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バイデンの健康問題 - 2022年9月の危機に向けてカウントダウン-

2022 5/04

 
ウクライナに侵攻したプーチンに対して、「プーチンは侵略者だ、戦争犯罪人だ」と激を飛ばすバイデン大統領だが、バイデンは、80歳で、米史上最高齢の大統領である。


歴代の大統領の中では最も健康問題が懸念される大統領である。


その為、検索すれば、バイデンの健康問題を報じるニュースが沢山見られる。







私が前回、ブログで論じたようにバイデンは、プーチンや国際政治学者の三浦瑠麗と同じように8、11室支配の機能的凶星で、マラカの水星が12室に在住して、1、6室支配の火星とコンジャンクトしている。


三浦瑠麗と全く同じ配置をしている。





12室は海外を表わす為、色々海外で厄介事を抱える配置である。


筑波大学名誉教授、理学博士で、中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏の記事『バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛』(文末の参考文献参照)によれば、



バイデンは副大統領の期間(2009年1月20日~2017年1月20日)に、6回もウクライナを訪問し、ウクライナ憲法に「NATO加盟」を努力目標に入れさせたようである。



ウクライナのNATO加盟をたきつけたのは、バイデンが張本人であり、また訪問時に息子のハンター・バイデンを伴って、ウクライナ最大手の天然ガス会社ブリスマ・ホールディングスの取締役に就任させた。



ブリスマ・ホールディングスが、脱税など多くの不正疑惑でウクライナの検察の捜査対象になると、バイデンは、息子のハンター・バイデンのスキャンダルを揉み消す為にポロシェンコ大統領に検事総長の解任を要求したということである。


英紙のデイリー・メールによれば、ハンター・バイデンが米国防総省の請負会社であるメタバイオッタ社に資金提供し、同社のウクライナでの生物兵器開発に関わったということが暴露されている。



英紙が、バイデン氏息子によるウクライナ生物研究所協力の証拠を公表
3月 27, 2022 20:41 Asia/Tokyo ParsToday

バイデン米大統領の息子であるハンター・バイデン氏が、致命的に危険な病原体の研究をウクライナで進める米国の請負業者に対する金融支援をサポートしていました。

英紙デイリー・メールは、入手したハンター・バイデン氏のノートパソコンに保存されている電子メールに基づき、米国防総省の請負会社であるメタバイオッタ社がハンター氏による協力を受け、数百万ドルの資金を確保したと報じました。メタバイオッタ社はパンデミックを引き起こし、さらには生物兵器として使用可能な病原体の研究に特化した企業とされています。

デイリー・メールは証拠の写真も掲載しながら、検証した電子メール、及び国防総省の契約書が、ロシアとの国境からわずか数百マイルの距離で病原体の研究を実施する上で必要な支援をメタバイオッタ社に提供する上でハンター氏が重要な役割を担ったことを示しているとしました。

メタバイオッタ社は、ウクライナで米国防総省の請負業者であるブラック&ヴィーチ社(B&V)と取引をしており、このB&V社は諜報組織との深い関係が指摘されています。まさにこのB&V社がウクライナで致命的に危険な病原体や生物兵器の分析を進める研究所の建設に関わったということです。

さらにハンター氏、そして投資ファンドRSTPの同僚は、メタバイオッタ社を含むテクノロジー企業に資金援助を提供し、メタバイオッタ社はRSTPから50万ドルを受け取ったということです。ハンター氏が投資家らに送ったメールには、メタバイオッタ社を資金援助していることに加え、政府機関を含む新たな顧客をメタバイオッタ社用に集めていることが記されていました。

米政府の支出報告書によると、国防総省は2014年2月から2016年11月にかけて総額1840万ドルの契約をメタバイオッタ社と交わしており、そのうち30万ドル以上がウクライナの研究プロジェクトに充てられていたことになります。

ロシア国防省のイーゴリ・キリロフ中将(放射能・化学・生物防衛部隊長官)も今月24日、ハンター・バイデン氏の投資ファンドがウクライナで米国防総省が進めていた軍事生物プログラムの資金援助に参加していたと明らかにしています。ロシア連邦検察委員会のアレクサンドル・バスティルキン議長は、ウクライナにおける生物兵器開発を支える資金源を調査するよう指示しており、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は、ハンター・バイデン氏がウクライナの生物研究所に関与していたことを受け、米国側に説明を要求するとしていました。



プーチンは、ウクライナでのアメリカの生物兵器開発を非難しており、このことも軍事侵攻の理由の一つとして挙げられている。


バイデンの12室とは、こうしたウクライナ絡みのスキャンダルや、プーチンとの因縁などを表わしている。



おそらくバイデンが、アフガニスタンからの撤退を決めて、それでタリバンに政権を奪取されるといった失政もバイデンのこの悩ましい12室の為である。


バイデンは、プーチンとの会談で、アメリカはウクライナに軍を派遣しないと明言し、それがプーチンのウクライナ侵攻の決断につながったと言われている。


然し、バイデンは、ウクライナにNATO加盟をたきつけ、息子によるウクライナでの生物兵器開発など、米国防総省(ネオコン)の対ロシア封じ込め戦略に深く関わり、ロシアを挑発したにも関わらず、ロシアがウクライナに軍事侵攻すると、アメリカは兵を派遣しないという方針を打ち出した。


