ケン・グリフィン -ウォール街の新帝王-

 

2023年2月8日付の現代ビジネスの『米・ウォール街に「新帝王」が誕生!たった1年で「5000億円超」を稼いだ男の「ケタちがい」の買い物の「ハイエンド」すぎる中身』という記事で、昨年2022年に1年で、5000億を稼いだ人物、ウォール街の新帝王とされるケン・グリフィンについて記されていた。


昨年は暴落相場だったが、多くのヘッジファンドが30兆円という巨額の損失を出す波乱の相場環境の中で、2兆円以上の利益を叩き出したという。


記事によれば、その秘密は、ロビンフッドなどのアプリを介在した個人投資家による取引が拡大する中で、大量の注文情報をアプリの運営会社との契約により独占的に入手し、自前のマイクロ波を用いた通信網や光ファイバー網を駆使して、全米中の取引所に超高速でオーダーを割り振って、高頻度取引(HFT)を行なうというものである。


上げ相場でも下げ相場でも稼ぐ手法(サヤ取り)の元祖は、エドワード・ソープだが、そのソープにもトレード手腕が認められて、資金提供を受けたという。



今や米証券市場も電子取引プラットフォームが普及、発展し、高速取引(HST)や高頻度取引(HFT)を行なわないと勝てなくなったのである。


こうした電子取引手法で、わずかな価格の歪みなどから利益をかすめ取るため、ファンダメンタルの動向に左右されず、どんな下落相場でも安定して利益を上げ続ける。



エドワード・ソープとの共通点は、数学に強いという点であり、またケン・グリフィンは、高校では、数学クラブの部長を務め、プログラミングのスキルも持つようである。


高校時代に自室で教育ソフトウェアの通信販売会社 EDCOM を経営し、ハーバード大学に進学すると、大学在学中に学生寮の屋根に衛星放送受信アンテナを設置して、株価情報を取得し、トレードを行っていたという。


このケン・グリフィンが、どのようなチャートをしているか興味を持ったが、海外のwikipediaに結婚、離婚、子供の誕生といった私生活上の履歴がある為、これらを使って、ラグナを検討した所、おそらく、蠍座ラグナであることが分かった。





金融市場から巨額の利益を出せる金運を示すチャートととしては、水瓶座ラグナで8室に惑星集中しているか、あるいは、蠍座ラグナで11室に惑星集中しているケースの2つのどちらかが浮かんだが、結婚のタイミングや離婚のタイミングを調べた所、水瓶座ラグナの可能性は消え、蠍座ラグナであることが明らかになった。


蠍座ラグナだと、5室支配の木星が11室支配の水星と共に11室に在住し、5-11の強力なダナヨーガを形成しているが、木星はケートゥとコンジャンクトして、数学やプログラミングの素養を表わしている。


5-11のダナヨーガを生じる水星は、8室の支配星でもあり、株式市場などからの不労所得を表しており、定座でヴァルゴッタマである。



このケン・グリフィンだが、マハダシャー金星期に入った後、2011年の金星/ラーフ期辺りから、慈善活動に精を出すようになり、大学や博物館や美術館、様々な団体に巨額の寄付をしている。


そうした寄付行為を集中的に行なったのが、2011年以降の金星/木星⇒土星⇒水星⇒ケートゥ期辺りであり、金星は12室の支配星で12室に在住し、金星から見て、12室に惑星集中している。


ちょうどダシャーロードの金星から見て、アンタルダシャーロードが12室となる金星/木星、金星/水星、金星/ケートゥ期に盛んに寄付を行なったようである。



この金星は、凶星から傷つけられておらず、12室の支配星で12室で定座に在住して、強い配置である。


その為、出費が損失という形で起こったのではなく、寄付という形で、生じている。



但し、2003年7月に結婚したアン・ディアス・グリフィンとは、2014年7月に離婚調停となり、妻は、結婚前に離婚時の財産分与について取り決める婚前契約書への署名を強要されたと主張し、月額 100 万ドル(1億3千万円)の養育費の支払いを要求し、プライベート ジェット旅行に月額 30万ドル、バケーション レンタルに月額 16万ドル、オフィス・スペースとスタッフに月額 6万ドルが含まれるとされた。


