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グレート・コンジャンクションについて

2020 12/23

木星と土星が12月21日に最接近することを「グレート・コンジャンクション」と名付けられて騒がれている。


この天文ショーは400年ぶりに起こるという。


特に西洋占星術を実践している方やスピリチャル業界の方は、「グレート・コンジャンクション」という名称を大げさにとらえる傾向があるようである。


例えば、「グランドクロス」とか、大げさな名称を付けて大騒ぎするが、たいしたことは起こらなかったというのがこれまでのこれらの業界の現状である。


「グレート・コンジャンクション」自体は、木星と土星が異常に近くなる為、通常のコンジャンクションによる木星と土星の連携関係が、更に強力に発揮されるという程度のものに過ぎない。

それよりも重要なことは山羊座でそれが形成されていることである。


今年、見てきたようにまさに土星や木星の山羊座への入室が、新型コロナウィルスや株式市場の大暴落、バッタの大発生、あるいはアメリカと中国の衝突などをもたらして来たのである。


木星と土星の山羊座への入室は、過去の歴史を振り返ってみても火山の爆発などの自然災害(天変地異)や飢饉、戦争、疫病などが起こって来たのである。


仕組みとしては、山羊座への土星や木星のトランジットというそれだけの単純なことなのである。


西洋占星術だと、トロピカル星座帯を使うため、土星はとっくに山羊座に入室していた為、土星や木星が山羊座に入室したタイミングで起こったという、この単純な理解に行きつかない。


やはり、トランジットを検討する際もアヤナムシャを修正したサイデリアル星座帯を使ったチャートで見て初めてそうした事実が分かる。


インドの青年が、新型コロナウィルスの発生を当てたというのは、土星と木星の山羊座へのトランジットと、新月図(ヒンドゥーニューイヤーチャート)で、土星と火星が山羊座に入室している配置から、それを予想したのである。


今回、そのことがかなり広まったようだが、その話を聴いて、インド占星術に興味を持った方もおられるようである。


インド占星術が、こうしたマンデン的な出来事を当てられるのは、アヤナムシャを修正したサイデリアル星座帯による天文暦を使っている為である。


西洋占星術のトロピカル星座帯による天文暦とは、およそ24°ぐらい惑星の位置がずれてしまっている。


24°ずれるとそれは致命的である。


西洋占星術だと、惑星がかなりのケースにおいて実際に位置している星座よりも一つ先の星座に移動してしまうようである。


そして、この為に西洋占星術では、惑星は星座を移動してから、その効果を発揮するまでに数か月のタイムラグがあるという、言い訳的な解釈が用いられるのである。


24°というのが大体、30°の5分の4である為、1年で1星座移動する木星に関して言えば、9ヶ月半ぐらいインド占星術よりも先に進んでしまうことになる。


こうなると、もう木星や土星が山羊座に入室した効果を体感することは出来ない。



その為、「グランドクロス」とか「グレートコンジャンクション」といった大げさな用語を使って、これらの配置を誇張することになるのである。


それは普段から、普通に木星や土星が星座を移動する効果というものが、体感出来ていないからである。



結婚や出産、会社への入社や事故など、あらゆる人生上の大きな出来事が、木星や土星が星座を移動するタイミングで起こるのである。



但し、そのように言っても「グレート・コンジャンクション」は全く無意味ではなく、やはり、木星と土星が400年ぶりに最接近し、それが山羊座で、最接近するというのは重要に思われる。


例えば、今、アメリカ大統領選挙でもトランプ大統領が、共和党の不正選挙を法廷闘争に持ち込んで、逆転勝利を模索しているが、そうしたことも通常、滅多に起こらないことである。



木星と土星が山羊座に入室すると、木星は減衰し、ディスポジターの土星は同室する為、ニーチャバンガラージャヨーガを形成している。



従って、大どんでん返し、災い転じて福と為すといったことが起こり得るのである。




木星が11月20日頃から山羊座に入室したタイミングで、やはり、予想通り、新型コロナウィルスの感染者数が大幅に伸びて来て、コロナの第3波が来ているなどとも言われているが、来年1月半ば頃に太陽が山羊座に入室するタイミングが、新月図においては重要である。