遠藤誉氏が言うようにバイデンのアメリカは、ウクライナをたきつけておいて、途中で梯子(ハシゴ)を外した形である。



バイデンの12室は、そのようなウクライナを巡る汚職や政治的駆け引きを物語っている。






プーチンとバイデンがウクライナを巡って戦争するのは、運命であったと言わざるを得ない。



バイデンは、この次男ハンター・バイデンのスキャンダルだけでなく、2015年5月にも長男のボー・バイデンを脳腫瘍で亡くして、息子たちのことで、苦しんでいる。


これは前世の功徳のハウスである5室の傷を表しており、前世の不徳が表れた結果であると推測される。



バイデンの5室支配の木星は9室で高揚していて、一見、良さそうに思われるが、3、4室支配の土星からのアスペクトを受けて、傷ついている。



また月から見た5室にはラーフが在住し、5室支配の太陽が8室に在住して、土星からのアスペクトを受けている。



子供の表示体の木星から見た5室支配の火星は4室に在住し、3、12室支配の水星とコンジャンクトし、4、11室支配の金星と星座交換した上で、7、8室支配の土星からのアスペクトを受けている。


つまり、木星から見た5室の支配星が3室や12室の支配星と絡み、11室の支配星と星座交換して、8室支配の土星からのアスペクトを受けている。



5室の支配星にトリシャダヤ(欲望)やドゥシュタナ(不幸)が絡んでおり、欲望により、苦しみながらカルマを積み増す配置である。



非常に子供絡みの悩ましい配置をしていると言える。



実際、長男のボー・バイデンを脳腫瘍で亡くした2015年5月は、木星/金星/月⇒火星期で、アンタルダシャーの金星とプラティアンタルダシャーの火星が木星から見た4室と5室で星座交換しており、4室は5室から見た12室目(損失)である為、5室の支配星が4室に在住する配置、及び、4-5の星座交換は、子供を損失する絡みである。


また5室の支配星は3、12室支配の水星とコンジャンクトし、11室支配の金星と星座交換して、木星から見て、7、8室支配の逆行の土星からのアスペクトを受けている。


7、8室支配の土星は、木星から見た5室にも5室の支配星にもアスペクトして5室を傷つけている。



この時は、ダシャーロードも木星であり、ダシャーロードと子供の表示体である木星から見た5室や5室の支配星が傷ついていた為にそうした5室と絡む惑星のマハダシャー、アンタルダシャー、プラティアンタルダシャーの時期に子供に関する悲劇が起こったということである。




また次男のハンター・バイデンにウクライナ企業などから得た報酬についての脱税疑惑が持ち上がったのは、ちょうどバイデンが2020年のアメリカ大統領選挙で、様々な不正投票疑惑が取り沙汰された後に当選を決めた2020年末頃である。




この時、ダシャーは木星/ラーフ期であるが、アンタルダシャーのラーフは月から見ると5室(子供)に在住しており、ディスポジターの太陽は8室に在住して、土星からアスペクトされて傷ついている。


子供のスキャンダルで苦しむ時期であることが分かる。









このように5室の傷は、バイデンに子供のことでの苦しみ(前世の不徳)を与えるが、同時に5室の傷つきは、自身のアルツハイマーや認知症など思考の混乱をもたらすことになる。



例えば、それはバイデンが脳の外科手術を行なったことにも表れている。



脳はマインド(5室)の機能を与える重要な器官であるが、ここにメスを入れなければならなくなったということである。




1988年2月にバイデンは首の痛みに悩まされ、救急車でウォルター・リード陸軍病院に搬送された。脳動脈瘤が破裂したのが原因であり、脳の手術を受けた。回復中、肺塞栓症を患い、重篤な合併症に苦しんだ。同年5月には2度目の脳動脈瘤の手術を受け、入院から7ヶ月で上院に復帰した。

(wikipedia ジョー・バイデンより引用抜粋)


これが起こったのが、火星/太陽⇒月期である。



マハダシャーの火星は頭を表わすラグナの支配星で、12室で、8、11室支配のマラカで、機能的凶星の水星とコンジャンクトし、同じくマラカ扱いとなる3、4室支配の土星からのアスペクトを受け、7、12室支配のマラカの7室支配の金星と1-12室で星座交換している。



この時期に脳の致命的な疾患に陥ったのは、アンタルダシャーの太陽が月から見た5室の支配星で、8室に在住し、土星からのアスペクトを受けているからである。



またこの太陽は、金星と火星の星座交換に含まれている為、火星からあたかもコンジャンクトしているかのような影響を受けている。



火星/太陽期に脳(5室:マインド)の致命的疾患で、生死を彷徨ったのは、この配置の為である。



但し、この太陽には、5室支配の強い木星がアスペクトしている為か、バイデンは一命を取り留めた。



これは高揚する強い木星の保護によるものだと分かる。



(この高揚する木星がバイデンの健康を守っているという観点が極めて重要である)



このように5室が激しく傷ついている人物は、前世からの不徳が想定され、子供の不祥事などで苦しみ、また自身の認知症やマインドの疾患などで、正常な判断が出来ないといった問題で苦しむことを表している。



バイデンは、その為、度々、失言を繰り返したりすることで有名である。



元々マインドに混乱があるからであり、直近の出来事を見てもアフガニスタンからの撤退や、ウクライナへの侵攻を計画するプーチンに対して米国は米軍を派遣しないといった誤ったメッセージを送ったこともそうであるが、判断の誤りが目立つ。



意図的にそのような発言をして、プーチンを罠にはめたという考え方もあるが、いずれにしてもマインドが破綻していることを意味している。




因みにドナルド・レーガン元米大統領も射手座ラグナで5室に8室支配の月、ラーフ、土星が在住して5室が激しく傷ついており、晩年にアルツハイマー病で苦しんでいる。







レーガンは、1980年代にレーガノミクスと呼ばれる経済政策を行ない、イギリスのサッチャー英首相のサッチャリズムと並んで、帝国主義的な新自由主義経済への道を開いた人物である。




