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終わらない香港デモ -香港のマンデン図を検討する-

2019 10/15

香港のデモが継続しており、依然として終わる気配を見せない。


中国の建国図を見れば、香港デモが今後、ずっと17年間、マハダシャー水星期の間、続いていくことが分かる。


この香港の一般市民と中国共産党との戦いは、長丁場になりそうである。


但し、この中国への民主化運動は、全ての人類が監視され自由を一切奪われる全体主義的な社会、「1984年」などに描かれた管理社会(ディストピア)への戦いとして位置づけられる。非常に象徴的なものでもある。


香港は、一国二制度の下での自治を許すという条件で、1997年7月1日 00:00にイギリスから中国に返還され、中国国内の特別行政区としての立場を得た。


この上記のタイミングで、香港のマンデン図を作成すると、以下のようなチャートとなる。





2015年8月24日からマハダシャーが火星期に移行しており、火星は9室(法律、正義)の支配星で7室(外交)に在住している。


7室の火星は戦争を表わしているが、9室の支配星としての火星は、法による統治、正義を求めるという象意がある。


デモ自体は、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものだが、中国の影響力が高まり、徐々に自由が制限されるに及んで、香港市民の不満が高まっていたという背景がある。


そのことをBBC NEWS JAPANの記事が伝えている。(末尾に参考資料として引用抜粋)



これで納得できることは、マハダシャー火星期自体は、2015年8月24日から始まっていることである。


香港のデモは2019年6月から「逃亡犯条例」の改正案をきっかけに始まったが、それ以前に中国政府の香港の自治への介入に反対する機運が高まっていたと言えるかもしれない。



デモが開始された2019年6月時点で、ダシャーは火星/水星期だが、水星は4、7室支配で4室で、バドラヨーガを形成しているが、4室は民主化運動や議会などを表わすハウスであり、主に国民の意志を表わしている。


火星から見ると水星は10室でバドラヨーガを形成している為、今、世界の自由主義諸国が、この香港の民主化運動に注目しているのである。





因みに双子座はリベラルな政治理念を表わす星座であり、ウォール街、自由主義経済を追求する星座である。



香港と言えば、香港上海銀行(HSBC)などがあり、イギリスのジャーディン=マセソン商会などがいち早く進出した国際的な金融センターの一つである。



但し、アヘンの密輸と茶のイギリスへの輸出などで稼いだ資金をイギリス本国に送金する為に作ったのが香港上海銀行(HSBC)で、資本主義の黒い歴史の一つでもある。



香港市民は、このように強い双子座を持っており、自由主義経済について、強い要求がある。



それは民主主義の理念にもつながるものである。



そして、この香港市民の希望が通るようにイギリスや米国の議員が香港政府、中国政府に要望している。



これは7室の支配星が4室でバドラヨーガを形成している意味ではないかと思われる。



民主化運動に対して、外国の自由主義諸国からの支援があるのである。



つまり、外国の自由主義諸国とは、香港で金融業を行なう外国人資本家そのものだからである。



それが4室の双子座で7室支配の水星がバドラヨーガを形成する意味である。



従って、今回の香港の民主化運動は、香港市民の運動でもあり、また外国人資本家の運動でもあると考えることが出来る。



中国共産党の規制の中では、自由な商業活動が出来ない為、現在も香港で影響力を持っているジャーディン・マセソン・グループなどは、このデモを後押しすると思われる。


wikipediaによれば、ジャーディン・マセソン・グループは、香港を中心に中国・シンガポール・アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・中東・アフリカの一部で活発に展開しており、香港では香港政庁に次ぐ就業者数を誇っているそうである。




