ドイツの建国図から今後の世界情勢を検討する



川口マーン惠美氏の講談社の記事『日本人が理解していない「独メルケル政治」の恐ろしすぎる本質』によると、アメリカが大統領選で混乱している最中の2020年12月30日、EUと中国が相互投資協定に合意したそうである。


米大統領選が混乱する中で、バイデン政権に移行してからアメリカが介在してくる前に中国と有利な契約を結びたいという思惑があるようである。


バイデン政権は、中国との経済的関係を重視する為、今まではトランプ政権に配慮して、中国への経済制裁に参加していたEU(ドイツ)が、先手を打って、中国と契約を結んだということらしいのである。



ドイツの建国図を今まで作成していなかった為、今後の世界情勢を予測する為に調べることにした。


建国データは、アストロデータバンクのものだが、第二次世界大戦が終わって、西ドイツが成立した時のものである。


その後、東ドイツが合流して、1990年10月3日に統一ドイツが誕生しているが、西ドイツに東ドイツが合流したということで考えると、この西ドイツが戦後に成立した1949年5月24日 00:00 ドイツ・ボンで良さそうである。





作成してみると、ドイツは2006年12月からマハダシャーがラーフ期に移行しており、現在、ラーフ/金星期である。


ラーフは5室牡羊座に在住し、バラニーに在住する定座の火星とコンジャンクトしている。



ナヴァムシャでもラーフは牡羊座に在住して、ヴァルゴッタマを形成し、ディスポジターの火星は5、10室支配のヨーガカラカで5室で定座に在住している。


月から見ると10室で定座に在住し、ルチャカヨーガを形成している。



そして、ダシャムシャ(D10)を見ると、ラーフは牡羊座に在住して、高揚する5室支配の太陽とコンジャクトしており、高揚する10、11室支配の土星からのアスペクトを受け、太陽と土星が5-10、5-11のダナヨーガを形成している。


ラーフは出生図でもナヴァムシャでもダシャムシャでも牡羊座に在住して、拡大版ヴァルゴッタマを形成し、極めて強力である。


木星はラグナロードの火星と共に9室でムーラトリコーナの座におり、ラグナの高揚する太陽やラーフにアスペクトしている。


それだけではなく、月は蟹座4室で定座に在住し、金星とコンジャンクトしているが、方角の強さを持っており、水星は乙女座6室高揚している。





このドイツのダシャムシャは、極めて強力な分割図になっている。


このダシャムシャのラグナに在住し、高湯する太陽と土星によるラージャヨーガに参加し、木星からの保護を受けるラーフ期は、ドイツの地位の向上や躍進の時期であることは間違いない。



そうすると、フランスの学者・エマニュエル・ドットが2015年5月頃に出した『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告』(文藝春秋)が思い出される。


この当時、上記の本の中で、エマニュエル・ドットは、ドイツが経済力でEU内の他国を圧倒し、周辺国は皆、ドイツの言いなり状態で、あたかもそれはドイツ帝国のようであると警鐘を鳴らしたのである。


EUといったら実質的にはドイツのことで、EUはドイツ帝国になってしまっているということなのである。


それはこのドイツの建国図によく表れていると思うのである。


ドイツは、ヒトラーのナチスが敗北した後もそのナチスの残党の大部分は、処罰されないまま生き残っている。


ヒトラーの牡羊座の力の理念に心酔した人々で、元々国民性自体が、ゲルマンの伝承の中にも表れている。



ドイツの建国図の牡羊座5室のラーフと火星は、あたかもそうした人々を象徴するかのようである。



5室は、マンデン占星術においては、子供、出生率、教育施設、国家の祭典、娯楽、劇場、映画館、公園、俳優、芸術、文化などを示し、その国家の文化を形成する上流階級なども意味する。