因みにネオコンの総帥、ディック・チェイニーのチャートを見ても5室の支配星や5室の表示体である太陽が激しく傷ついている。







5室には心臓という象意があり、ディック・チェイニーの場合、心臓疾患を抱え、心臓移植なども受けているが、心臓疾患も5室や太陽の傷つきとして現れる。



やはり、前世での不徳が想定される結果である。



ディック・チェイニーは、ブッシュ政権で、石油企業ハリバートン社を率いて、イラク戦争を始めた人物である。





バイデンの健康問題のカウントダウンが始まった


それでは、バイデンの健康問題という本題に入るが、バイデンは、まもなく16年間の木星期が終わり、2022年9月21日からマハダシャー土星期に移行する。







上述したように木星期は、ラグナから2、5室支配、月から9、12室支配の生来的、機能的吉星の木星が9室で高揚しており、その木星が身体を表わすラグナにアスペクトし、更に木星は逆行している為、ラグナロードの火星にもアスペクトしている。



この木星はバイデンの身体の健康を守り、脳の外科手術の時もその手術を成功させ、致命的な疾患からバイデンを救ったまさにその木星である。



まもなく、この木星期が終わってしまい、土星期が始まってしまう。



これはバイデンに明らかに健康問題が噴き出すことを意味している。



土星はラグナにアスペクトし、逆行してラグナロードにアスペクトし、また身体(1室)の表示体である太陽にもアスペクトしている。



また土星は4室(5室を損失する)の支配星で、5室支配の木星にアスペクトし、また月から5室支配の太陽にもアスペクトして、激しく5室を傷つけている。



従って、バイデンは、マハダシャー土星期に加齢に伴う体力の低下がより顕在化すると共に認知症の問題が噴き出してくると考えられる。



そして、2022年4月に入っても次男のハンター・バイデンのウクライナ企業などから得た報酬をめぐる検察当局の捜査が活発化している様子であるが、おそらく、2022年9月21日以降、こうした息子のスキャンダルに対する追及も厳しさを増してゆき、バイデンの大統領執務の足を引っ張ることになっていく。



出生図では、土星は10室支配の太陽にアスペクトしているが、土星は生来的な8室の表示体であり、政治キャリアの中断をもたらす配置である。



またナヴァムシャでも土星は、9室に在住しているが、9室は10室を損失するハウスであり、ダシャムシャでも9室に在住している。



9室は良い配置であるが、ことキャリアという文脈で考えた場合は、10室を損失するハウスであり、地位(10室)を損失する配置と言うことができる。



土星は、牡牛座でローヒニーに在住しているが、支配星は月で、その月は、8室支配の水星や、月から見た8室支配の火星と絡んでいる。



従って、バイデンは任期の半ばにして、突然、辞任を考える可能性も考えられる。





バイデンの分割図



健康問題を見る場合に見るべき分割図としては、ドレッカーナ(D3)やシャシタムシャ(D6)も使えると言われている。







ドレッカーナ(D3)を見ると、土星は、11、12室支配のマラカで、マラカの7室に在住し、火星からのアスペクトを受けており、また月から見ても6室に在住しており、吉星である木星や金星、水星などと全く絡んでいない。







因みにサプタムシャ(D7)を見ると、土星は7、8室支配のマラカで、8室に在住し、火星とコンジャンクトしており、明らかに激しく傷ついている。



これは息子が土星期に行き詰まりに陥り苦しむことを表しており、バイデンも息子との関係において苦しむことを表している。







またシャシタムシャ(D6)を見ても土星は、射手座ラグナにとってのマラカの2、3室の支配星で、マラカの2室に在住し、12室支配で8室で減衰する火星と相互アスペクトしている。



これも明らかに健康に良くない配置を示している。







シャシティアムシャ(D60)を見ても土星は、ラグナ、月から見て、7、8室支配のマラカで、8室に在住し、2室支配で2室に在住する太陽(身体の表示体)にアスペクトして傷つけている。







アクシャヴェーダムシャ(D45)を見ると、土星は、3、4室支配でマラカに相当し、ラグナロードとコンジャンクトし、ラグナにアスペクトして、ラグナを傷つけている。







最後にナディアムシャ(D150)を見ると、土星は射手座ラグナにとっての2、3室支配のマラカで、11室からラグナにアスペクトし、6、11室支配のマラカで、マラカの2室に在住する金星と星座交換している。



射手座ラグナにとっては、土星も金星もマラカであり、ナディアムシャ(D150)は、出生時間が48秒で、ラグナが移動してしまう為、使えるかどうか分からないが、もし射手座ラグナであれば、このマラカ同士の星座交換は健康にとって、重大な問題をもたらす配置である。





このように様々な分割図を見ても、どれ一つとして、バイデン大統領の健康に良さそうな配置は見られない。




従って、バイデンには明らかに健康問題が噴き出してくる。




その時、ロシアと戦うアメリカはどうなるかである。




バイデン父子の不祥事と、プーチンのウクライナ侵攻、またその頃は、土星が山羊座に逆行して、土星の山羊座における最後の仕事を為すタイミングである。




つまり、山羊座で土星がもたらしたドラマの最後のクライマックスが訪れる。





(参考資料)

バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛
2022/2/25 11:22 遠藤誉 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

2月24日午後1時、CCTVの画面に大きく映し出されたウクライナ大統領が悲痛な声で叫んでいた。バイデンは昨年12月7日のプーチンとの会談後「戦争になっても米軍は派遣しない」と言っていたと解説委員が強調した。

 ハッとした!

 これだ――!