3人の子供と一緒に冬休みにセント・バーツに10日間の休暇を取るために45万ドルを要求した。


グリフィンは、妻が養育費を使って彼女の「贅沢なライフスタイル」に資金を注ぎ込もうとしていると主張して、支払いを拒絶するなど、泥仕合となっている。




私生活

結婚

グリフィンの最初の妻は、高校時代の恋人であるキャサリン・ウェインガルトでした。カップルは 1996 年に離婚した。

2002年3月、グリフィンは、共通の友人によってブラインド デートが設定された後、2番目の妻であるアン・ディアス・グリフィンと出会いました。彼女はフランス生まれでハーバード・ビジネス・スクールを卒業し、シカゴに本拠を置く 5,500 万ドルの会社(Aragon Global Management)を始める前は、ゴールドマン サックス、ソロス ファンド マネジメント、バイキング グローバル インベスターズで働いていました。夫婦は2003年7月に結婚し、3 人の子供をもうけた。

2014年7月、グリフィンはディアス=グリフィンとの「和解しがたい不和」を理由に、イリノイ州クック郡で離婚請願を提出した。夫婦は、離婚の際の資産の分割を管理する婚前契約を結んでいた。合意の一環として、ディアス=グリフィンは結婚当初に 2,250 万ドルを受け取り、結婚するたびにさらに 100 万ドルを受け取った。結婚中、彼女は現金で 3,700 万ドルを受け取り、建物の 3 フロアを占めるシカゴのペントハウスの所有権の 50% を受け取った。裁判所の調書で、彼女は婚前契約書への署名を強要されたと主張した。彼女はまた、ケン・グリフィンにはシカゴのペントハウスに入る権利がないと主張した。彼は、彼女がハワイ、マイアミ、コロラド、ニューヨークの家に入るのを禁じたと言われている。その後の裁判所への提出書類で、ディアス=グリフィンは、月額 100 万ドルの養育費の支払いを要求しました。これには、プライベート ジェット旅行に月額 300,000 ドル、バケーション レンタルに月額 160,000 ドル、オフィス スペースとスタッフに月額 60,000 ドルが含まれます。グリフィンは、ディアス・グリフィンが養育費を使って彼女の「贅沢なライフスタイル」に資金を提供しようとしていると主張した。離婚の際、彼女は3 人の子供と一緒に冬休みにセント バーツに 10 日間の休暇を取るために450,000 ドルを要求しました。グリフィンは彼女の要求を拒否しましたが、冬休みに 45,000 ドルを支払うことに同意しました。 2015年10月、婚前契約に関する公開裁判が開始される数時間前に、夫婦は法廷外で離婚を解決しました。離婚の一環として、グリフィンはシカゴのペントハウスの妻の所有権を買い取るために 1,175 万ドルを支払った。彼とディアス-グリフィンは子供たちの共同親権を維持している。

(wikipedia Kenneth C. Griffinより、引用し、一部翻訳)


7室支配の金星が12室に在住する場合、単純に配偶者への出費がかさむことをよく示している。




金星/土星期


この妻との離婚調停劇が起こったのは、金星/土星期で、ケン・グリフィンにとっては、最悪の経験であったことがよく分かる。







金星も土星もラグナから見ても、月から見ても、機能的凶星であり、また金星と土星は6-8の関係にあり、こうした場合、金星/土星期は、王が乞食になる程の苦痛をもたらしたと考えられる。




一応、ラグナの検証を行なうが、高校時代の恋人であるキャサリン・ウェインガルトとの最初の結婚は、その時期が経歴情報に載っていないが、離婚した年は、1996年である。





土星が水瓶座から6室と6室の支配星にアスペクトし、木星が射手座から6室と6室の支配星にアスペクトして、6室にダブルトランジットを生じている。



ダシャーは、ケートゥ/金星⇒太陽⇒月のいずれかであるが、おそらく、ケートゥ/月期ではないかと思われる。



(後にナヴァムシャのラグナを検討するが、ナヴァムシャのラグナが水瓶座であれば、月は離婚の6室の支配星となる)





アン・ディアス・グリフィンとの2回目の結婚は、2003年7月で、ダシャーは金星/金星/木星期である。





トランジットを見ると、蠍座ラグナであれば、ラーフ/ケートゥ軸が、1-7軸にあり、木星がラグナにアスペクトして、土星がラグナの支配星にアスペクトして、ラグナにダブルトランジットが生じている。



また太陽、土星、水星、7室支配の金星などは、結婚生活の8室を通過していた。







マハダシャー、アンタルダシャーロードの金星は7室の支配星で、プラティアンタルダシャーロードの木星は結婚生活の2室の支配星である。



ナヴァムシャでは、金星は4室の支配星で、木星は2室の支配星となっている。







離婚調停に入った2014年7月は、ラーフ/ケートゥ軸が、6-12軸にあり、土星は12室を通過して、12室の支配星とコンジャンクトし、木星は直前まで、双子座から12室と12室の支配星にアスペクトしている。