まだ株式市場の大暴落などは起こっていないし、まだこれからである。



土星や木星が水瓶座に入室するタイミングでは、例えば、過去におけるフランクリン・ルーズベルトのニューディール政策やジョンソン大統領の偉大な社会など、大規模な社会主義的な救済措置が取られることになる。



その為、株式市場の大暴落、経済崩壊が起こるのは、その前である。



あとはそれがいつ起こるかだけの問題である。



そして、私は、バイデンやカマラ・ハリスの出生図を見て、やはり、双子座が強調されている為、やはり、経済崩壊の後で、やはり何らかの大きな金融面における改革が行なわれる可能性もあると考えている。



2022年ぐらいからリベラル派の躍進があると思われる。




例えば、2022年から原子核融合炉の稼働が開始するという情報があるが、そのタイミングも非常に興味深いのである。




それはちょうど土星が水瓶座を通過しているタイミングである。




人類のエネルギー問題を解決する夢の原子核融合炉が、稼働し始めて、AIが仕事を効率化し、仕事が無くなる結果として、ベーシックインカムなどが導入され、「ブルシット・ジョブ」(クソどうでもいい仕事)から解放される日も近いかもしれない。





(参考資料)

21日に木星と土星が大接近、ここまで近いのは400年ぶり
2020/12/16 17:58 ナショナル ジオグラフィック日本版

太陽系のダイナミックさを感じられる「グレート・コンジャンクション」

 クリスマスを目前に控えた今、星空で珍しいことが起こっている。夕暮れの空を見上げれば、太陽系の2つの明るい惑星、木星と土星がすぐそばにいるように見える。

 日本で最も近づいて見られるタイミングは冬至の日、12月21日の日の入り後だ(最接近するのは22日の3時ごろだが、日本では地平線に隠れて見えない)。木星と土星がここまで近づいて 見えるのはほぼ400年ぶりで、「グレート・コンジャンクション」と呼ばれている。

 すばらしいのは、この天文ショーは特殊な装置を使わずに観測できること。空が暗くなり始めたら、南西の方向を見るだけでいい。天体望遠鏡をのぞけるなら、さらに珍しいものを見るこ とができる。通常のアマチュア用の観測装置で、2つの星が同時に視界に収まるはずだ。木星とその4つの明るい衛星、そして環を持つ土星をすべて一度に観測できる。

 だが、12月21日を待つ必要はない。米ロサンゼルスにあるグリフィス天文台でキュレーターを務めるローラ・ダンリー氏は、「21日だけでなく、12月を通して観測すれば、はるかに楽しめ るはずです」と言う。「2つの光、木星と土星は、21日までどんどん近づいていきます。もっとも近づいたときは、わずか0.1度しか離れていません」。これは地球から見える満月の直径の5 分の1ほどの間隔だ。

 それでも、ほとんどの観測者は2つの惑星を見分けることができる。「運転できる程度の視力があれば、最接近したときでも、木星と土星が2つの天体であることはわかります」とダンリー 氏は言う。

近いようで遠い

 このような惑星の接近は、天文用語でコンジャンクション(合(ごう))と言う。木星と土星の接近は約20年に一度起きるが、その珍しさから「グレート・コンジャンクション」と呼ばれ ている。それと比べて、内惑星である水星と金星が関わるコンジャンクションは頻繁に起きる。

 太陽から離れた惑星ほど、ゆっくり動くように見える。そして、木星と土星は、肉眼で簡単に観測できるもののうち、もっとも遠くにある2つの惑星だ(土星は木星より遠くにあり、物理 的にも木星より小さいので、暗いほうが土星だ)。木星は12年で太陽を一周するが、土星は30年かけて一周する。その結果、木星と土星は20年に一度接近することになる。

 だが、毎回同じような接近が起きるわけではない。2つの星の軌道は、厳密に同じ平面上にはない(もしそうなら、20年ごとに木星が土星を覆い隠すことになる)。通常は、数度の間隔を あけて通り過ぎるように見える。今年は、地球から見ればちょうど隣同士であるように見えるが、実際には何億キロも離れている。

