天才フォン・ノイマンのラグナ検証



前回記事で、フォン・ノイマンのラグナを双子座に修正したが、そうすると、結婚、子供の誕生、離婚、再婚などが全て説明可能である。





マリエット・ケヴェシと結婚

例えば、結婚したのは、1930年1月1日であったが、相手のマリエット・ケヴェシは六歳年下の幼馴染で、ノイマン家とケヴェシ家は別荘が近くにあったため、二人は幼い頃から夏になると一緒に水遊びをした仲であったという。


またケヴェシ家は不動産で財を成した富豪で、マリエット・ケヴェシはお抱え運転手付の自家用車で社交界のパーティーに出掛けるような「箱入り娘」であったそうである。


ノイマンがそうした家同士に結婚にも思える幼馴染と結婚し、相手は富豪であったというのは、ラグナロードが8室に8室の支配星が在住し、パートナーからの富に恵まれるという配置から納得できる。


この結婚した時、金星/ケートゥ/月期辺りで、金星は月から見た7室の支配星で、7室に在住し、また金星は結婚の表示体である。


ケートゥは魚座に在住しているが、ディスポジターの木星は7室の支配星で、月は2室(結婚生活)の支配星である。




出生図のラグナを双子座アールドラーの第1パダに設定すると、ナヴァムシャのラグナは射手座となり、結婚した時のマハダシャーの金星は7室に在住し、ケートゥのディスポジターである水星は7室の支配星で2室(結婚生活)に在住し、プラティアンタルダシャーの月は8室の支配星(結婚生活、パートナーの財産)となる。


このナヴァムシャのラグナを射手座に設定すると、4室の支配星が6室に在住して、2、3室支配のマラカの土星とコンジャンクトして、前回記事でも述べたように車の事故に遭いやすいカルマを表わしており、また5室支配の火星が8室支配の月と5-8の星座交換をして、研究に没頭するような配置をしている。


この5-8の月と火星の星座交換は、チャンドラマンガラヨーガで、通常は富を表わすコンビネーションだが、非常に鋭敏で鋭い知性を表わしている印象である。


5室支配の火星は9室支配の太陽と共に8室に在住し、7、10室支配の水星と相互アスペクトして、5-7、5-10、5-9、7-9、9-10のラージャヨーガ、ダナヨーガを8室で形成している。


これは出生図上で、確認できる特徴的な配置が、ナヴァムシャでも繰り返されていることを表わしている。





結婚した時のトランジットを見ると、土星は射手座、木星は牡牛座で逆行しており、7室射手座にダブルトランジットしていることが分かる。


また7室の射手座には、太陽、火星、金星なども惑星集中しており、月と水星は結婚生活の8室を通過している。





従って、双子座ラグナであれば、このタイミングで結婚したことが納得できる。




娘マリーナ誕生


1935年3月6日に娘のマリーナが誕生しているが、この頃は、太陽/水星/ラーフ期である。





サプタムシャを見ると、太陽は9室に在住し、水星はラグナに在住して、9室支配の高揚した木星とコンジャンクトし、ラーフは5-11軸に在住し、5室支配の火星からアスペクトされている。





トランジットを見ると、6ヶ月前の1934年9月から1ヶ月前の1935年2月まで、土星は水瓶座で逆行し、木星は天秤座をトランジットして、5室、5室の支配星、9室にダブルトランジットが形成されている。




マリエット・ケヴェシと離婚


1936年夏頃、ノイマンとマリエットは大喧嘩し、マリエットは子供と共に実家に帰ってしまう。





結局、このことが引き金となって、離婚に至ることになるが、この時のダシャーは、太陽/金星/木星 or 土星期辺りである。





ナヴァムシャを見ると、太陽は8室に在住して、火星と土星によって傷つけられており、金星は6室の支配星で、木星と土星は6室に在住している。



つまり、大喧嘩した時、プラティアンタルダシャーの木星や土星は6室に在住していなければならない為、おそらく、ノイマンのナヴァムシャのラグナは射手座で間違いないと考えられる。





またこの時のトランジットを確認すると、土星は水瓶座を通過し、木星は蠍座を通過して、蠍座6室(意見の不一致、離婚)にダブルトランジットを形成している。






但し、この時、直ぐに離婚した訳ではなく、米国はカトリックの影響で、簡単には離婚できない為、6週間の滞在後、申請すれば離婚が可能なネバダ州に妻のマリエットが滞在していた期間があった。


この時は、1937年9月~11月で、月/火星期である。





月は8室の支配星で、火星は8室に在住しており、この時期に離婚が生じたことがよく分かる。



といっても娘の誕生していた為、離婚といってもその後、娘を介して何かと腐れ縁(8室)が続いていく関係である。



実際に離婚になったのは、1937年11月だが、月/火星/木星 or 土星期に該当し、やはり、プラティアンタルダシャーはナヴァムシャの6室に在住する木星か土星である。