 これだった。私はこの事実を十分に認識していなかったために、プーチンの軍事侵攻の分析を誤ったのだ。猛烈な悔恨に襲われた。加えて2月24日の夜になると、NATOも部隊派遣をしないと決定した。これではウクライナがあまりに哀れではないか。

 言うまでもなく、プーチンの軍事侵攻は絶対に許されるものではない。

 それを大前提とした上で、ウクライナで何が起きていたのか、原点に立ち戻って確認しなければならない。私にはその責任がある。

◆ウクライナのゼレンスキー大統領の悲痛な叫び

 2月24日午後1時、中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTVのお昼の国際ニュースを観ていた時だった。

 画面いっぱいに大写しになったウクライナのゼレンスキー大統領が「ウクライナは如何なる安全保障聯盟(軍事同盟)にも入ってないのです。

だからウクライナ人の命の代償を以て自分たちを守るしかないのです・・・」と叫んでいた。

 ほとんど泣きそうな表情だった。

 続けてキャスターが「アメリカはあれだけゼレンスキー大統領を焚きつけて国際世論を煽りながら、その責任は取らないのです」と説明しながら、サキ報道官の姿を大きく映し出した。

字幕には、

ホワイトハウス:アメリカは如何なる状況になろうとも決してウクライナに派兵しない

と書いてある。サキ報道官の英語も流れていた。

 頭を殴られたような衝撃に打ちのめされた。

 ああ、これだ!

 分析のジグゾーパズルの中に、このひと欠片(かけら)が抜け落ちていたのだ。

 だとすればプーチンがこのチャンスを逃すはずがないだろう。バイデンはプーチンに「さあ、どうぞ!自由に軍事侵攻してください」というサインを与えていたのと同じで、プーチンがウクライナに軍事侵攻しないはずがない。

 そう言えば、たしかに日本のメディアでも<ウクライナ国境付近でロシア軍が兵力を増強して緊張が高まっている問題で、米国のバイデン大統領は8日、米軍をウクライナ国内に派遣してロシアの軍事侵攻を阻むことについて、「検討していない」と否定的な考えを示した>と報道していた。

 しかしそこには<「それは他のNATO加盟国の行動次第だ」と述べ、状況によっては米軍が介入する余地を残した>とも書いてあった。だからまさか本気で派兵しないなどという選択をするはずがないと思ってしまったのだ。

◆アフガン米軍撤退後のバイデンの行動

 昨年8月31日にバイデンはアフガニスタンからの米軍の撤退を終え、そのあまりに非人道的な撤退の仕方に全世界から囂々(ごうごう)たる批難を浴びた。アメリカに協力していたNATO諸国はバイデンのやり方に失望し、心はアメリカから離れていった。

 「アメリカ・ファースト」のトランプから大統領のポストを奪うことに成功したバイデンは、「アメリカは戻ってきた」と国際社会に宣言していたが、その信頼は失墜し、支持率もいきなり暴落した。

 そこで思いついたのは、バイデンが長年にわたって培ってきたで地盤あるウクライナだったのだろう。バイデンはいきなり軸足をウクライナに移し、9月20日にはNATOを中心とした15ヵ国6000人の多国籍軍によるウクライナとの軍事演習を展開した。このウクライナとの演習は1996年から始まっているが、開始以来、最大規模の演習だったと報道されている。

 10月23日になると、バイデンはウクライナに180基の対戦車ミサイルシステム(シャベリン)を配備した。

 このミサイルはオバマ政権のときに副大統領だったバイデンが、ロシアのクリミア併合を受けてウクライナに提供しようと提案したものだ。しかしオバマはそれを一言の下に却下した。「そのようなことをしたらプーチンを刺激して、プーチンがさらに攻撃的になる」というのが却下した理由だった。

 このミサイルをウクライナに提供したらプーチンが攻撃的になる――!

 オバマのこの言葉は、きっとバイデンに良いヒントを与えてくれたにちがいない。

 案の定、バイデンがウクライナに対戦車ミサイルを配備したのを知ると、プーチンは直ちに「NATOはデッドラインを超えるな!」と反応し、10月末から11月初旬にかけて、ウクライナとの国境周辺に10万人ほどのロシア軍を集めてウクライナを囲む陣地配置に動いた(ウクライナのゼレンスキー大統領の発表)。

 アメリカ同様、通常の軍事訓練だというのがプーチンの言い分だった。

 こうした上で、バイデンは何としてもプーチンとの首脳会談を開きたいと申し出て、2021年12月7日の会談直後に「ウクライナで戦いが起きても、米軍派遣は行わない」と世界に向けて発表したのである。

◆ウクライナ憲法に「NATO加盟」を努力目標に入れさせたのはバイデン

 バイデンは副大統領の期間(2009年1月20日~2017年1月20日)に、6回もウクライナを訪問している。

 訪問するたびに息子のハンター・バイデンを伴い、ハンター・バイデンは2014年4月にウクライナ最大手の天然ガス会社ブリスマ・ホールディングスの取締役に就任した。この詳細は多くのウェブサイトに書いてあるが、最も参考になるのは拓殖大学海外事情研究所の名越健郎教授がまとめた<「次男は月収500万円」バイデン父子がウクライナから破格報酬を引き出せたワケ安倍政権の対ロシア外交を妨害も>だ。これは実によくまとめてあるので、是非とも一読をお勧めしたい。

 しかし、これらの情報のどこにも書いてないのが、バイデンが副大統領として活躍している間に、意のままに動かせたポロシェンコ大統領(2014年6月7日~2019年5月20日)を操って、ウクライナ憲法に「NATO加盟」を努力義務とすることを入れさせたことだ。

 私はむしろ、この事実に注目したい。その経緯の概略を示すと以下のようになる。

 ●2017年6月8日、「NATO加盟を優先事項にする」という法律を制定させた。

 ●2018年9月20日、「NATOとEU加盟をウクライナ首相の努力目標とする」旨の憲法改正法案を憲法裁判所に提出した。

 ●2018年11月22日に憲法裁判所から改正法案に関する許可が出て。

 ●2019年2月7日に、ウクライナ憲法116条に「NATOとEUに加盟する努力目標を実施する義務がウクライナ首相にある」という趣旨の条文が追加された。

 (後半の3項目に関してはこちらを参照。)

