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フィデル・カストロ前議長逝く

2016 11/27
キューバのカストロ前議長が死去したとニュースが伝えている。

フィデル・カストロ氏死去=90歳、キューバ革命の英雄―「反米」の精神的支柱
時事通信 11/26(土) 14:29配信

【サンパウロ時事】1959年のキューバ革命を率い、引退後も反米勢力の精神的支柱として国内外に強い影響力を与えたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日、死去した。

90歳だった。死因は不明。

 実弟のラウル・カストロ議長が国営メディアを通じ、「キューバ革命の最高司令官が今夜(25日夜)午後10時29分、死去した」と発表した。遺体はフィデル氏が生前に示した意向に従い、火葬される。26日に葬儀委員会が開かれ、詳細が公表される見通し。

 フィデル氏の引退後、キューバはラウル議長を中心とした集団指導体制に移行しており、革命政権に与える影響は限定的とみられる。

 ラウル議長が2018年の引退を表明する中、米国と国交を回復した社会主義政権は、世代交代を急いでいる。革命後、半世紀近く国を統治したカリスマ的指導者の死は、変化の時代を迎えた国民に動揺を与える可能性もある。

カストロ議長は今年の8月14日にはバラク・オバマの広島演説について、謝罪の言葉が欠けていたと批判し、その健在ぶりを見せつけていた。

オバマ氏の広島演説を批判=カストロ前議長が90歳-キューバ

【リオデジャネイロ時事】キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は13日、90歳の誕生日を迎えた。5月に広島を訪問した際のオバマ米大統領の演説を批判するコラムを寄稿したほか、卒寿の式典に出席して4カ月ぶりに公の場に姿を見せ、反米主義を掲げる「革命の英雄」の健在ぶりをアピールした。
 前議長は13日の共産党機関紙グランマ(電子版)で、広島で行われたオバマ大統領の演説は「何十万人の住民を殺害したことへの謝罪の言葉が欠けていた」と強調。広島と長崎を無作為に選んだ原爆の投下は「犯罪的な攻撃だ」と厳しく指摘した。コラムは12日付。

 弟のラウル・カストロ国家評議会議長や同盟国ベネズエラのマドゥロ大統領とともにハバナで行われた式典にも出席した。背中は丸まっているが、白いジャンパー姿で元気にマドゥロ氏と談笑する様子などが国営テレビでも生中継された。(2016/08/14-14:52)

米大統領選で、米メディアが推すヒラリークリントンが落選したのを見とどけて今生を終えたのだろうか。


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以前、西洋占星術師のレクティファイに基づいた天秤座ラグナのチャートで、記事を書いたことがあるが、

アストロデータバンクのデータでは出生時間が、2:00であり、ラグナが双子座ムリガシラーである。


今回、改めてカストロ議長の経歴の時系列を作成してみて、双子座ラグナでも十分説明が成り立つような気がしている。


例えば、カストロ議長は1959年1月1日にキューバ革命を成就させ、首相に就任した後、キューバ共産党による一党独裁体制を敷いたが、アメリカに経済封鎖される中、ソ連やその後は、中国などの支援を受けながら、国民を経済的に養ってきたと言える。

一時期、経済的に非常に困窮して、いかだによる亡命者が後をたたなかったが、基本的に最高指導者であるカストロ議長の下で、例えば、医療や教育が無料といったような社会保障の充実した国家運営が為されている。

例えて言えば、一国の国王が善政を敷いて国民を保護している理想郷といったイメージである。


カストロ議長は最高指導者として、国民と国家のインフラや政治、経済など全てを所有して、道徳的に善く統治している印象なのである。


これは2室の蟹座に惑星集中していることで説明される。


2室の惑星集中とは国内のインフラや国民などを所有しているに等しい一国の国王とか、労働者、土地、建物、生産設備などの資本を所有する大企業の経営者などがその典型例である。


この2室が蟹座であるため、国民を蟹座の母性で保護し、医療や教育が無料といった手厚い社会保障を施しているのである。

蟹座2室では1、4室支配の水星と5室支配の金星が接合し、1-5、4-5のラージャヨーガを形成し、更に7、10室支配の木星とも相互アスペクトして、1-7、1-10、5-7、5-10のラージャヨーガを形成している。