トランジットの惑星を見ると、木星は射手座で逆行し、土星は魚座で逆行して、6室にダブルトランジットが形成されているが、同時に7室にもダブルトランジットが形成されている。



この時、既にノイマンには、意中の相手がいたとされ、それが次に再婚する相手であるクララ・ダンである。



従って、この時に木星と土星のダブルトランジットが6室ばかりでなく、7室にも形成されていたことには注目すべきである。



このようにダブルトランジットは正確にその時に起こっている事象を反映する。





クララ・ダンと再婚


そして、ノイマンは1938年11月18日にクララ・ダンと再婚している。


月/ラーフ/土星期である。



ラーフのディスポジターはラグナの支配星で、土星は2室(結婚生活)の支配星であるため、この時期に結婚でもよいが、クララ・ダンはノイマンとの結婚生活で、劣等感を抱いたと述べるように力の差があった。





従って、ノイマンは、相手に財産があったり、相手が格下であるような6-8の関係が優勢で、それがナヴァムシャで6室や8室に計4つの惑星が在住し、これらのハウスが強調される理由である。





この時のトランジットを確認すると、土星は魚座で逆行し、木星は水瓶座で逆行して、7室と7室の支配星にダブルトランジットが形成されている。





自動車事故 -ラグナ特定の重要な手掛かり-


次にノイマンのラグナを双子座に修正する際に重要な手掛かりとなった自動車事故のエピソードである。



前回記事にも書いたが、ノイマンは異常な天才であるが、運動が苦手で、自動車の運転が、非常に下手で、毎年、事故を起こし、車を破壊していたという。



『フォン・ノイマンの哲学-人間のフリをした悪魔』高橋昌一郎著の中で、紹介されていた自動車事故のエピソードを取り上げて、ダシャーやトランジットを確認して見た所、やはり双子座ラグナにすると、全ての自動車事故が説明可能である。





追突事故


1950年11月16日に追突事故を起こしているが、この時、ダシャーは、火星/水星/火星期であった。



火星は6室を支配する事故の表示体で、4室(乗り物)支配の水星とコンジャンクトして、4室を傷つけている。



また火星は月から見た4室にもアスペクトして傷つけている。



水星は4室の支配星で、6室支配の火星、8室支配の土星によって傷つけられており、8室に在住して傷つけられている。





トランジットを確認すると、土星が乙女座、木星が水瓶座をトランジットし、ラーフ/ケートゥ軸が4室に絡み、事故の6室に太陽、水星、金星(乗り物)がトランジットしている。



4室乙女座をラーフ/ケートゥ軸と土星がトランジットして傷つけていることが分かる。






交通違反(罰金10ドル)


次に1951年10月23日の交通違反だが、火星/金星/金星期である。



火星は上述したように6室支配の事故の表示体で、4室の支配星と絡んでいるが、金星は乗り物の表示体で、土星からアスペクトされ、更に乗り物の表示体から見た乗り物の4室には土星、火星が在住して傷ついている。





トランジットを見ると、土星、火星、金星が4室乙女座を通過し、木星が魚座を通過して、4室にダブルトランジットを形成している。



また太陽、水星も事故の6室をトランジットしている。







スピード違反


次に1953年5月19日のスピード違反だが、ダシャーは、火星/月/ラーフ期である。



火星は繰り返しになるので省略するが、月は、月から見た4室が土星、火星、6室支配の水星によってアスペクトされ傷つけられている。



ラーフは、ディスポジターの4室支配の水星が8室で、8室支配の土星や6室支配の火星とコンジャンクトして、傷ついており、乗り物の事故を表わしている。





トランジットを見ると、土星が乙女座で逆行し、木星が牡牛座をトランジットして、4室にダブルトランジットを形成し、また4室には、GK(グリカ)や海王星もトランジットしている。



また4室の支配星の水星にラーフ/ケートゥ軸がトランジットして、4室を傷つけていることが分かる。





再び衝突事故


次に1953年7月15日に起こった事故も見てみるが、ダシャーは、火星/月/土星期である。



火星、月は繰り返しになるので省略するが、土星は4室支配の水星とコンジャンクトし、月から見た4室にアスペクトして、4室を傷つけている。





トランジットを見ると、土星は乙女座を通過し、木星は牡牛座を通過し、火星は双子座を通過している為、4室に土星、木星のダブルトランジットと、火星のアスペクトがあり、4室支配の水星にラーフ/ケートゥ軸が絡み、火星がアスペクトして傷つけていることが分かる。





このように自動車事故のカルマは、双子座ラグナにした場合にはっきりと表れている。






ノイマンの末日


1955年7月9日、ノイマンは左肩の強烈な痛みによって突然、倒れたという。





(略)

診断の結果、左肩鎖骨に腫瘍が発見されたが、それは別の部分で発症したガンが血液の循環によって骨に転移したものだとわかった。
何度か立ち会った核実験で浴びた放射線が、ガンの原因だとも言われている。