 プーチンのウクライナに関する警戒は、こうして強まっていったのである。

◆ハンター・バイデンのスキャンダルを訴追する検事総長を解任させた  なぜ、この憲法改正にバイデンが関係しているかを証拠づける、恐るべきスキャンダルがウクライナで進行していた。

 バイデン副大統領の息子ハンター・バイデンが取締役を務めるブリスマ・ホールディングスは脱税など多くの不正疑惑を抱いたウクライナの検察当局の捜査対象となっていた。

 しかし2015年、バイデンはポロシェンコに対して、同社を捜査していたショーキン検事総長の解任を要求。バイデンはポロシェンコに「解任しないなら、ウクライナへの10億ドルの融資を撤回するぞ!」と迫って脅迫し、検事総長解任に成功した。その結果融資は実行された。

 このことは検事総長が、解任されたあとにメディアに告発したと名越教授は書いている。

 ウクライナの検事総長を解任する犯罪的行為を操れる力まで持っていたバイデンは、ウクライナに憲法改正を迫ることなど、余裕でできたものと判断される。

 今般、ウクライナを焚きつけて騒動を起こさせた理由の一つに「息子ハンター・バイデンのスキャンダルを揉み消す狙いがあった」という情報を複数の筋から得ている。トランプ元大統領は、ゼレンスキーに「バイデンが、息子のスキャンダルを揉み消すために不正を働いた証拠をつかんでほしいと」と依頼したことがあった。アメリカで中間選挙や大統領選挙になった時に、必ずトランプがバイデンの息子のスキャンダルを再び突っつき始めるので、それを掻き消すためにウクライナで成功を収めておかなければならないという逼迫した事情がバイデンにはあったというのが、その情報発信者たちの根拠である。その時が来ればトランプがきっと暴き出すにちがいないと待っているようだ。

 この情報は早くから入手していたが、証拠がないだろうという批判を受ける可能性があり、日本がバイデンの表面の顔に完全に支配されてしまっている状況では、とても日本人読者に受け入れてもらえないだろうと懸念し、こんにちまで書かずに控えてきた。

 しかしウクライナをここまで利用して翻弄させ、結果捨ててしまったバイデンの「非人道的な」なやり方に憤りを禁じ得ず、ここに内幕を書いた次第だ。

◆NATOもウクライナに応援部隊を派遣しない

 筆者に、思い切って正直に書こうと決意させた動機の一つには、2月24日夜21:22に共同通信社が「部隊派遣しないとNATO事務総長」というニュースを配信したこともある。

 それによれば「NATOのストルテンベルグ事務総長は24日の記者会見で、東欧での部隊増強の方針を示す一方、ウクライナには部隊を派遣しないと述べた」とのこと。

バイデンは2021年12月8日の記者会見で「他のNATO加盟国の行動次第だ」と言っていた。

 NATO事務総長の発表は、バイデンに「NATOが派遣しないと決めたのだから、仕方がない」という弁明を与え、米軍がウクライナへ派兵しないというのは、これで決定的となっただろう。

 あまりに残酷ではないか――!

 ウクライナをここまで焚きつけて血を流させ、自分は一滴の血も流さずにアメリカの液化天然ガス(LNG)の欧州への輸出を爆発的に加速させることには成功した。

 おまけにアフガン撤退によって離れていったNATOの「結束」を取り戻すことにもバイデンは今のところ成功している。

 この事実を直視しないで、日本はこのまま「バイデンの外交工作に染まったまま」突進していいのだろうか。

 このような「核を持たない国を焚きつけて利用し、使い捨てる」というアメリカのやり方から、日本は何も学ばなくていいのだろうか。

 物心ついたときにソ連兵の家屋侵入に怯えマンドリンの矛先に震えた経験を持つ筆者は、プーチンのやり方を見て、アメリカの日本への原爆投下に慌てて第二次世界大戦に参戦し素早く長春になだれ込んできたソ連兵を思い起こした。

     ソ連はいつも、こういう卑劣な急襲を行う。そして日本の北方四島を掠め取っていった。その伝統はロシアになっても変わっていない。

 一方では「核を持つ国アメリカ」のやり方は、日本の尖閣諸島防衛に関しても、ウクライナを利用し捨てたのと同じことをするのではないかと反射的に警戒心を抱いた。なぜならバイデンはウクライナに米軍を派遣しない理由を「核を持っているから」と弁明したが、それなら「中国も核を持っている」ではないか。

 「米露」が核を持っている国同士であるなら、「米中」も核を持っている国同士だ。だから万一中国が尖閣諸島を武力攻撃しても、「米軍は参戦しない」という論理になる。

 自国を守る軍事力を持たないことの悲劇、核を捨てたウクライナの屈辱と悲痛な悲鳴は、日本でも起こり得るシミュレーションとして覚悟しておかなければならないだろう。

 そのことを日本の皆さんに理解して頂きたいという切なる思いから、自戒の念とともに綴った次第だ。真意をご理解くださることを切に祈りたい。

追記:ニクソンは大統領再選のために米中国交樹立を謳い(1971.04.16)キッシンジャーに忍者外交をさせて(1971.07.09)、中華人民共和国(中国)を国連に加盟させ中華民国(台湾)を国連から追い出した(1971.10.25)。それがこんにちの「言論弾圧を許す」中国の巨大化を生んだ。大統領再選のためならアメリカは何でもする。そのアメリカに追随する日本は、天安門事件で対中経済封鎖を解除させることに奔走し、モンスター中国を生んだ。その中国がいま日本に軍事的脅威を与えている。この大きな構図を見逃さないでほしい。結果は後になってわかる。