 木星と土星がここまで接近するのは、1623年以来。これは、ガリレオが初めて望遠鏡を夜空に向け、木星の4つの衛星を発見した10年ほど後のことだ。しかし、このときは問題があった。 米アリゾナ州にあるローウェル天文台のケビン・シンドラー氏は、「観測しにくかったはずです。2つの惑星が太陽に近い位置にあったからです」と言う(2000年に起きた前回のグレート・ コンジャンクションも同様だった)。

「ここまで近く、さらに観測できるものとなると、1226年までさかのぼらなければなりません」。次にこの近さでコンジャンクションが起きるのは2080年だ。

躍動する太陽系

 歴史を通して、人類は惑星のコンジャンクションに注目し続けてきた。占星術的に重要な意味を持つ現象と考えられていたからだ。たとえば、14世紀英国の詩人ジョフリー・チョーサーは 、叙事詩『トロイルスとクリセイデ』で、1385年のグレート・コンジャンクションについて「土星と木星がかに座で交わり、このような大雨が降り注いだ」と書いている。

 世界的な大洪水を予言した占星術師もいたが、もちろんそのようなことは起きない。だから、この天文ショーは安心して見ることができるし、写真を撮ることもできる。

 米ルイジアナ州立大学の天文学者、ブラッドリー・シェーファー氏は、「いい写真を撮りたければ、いい機材をそろえ、しっかり練習して十分に実験しておくことです」と言う。夜空の2 つの点はスマートフォンのカメラでも撮影できるかもしれないが、デジタル一眼レフカメラや三脚に取りつけられるズームレンズを搭載したカメラのほうがいい写真を撮れるだろう。

「三脚は必要です。また、事前に撮影場所を計画しておいたほうがいいでしょう」とシェーファー氏は助言する。南西の方向に障害物がないことは確認しておこう。

 もし曇っていても、心配することはない。アリゾナ州のローウェル天文台を含め、たくさんの天文台がこのイベントをライブ中継している。

 ダンリー氏はこう話している。「毎夜観測すれば、太陽系のダイナミックさを感じることができるはずです」

文=DAN FALK/訳=鈴木和博
参照元:21日に木星と土星が大接近、ここまで近いのは400年ぶり
2020/12/16 17:58 ナショナル ジオグラフィック日本版
トランプ大統領の逆転はある?「1月20日正午まで可能性は残っている」共和党のアドバイザリーボードメンバーも務める中部大・酒井教授
2020/12/16 17:50 ABEMA TIMES

アメリカ大統領を正式に選出するための「選挙人」による投票が50州と首都ワシントンで行われ、バイデン氏が当選に必要な過半数の票を獲得した。

この結果を受けてバイデン氏が「私は全てのアメリカ国民の大統領になる。私に投票してくれた人のため、そして投票しなかった人たちのためにも懸命に働く」と述べたのに対し、トランプ大統領は「多くのトランプ票がバイデン側に移行された。このフェイク選挙はこれ以上もちこたえることはできない。前へ進め、共和党。激戦州勝利!7500万票」とツイート。郵便投票や開票作業、集計マシンなどによる選挙の不正について争う姿勢を崩してはいない。

 15日の『ABEMA Prime』では、トランプ陣営の思惑について、選挙のアドバイザリーボードのメンバーも務め、「僕は決してトランプ大統領が悪いとは思わない。トランプの方がいい」とも話す中部大学の酒井吉廣教授に話を聞いた。

■「1月6日に確認するまでは正式には決まらない」

仕事で渡米した際のメンターが、後にブッシュ政権で副大統領を務めるディック・チェイニー氏の妻だった関係から共和党の仕事を手掛けるようになったという酒井氏。共和党の選挙のアドバイザリーボートメンバーは2000年の選挙から数えて6回目だったという。