緊急手術を受けた後も、ノイマンは、痛みに耐えて仕事を続けた。救急車で原子力委員会に出席したこともあった。

(略)

全身にガンの転移したノイマンは、ワシントンのウォルター・リード陸軍病院に入院した。彼の病室は、大統領の病室と同じ病棟にある特別室だった。

その光景を、ストロースは、「もともと移民だったこの五〇代の男のベッドの周りを、国防長官、国防副長官、陸・海・空軍長官、参謀長官が取り囲んで座っているという、驚くべき構図」だと述べている。

臨終が近づくと、鎮痛剤によって譫言を言うようになったため、軍の機密を口走らないように監視が付いた。

一九五七年二月八日、ノイマンは逝去した。

『フォン・ノイマンの哲学-人間のフリをした悪魔』高橋昌一郎著より引用抜粋)



ノイマンは、全身にガンが転移して1957年2月8日に亡くなったが、ラーフ/木星/土星期である。


ラーフはディスポジターの水星が8室(不治の病、致命傷)に在住し、8室支配の土星、6室支配の火星とコンジャンクトしている。


水星はウッタラアシャダーに在住しているが、支配星の太陽はマラカの7室に在住している。


木星はマラカの7室の支配星で、土星は6室支配の火星によって傷つけられた8室の支配星である。





ナヴァムシャを見ると、ラーフのディスポジターである木星は6室に在住して、マラカの2、3室支配の土星とコンジャンクトし、木星は同じく、6室に在住して、マラカの2、3室支配の土星とコンジャンクトし、土星は、ラグナロードの木星と絡むマラカの2、3室支配の土星である。




ノイマンのラグナのナクシャトラとナヴァムシャのラグナ


このようにフォン・ノイマンの人生の重要な出来事を辿っていくと、ラグナは双子座で間違いなく、また天才と仰がれながらも、悪魔と形容されるなど、その評価が両極端であることから、おそらく、ラグナのナクシャトラはアールドラーではないかと思われる。


アールドラーは、開拓精神と革新性を持ち、社会に革命を起こすほどの偉大な指導者になるか、天才的な悪人になるかのどちらかだと言われる両極端な象意を持っている。


マンハッタン計画に関与して、原爆の生みの親の一人でもあるフォン・ノイマンの業績、ソ連への先制核攻撃を主張するような人物像から推測すると、典型的にアールドラーではないかと考えられる。


好奇心旺盛で愛嬌のあるムリガシラーや温和で野心のないプナルヴァスとは全く違うキャラクターである。



従って、そうするとナヴァムシャのラグナは、射手座、山羊座、水瓶座、魚座に絞り込まれるが、離婚した時のダシャーや鋭い知性といった観点から考えると、ナヴァムシャのラグナは射手座である。



またノイマンは既に1927年9月にベルリン大学の私講師のポストを得ていたが、1929年9月にハンブルク大学の私講師のポストを得ていた。


この頃はまだマハダシャー金星期の終わり頃だが、ちょうど結婚した頃の1929年10月にプリンストン大学で量子論について講義してほしいというオファーがあり、報酬も非常に恵まれており、また1933年1月28日にノイマンは、プリンストン高等研究所の終身教授に就任している。


このプリンストン高等研究所の同僚の教授陣の中にアルバート・アインシュタインもいる。






マハダシャー太陽期になってから、学問をする上で最高の待遇を受け始め、最高の環境に身を置いていることを考えると、ノイマンのダシャムシャのラグナは、獅子座で、ラグナロードの太陽は9室で高揚し、5室支配の木星や7室でシャシャヨーガを形成する土星からアスペクトされている配置で納得できる。



従って、フォン・ノイマンのラグナは双子座アールドラー第1パダで、ナヴァムシャのラグナは射手座、ダシャムシャのラグナは獅子座、サプタムシャのラグナは蟹座である。





ノイマンが高く評価したゲーデルの不完全性定理


因みにこうした天才的なノイマンに数学の世界で太刀打ちできる人物はいなかったが、唯一、ノイマンが一目置いたのが、不完全性定理を導き出したゲーデルであった。



当時、このゲーデルの発見の重要性を理解したのが、ノイマンだというが、自分がこの定理を導き出せなかったことに失望したようである。



従って、この後、ノイマンは、「20世紀最高の知性」と呼ばれるたびに、「それは自分ではなくゲーデルだ」と返答するほど、ゲーデルを高く評価していたそうである。



ゲーデルの不完全性定理(1931年)を「時間と空間をはるかに越えても見渡せる不滅のランドマーク」と賞賛したという。



このゲーデルのチャートを作成してみると、水星は魚座で減衰している。



従って、ゲーデルは、この減衰した水星が有利に働くようなラグナでなければならない。



このノイマンが、高く評価するゲーデルのラグナも非常に興味深い所である。





オッペンハイマーとノイマン




マリーナ・フォン・ノイマン(娘)





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