12室は、7室から見た6室であり、離婚、別離を表わすが、ケン・グリフィンの方が妻から去っていこうとする時期である。



つまり、離婚請願を提出したのは、ケン・グリフィンであることがそれを物語っている。



ダシャーは既に上述したが、金星/土星期であり、土星は、結婚生活の2室、2室の支配星、パートナーの7室、結婚生活の8室の支配星などを傷つけていることが分かる。



またナヴァムシャのラグナがもし水瓶座であれば、12室(7室から6室)の支配星である。



マハダシャーロードの金星から見て、土星は6室に在住し、またアンタルダシャーロードの土星は12室をトランジットしていることに注目である。







ケン・グリフィンが、シタデルLLCを設立した1990年は、水星/木星期で、マハダシャーロードの水星とアンタルダシャーロードの木星は、5-11室の軸で、2-11、5-11の強力なダナヨーガを形成している。


このヨーガが発動した時にシタデルLLCを設立して、本格的にヘッジファンドとして活動している。



因みに金星期に入ってから金星が12室の支配星で、金星から見ても12室に惑星集中するため、この時期に寄付を沢山したと既に述べたが、妻との離婚調停でも多額のお金が出て行っている。



但し、金星はヴィシャーカー(木星)に在住し、木星は、やはり、2、5室支配で11室支配の水星との間で、ダナヨーガを形成している。



お金は出て行ったと言え、それでもコンスタントに利益を重ね続けているのである。



2007年のリーマンショックの時にグリフィンは投資家が資金を引き出すことを 10 か月間禁止し、批判を集め、危機のピーク時には、毎週数億ドルを失い、2008年には55%下落したが、2009年になって、62%のリターンを出して、回復したという。



結局、12室支配の金星の象意は、それほど、悪く出ておらず、出生図に傷が付いていない強力なダナヨーガがある為、基本的には富は増える一方である。



5-11の軸で、形成されるダナヨーガは、3、4室支配の土星によって傷つけられてはいるが、12室の支配星ではない為、被害はもたらしていない。



ダナヨーガが出来ていても、そこに12室の支配星などが絡んでいて、さらに凶星からの傷を受けているような場合には、富を得ても巨額の損失も出したと考えられる。



ケン・グリフィンにはそうした配置が全くない。



離婚後、2021年7月から太陽期に移行しているが、太陽は10室支配で11室に在住しており、太陽自身はダナヨーガを形成していないが、ディスポジターの水星はダナヨーガを形成している。



2022年の太陽/月⇒火星⇒ラーフ期に過去最高益を叩き出したというのはそういう意味である。



太陽にも全く損失の象意は見られない。




10室の火星

因みにケン・グリフィンの獅子座の10室には、火星が在住しているが、プールヴァ・パールグニー(金星)に在住している。


美術品の購入や慈善活動としての寄付など、ケン・グリフィンは稼ぎ出した金を豪快に使うが、これは火星が金星のナクシャトラに在住し、金星は12室の支配星で12室に在住しているからである。


金星期になってから、美術館や博物館、大学、様々な団体に寄付を行い、巨額の政治献金を行い、また超高級住宅など優良不動産の購入や、アンディ・ウォーホルやバスキアなどの有名アーティストの作品などを高額で落札したり、プライベートジェットの購入なども行なっている。


そして、上述したように妻との離婚調停による巨額の支払いなども行っている。


これは、獅子座10室に在住して、方角の強さも得ているラグナロードの火星の実行力が出た形である。


この火星はプールヴァ・パールグニーに在住することによって、金星と連携して、7、12室支配で12室に在住する金星の結果を与えたのである。




月期


因みに2027年8月から月期に移行していくが、月は9室の支配星で9室に在住しており、富とは直接関係ない配置である。



また月はプシュヤ(土星)に在住しており、土星は、5-11軸のダナヨーガを傷つけている惑星である。





従って、この頃から、ケン・グリフィンの運用成績は振るわない感じが出ている。



というよりも、この頃、今のような形の株式市場が残っているかさえ怪しいのである。



AI革命が進行して、現在の資本主義社会が終わり、株式市場が縮小すれば、当然、ボラティリティ―なども落ちて来て、収益の機会も無くなっていく。







アメリカのマンデン図で、2023年11月20日からラーフ/土星期に入り、不況に入ってゆくことが予想されるが、そうするとそれは2年ぐらい続き、2026年9月頃、土星のアンタルダシャーは終わるが、それ以降、ケン・グリフィンの運用実績が振わないとすれば、それは、金融システムなどが大きく変化している可能性がある。



ケン・グリフィンの月期のタイミングは、そうした米国が推進する株式市場、金融システムの大きな変化を感じさせる配置となっている。








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