 「よく“アメリカは分断されている”といわれるが、そもそも共和党支持者と民主党支持者に分断されている。もちろん少数政党もあるが、知事であれ、司法長官であれ、あるいは選挙管理委員の人間であれ、大抵はどちらかに入っている。選挙とは、いわば“投票というツールを使ったケンカ”なので、民主党支持者は民主党に勝たせたいし、共和党支持者は共和党に勝たせたいという心理が働く。例えば今回の郵便投票でも、投票箱を持っていって“ここに入れてくれ”といったことが起きている。共和党としても、党内の人間にそういう不正をされるのは困る。それを止めるためのルール作りなどに携わっている」。

 その上で酒井氏は「バイデンが勝ったとして、厳密にそれが言えるのは1月6日だ」と話す。「12月14日は選挙人が投票を行うだけで、結果を確認するのは1月6日。したがって現時点ではバイデン氏が勝った州の選挙人の投票先を予想して“バイデンが獲得した”と陣営が言っていることや、出口調査のように話を聞いた結果だ。しかし実際には下院の人たちが1月6日に確認するまでは正式には決まらない」。

■「1月20日正午まで、可能性は残っている」

そこで巻き返しを図るべくトランプ陣営が仕掛けているのが「不正」を訴える裁判だ。このうち、郵便投票期日の変更手続きに関する主張について酒井氏は次のように説明する。

 「本来、郵便投票も3日までに到着していなければならないはずだが、州知事や州務長官が“10日着でもいい”などということを議会の手続きを無視して決めた州もある。それは憲法違反ではないか、ということだ。こうしたことが1年くらい前に変えられていれば皆が気づかないし、投票日になっていきなり宣言されれば止めようがない。郵便投票を行ったのは民主党支持者が圧倒的に多いということは事前にデータで分かっていたし、期限が1週間延びれば、1万票、2万票と結果が変わってくる」。

こうしたことから、テキサス州のパクストン司法長官(共和党)は今月7日、激戦州と言われるペンシルベニア州やミシガン州など4州を相手取り、選挙結果の無効を求める訴訟を提起。「本来であれば、これらの州の票は全てトランプ大統領の票だというところにまで持っていきたいが、もはや時間がない。しかしこの裁判に勝てばバイデン氏に入るはずの62票が無効になり、双方ともに270票にいかないことになる。すると1月6日の開票日には下院による大統領選挙が行われることになる。そこで勝てばいいという考え方だった」。

しかし連邦最高裁は11日、この訴えを退けている。それでも米メディアによれば、他にも15件の裁判が継続中、トランプ支持者たちによる抗議活動も続いている。酒井氏は「トランプが“俺が正しいんだ”と騒いでいるうちは世の中は動かなかったが、ミシガン州では人手を使って票を数え始めたところ、バイデンが1万ちょっと上回っていたのが、実は1万票以上がトランプだった、ということが出てきている。裁判じゃないと結果が出ない。しかし繰り返しになるが、中立な人もいない。開票日の1月6日の後でも、1月20日の正午という、憲法で定められた時間がある以上、まだ可能性は残っている」とした。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
参照元:トランプ大統領の逆転はある?「1月20日正午まで可能性は残っている」共和党のアドバイザリーボードメンバーも務める中部大・酒井教授
2020/12/16 17:50 ABEMA TIMES
【クローズアップ科学】日本の新核融合炉、建設大詰め エネルギー問題解決へ
2019.1.20 10:00 産経新聞

人類のエネルギー問題を解決するともいわれる「核融合発電」を実現させるため、2020年の完成に向け世界最先端の大型実験装置「JT-60SA」(茨城県那珂市)の建設が大詰めを迎えている。日本は核融合の技術で世界をリードしており、フランスを舞台に国際協力で進む「ITER(イーター)」計画とも協調することで、今世紀半ばの技術確立に向けた貢献が期待される。

1グラムの気体が石油8トン分に

 核融合とは、水素のような軽い原子核どうしが融合し、ヘリウムのようなより重い原子核に変身する現象だ。このとき、アインシュタインの質量とエネルギーに関する公式により、膨大なエネルギーが生じる。