従って、ラージャヨーガが成立し、カストロ議長が統治する家庭的な島国が繁栄することを表している。


但し、その2室には6、11室支配の火星や8、9室支配の土星もアスペクトして傷つけているため、アメリカの経済封鎖やキューバ危機など、様々な試練にも直面したのではないかと考えられる。


そして、キューバ国民が経済的に困窮し、いかだで国外へ脱出したというのは2室の傷つきの要素が示していると考えられる。

いわば家族の崩壊といった状況である。


そうした厳しい経済状況の中で、7、10室支配の木星が8室から2室にアスペクトしていることが、ソ連や中国などの外国(7室)の経済援助(8室)ではないかと考えられる。


少年時代は野球に熱中し、粗暴な面もあったというが、その頃は6、11室支配のマハダシャー火星期である。


1944年のラーフ/土星期に最優秀スポーツ選手に選ばれたという、カストロの人生の中では小さなエピソードでるが、土星は自室に在住する11室(受賞)支配の火星からアスペクトされている。


1945年にハバナ大学に入学して法律を学んだとあるが、この頃、ラーフ/水星期である。


水星は5室支配の金星と接合し、また木星と土星からアスペクトされている。

5室の支配星に絡み、それに木星と土星(法律)が絡んでいたことが法律を学んだ理由であると解釈できる。

また水星から見た5室支配の火星に木星(逆行)と土星がアスペクトしている。


また水星はナヴァムシャで5室支配の木星と星座交換しており、土星からのアスペクトも受けている。



1948年~53年までは、革命反乱同盟 (UTR) に加入し、学生運動を展開したが、政府軍と衝突し、亡命生活や逮捕投獄も経験している。

これはマハダシャーラーフ期であり、波乱の時期を意味している。



ラーフはナヴァムシャで6室に在住しており、ディスポジターの火星は10室に在住し、3、4室支配の土星が8室からアスペクトしている。

すなわち、革命反乱同盟 (UTR) で指導的役割を担い、逮捕投獄などの憂き目にもあったことを示唆している。




1953年7月26日のモンガダ兵営に対する攻撃を行い、逮捕投獄されたが、後に1955年5月に恩赦により釈放されている。

この恩赦を受けたのが、マハダシャー木星期に移行したタイミングである。


木星は8室に在住しており、これが恩赦という政治家の仲介によるギフト(贈り物)であったことが分かる。


2か月後にメキシコに亡命して、アメリカに移住して活動を続けたが、メキシコ警察によって逮捕されてしまう。


しかし、この時もメキシコ革命の大成者だった元大統領ラサロ・カルデナスの歎願によって釈放されるのである。


これらは明らかに8室の木星のギフト(贈り物)であることが分かる。


8室というのは頼る相手を表しており、思いがけない贈与を表しており、釈放にはその為に働いてくれる仲介者が必要となるのである。

従って、8室に在住する木星の働きであると理解できる。


双子座ラグナにとって7、10室支配の木星はマラカとはならないのであるが、このような木星の保護する働きに注目するとこのことが納得できる。



そして、カストロが同志82名と共にキューバに上陸し、バティスタ政府の激しい攻撃を受けたにも関わらず、民衆の支援を獲得し、政府軍兵士の軍務放棄などによって、一連の勝利を成し遂げたという。


この時、木星/土星期であるが、木星は10室の支配星であり、木星からみると土星が10室で高揚している。

従って、このタイミングは大きな業績を成し遂げる時である。


土星は9室支配で5室で高揚しており、木星から見て10室で高揚しているが、天秤座で高揚する土星は大衆からの支持を意味している。


この時、大衆がカストロの軍に合流することによって、800人以上の勢力に成長していることに注目である。


つまり、これはカストロが始めた反政府闘争が、大衆の支持を得て、大衆運動に成長したことを意味している。


これが、木星から見て10室で高揚する土星の働きである。



そして、カストロの軍隊が首都ハバナ近郊に迫って、バティスタと次期大統領が国外逃亡して、キューバ革命が成就している。


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この偉大な革命が成功した時、カストロは、木星/土星期であった。