現在、火星/水星期であるが、4、7室支配の水星は4室でバドラヨーガで強い配置ではあるが、6室支配の太陽がコンジャンクトして傷つけている。



これが香港政府や中国政府の民主化運動への妨害工作であると考えることが出来る。



太陽は国家権力を表わしており、政府との対立を象徴している。



そして、4室は国内の建物や道路、空港などのインフラも表わす為、それらが破壊されているのである。




この民主化運動がどうなっていくかと言えば、2022年8月23日からマハダシャーがラーフ期に移行する。




ラーフは6室に在住しており、6室は軍隊や警察を表わしており、労働者階級や労働運動、ストライキ、労働者との衝突などを表わすハウスであり、より暴力が増してくることを表わしているかもしれない。


上記の言及の中で、労働者をデモに参加する一般市民に置き換えることが出来る。



ラーフ期はディスポジターが結果を与える為、ディスポジターの太陽の配置を見るが、太陽は6室支配で4室に在住して、4室を傷つけている。



従って、デモ活動が活発化し、軍隊や警察などが出動して、更にインフラが破壊されることを表わしている。



つまり、火星期が終わって、ラーフ期の18年間が始まっても、民主化運動は一向に収まりそうもない。




これは中国の建国図で、マハダシャー水星期の17年間、そして、次のケートゥ期7年間の間、民主化運動が治まりそうもないことを表わしているのと状況的に一致している。




香港市民と中国共産党政府との戦いは、長丁場になりそうである。




マハダシャー火星期は2022年8月23日まで続くが、火星はラグナに在住する11、12室支配の土星と相互アスペクトしている。



ラグナは国民や国家の一般的な状況を表わす為、マハダシャー火星期において、それらは非常に悪くなることを表わしている。



11、12室支配の土星は、11室と12室の象意が結合したような象意を持つはずである。



従って、外国から得られる富や利得を意味しているが、それは香港の企業家や実業家などエスタブリッシュメントの利得を表わしている。



12室はそれらを損失するハウスである。



既に空港が占拠されて、欠航が生じて、航空会社に損失が発生すると共に親中国系の企業の店舗や支店なども破壊されて、それらの企業収益も失われている。



11、12室支配の土星とは、そのように香港のエスタブリッシュメントの収益や利得が失われることを意味しており、2、9室支配で7室に在住する火星と相互アスペクトしていることは、香港のデモ活動は、香港の自治区としての収益は減らすことになることを意味している。


最近、香港の富裕実業家が海外に資産逃避をしていたり、「ゴールデン・ビザ」を取得し、海外移住を視野に入れているといったニュースが見られるが、それは香港の経済を支えるエスタブリッシュメントな人々が海外に流出して、香港自体の損失につながることを表わしており、まさに11、12室支配の土星で表される象意である。


(参考資料)

【解説】 なぜ香港でデモが? 知っておくべき背景
2019年07月2日 BBC NEWS JAPAN
ヘリエ・チュン、ローランド・ヒューズ、BBCニュース

香港の立法会(議会)に突入した市民が、議場内の壁にスプレー缶でスローガンを書き、備品を壊すなど、ここ数週間で抗議デモは激しさを増している。

警察とデモ隊との衝突は7月1日、香港がイギリスから中国に返還されて22年を記念する式典が開かれている最中、立法会近くで勃発した。

この抗議活動は表面上、犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものだ。

だが、そこには改正案以上の理由がある。

何が起きているのかを知るには、数々の重要な、中には数十年前に端を発する文脈を見ていく必要がある。

香港は特別な場所

思い出して欲しいのは、香港が他の中国の都市と大きく違う場所だということだ。これを理解するには、歴史を振り返る必要がある。

香港はかつて、150年以上にわたってイギリスの植民地だった。香港島は1842年のアヘン戦争後にイギリス領となり、その後、イギリスは当時の清朝政府から「新界」と呼ばれる残りの地域を99年間租借した。

それからの香港は活気ある貿易港となり、1950年代には製造業のハブとして経済成長を遂げた。また、中国本土の政情不安や貧困、迫害などを逃れた人たちが香港に移り住むようになった。