 例えば水素の仲間である「重水素」と「三重水素」を計1グラム用意して核融合させただけでも、石油約8トン分ものエネルギーが発生する。核融合発電は、このエネルギーで加熱した水で、タービンを回して電気を作るイメージだ。重水素と三重水素は海水を通じて手に入り、枯渇の心配がない。

 核融合反応は太陽の内部でも起きているため、核融合発電は“地上の太陽”ともいわれる。

 JT-60SAは量子科学技術研究開発機構(千葉市)が欧州と協力して建設しており、炉の本体は直径約12メートル、高さ約16メートル。建設費は630億円超で日本は3分の2程度を負担する。20年に完成し、22年に本格稼働する見通しだ。

実験では重水素だけを用いる。炉外の加速器で秒速1万キロに加速した重水素の粒子を、同じく重水素が充填(じゅうてん)された炉内に注入して1億~2億度まで加熱。この超高温で、重水素の周囲にある電子をはぎ取って原子核をむき出しにし、さらに本来はプラスの電荷どうしで反発し合う2つの原子核を強引に融合させる。これが核融合だ。

 一方、重水素は電子をはぎ取られると不安定なプラズマになるため、強力な磁場で閉じ込めて安定したプラズマ状態を保つ必要がある。しかし、経済性を重視して核融合炉を小型化すると、プラズマを閉じ込める難易度は上がってしまう。

 この壁の克服がJT-60SAの大きな目的で、計画では200秒間の連続運転を目指す。イーターの実験炉が稼働するまでは、核融合の実現に向けた世界最先端の研究施設となる。

予算2兆円のメガプロジェクト

 これに対してイーター計画は、日米欧露のほか中国やインド、韓国が加わるメガプロジェクトだ。フランス南部に建設中の実験炉は直径、高さともに約30メートルで25年に完成、35年の本格稼働を目指す。計画の総額は約2兆円で、うち日本は約1800億円を負担している。

実験炉では発電はしないが、5万キロワットの電力で重水素と三重水素を核融合させることで、約17万キロワットの発電量に相当する熱出力を目指す。イーターとJT-60SAの成果を組み合わせ、経済性をはじめとした実用化のめどが立てば、実際に発電まで行う「原型炉」の建設へと続く。これは今世紀半ばとなる見通しだ。

日本が世界をリード

 核融合の技術では、意外なことに米国は出遅れており、日本と欧州が世界をリードしている。イーターの実験炉をめぐっても、日本とフランスが立地を争ったほどだ。

 戦後日本で核融合の研究を主導したのは、わが国初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士だった。湯川博士は1957年、政府の原子力委員会が設置した核融合反応懇談会の初代会長に就任するなど、研究の進展に尽力。その後、日本は着実に技術を蓄積してきた。

 JT-60SAの建設には国内産業界が培ってきたさまざまな技術もつぎ込まれている。同機構・那珂核融合研究所の栗原研一所長は「JT-60SAを通じ、核融合に関するノウハウやテクノロジーを蓄積しながら、実用化を目指して世界の最先端を進み続けたい」と意気込む。(科学部 小野晋史)
参照元:【クローズアップ科学】日本の新核融合炉、建設大詰め エネルギー問題解決へ
2019.1.20 10:00 産経新聞
核融合発電所は何が難しく、いつ完成するのかーーベゾス氏ら220億円出資「General Fusion」の可能性
2019.12.24 BRIDGE / Sasaki Shun

ピックアップ:General Fusion Closes $65M of Series E Financing

ニュースサマリ:核融合発電所の実現を目指す「General Fusion」はシリーズEで6,500万ドルの資金調達を発表した。同社は核融合による発電で商業化を目指すカナダのスタートアップ。累計調達額は2億ドル(約220億円)を超える。資金はプロトタイプ建設に使用され、2025年から実証実験を行う予定だ。

この調達ラウンドはシンガポールの投資ファンドTemasekがリードを担当し、Chrysalix Energy Venture Capital、Bezos Expeditions、Khazanah Nasional Berhad、Breamar Energy Ventures、Entrepreneurs Fund、SET Venturesなど既存投資家も参加した。

