などの観光業など、必要物が満たされた後にする余分な活動は、出来なくなっています。


      現在の状況を12室の象意だけで考える必要はなく、8室の象意や土星の象意、減衰した木星の象意などで、木星が表示体となる2、5、9、11室が妨げられた結果として、考えることができます。


      またナチュラルゾーディアックで考えると木星は、9室と12室の支配星であり、それが10室を通過して、10室、11室の支配星と10室でコンジャンクションしている状態になっています。

      10-12、11-12の絡みが成立しています。

      そうしたことも関係するかもしれません。


      人々が家(4室)にいなければならないのは、公的な生産活動やサービスなどが停滞しているからで、それで自然と家にいることになっています。

      人々が家にいるのは、12室の象意というよりも4室(プライベート)の象意ではないかと思います。


      公的な経済活動、生産活動が出来なくなっている為、家にいることになっています。


      しかし、4室と10室というのは、対向のハウスであり、お互いに関連し合っています。


      10室の職場にある自分のデスクというのは4室(自分のプライベート空間)の象意であったりします。


      従って、職場(10室、公的空間)に行けないので、今は、自宅(4室)でテレワークをする人が増えています。


      然し、社会運営上、どうしてもしなければならない医療、インフラ関係、飲食、大規模スーパーなどで働いている人は、10室(公的空間)で働いています。


      別に私たちは家にいることを強制されている訳ではなく、別にどこに出かけていってもいいのですが、感染したくないから家にいるだけのことです。


      政府は感染者が増えると、社会が崩壊するので、家にいるように訴えていますが、実際の所は私たちが感染したくないので、家(4室)にいるだけのことです。


      監禁(12室)されているということではないと思います。


      各国の政府は、感染が広がりそうな10室や11室などで表されるような公的空間に出かけていくことを禁じているだけであって、その結果、家(4室)にいることになっています。


      ですから現在の私たちが家にいなければならないというのは、監禁(12室)の象意ではなく、家、プライベート(4室)の象意ではないかと思います。


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