99年の返還期限が迫った1980年代前半、イギリスと中国政府は香港の将来について協議を始める。中国の共産党政府は、返還後の香港は中国の法律に従うべきだと主張した。

両国は1984年に、「一国二制度」の下に香港が1997年に中国に返還されることで合意した。香港は中国の一部になるものの、返還から50年は「外交と国防問題以外では高い自治性を維持する」ことになった。

返還後の香港は香港特別行政区となり、独自の法制度や国境を持つほか、表現の自由などの権利も保障されている。例えば、中国国内にありながら1989年の天安門事件について市民が追悼できる、数少ない場所となっている。

……だが、状況は変わってきている

香港にはなお、中国本土にはない自由がある。しかし、それも徐々に減っていると指摘する声もある。

人権団体は、高等法院が民主派議員の議員資格を剥奪(はくだつ)したなどの事例を挙げ、中国政府が香港の自治に介入していると批判する。香港の書店員が次々と姿を消した事件や、ある富豪が中国本土で拘束されていることが分かった事件なども懸念を呼んでいる。

アーティストや文筆家は、検閲の圧力にさらされていると話す。英経済紙フィナンシャル・タイムズの記者が香港独立を目指す活動家を招いたイベントの司会をしたところ、香港への入国を拒否された。

もうひとつ問題となるのが、民主化だ。

香港政府トップの行政長官は現在、1200人からなる選挙委員会で選出される。この人数は有権者の6%に過ぎず、その構成はもっぱら中国政府寄りだ。

立法会の70議員全員が香港の有権者に直接選ばれているというわけではない。議席の大部分は、親中派の議員が占めている。有権者によって選ばれた議員の中には、忠誠の誓い(「中華人民共和国香港特別行政区への忠誠」というもの)を正しく述べることを拒否したり、「香港は中国ではない」と書かれた旗を掲げたりしたことで、議員資格を剥奪された者もいる。

香港の憲法ともいえる「香港特別行政区基本法」では、行政長官は究極的にはこれよりも民主的な方法で選ばれるべきだとしている。しかし、もっと民主的な方法とはどうあるべきかについては、様々な意見がある。

中国政府は2014年、親中的な選挙委員会が選んだ候補者の中から有権者が行政長官を選ぶ案を発表したが、「見せかけの民主主義」だという批判が集まり、議会で却下された経緯がある。

基本法の期限が切れるのは28年後の2047年。それ以降に香港の自治がどうなるのかは不透明だ。

香港人は自分たちを中国人とは思っていない

香港に住む人の大半は民族的には中国人で、香港は中国の一部だが、香港人の大半は自分たちを中国人とは思っていない。

香港大学が行った調査によると、ほとんどの人が自分は「香港人」だと考えており、自分は「中国人」だという人はわずか15%だった。

この差は世代が若くなるほど大きくなる。2017年の調査では、18~29歳の回答者うち自分は中国人だと答えたのはたった3%だった。

なぜ中国人だと思わないのかという質問には、自分たちは法的にも、社会的にも、文化的にも違うという答えが寄せられた。また、香港は150年もの間、中国とは切り離された植民地だったという事実も理由に挙がった。

さらに、近年では中国本土に対する反感が高まっている。失礼な中国人観光客が地元のルールを無視したり、観光客の増加で物価が上昇したことなどへの反発だ。

中国からの独立を訴える若い活動家もおり、これが中国政府を警戒させているようだ。

今回の抗議デモの参加者は、逃亡犯条例の改正案が通ってしまえば、中国政府による香港統治が迫ると考えている。

抗議運動に参加したマイクさん(18)はBBCの取材に対し、「この改正案が可決されれば、香港は他の中国の都市と同じになってしまう」と話した。

香港の人々は抗議の方法を知っている

2014年12月に発生した反政府デモ「雨傘運動」の残党を警察が排除した時、参加者たちは声をそろえて「私たちは戻ってくる」と宣言した。

実際、こうして抗議デモが再び行われていることは驚くに値しない。香港には抗議の歴史がある。それはここ数年という短い期間ではなく、もっと長い歴史だ。

1966年には、香港のヴィクトリア・ハーパーで運航されているスターフェリーの値上げをめぐって抗議デモが行われた。参加者はやがて暴徒化し、夜間外出禁止令が敷かれ、何千人もの警察官が街に配備された。