木星は10室の支配星で、1、4室支配の水星、5室支配の金星と多くのラージャヨーガを形成し、


土星は8、9室支配で、6、11室支配の火星と相互アスペクトして、9-11室のダナヨーガを形成している。


9室は慈善事業(正義の実践)を意味し、11室は願望成就のハウスである。


この土星と火星の相互アスペクトでは、6室と8室が絡んでおり、この革命で激しい闘争が行われ、多くの同志が死亡し、政府軍にも死傷者が出たことを表している。



このようにカストロ議長のチャートはアストロデータバンクに記された2:00で作成したチャートで説明可能なように思われる。



革命が成就した後、アメリカ企業の資産没収と国有化を実施した為、アメリカとの関係が悪化して、経済封鎖を受けるようになったが、CIAによって度々、暗殺計画が練られ、実施されたが、いずれも失敗している。


あたかも何ものかによって守られているかのようである。


それは明らかに8室に在住する木星の働きであると理解できる。


8室に在住して2室に在住する身体の表示体であるラグナロードの水星や太陽にアスペクトする木星が、カストロ議長のことを守って来たのである。



革命成就後は、カストロは、まさに20世紀の激動の世界史の中心人物であり続けた。


キューバ危機など、まさにソ連とアメリカの冷戦の舞台ともなったのである。




1961年4月にカストロ政権の転覆がアメリカの中央情報局(CIA)によって計画されたが失敗に終わった(ピッグス湾事件)時は、木星/水星期である。


ラグナロードの水星は、6、11室支配の火星と8室支配の土星からアスペクトされて激しく傷ついているが、水星は吉星(金星)と接合し、木星からのアスペクトを受けている。


この時、CIAの情報がソ連のスパイによってカストロに伝えられることで、上陸した侵攻軍がキューバ軍に鎮圧されたのである。



つまり、カストロを守ろうとする勢力によって、常にカストロは守られてきたのである。


これも木星に象徴される保護の働きであると考えることができる。



ただし、非常に興味深いのが、カストロは無神論者であり、キリスト教会を取り壊して、教徒を社会主義思想のための矯正キャンプに入れるなどの宗教弾圧政策を実施したため、ローマ教皇ヨハネ23世により1962年1月3日に破門されている。


これはおそらく木星が8室に在住しているためではないかと思われる。


木星は7、10室支配で吉意を失っており、双子座ラグナにとっては木星は5室や9室といったトリコーナの支配星とはなっていない。


従って、双子座は宗教的なセンスがない星座である。


カストロは無神論者であり、カトリック教徒のような神に対する敬虔な信仰を持っていなかったのはその為である。


またローマ教皇に破門されたというのは木星が8室に在住していたからではないかと思われる。



このように木星は、カストロを命の危険からは常に守っていたが、宗教的センスを与えなかったし、またローマ教皇との完全な調和も与えなかったのである。


但し、後に和解しているため、これらは本質的な問題ではないことが分かる。


木星の機能的吉凶の意味について吟味するための重要なエピソードではないかと考えられる。




その後、1971年~1990年までマハダシャー土星期に移行するが、この頃が、キューバがアメリカの経済封鎖によって経済的に苦しみ、国民の海外亡命者が続出した頃であると理解できる。

何故なら、8室支配の土星がカストロの2室にアスペクトしているからである。


カストロの2室はまさにキューバの国民経済を示しており、そこへの強い土星のアスペクトは経済的な貧窮を表している。


土星は9室支配で5室で高揚しており、彼自身は非常に精神的な価値観を貫いた時期であったと思われ、固く共産主義や平等という理想を堅持した時期であると考えられるが、経済的には非常に苦しめられた訳である。



このように見て来て、カストロは双子座ラグナで正しいようである。


アストロデータバンクの出生時間はRodden RatingがDDとなっており、信頼性が乏しいが、但し、実際、出生図を作成してみると、彼の生涯の出来事がよく説明できる。