エマニュエル・ドットが警鐘したぐらい、ドイツは強力な牡羊座のラーフのパワーで、文化的に経済的に台頭し、国力を増強して来たのである。


そして、EUの覇者となったのである。






現在、ラーフ/金星期で、ラーフ/金星期とは、キャリア上の躍進の最初のタイミングであると言われている。



その次のラーフ/太陽期においては、アンタルダシャーの太陽はダシャムシャのラグナで高揚していることを考えると、アメリカの衰退を横目に中国との経済的な連携で、更に力を増していくことが予想できる。



そうした今後の展開が、2020年12月30日に合意されたEUと中国の相互投資協定から読み取れる。



今後、EUと中国とロシアなどは、アメリカ抜きで躍進していくことを考えている。



アメリカは、米大統領選での連邦議会への侵入事件などで、建前上も世界の民主主義のリーダーとしての地位を失い、他の諸外国に教訓を垂れることも出来なくなった。



然し、その後、2024年12月からドイツは、マハダシャー木星期に移行していくことは注目される。



木星は出生図では、ラグナロードで4室の支配星であり、2室で減衰して、パラシャラの例外則も形成しておらず、辛うじて、木星が高揚する星座の支配星がラグナからケンドラに在住している為、ニーチャバンガラージャヨーガを形成しているが、それ程、強そうには見えない。




木星はナヴァムシャでは9室で定座に在住し、ダシャムシャでも9室支配で9室で定座に在住している。



従って、この辺りからドイツの国家運営が変わることを表わしている。



これまでドイツは、エマニュエル・ドットが指摘するように経済的な力で、周辺国の債権者として、君臨して、例えば、金を返せないギリシアに対して緊縮財政を要求したりなどしている。



アメリカの金融資本家が南米やアジアや中近東で行っているのと同じことをEU内で行って力の統治を行なってきたのである。



またドイツ銀行が、6京円のデリバティブの残高を抱えており、ドイツ銀行が破綻すれば世界にリーマン級の経済危機が訪れると言われている。



ドイツは、まもなくラーフ期から木星期への移行期だるダシャーチッドラに入っていき、2022年~2024年にかけて変化を迎えると考えられる。





ラーフ/月期(2022年5月~2023年11月)辺りが、怪しいのである。



何故なら、月は8室支配で4室に在住して、10室にアスペクトし、ナヴァムシャでもラグナロードの月が8室に在住して、土星や火星からアスペクトされている。



このラーフ/月期、ラーフ/火星期を経て、木星/木星期に移行する辺りで、世界に大きな変化が訪れると思われる。



木星はラグナロードで2室で減衰しており、あまりぱっとしないことから考えると、ドイツ帝国の躍進やEU内での覇権主義も終わるのである。



ナヴァムシャやダシャムシャでも木星は9室に在住している。



9室はマンデン占星術では、最高裁判所とか法律、国際法などを表わし、外国との関係、科学、教育を意味するハウスである。



経済的覇権よりも文化大国を目指していく印象である。



ドイツは脱原発を目指していることで知られているが、今後、法定通貨のデジタル化、そして、原子核融合の運用などが開始される頃がちょうど2022年~2024年である。



ドイツの建国図からも2022年~2024年が世界の変化の時期であることを示している。



この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメント一覧 (4件)

  • メルケル首相の後任のオラフ・ショルツ氏が四柱推命的には任期を全うすることが難しいことが予想される時期に就任するそうで(参考:https://ameblo.jp/lumiere22222/entry-12712304765.html)
    インド占星術ではドイツの建国図がどうなっているのか検索していたら、こちらの記事に辿り着きました

    ラーフー月期に怪しいと記事内でおっしゃっていること、四柱推命の観点からも一致していて、とても参考になりました
    • なるほど四柱推命でも同じような結果が出ているということですね。

      月は8室支配で4室に在住し、ナヴァムシャでもラグナロードで8室に在住して、8室支配の土星と火星からアスペクトされており、8室の象意が強調されています。

      月は大衆を表わし、4室は国土、不動産、インフラ関係を表わし、8室は国家指導者の死や失脚などを表わすハウスで、大衆が暴動を起こして、破壊が行なわれたり、政治指導者が失脚したり、国民の苦しみや国としての行き詰まりなどを示しているかもしれません。