遠藤誉

中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略 世界はどう変わるのか』(4月16日出版、PHP)、『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史  習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
参照元:バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛
2022/2/25 11:22 遠藤誉 中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
公表されたバイデン氏の健康診断 懸念払しょくに躍起
斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)
2021年12月10日 WEDGE INFINITY

次期大統領選出馬との関連で、79歳の誕生日を迎えたばかりのバイデン大統領の健康問題に異常なほどの関心が集まっている。その折も折、ホワイトハウスは先月19日、ワシントン近郊の陸軍病院における大腸内視鏡検査を含む徹底的なヘルスチェックの結果、「本人はすこぶる健康、職務遂行に問題なし」と結論付ける極めて念入りな主治医診断書を公表したのだが……。

全文8ページにおよぶ詳細な診断書

 「バイデン大統領の現行健康診断書President Biden’s current health summery」は、ケビン・オコーナー主治医(ジョージワシントン大学医学部准教授)によって作成され、全文8ページからなっている。米政治史上最高齢となった大統領であり、最近の支持率低迷と合わせ、3年後の大統領選出馬決断の重要要因にもなり得るとして、米マスコミは一斉にその内容を大きく報じた。

 一般市民ならけっして表に出されることのない健康診断書は「要約」とはいえ、以下のようにきわめて詳細にわたるものだ。

1.非弁膜症性心房細動関係=「心臓病関係の診断および問診実施。慢性的心房細動あるも、心室拍動数は正常範囲にとどまっており、無症候性。STおよびT波の異常認められず。心エコー図も正常な心筋収縮率を確認。左心房駆出率は55~60%だった。当患者はこれまで、駆出率またはリズム調整のための投薬または電気的治療を必要としてこなかった。(服用中の)血液抗凝固薬アピキサバンについても特に問題なく、安定状態維持」

2.高脂血症関係=「大統領は、脂質異常症治療薬ロスバスタチン投薬により、脂質レベルはとくに低く抑えられている。最近値はHDL(善玉コレステロール)39、LDL(悪玉コレステロール)46であり、CRP(C-反応性タンパク)およびホモシステイン(必須アミノ酸関連の中間生成物)レベルも共に正常」

3.胃食道逆流症関係=「大統領は時として、胃酸の食道への逆流によって起こる食道粘膜の炎症、胸のつかえなどを経験することがあり、そのためにより頻繁に咳払いを余儀なくされることになる。さらには、その関連から咳や鼻づまりを招くことも珍しくなく、これらの症状はとくに食事の直後に多い。症状は特に最近になって頻度が増し、より目立つようになってきたため、私は主治医として、耳鼻咽喉科および胃腸病学専門医の診断も仰いだ。鼻咽喉担当医が鼻から入れたビデオスコープ鼻喉頭鏡で検査した結果、腫瘍、ポリープなどは認められなかった。声帯にも異常見られず。しかし、胃酸逆流との関連で気管、食道、咽頭上皮に異変を確認。肺、酸素飽和度、胸部画像いずれも極めて正常。さらに19種の呼吸器系病原についてのPCR検査も実施したが、大統領はそのいずれについても結果は陰性だった。なお、咳払い、咳を引き起こす逆流症状に関しては、胃酸分泌を抑制するファモチジンを現在、服用中であり、それ以上の処置は特に必要なし」

4.季節性アレルギー症関係=「耳鼻咽喉担当医による検査および問診実施。当患者は永年にわたり、季節性アレルギー、鼻づまりなどの症状に対処してきた。そのうちのいくつかについては、何回かにわたる鼻中隔矯正手術などにより改善してきたが、今日も鼻づまりスプレー『fulticasone/azelastine』および市販のフェクソフェナジン錠剤を必要に応じ使用」

5.棒足歩行症状(stiff knee gait=SKG)の進行=「整形外科(脊椎、足、ひざ)、神経内科、放射線治療、理学療法各面での診断および評価実施。大統領の棒足歩行症状については以前より歩行遊脚期の膝関節屈曲が硬化傾向にあり、柔軟度減退が見られる。当患者はとくに早朝の上記症状を認めるものの、日中には改善に向かうとしている。過去には何回か膝関節の痛み、スポーツ起因損傷を経験してきており、そのつど理学療法による治療、フィットネス体操などで対処してきた。約1年前、右足かかととつま先の間の断裂を経験したことがあり、それも異常歩行に関係していると考えられる。ただ、さまざまな要因も排除できないため、私は脊椎、足、膝、放射線科、理学療法、運動障害神経内科各分野のスペシャリストから成るチームを結成、大統領の症状をより慎重に診断、評価した。その結果、棒状歩行症の主たる要因は、脊椎の経年劣化によるものとの結論に至った。中度から重度の脊椎症が各レベルで知見できるが、特別の治療を要する神経根圧迫には至っていない。さらに克明なる神経内科診断の結果として、多発性硬化症、パーキンソン症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)は認められず。ただ、両足に末梢神経障害の兆候あり。いかなる運動麻痺も認められないが、冷熱感覚の微妙な差異およびつま先を上げ下げする時の固有受容感覚の高揚を来すことがある。結論として、顕著な脊椎関節炎、足指間断裂後遺症、および両足末梢神経障害が棒足歩行症状の微妙な進行の主要因と説明できる」