カストロが没した現在、金星/金星/土星期である。


金星はマラカの2室に在住し、土星はマラカの2室にアスペクトしている。



ナヴァムシャでは、金星は7室支配のマラカで、土星は3、4室支配で、8、11室支配のマラカの水星と相互アスペクトしている。





カストロは共産主義者というよりもその本質は、善政を敷いた独裁者である。


つまり、国家社会主義者である。



カストロの高貴な理想と、道徳心が、度々の暗殺計画を頓挫させて、彼を長い年月の間、キューバの指導者として居続けさせた。

つまり、正しいことを為していれば何も怖いものはないのである。


またそれがカストロの運命であったと考えられる。




(参考資料)

キューバ フィデル・カストロ前国家評議会議長が死去
11月26日 14時33分 NHK NEWS WEB

1950年代にキューバ革命を起こし、反米の社会主義政権を半世紀にわたって率いたキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日、死去しました。90歳でした。

キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は、日本時間の26日午後、国営テレビで国民に対し、「キューバ革命の最高司令官が午後10時29分に死去した」と述べ、兄のフィデル・カストロ前議長が現地時間の25日夜、死去したことを明らかにしました。

また、本人の希望で火葬されるとしたうえで、葬儀の詳細について26日に発表すると述べました。

カストロ前議長は1959年にキューバ革命を起こして親米政権を倒し、以後、最高指導者として反米の社会主義政権を率いてきました。

米ソ冷戦の中、当時のソビエトと関係を深め、1962年にはソビエト製のミサイルのキューバへの配備をめぐって、米ソの核戦争への緊張が一気に高まった、いわゆる「キューバ危機」が起きました。

カストロ前議長は2006年に体調を崩し、2008年には議長を退任して実の弟のラウル・カストロ氏に政権を移譲しましたが、その後も、一定の影響力を保ってきました。

キューバは、去年7月に半世紀以上にわたって敵対してきたアメリカと国交を回復し、カストロ前議長は国交回復に向けた交渉を始めた、ラウル・カストロ議長の判断は適切だとして支持する考えを明らかにしていました。

また、1995年と2003年には日本を訪問しているほか、ことし9月には日本の総理大臣として初めてキューバを訪問した安倍総理大臣と会談し、北朝鮮の核開発問題などについて意見を交わしました。

カストロ前議長の死去を受けて市民の間には衝撃が広がっていて、強いカリスマ性で国をまとめる求心力となってきたカストロ前議長の死が、キューバや国際社会にどのような影響を及ぼすのかが注目されます。

国営テレビの発表は キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は国営テレビで、「きょう、11月25日午後10時29分に、キューバ革命の最高司令官、フィデル・カストロが亡くなりました」と述べて、カストロ前国家評議会議長が死去したことを明らかにしました。そのうえで、「本人の希望により火葬される。あすの11月26日の朝に、キューバ革命の創始者に対して行われる葬儀の詳細を発表します」と述べました。

そして、最後にキューバ革命のスローガンである「常に勝利を目指して」と述べて、前議長の死を悼みました。

カストロ氏のこれまでカストロ氏のこれまで

強いカリスマ性で人々を引きつけたカストロ氏は、当時のキューバの親米政権、バチスタ政権の打倒を目指して、1953年に革命運動に身を投じました。その後、左翼活動家のチェ・ゲバラ氏とともにゲリラ活動を展開して、1959年に「キューバ革命」に成功しました。

首都ハバナへ凱旋(がいせん)した際には、国民から熱狂的な歓迎を受けました。この時、カストロ氏は「われわれはアメリカの目と鼻の先で社会主義革命を達成した。われわれはみずからの銃でこの社会主義革命を守るのだ」と述べました。

革命後は中南米初の社会主義国として、外資系企業の国有化などを進めました。米ソ冷戦のさなかには、当時のソビエトと急速に関係を深め、「軍事的な備えが必要なため基地の強化に踏み切った」などとして、キューバ国内にソビエトの核ミサイル基地を建設することを容認しました。

これに対してアメリカは海上封鎖などで対抗し、「キューバ危機」が起きました。世界は一時、核戦争の瀬戸際にまで追い込まれましたが、ソビエトがミサイルを撤去したことで危機は回避されました。