      2022年には、1室と4室を支配して2室で減衰する木星にトランジットの土星と火星がコンジャンクトする為、やはり、国土、不動産、インフラ関係の4室が激しく傷つき、1室や2室も傷つくことで、一般的な国家、国民の状況、国家の経済、財政などで、問題が生じるような配置です。

      ドイツ一国の建国図からも2022年が厳しい年になることをよく示しています。
  • ドイツの未来をダシャムシャから読み取っていること、経済力が重点を占めるドイツならではですね

    ドイツに限らず、国の経済状況が世界情勢における存在感として大きく影響することを考えると

    建国図のダシャムシャで、マハーダシャーの惑星の配置は重要ですね

    それをふまえて、ふと中国の建国図のダシャムシャが気になり見に行ってみたのですが

    土星期はダシャムシャだと、1室と2室を支配して、2室に在住し定座に位置しているので、経済状況が急速に発展した(2000〜2019)

    現在は水星期ですが、ダシャムシャでは水星は土星期ほど強い要素はないのかもしれないと思いました
    (6、9室支配で11室で逆行)

    そもそも建国図のラーシチャートの水星に海王星が1:31度の僅差で位置していることで、それが水星期にどんな影響を与えるのか、気になります
    • 確かに中国の建国図で、1、2室支配の土星が2室の水瓶座でムーラトリコーナの配置は、目覚ましい経済発展をもたらし、電子マネー化が進み、顔認証と信用スコアによる全体主義的管理社会の体制を、他のどの国よりも先に作り上げたことを示していると思います。

      その辺りは、この強い水瓶座の土星に現れていると思います。

      水瓶座の否定的な社会像を実現したと思います。


      水星は、6、9室支配で11室に在住しており、星位においては、友好星位で、土星ほど強くないですが、11室は成就、成功のハウスであり、基本的に強いハウスだと思います。

      それで9-11のダナヨーガも形成して、土星のアスペクトを受けているので、土星期に完成させた経済発展を維持していくようには見えます。

      ディスポジターの火星が10室に在住している為、軍事大国化し、また世界でより高圧的で覇権国のような振る舞いをし始めたということかもしれません。

      ただ水星は6室の支配星で、水の星座で弱い面もあり、土星のアスペクトを受けて傷ついている面もある為、軋轢も生んでいると思います。


      水星が水の星座に在住して、傷ついていることについては、例えば、経済発展をもたらしたIT企業に規制をかけて、その発展を台無しにしている所など、習近平体制の負の側面として現れているかもしれません。

      ディスポジターの火星が牡羊座にアスペクトバックしており、経済発展よりも軍事や国家主権の方が優先度が高くなったと思います。

      中国は資本主義に移行していくのではなく、国家社会主義であるということがはっきりしてきた感じがあります。


      出生図での水星に対する海王星の緊密なコンジャンクトは、古い時代へのノスタルジーなどを表わしているかもしれません。


      日本にまだ残っている皇室制度を羨ましく思ったり、日本の京都の街をまるまる再現するなど、歴史や伝統といったものへの憧れ、技術的に発展したものの、共産主義によって捨ててしまった中国の伝統的価値や文化遺産などに対するノスタルジーのようなものとして現れるのかもしれません。

      海王星は、合理的理性だけではなく、無意識や感情的なものによって動かされることを意味していると解釈でき、不合理な事象を生み出すかもしれません。

      ダシャムシャはよく機能していると思います。


      日本の建国図では、次のケートゥ期はケートゥが8室に在住して、7室支配の太陽とコンジャンクトしており、行き詰まり感が出ています。


      7室の支配星が8室に在住する配置は、外交的に不利であり、常に周辺国が優位に立って、それに振り回される印象であり、太陽が8室に在住する配置は、日本のリーダーシップの不在や行き詰まり、国家主権の危機などを表わしていると思います。

コメントする

CAPTCHA