6.両足部の軽度末梢感覚神経障害についての新たな知見=「末梢神経障害の最も共通する要因としては糖尿病が挙げられるが、大統領の場合、ヘモグロビンA1Cなどの数値は正常であり、糖尿病の心配なし。他の病因としてアルコール依存症、ビタミンB12欠乏、甲状腺疾患があるが、大統領はアルコールを飲用せず、ビタミンB12、葉酸数値、甲状腺機能すべてが正常」

7.大腸検査関係=「当患者は何年も前に軽度の憩室炎にかかったことがあり、2008年に受けた大腸内視鏡検査では、良性管状腺腫を検出するも、その後の再発認められず。今回の検査で、3ミリ程度の良性ポリープの存在を認めたが、内視鏡で問題なく切除。同切除措置終了までの1時間25分の間、憲法修正第25条の規定により、大統領権限がハリス副大統領に一時的に移譲された」

8.皮膚がん検査関係=当患者は、若いころから肌を日光にさらす野外活動に時間を費やすことが多かったことが原因で、過去に何カ所かに皮膚悪性腫瘍が見つかったが、大統領就任に先立ち、モーズ手術によりすべて切除された。術後、数カ所に見られた細小上皮質変容部分については、液体窒素冷却療法により処置した。現時点で、皮膚がんの兆候どこにも認めず」

9.視力・視覚検査=「検査の結果、緑内障、網膜症、黄斑変性症の兆候はどこにも見られず、全体として良好」

【社会史Social History』=「大統領は日常生活上、喫煙、アルコールを絶っており、毎週最低5日はジムでのエクササイズ」

【身体測定・検診】=「身長:5フィート11.65インチ、体重:184ポンド、体温:98.6F、動脈血酸素飽和度:98%」「頭部、耳、目、咽喉ともに正常。リンパ腺肥大なし。両肺は透明。心拍ノーマルだが、時として不規則的リズムあり。異常心音なし。腹部は柔軟で膨隆見られず。肝臓、脾臓ともにノーマル・サイズ。外鼠径ヘルニアなし。両腕、両足いずれも正常動作。運動・反転能力すべて正常。脳神経、平衡機能ともに正常。(パーキンソン病の)動作緩徐および無動見られず。数か所に大きめのほくろおよび光線性変質あり」

【上記以外の生化学検査関係】=「包括的生化学検査(CMP)については、電解質、クレアチニン、血中尿素窒素、タンパク質、糸球体濾過率、肝酵素含めすべて正常。尿検査では糖、タンパク、血液含まれず正常。全血算(CBC)も正常。ビタミンDレベル正常」

【まとめ】=「上記の診断結果を踏まえ、バイデン大統領は大統領職、国家元首、軍最高司令官のすべての職務を十分果たすだけの健康を維持している」

診断結果による言論も活発に

 ワシントン・ポスト紙は、このような詳細にわたる検診結果の公表を踏まえ、翌20日付けで早速、「バイデン大統領および側近らは同志たちに2024年大統領選出馬意向を表明」との見出しの独自記事を掲載、①ホワイトハウスは、共和党による政権奪回への高まる懸念払しょくのため、ここ数日、再出馬方針に言及し始めた。②このようなメッセージは、バイデン氏が高齢と支持率低下などにより再出馬を断念するのではないかとのうわさを鎮めるとともに、ハリス副大統領や他の有力候補者たちの動きを凍結することを意図したものだ。③それにもかかわらず、民主党戦略家、高官らの多くは『本人がもし、健康面、意欲面でも職務を果たせないと判断した場合、出馬しないだろう』とみている。④中には、大統領の真意いかんに関わらず、取り巻きたちが政権の地歩低下を避けるためにあえて『再出馬』のサインを発信し始めているとの懐疑的見方もある――などと報じた。

 同記事はその日のうちに、主要テレビ、各ネットメディアで一斉に転電され、次期大統領選への国民の関心の大きさを示した。

 また、サキ大統領報道官は翌日の定例会見で、同紙報道を好機とみて記者団とのやりとりに率先して応じ「大統領は次期選挙への出馬の意向である」と明確に述べるとともに、実際に当局者たちが出馬問題についての懸念払しょくに乗り出していることも確認した。

 こうしたことから、ワシントン政界では、バイデン大統領のヘルスチェックと結果公表、ワシントン・ポスト報道、サキ大統領報道官コメントという一連の動きはセットとして周到に仕組まれたものであり、最近とくに懸念されつつある大統領支持率低下に歯止めをかける狙いがあった、との見方が広がっている。

過去にほとんどなかった大統領の健康情報公開

 米大統領の健康問題は、米国政治史を振り返ってみても、常に重大関心事とされてきた。しかし、歴代大統領は再選問題とも密接に絡むだけに、できるかぎり、検診情報は最小限にとどめるか、隠蔽につとめてきた。

 最も有名なケースは、第32代フランクリン・D・ルーズベルト大統領であり、連続4回の大統領選で当選を果たしたものの、39歳のときに患ったポリオで半身不随となって以来、生涯を通じ車いすで過ごしてきた。しかし、ホワイトハウスでの長きにわたる執務を通じ、精密な健康診断書が公表されることはなかった。また、報道カメラマンは、大統領のリムジンでの乗り降り、移動、散歩時などの撮影は一切シャットアウトされた。

 ケネディ大統領の場合も、全身倦怠感、吐き気、下痢症状を頻繁にともなうアジソン病を患っていたが、在任中、詳細は伏せられたままだった。

 2016年大統領選に出馬したヒラリー・クリントン民主党候補の場合も、最後まで健康不安の噂がつきまとったものの、選挙期間中に有権者を納得させるだけの説得力のある健康データは公表されていない。

 トランプ大統領は在任中の18年1月、3ページからなる健康診断書を公表、主治医は「高めのコレステロール以外のすべての数値は正常であり、すこぶる健康」と太鼓判を押した。しかし、肥満症、精神不安、読み書き等認知能力などの詳細は最後まで伏せられたままだった。