カストロ氏は反米姿勢を強め、その後、社会主義革命を中南米やアフリカに広げる政策を進めていきます。

一方で、最大の貿易相手国だったソビエトの崩壊後は経済危機に陥り、国民は苦しい生活を強いられました。

80歳を超えたカストロ氏は、2008年に国家評議会議長を退任して、実の弟のラウル・カストロ氏に政権を譲りました。

そして2011年には、政府や党の公職をすべて退き、政界の第一線から身をひいていました。また、1995年と2003年には日本を訪問しているほか、ことし9月には日本の総理大臣として初めてキューバを訪問した安倍総理大臣と会談し、北朝鮮の核開発問題などについて意見を交わしたばかりでした。

キューバをスポーツ大国に育てる

25日に死去したキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は、国内をまとめ上げ、国際的にも存在感を高めるために野球をはじめとするさまざまなスポーツの強化に力を入れ、キューバを世界的なスポーツ大国に育てました。

カストロ氏は1959年のキューバ革命で反米の社会主義政権を立ち上げると、最大の援助国だったソビエト連邦にならってプロスポーツ制度を廃止し、国家の全面的な支援によってアマチュア選手を育てる政策を推し進めました。

みずからも優れた野球選手だったことから、野球を国技に定めて義務教育に採り入れたほか、ボクシング、陸上、バスケットボール、バレーボール、柔道の強化に力を入れ、夏のオリンピックでは1972年のミュンヘン大会以降多くのメダルを獲得してきました。

野球が正式種目となった1992年のバルセロナ大会では、のちにプロ野球の中日でもプレーしたオマール・リナレス選手を中心とする強打のチームで日本やアメリカをやぶって金メダルを獲得し、これまでに5つの大会で金メダルを3回獲得しています。

一方で、より多くの報酬を求めて、国交が断絶していたアメリカの大リーグでプレーするために亡命する選手はあとを絶たず、ことしのワールドシリーズで優勝したカブスの抑え投手、アロルディス・チャップマン投手など、有力選手の流出はキューバ代表の弱体化にもつながっていました。

これに対してキューバ側は国交のある日本のプロ野球などに選手を送る政策をおととしから進めていましたが、去年、アメリカとの国交が回復したことを受け、両国の政府が中心となってキューバ選手が大リーグに移籍するためのルールづくりに向けた話し合いが進められています。
参照元:キューバ フィデル・カストロ前国家評議会議長が死去
11月26日 14時33分 NHK NEWS WEB
キューバのフィデル・カストロ氏死去 「革命」の英雄…国民に動揺も
2016.11.26 14:41 産経ニュース

【ニューヨーク=上塚真由】1959年にキューバ革命を主導し、半世紀にわたり反米の社会主義政権を率いたキューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日午後10時29分(日本時間26日午後0時29分)、死去した。90歳だった。実弟のラウル・カストロ議長がキューバ国営テレビを通じて発表した。

 フィデル氏は2008年に元首である議長職を引退した後も、キューバ革命の「英雄」として絶対的な影響力を保持しており、死亡によるキューバ国民や指導部の動揺は避けられない。ただ、キューバは後継者のラウル氏の体制で15年に米国と国交を回復しており、社会主義体制を維持しながら、米欧との接近を進める現在の路線に変化はないとみられる。ラウル氏の発表によると、遺体は火葬され、葬儀日程は26日に発表される予定。死因は明らかにしていない。

 フィデル氏は2006年に腸内出血で手術を受けた後、体調が回復せず、08年に議長職を引退した。

1926年、東部ビランで裕福な農場主の子供として生まれ、ハバナ大学を卒業。弁護士として働くが親米バティスタ政権打倒を目指し、武力闘争を開始した。メキシコへの亡命を経て56年、革命家のチェ・ゲバラとともにキューバ国内に潜入してゲリラ戦を展開。59年にバティスタ政権を打倒し、革命を実現した。