返還後の1997年以来、抗議運動はたびたび行われているが、最近では政治的なものほど規模が大きくなる傾向にあり、参加者と中国政府の間にあつれきが生まれている。

香港人はある程度の自治を持っているものの、選挙では自由が制限されている。デモは自分たちの声を聞いてもらう数少ない手段だ。

2003年には50万人が参加したデモで安全保障法案が却下された。普通選挙権を求めるデモや天安門事件の追悼集会は、毎年の恒例行事となっている。

2014年のデモは数週間にわたって続き、香港人が自分たちで行政長官を決める権利を求めていることが浮き彫りになった。しかし中国政府からの譲歩はなく、このデモも失敗に終わった。

(英語記事 The background you need on the Hong Kong protests)
参照元:【解説】 なぜ香港でデモが? 知っておくべき背景
2019年07月2日 BBC NEWS JAPAN
ヘリエ・チュン、ローランド・ヒューズ、BBCニュース
香港デモ、スタバや吉野家を襲撃 でも何で?
2019年10月11日 BBC NEWS JAPAN

ガラスが割られ、炎が上がり、バリケードが破壊される――。香港で続く反政府デモはここ数日、無秩序な状態に陥っているように見える。

しかし多くのデモ参加者たちは、暴力が続く中で、襲撃する施設を意図的に選んでいる。それはスターバックスであり、元気寿司であり、吉野家であり、その他の 特定の店舗、そして地下鉄だ。

でもなぜスターバックスなのか。どうして元気寿司なのか。

中国の大企業は狙われやすい

香港は複雑だが、大きく2つに分けられる。デモおよび反中国政府の姿勢を支持する人と、親中国政府の立場を取る人だ。

平和的だった抗議行動が破壊や落書きをともなうものに変化したとき、デモ参加者のターゲットとなったのは中国本土系の大企業だった。例えば中国銀行や、家電 メーカーの小米科技(シャオミ)だ。

ただ、もう少し目立たない店も狙われている。

スターバックスが襲われるわけ

スターバックスはアメリカのコーヒーチェーンだ。しかし香港では、地元の外食大手・美心食品(Maxim's Caterers)がフランチャイズ展開している。

この会社の創業者の娘、伍淑清(アニー・ウー)氏は9月11日、香港の女性団体(Hong Kong Federation of Women)の代表として国連人権委員会に出席。香港のデ モを、「少数の過激な抗議者」が「組織的、計画的な暴力行為」をしていると批判した。

これがデモ参加者たちを逆なで。スターバックスはデモ参加者たちの怒りの矛先のひとつとなった。

美心食品は、スターバックス以外にも、いくつかの海外有名外食チェーンも運営している。そのリストに含まれているのが、日本の元気寿司と、東海堂(アローム ベーカリー)だ。

そのため両方とも、デモ参加者の攻撃の的となった。

美心食品は、伍氏は同社の経営に関与していないとの声明を出したが、いまのところ効果はみられていない。

吉野家の事情

牛丼チェーンの吉野家も、攻撃対象となっている。

これも、香港でフランチャイズ展開する企業の代表者が、香港の警察と政府を支持すると表明したのがきっかけだ。

吉野家の店舗では窓ガラスが割られ、壁いっぱいに落書きがされている。

まぎらわしい店舗も

中国本土と関係があると間違って認識され、デモ参加者の怒りが向けられている店もある。

上海商業銀行は、屋号からは中国本土の企業のように思えるが、じつは香港の企業だ。

台湾が本拠の一芳(台湾水果茶)も、中国本土と関係があると一部で誤解されている。

ともにデモ参加者に襲撃されたが、その後、襲撃した人たちは謝罪を表明。自分たちで後片付けをした。

こうした混同を防ぐため、デモ参加者は色による識別システムを開発。ネット上で黒、赤、青の色分けをし、叩きのめす店、スプレーで汚す店、単にボイコットす る店に区別をしている。デモを支持する店は黄色で示している。