話題のポイント:アポロ計画に由来する言葉「ムーンショット(Moonshot)」を聞いたことがある人は多いと思います。癌の撲滅、環境問題解決、食糧不足問題の解決など、困難で莫大な費用が必要ではあるが、解決したときにインパクトがある社会問題解決に向けたイノベーション創出の総称です。

核融合による次世代エネルギー生成もムーンショットの一種と言えるでしょう。気候変動に影響を及ぼすCO2/SO2/NOxのガスを一切排出せず、火力発電に代わる持続可能なエネルギーを生み出す可能性を持っています。

最近では再生可能エネルギーの発展に期待が寄せられていますが、火力発電に100%代われるかというと現状では見込みが薄いと言えます。環境を相手にする点が不安定であるのに加えて、火力発電は世界の発電の67%に当たる17兆Whを生み出しているため、相当する電力量を埋め合わせる術がないのです。

この点、核融合は電力量の確保の心配はありません。火力発電の数百万倍、原子力発電の約3倍に相当するエネルギーを生成できます。さらに材料は水素であるため海が干上がらない限り枯渇しません(ただし材料の水素は同位体である重水素とトリチウムであり、自然界にはほとんど存在しないため人工的に作製する必要があります)。

大きな可能性に満ちあふれている核融合ですが、挑戦の歴史は古く、実は1930年代から行われてきました。現在、日本を含む35カ国が参加して、250億ドル規模の予算をかけて国際熱核融合実験炉(ITER)の開発が進められています。一方、General FusionはAmazon CEOのジェフ・ベゾス氏を始めとする世界の投資家から2億ドルを集めて実用化へ急速に開発を進めています。

ここまで聞くと実用化まで真っしぐらに進んでいると感じますが、決してそんなことはありません。このまま順調に各プロジェクトが進行したと仮定しても、実用化は2050年前後になると予測されています。

本記事では核融合を実現するのはなぜ難しいのかをご紹介します。今後核融合の話題を見るときの一つの視点にしていただければ興味深く見ることができると思います。

まずは簡単に核融合の原理を説明します。核融合とは原子核同士が合体することです。原子力発電ではウランの原子核が分裂することを利用して発電をしているため、真逆の原理を使っていることになります。

中学理科の復習をすると、原子核は+電荷の陽子と無電荷の中性子で構成されています。核融合には原子核同士をかなり接近させなければならないのですが、原子核が+なので強く反発し合います。そのため、大きいエネルギーを与えて無理やり接近させる必要があります。

この大きいエネルギーは熱として与えます。現在核融合のプロジェクトのほとんど採用されている重水素ートリチウムの場合、約1億℃の熱が必要になります。

難しいのはここではありません。

この温度になると水素はプラズマの状態に変わり、大きな運動エネルギーを持って拡散しようとするのです。拡散して他の材料にぶつかるとプラズマは冷えてしまうため、核融合が行われるように一定の場所に留まらせる必要があります。プラズマを制御する方法、これが核融合を人類の手中に収めるのに最も困難な部分です。また、実験するのも容易ではありません。

核融合研究はプラズマ制御のアプローチで大別することができます。ITERを始めとする多くのプロジェクトで採用されている磁気を使ってプラズマを閉じ込める磁場閉じ込め方式。周りからレーザーを照射する慣性閉じ込め方式。General Fusionでは2つを組み合わせた磁化標的核融合方式を採用しています。

それぞれの長所短所をまとめると下記のようになります。

・磁場閉じ込め方式:制御性能が最も高いが、ものすごく規模が大きい

・慣性閉じ込め方式:扱いにくい磁場は必要ないが、工学的な課題が多い

・磁化標的核融合方式:機械的でシンプルなため安価だが、プロトタイプがないため能力が理論通りかわからない

General Fusionが採用する磁化標的核融合方式は、プラズマを球状に満たされた液体金属の中に入れて、ピストンで液体金属を圧縮するというとてもシンプルな構造です。安価で小さく、目立った欠点はありません。大きな資金を集められているのも頷けるポテンシャルを持っています。