 東西冷戦中にはソ連に接近し、米国が61年にキューバに国交断絶を通告すると、社会主義路線を宣言。62年には、米ソが核戦争の危機に直面した「キューバ危機」を招いた。

 91年のソ連崩壊で経済危機に陥り、生活苦から米国への経済亡命者が相次ぐようになったのを機に、国民の外貨所有・使用容認に踏み切った。

 1995年と2003年に来日。今年9月には日本の首相として初めてキューバを訪問した安倍晋三首相とハバナ市内で会談した。
参照元:キューバのフィデル・カストロ氏死去 「革命」の英雄…国民に動揺も
2016.11.26 14:41 産経ニュース
カリブ海の「赤い植民地」に君臨…反米にのめり込み、あまりに重い負の遺産
2016.11.26 23:43 産経ニュース

 ヒゲ面に軍服姿。「社会主義か死か」というスローガンそのままの姿で、カリブ海の革命政権を率いたキューバの前国家評議会議長フィデル・カストロが死去した。

 農園主の家庭に生まれ、弁護士となりながら、親米バティスタ政権の打倒に身を投じて頭角を現した。蜂起の失敗、投獄、メキシコ亡命という苦節を経て、チェ・ゲバラらと祖国へ再上陸し、キューバ革命は成功した。

 カストロを反米の闘士と持ち上げる声は根強い。だが、英国の歴史家リチャード・ゴットは、著書「キューバ-新たな歴史」で、「キューバはスペイン、米国、そしてソ連による植民地支配を経た世界でもまれな国」と言い切る。

 20世紀初頭のキューバ独立からバティスタ政権崩壊まで、米国は首都ハバナの政治と精糖業などの主要産業を支配した。革命政権は60年に米国資産を接収。米側は61年の国交断絶やピッグズ湾事件などの政権転覆工作、そして長期にわたる経済封鎖を打ち出し、厳しい対立を続けた。

 反米主義にのめり込むあまり、カストロはモスクワの対米戦略に祖国を差し出した。ソ連の弾道ミサイル配備に端を発したキューバ危機(62年)はその典型であり、東西冷戦下の代理戦争となったアンゴラ内戦への派兵も同様だ。

2001年9月、カストロは演説を「祖国か、さもなくば死か。われわれは勝利する」という情熱的な言葉で締めくくった。だが、その長期独裁政権はソ連への忠誠と引き換えに約束され、冷戦崩壊後は反対勢力を抑えることで走りきったにすぎない。本質はカリブ海の革命家というより「赤い植民地」の総督ではなかったか。

 大量のキューバ難民という「棄民」を生んだ国内運営の行き詰まりにも、カストロは在任中、政治の民主化を拒んだ。実弟の現国家評議会議長、ラウル・カストロへの権力移譲は血縁主義との批判を免れない。カリスマ性なき後継政権は、積み残された政治、経済の改革に取り組まざるを得ない。カストロの負の遺産はあまりにも重い。=敬称略

(元ワシントン支局長 山本秀也)
参照元:カリブ海の「赤い植民地」に君臨…反米にのめり込み、あまりに重い負の遺産
2016.11.26 23:43 産経ニュース
キューバのカストロ前議長が死去、90歳
2016.11.26 Sat posted at 16:19 JST CNN.co.jp

(CNN) キューバのラウル・カストロ国家評議会議長は26日、国営テレビを通じ、実兄でもあるフィデル・カストロ前国家評議会議長が死去したと発表した。90歳だった。

前議長は2006年に腸内出血が発覚して手術を受けた後、指導者としての職務から徐々に外れ、療養生活を送っていた。最近は表舞台に出ることがなく臆測も呼んでいた。

死去した日時や死因などは伝えられていない。

学生運動指導者などの経歴を持つ前議長は1959年のキューバ革命で国民の支持を失っていた米国寄りのバティスタ独裁政権を打倒。その後は社会主義路線をまい進し、米国とも断交した。冷戦時代の62年には関係を強化していた旧ソ連によるミサイル基地建設が原因でキューバ危機が発生。米国は海上封鎖の強硬措置に踏み切り、米ソ間で核戦争勃発(ぼっぱつ)も危惧される事態となっていた。米国は同年、キューバに対する全面禁輸を打ち出してもいた。

米大陸で初の共産主義政権を樹立した前議長は反米路線を維持し、革命の寵児(ちょうじ)とのイメージも重なって中南米諸国に大きな影響を与えたとされる。ただ、国内で進めた経済改革などは期待通りの成果を収められなかったとの指摘もある。