香港の地下鉄は、香港政府が最大の株主。8月中旬に中国国営メディアから、「反乱者」を助けていると批判されて以来、デモの際にはいくつかの駅を閉鎖するな どしている。

そのためデモ参加者は、地下鉄も施設の一部を破壊したり、放火したりするなど攻撃対象にしている。

(英語記事 Why Starbucks? The brands attacked in Hong Kong)
参照元:香港デモ、スタバや吉野家を襲撃 でも何で?
2019年10月11日 BBC NEWS JAPAN
「体はつぶされ骨は粉々に」と習国家主席が分断勢力に警告 香港でデモ続く
2019年10月14日 BBC NEWS JAPAN

ネパールを訪問中の中国の習近平国家主席は13日、中国を分断しようとする者は「体はつぶされ、骨は粉々に」されると警告した。習主席は特定の地域に言及して いないが、反政府・民主化デモの続く香港への警告と受け止められている。

中国外務省の14日の発表によると、習主席は「どの地方でもそれを中国から分断させようとする者は、敗れる。体は押しつぶされ、骨は粉々になる」と述べた。

習主席はこれまで、香港情勢に直接言及していない。それだけに今回の発言は、異例かつ強力な警告と位置づけられる。

北京の政府はこれまで、香港警察だけでデモ対応は十分だと話している。しかし、抗議に参加する人たちは、中国軍投入の可能性を懸念している。ただし、1989年 の天安門事件のような武力鎮圧を中国政府がまた実施すると考える人は少ない。

香港では13日にもデモが行われた。多くは平和的な行進だったものの、警察との衝突に発展した抗議活動もあった。

香港で大規模な反政府デモが4カ月前に連続するようになって以来、中国政府は「外部勢力」の影響を批判し、米英による中国の内政干渉だと反発している。

また、親中派とされている企業が経営する店舗や交通機関も襲撃されている。13日の午後の時点では、香港地下鉄で少なくとも27カ所の駅が閉鎖された。

警察は「最小限の人員」でデモ参加者に対応しているとしているが、テレビで放映された映像では、週末の買い物客が衝突に巻き込まれている様子が映されている 。

警察がショッピングセンターになだれ込む中、叫んだり、けがをしている人の姿もみられた。

ロイター通信によると、ひとつのショッピングモールでは、デモ参加者を支援する買い物客たちが歌を歌い、盾を持った武装警察を外に追い出したという。

旺角の警察署には火炎ビンが投げ入れられたほか、警官1人が首を切られる傷を負った。香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストによると、この警官 は病院に運ばれ、状態は安定しているという。

また、別の男性がかばんに警棒を入れていたとしてデモ参加者に殴られたとの報道もある。この男性はデモ参加者に扮装した警察官だったとみられている。

デモ参加者に警官を紛れ込ませる戦略は香港政府側に奏功している一方、若者中心のデモ参加者には動揺が広がっている。

「自由の女神」がお披露目

13日夜にはひとつの抗議グループが、香港の街を見下ろす獅子山に高さ3メートルの像を建てた。

「自由の女神」と名付けられたこの像はガスマスクとゴーグル、ヘルメットを被り、デモ行進の象徴となっている。また、抗議運動のスローガン「光復香港・時代 革命(香港を解放せよ・革命の時代だ)」と書かれた旗を持っている。

この像は、警察の発砲によって目を負傷したと伝えられている女性がモデルになっているという。

香港のデモは、犯罪容疑者の中国本土引渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改定案をめぐって6月に始まった。香港の法的独立性がが損なわれるとの懸念から、多 くの市民が抗議デモに参加した。