 この点、今回明らかにされたバイデン大統領健康データは、そのち密さにおいて異例中の異例だ。それだけ年齢が年齢だけに、次期大統領選に絡む国民の関心が高まっていることを裏付けるものと言えよう。

 ただ、「胃食道逆流症」や「棒足歩行症」などの項目は、年齢との関係も疑われるだけに、果たして、今回初めてその症状の説明がなされたことが、有権者に対する不安解消に直結するかどうか、依然として不透明感はぬぐえない。
参照元:公表されたバイデン氏の健康診断 懸念払しょくに躍起
斎藤 彰 (ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長)
2021年12月10日 WEDGE INFINITY
バイデン米大統領、職務遂行に問題なし=ホワイトハウス主治医
2021年11月20日 7:48 ロイター

[19日 ロイター] - 米ホワイトハウスは19日、バイデン大統領が引き続き職務遂行に適した状態にあり、いかなる便宜を図ることなく責任を果たすことができるとする主治医の書簡を発表した。

バイデン大統領はこの日、定期健康診断の一環で結腸の内視鏡検査を受けた。麻酔を投与されていた約1時間半、大統領権限がハリス米副大統領に委譲された。米国で女性が大統領権限を保持したのは史上初。

主治医を務めるケビン・オコナー医師によると、大腸内視鏡検査で発見された「良性のポリープ」を除去し、「組織学的評価は来週初めに完了する」とした。

また、バイデン氏は逆流現象による「のどの痛み」の頻度と程度が高くなっており、詳細な検査を受ける必要があるとしたほか、バイデン氏の歩き方が以前に比べて「明らかに硬く、流動性に欠ける」とした。脊椎の磨耗などに起因しているという。
参照元:バイデン米大統領、職務遂行に問題なし=ホワイトハウス主治医
2021年11月20日 7:48 ロイター
バイデンの健康問題、早くも現実に 犬と遊んで足首捻挫
2020年11月30日(月)08時31分 Newsweek ニューズウィーク日本版

米大統領選で当選を確実にしたバイデン氏の事務所は29日、バイデン氏が28日に犬と遊んでいて足を滑らせ、足首を捻挫したと発表した。

78歳のバイデン氏は「慎重を期すため」、29日に整形外科医の診察を受けるとした。

バイデン氏はその後、デラウエア州ニューアークの整形外科医を訪れた。報道陣も同行したがバスの中に留め置かれ、バイデン氏が建物の中に入る様子を見ることはできなかった。

バイデン氏は就任すると米史上最高齢の大統領となる。
参照元:バイデンの健康問題、早くも現実に 犬と遊んで足首捻挫
2020年11月30日(月)08時31分 Newsweek ニューズウィーク日本版
米大統領が定期健康診断、職務遂行に問題なし
2021年11月20日 11:11 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ] AFP BB NEWS

【11月20日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は19日、定期健康診断を受けて健康状態に問題ないことが確認された。健診中は、一時的にカマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領に権限が委譲された。

 主治医のケビン・オコナー(Kevin O'Connor)氏は書簡で「大統領は健康な78歳の男性で、最高行政官、国家元首、最高司令官の職務も含め、大統領としての職務を遂行するのに適している」と述べた。

 書簡によると、バイデン氏は1年前と比べて歩き方が「明らかにぎこちなく」なり、「演説の際の『せき払い』が強くなり頻度も増えている」。

 ただし、こうした症状は差し迫った懸念とされるものではなく、深刻な病気に起因するものではないとオコナー氏は説明した。

 バイデン氏は多数の検査で良好な結果を得ており、心不全の兆候や皮膚がんの疑いはなく、歯や目にも問題はないとされる。書簡は「大統領は酒もたばこもやらず、週5日以上運動している」としており、こうした習慣が健康に寄与している可能性がある。

「史上最高齢の米大統領」のバイデン氏は20日で79歳になる。身長182センチ、体重83.46キロ、BMI(体格指数)は25。一般的な処方薬3種と市販薬2種を服用しており、コンタクトレンズを使用しているとされる。

 ウォルター・リード米軍医療センター(Walter Reed National Military Medical Center)での健康診断を終えてホワイトハウス(White House)に戻ったバイデン氏は、笑顔で「最高の気分だ」と述べた。
参照元:米大統領が定期健康診断、職務遂行に問題なし
2021年11月20日 11:11 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ] AFP BB NEWS
米 バイデン大統領 健康診断で見つかったポリープ 良性と確認
2021年11月25日 13時35分 NHK NEWS WEB

アメリカのバイデン大統領が先週受けた健康診断について、主治医が追加の見解を出し、大腸から切除したポリープは良性だったと発表しました。

アメリカのバイデン大統領は先週、健康診断を受け、そのあと発表された主治医の見解では、大腸に3ミリのポリープが見つかり、切除したものの「健康で丈夫であり、大統領としての職務に十分適応できる」としていました。

この切除したポリープの組織を精密に検査した結果が24日に公表され、それによりますと、ポリープは良性と確認されたということです。

そのうえで今後、7年から10年の間に大腸の内視鏡検査といった定期的な観察が推奨されるとしています。

このポリープについては、すでに先週「良性と見られる」との主治医の見解が発表されていましたが、今回、組織の検査結果を改めて発表することで、大統領の職務を担ううえで問題がないとアピールした形です。

バイデン大統領は20日に誕生日を迎えて79歳となり、アメリカ史上最高齢の大統領であることから、その健康状態には常にメディアなどの関心が集まっています。
参照元:米 バイデン大統領 健康診断で見つかったポリープ 良性と確認
2021年11月25日 13時35分 NHK NEWS WEB

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