フィデル氏による47年間の統治下のキューバでは米国を目指す難民の脱出が相次ぎ、同氏は自国に近い米フロリダ州での犯罪発生件数を増やすため故意に獄中の受刑者の脱走を黙認しているとの見方もあった。米政府はキューバ革命などに伴い、65~73年に米国入国を望むキューバ人26万人以上を空路で輸送する作戦も遂行していた。前議長は80年に追加の12万5000人の出国を認めてもいたとされる。

米国とキューバの関係はその後も厳しい対立状態が続いたが、オバマ米大統領は2014年12月、キューバとの国交正常化交渉を電撃的に発表。昨年7月に国交を回復していた。オバマ氏は今年3月には米国大統領としては88年ぶりのキューバ訪問にも踏み切っていた。関係正常化の流れの中で米国はキューバに対する経済制裁も段階的に解除していた。

ただ、前議長は対米関係の改善が進む中でも米国への警戒感を捨てない言動を国営メディアなどを通じて示していた。 フィデル・カストロ氏はかつて、米中央情報局(CIA)や1960年代に米国などに逃れた反政府勢力による多数の暗殺未遂に触れ、全て失敗したことをちゃかしたこともある。普通の葉巻の中に爆発物が仕掛けられていたとする試みも明かしたこともある。その後、健康維持を理由に禁煙を宣言していた。

2002年には「死を恐れたことは今までにない」との心境も漏らしていた。
参照元:キューバのカストロ前議長が死去、90歳
2016.11.26 Sat posted at 16:19 JST CNN.co.jp
カストロ前議長が死去 安倍総理が哀悼の意
2016/11/27 00:16 テレ朝news

 キューバ革命を率いたフィデル・カストロ前国家評議会議長が死去しました。

 キューバ国家評議会議長、ラウル・カストロ氏:「キューバ革命の最高司令官だったフィデル・カストロ氏が死去した」

 弟のラウル・カストロ議長は、国営テレビを通じて「25日にフィデル・カストロ前議長が亡くなった」と発表しました。90歳でした。カストロ前議長は、2006年に腸からの出血で手術を受けたのをきっかけに長期療養生活に入っていました。遺体は本人の希望で火葬され、26日に葬儀の詳細を発表するということです。カストロ前議長は、1959年に当時の親米政権を武力で倒してキューバ革命を成功させ、社会主義国家の建設を進めて、半世紀にわたって最高指導者として君臨しました。この間、旧ソビエトに接近し、1962年にはミサイルの配備を巡ってアメリカと旧ソビエトが核戦争の一歩手前まで緊張が高まった「キューバ危機」が起き、アメリカからの経済制裁も招きました。2008年には、病気を理由に国家元首である国家評議会議長の職を弟のラウル・カストロ氏に譲りましたが、今年4月にキューバ共産党の党大会で演説を行うなど政治的な影響力を強く保っていました。

 また、今年9月に日本の総理大臣として初めてキューバを訪問し、カストロ前議長と会談を行った安倍総理大臣は、「キューバ革命後の卓越した指導者であるカストロ前議長の逝去の報に接し、謹んで哀悼の意を表します。9月に私がキューバを訪問し、お会いした際には、世界情勢について情熱を込めて語られる姿が印象的でした」とコメントしました。
参照元:カストロ前議長が死去 安倍総理が哀悼の意
2016/11/27 00:16 テレ朝news
米では各局が「カストロ前議長、死去」を報じる
2016/11/26 16:26 テレ朝news

 フィデル・カストロ前国家評議会議長の死去は、アメリカではどのように受け止められているのでしょうか。ワシントンから報告です。

 (山下達也記者報告)
 アメリカはこの週末は4連休で今は深夜ですが、各局が「カストロ前議長、死去」を報じています。過去には死亡説が何度もありましたが、このところなかったので、国民にとっても大きなサプライズだろうと報じられています。そして、3月にキューバを訪問したオバマ大統領はまだコメントしていません。訪問した時は、弟のラウル議長とは会談しましたが、カストロ前議長とは結局、会談しませんでした。