政府は9月に改正案を完全撤回したものの、デモ参加者は民主化や警察の暴力行為への捜査などを求め、抗議活動を継続している。

10月には林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が、植民地時代の緊急状況規則条例(緊急条例)を発動し、デモ参加者のマスクや覆面の着用を禁止する「覆面禁止 法」を制定。しかし、デモ参加者はこれに従っていない。

抗議活動が始まってからこれまでに2300人以上が逮捕されている。

(英語記事 Try to split China and get 'shattered bones' - Xi)
参照元:「体はつぶされ骨は粉々に」と習国家主席が分断勢力に警告 香港でデモ続く
2019年10月14日 BBC NEWS JAPAN
【香港デモ】 富裕層が「ゴールデン・ビザ」取得 海外移住視野に
2019年10月4日 BBC NEWS JAPAN
ヴァージニア・ハリソン BBCニュース

反政府デモが長期化して将来に暗い影を落とす中、香港の富裕層の間で、他国の居住権や市民権を取得しようとする動きが広まっている。

世界の多くの国では、一定額の投資や不動産購入などを条件に、居住権や市民権を与える「ゴールデン・ビザ」を導入している。

移住の手続きなどをする複数の企業によると、デモが始まって以降、こうしたゴールデン・ビザに関心を示す香港人が急増した。香港人は、現在の混乱の解決策が見つからない中、いざという時の「保険」を探し求めているという。

今年6月、 刑事事件の容疑者を香港から中国本土へ引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改定案をめぐり、抗議が始まった。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が9月に改定案を完全撤回したものの、デモが収束する気配はなく、数カ月にわたり香港を揺るがし続けている。

そうした背景から、投資ビザを検討する香港人が急増していると、複数の企業がBBCに述べた。

「ゴールデン・ビザ」

ゴールデン・ビザのような仕組みは世界中に存在する。とりわけその中心となっているのが欧州やカリブ海沿岸諸国だ。通常、ビザ発給国は、移住希望者に対して不動産や国債の購入、あるいは一定額以上の投資を条件としている。

投資額は、最も少ないカリブ海のアンティグア・バーブーダの10万ドル(約1700万円)から、キプロスの200万ユーロ(約2億3400万円)の不動産投資まで、さまざまだ。

将来の「保険」のため

香港に拠点を置く移住コンサル会社「ジョン・フー移住コンサルティング」によると、6月以降、売り上げや、香港市民からのゴールデン・ビザに関する問い合わせが4倍になっているという。

同社創業者のジョン・フー氏は、数カ月におよぶ混乱が駆け込みの「要因」になっていると述べた。

「デモがより暴力的になる中で、香港政府は現状の打開にむけて大して努力していないように見える。だから市民は将来への『保険』を確保しなければという衝動に駆られている」

欧州連合(EU)内での移動の自由が認められていることや、最低限度の居住条件でビザが取得できることから、ほとんどの人が、アイルランドやポルトガル、マルタ共和国といったヨーロッパ諸国に魅力を感じているという。

同コンサル会社ではデモ開始以降、アイルランドへの新規ビザ申請を30件以上行った。50万ユーロ(約5800万円)の寄付あるいは100万ユーロ(約1億1700万円)のアイルランド企業への投資が条件だ。

デモの激化で「プランB」検討

別の移住コンサル会社「アートン・キャピタル」では、香港市民からの問い合わせ件数が「デモが始まってから2倍以上」になったという。

「香港市民の間では、不動産が比較的安価なポルトガルが非常に人気だ。(中略)香港の不動産価格はとてつもなく高額なので」と、同社のアジア太平洋地域オフィス代表のフィリップ・メイ氏は言う。