しかし、上の動画で紹介されているプラズマ入射装置、プラズマ圧縮装置(ピストン部分)、音響ドライバーシステムが理論通り駆動できるのかは分かっていません。つまりキーコンポーネントにシミュレーション以上の確証が全くない状況なのです。

今回の資金調達は、構築した理論が机上の空論ではないことをプロトタイプを作製して確かめるために使われます。プロタイプの完成が2025年の予定なので、実用化はさらに10〜20年程度の年月と数十億ドルの追加資金が必要になるでしょう。

果たして核融合は次世代エネルギーとなり、脱炭素化を実現できるのか、そして民間企業がどこまで資金繰りをしながら生き抜いていくのか。長い目で応援していく必要がありそうです。
参照元:核融合発電所は何が難しく、いつ完成するのかーーベゾス氏ら220億円出資「General Fusion」の可能性
2019.12.24 BRIDGE / Sasaki Shun

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コメント

コメント一覧 (10件)

  • インド占星術、超初心者です
    質問させてください

    birth chartで 木星と土星が山羊座でコンジャクト
    しています
    今回の天体の動きは個人にも大きな影響をあたえるものなのでしょうか?
    • 特別に今回の天体の動きが影響を与えているということではなく、常に個人のチャートはトランジットの惑星の影響を受けています。

      それぞれの人のチャートに描かれたカルマに応じて、トランジットの惑星の影響を受けて、人生の様々なことが起こってきます。

      惑星は個人のチャートに常に影響しているので、コンジャンクション自体は頻繁に起こっており、特に珍しいことでもありません。

      「グレート・コンジャンクション」が重要なのではなく、山羊座で木星と土星がコンジャンクションすることが、それぞれの人にとって何を意味するかです。

      但し、今回の場合は、特にトランジットの土星と木星が緊密にコンジャンクトするという意味で、事象の起こり方は、より強くはっきりとしたものになるという違いはあるかもしれません。

      個人にどのようなテーマに関する影響を与えるかは、そのそれぞれの人のチャート、惑星配置に応じて違ってきます。
  • 占星術を離れても、巷では21年1〜2月に暴落する。という人が増えて来たように思います。インド占星術ではグレートコンジャンクに山羊座に太陽がやって来る。太陽にとって山羊座は居心地悪い。加えて冥王星もいる。
    ので暴落する可能性が高い。
    というロジックかと思います。
    しかし、冥王星を出すなら天王星も出す必要があります。
    牡羊座でスクエアの位置が暴落を止めるのではと見ている人を見つけました。
    インド占星術に外惑星を入れる事にも違和感があるんですが、良くわかりません。
    仮に入れても冥王星外す。そうすると天体は9個。秘教的には9の方が良い感じ。
    ただ 外惑星は外してラーフ&ケートゥで9個が伝統?には合う。
    と、色々考えているのは来年暴落は来ないのではという考えが捨てきれないからです。
    例え コロナが収束しなくても。
    占いも解釈で色々説明出来てしまうので難しいです。
    • 占星術からアイデアを取っているとはっきりとは言っていなくても確かにFXのトレーダーの方が、グレートコンジャンクションで、木星と土星が最接近する2020年12月21日の翌日を株式市場の暴落のタイミングと考えていたり、占星術情報を投資家たちが活用している感じがあります。

      投資家たちが相場予想を全く占星学と関係ない所で行って、偶々予想が一致したということではなく、やはり、占星学から出てきた情報を活用するという経路があるのではないかと思います。

      西洋占星術には相場予想などを行なう経済占星術師もいると思うので、そうした所から情報が入って来ている気もします。


      >しかし、冥王星を出すなら天王星も出す必要があります。
      >牡羊座でスクエアの位置が暴落を止めるのではと見ている人を見つけました。
      >インド占星術に外惑星を入れる事にも違和感があるんですが、良くわかりません。


      牡羊座をトランジットする天王星が関わるなら、それはむしろ暴落を促進するのではないかと思います。

      ケンドラの位置関係である為、ジョーティッシュでは、星座交換、コンジャンクト、アスペクトの次ぐらいに絡んでいるとみなす配置であり、天王星を凶星として扱い、絡んでいると見なすなら、暴落を促進すると思います。