これは、国交は正常化したものの、キューバでの人権問題についてアメリカ国内で批判があるということにも配慮して見送った形になりました。また、次期大統領のトランプ氏もまだリアクションしていません。オバマ大統領のレガシーを何でも潰そうとしているトランプ氏ですが、実はキューバとの国交正常化については特に批判していません。例えば、トランプホテルをハバナに進出させたいのか、または、共和党の支持層の財界と同じように隣の国で人口1100万人あるというキューバを大きなビジネスチャンスと捉えているようです。人権問題は改善されていませんが、カストロ前議長の死去も節目として、トランプ政権でさらにビジネス関係が深まるということになりそうです。ただ、3月の時点でキューバ国民にトランプ氏について聞いたところ、「トランプ氏は移民を嫌っている。だから許せない」という声が大きくありました。キューバ国民はアメリカへの移住を夢のように思っている人も多いので、トランプ氏の言動には警戒感が強いという状況だと思います。
参照元:米では各局が「カストロ前議長、死去」を報じる
2016/11/26 16:26 テレ朝news
キューバのフィデル・カストロ前議長が死去 90歳
革命を主導、半世紀にわたり最高指導者
2016/11/26 16:23 日本経済新聞

【メキシコシティ=丸山修一】キューバ革命を主導し、約半世紀にわたって同国で最高指導者として社会主義の国造りを進めてきたフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日午後10時29分(日本時間26日午後0時29分)、死去した。90歳だった。弟のラウル・カストロ国家評議会議長が26日、国営テレビを通じ発表した。

フィデル氏は1926年、キューバ東部のオリエンテ州(現オルギン州)でスペイン系移民の裕福な家庭に生まれた。ハバナ大学を卒業後、一時は弁護士として活動した。議会選挙に立候補するなどした後に武装勢力を組織。アルゼンチン人の革命家、チェ・ゲバラらとゲリラ闘争を続け、1959年に当時のバティスタ政権を倒し、キューバ革命を成立させた。

 革命後は共産党の一党体制を敷いた。61年に米国と断交する一方で旧ソ連など共産主義国家との親交を深めた。62年には、キューバに旧ソ連による核ミサイル基地の建設が明らかになったことから、米国がカリブ海で海上封鎖を実施。米国と旧ソ連の緊張が高まったいわゆる「キューバ危機」も起こった。

 米国による経済封鎖が続く中、旧ソ連が崩壊すると、南米ベネズエラなど反米勢力とのつながりを強めた。公式な場でも緑色の軍服姿が多く、数時間にわたる演説も有名だった。病気を理由に2008年には弟のラウル氏に国家評議会議長を委譲したが、政治的な影響力も強く、引き続き各国の首脳の訪問に対応していた。今年9月には日本の安倍首相とも会談した。
参照元:キューバのフィデル・カストロ前議長が死去 90歳
革命を主導、半世紀にわたり最高指導者
2016/11/26 16:23 日本経済新聞
オバマ大統領演説「甘言」 カストロ前議長が批判
2016/3/29 10:30 日本経済新聞

 【サンパウロ=宮本英威】キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長は27日付で共産党機関紙グランマ(電子版)に寄稿し、オバマ米大統領がハバナで実施した演説について「甘言だ」と批判した。米大統領として88年ぶりにキューバを訪問したオバマ氏について、カストロ前議長の反応が明らかになるのは初めて。

 寄稿文の題は「兄弟オバマ」。オバマ氏が演説で「過去を忘れ、ともに未来を見よう」と述べたことについて、カストロ氏は「我々みんなが心臓発作になるリスクがあった」と皮肉った。

 カストロ氏は、米国が半世紀以上にわたり経済封鎖を続けている点を改めて批判。米国が支援した1961年の反体制派による武力侵攻については「決して正当化させない」と指摘した。

 教育や医療の無償化といったキューバ革命の成果を強調して「この国が栄光と権利を放棄するという幻想を描くべきではない」とも言及した。「我々は食料も物資も必要なものは自ら生産できる。帝国(米国)からの施しは何も必要としていない」とも指摘した。
参照元:オバマ大統領演説「甘言」 カストロ前議長が批判
2016/3/29 10:30 日本経済新聞

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