メイ氏によると、客はゴールデン・ビザを検討する理由を明かさないものの、「ここ数カ月のデモの激化によって、『プランB(代替案)』に改めて注目していることは一目瞭然だ」としている。

ゴールデン・ビザ取得の全体数は小規模のままだ。アートン・キャピタルでは、富裕層のみを対象としていることから、年間で最大1000件の申請を扱っている。

超富裕層ランキング15位

いまも、ゴールデン・ビザへの申請資格を持つ香港市民は数多くいる。アジアの金融の中心である香港には、富裕層が集中している。

スイス投資銀行のクレディ・スイスによると、市内で暮らす富豪の数は、2018年時点で17万9000人にのぼる。同銀行の超富裕層(金融資産5億円以上)ランキングでは、香港は15位だった。

香港市民をゴールデン・ビザへとひきつけるている要因は、香港デモだけではない。

居住や市民権を専門に扱う英顧問会社ヘンリー・アンド・パートナーズも、今年6月の抗議開始以降、香港からの投資ビザに関する問い合わせ件数が跳ね上がったと指摘する。

同社広報担当のパディ・ブリュワー氏によると、「香港市内でのデモが激化し、先行きへの不安が続く中」、問い合わせが急増したという。

「前四半期と比べると(中略)中国籍の人や香港市内の投資家からの問い合わせが260%増加した」

一方で、国内問題はこの現象の一要因にすぎないと、ブリュワー氏は付け加えた。

多くの香港市民は、旅行の容易さや国外投資、あるいは留学といった、ほかの客と同様の理由から、他国での居住権や市民権を求めているという。

「香港市民は資金を調達し、自分が投資したい場所へ投資し、自分が住みたい場所で暮らそうとしている。世界のほかの地域へ行くために(中略)自分の子供たちを他の大学へ通わせたがっている」

(英語記事 Hong Kong's rich chase golden visas amid unrest)
参照元:【香港デモ】 富裕層が「ゴールデン・ビザ」取得 海外移住視野に
2019年10月4日 BBC NEWS JAPAN
ヴァージニア・ハリソン BBCニュース
香港の富裕実業家が海外に資産逃避、逃亡犯条例を懸念
2019年6月17日 / 12:42 / 4ヶ月前 Greg Torode Reuters

[香港 14日 ロイター] - 銀行家や法律専門家によると、香港の富裕な実業家が中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への懸念を強め、個人資産を海外に移す動きが始まっている。

こうした動きに関与した助言サービス関係者によると、ある大物実業家は法改正で政治的リスクが自らに及び得ると考え、1億ドル余りを香港のシティバンクの口座からシンガポールのシティバンクの口座に移し始めた。同様の例をほかにも耳にしているが、いずれも目立たないように行われているという。

逃亡犯条例は、香港市民だけでなく香港に居住したり旅行で通過したりする外国人や中国籍の人間を対象にしており、香港の金融センターの地位を支える法の支配を脅かしかねないとの懸念が異例な広がりを見せている。条例が成立すれば、中国本土の裁判所が香港の裁判所に要請して、中国本土での「犯罪」に関連したと見なす資産を凍結したり押収したりできるようになる。

国際展開している香港の銀行のプライベートバンキング部門トップも、顧客が資金を香港からシンガポールに移していると指摘。「彼らは中国本土の顧客ではなく、香港の富裕な顧客だ。香港の情勢は混乱している」と述べた。「香港の富裕層は、林鄭月娥行政長官や中国の指導部が逃亡犯条例による経済的損失を理解できないほど愚かなことを見過ごせないのだ」

香港とシンガポールはアジア随一の金融センターとしての地位を巡って激しく争っている。クレディ・スイスの2018年のリポートによると、香港は個人資産1億ドル以上の資産家が853人と、シンガポールの2倍以上だった。
参照元:香港の富裕実業家が海外に資産逃避、逃亡犯条例を懸念
2019年6月17日 / 12:42 / 4ヶ月前 Greg Torode Reuters
香港の富裕層、コッソリ海外に資産移動 逃亡犯条例を懸念?
2019年6月17日(月)13時09分 Newsweek (ニューズウィーク日本版)

銀行家や法律専門家によると、香港の富裕な実業家が中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への懸念を強め、個人資産を海外に移す動きが始まっている。

こうした動きに関与した助言サービス関係者によると、ある大物実業家は法改正で政治的リスクが自らに及び得ると考え、1億ドル余りを香港のシティバンクの口座からシンガポールのシティバンクの口座に移し始めた。同様の例をほかにも耳にしているが、いずれも目立たないように行われているという。

逃亡犯条例は、香港市民だけでなく香港に居住したり旅行で通過したりする外国人や中国籍の人間を対象にしており、香港の金融センターの地位を支える法の支配を脅かしかねないとの懸念が異例な広がりを見せている。条例が成立すれば、中国本土の裁判所が香港の裁判所に要請して、中国本土での「犯罪」に関連したと見なす資産を凍結したり押収したりできるようになる。

国際展開している香港の銀行のプライベートバンキング部門トップも、顧客が資金を香港からシンガポールに移していると指摘。「彼らは中国本土の顧客ではなく、香港の富裕な顧客だ。香港の情勢は混乱している」と述べた。「香港の富裕層は、林鄭月娥行政長官や中国の指導部が逃亡犯条例による経済的損失を理解できないほど愚かなことを見過ごせないのだ」

香港とシンガポールはアジア随一の金融センターとしての地位を巡って激しく争っている。クレディ・スイスの2018年のリポートによると、香港は個人資産1億ドル以上の資産家が853人と、シンガポールの2倍以上だった。

Greg Torode
参照元:香港の富裕層、コッソリ海外に資産移動 逃亡犯条例を懸念?
2019年6月17日(月)13時09分 Newsweek (ニューズウィーク日本版)
富裕層が香港から海外に脱出-最も移住したい場所は米国にあらず
Ben Steverman、Shawna Kwan、Natalie Wong
2019年10月9日 15:20 JST Bloomberg

香港で今夏に抗議デモが激化する中、ロサンゼルスの弁護士バーナード・ウォルフスドルフ氏は、米国に「新たな移民の波」が押し寄せると予想した。そ のため中国に出張し、香港の移民アドバイザーと面会した。

  アドバイザーらは期待し過ぎないよう同氏にくぎを刺した。

  「私が聞いた話によれば、多くの人が香港を離れるものの、米国は第1の目的地ではない」とウォルフスドルフ氏は話す。「現時点で米国は最も望ま しい選択肢と見なされていない」と述べた。

世界で情勢が悪化すると、米国は特に富裕層にとって伝統的に安全と安心を提供する避難先としての役割を果たしてきた。米国に移住している香港市民の 数は既に中国本土以外では最多である上に、最近のデータはさらに多くの人が香港を去ろうと考えていることを示唆している。公式データによると、重要 な海外移住書類である「善良な市民権」文書の申請は過去1年間で54%増加している。

  ただ、米国での移民に反対する政治的発言や、注目を浴びる銃撃事件の発生、近く予定されている投資家向け査証(ビザ)プログラムの改定を受け、 香港の海外移住希望者は、オーストラリアやカナダ、シンガポール、台湾など他の選択肢を検討している。

  香港で抗議運動が始まる前でさえ、米国は魅力を失いつつあった。香港中文大学による昨年12月の調査によると、香港市民の3分の1が海外移住を検 討していると回答。最も人気のある目的地はカナダとオーストラリアで、回答者の割合はそれぞれ少なくとも18%だった。その次が台湾の11%、シンガポ ールの5%。米国が第1希望との回答は2.9%だった。
参照元:富裕層が香港から海外に脱出-最も移住したい場所は米国にあらず
Ben Steverman、Shawna Kwan、Natalie Wong
2019年10月9日 15:20 JST Bloomberg

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