      牡羊座の天王星は、国家社会主義や民族主義、独裁主義、右翼革命をもたらす配置であり、相場の動きは激しくなると思います。


      蟹座や牡羊座の特徴は、熱しやすく冷めやすいという特徴がありますから、激しく上昇したと思うと、次の瞬間、暴落します。


      それはポピュリズムで台頭した人物への人気や支持が長続きしないのと同じです。


      山羊座も牡羊座も運動星座ですから、安定とか固定というのが難しいと思います。


      高値から低値へ低値から高値へと、変化しないではいられないのが、運動星座ではないかと思います。


      今回、山羊座で逆行する土星と射手座に逆行した木星が、射手座と双子座にダブルトランジットして、最後に射手座の上昇と下降の激しい動きを演出しましたが、土星は星座から出ていく最後のタイミングで最も力を発揮し、結果を表わす為、まだ土星が2022年末まで逆行もしながら、山羊座に2年間も留まり続ける為、その間には色々起こると思います。

  • アナムシャ(歳差)のズレの件共感します。
    ほとんどの西洋占星術師は歳差で年々ズレる星座範囲に気付けてないのが残念です。

    そこで質問させていただきますが、
    インド占星術での太陽は基本的に弱い凶星と定義されてます。
    あの巨大で太陽系の中心にあり全ての惑星を照らしている主役とも言える太陽が、なぜ凶星なのか?
    私はインド占星術のここに違和感を覚え、自分流の占星術を模索中です。
    秀吉さんはどう思われるでしょうか?
    • 太陽は確かに弱い凶星扱いですが、アートマン、魂の表意星としての意味もあったと思います。

      太陽は自信とか気高さを意味し、太陽が強ければどんな状況でも惨めにはならず、存在感を放つと思います。

      但し、太陽は自我や自己主張も表わし、周りにいる存在を押しのけていく為、そういう意味で、周囲に害をもたらすと思います。

      その部分については全く無害ではないので、それで弱い凶星扱いになっていると思います。

      それはコンバストといった考え方の中に全く表れています。

      太陽に近づきすぎると焼かれてしまうので、適度な距離を保った方がいいということです。

      権力者に近づきすぎると大火傷をするというのと同じです。

      例えば、権力者の周りで仕事をしていた人が、権力者に不利な秘密を知っていると、いざという時に消されてしまうというのと似ています。

      ジョーティッシュでは生来的な凶星であっても機能的には吉星になりますから、土星や火星も神聖な惑星になり得ます。

      生来的な凶意よりも機能的な凶意の方が重視されます。

      ですから太陽の弱い凶星としての生来的な凶意についてもそれ程、重視する必要はないと思います。

      太陽は強い方が、強い身体、自信、存在感、力を与えるのでよく、同じ暖色系の木星、火星などとは非常に相性がいいです。

      土星や金星などの寒色系の惑星と絡む場合にこれらの惑星を傷つけます。

      またラーフやケートゥとも相性が悪いです。
      • ご回答ありがとうございました。
        全く無害ではないのはすべての惑星に言えると思いますが、
        特に太陽は吉凶二元論では片付けられない複雑な存在ですね。
        惑星の吉凶判断は初心者にわかりやすく伝えるためのある種の方便という要素もあるのでしょうね。
  • 現状はコロナ感染が増えるほど株式市場は上がってます。コロナバブルと言っても良いです。ワクチン効果が明確になると、逆に市場は徐々に下がるかもしれません。
    占いではないてす、正常化に向けての反応です。
    1961年も少し下げてますが、ベルリンの壁建設が始まった辺りですかね。
    2021は何だろ?アメリカの分断が激しくなるとか?
    相変わらずよくわかりませんが、というかわからないのでベア型とかVIXタイプを年内に買う予定です。リスク対応です。
  • 1/24 土星に太陽が重なった辺りでは市場は特に変化ありませんでした。土星定座で強かったからかも。
    1/28木星に太陽が重なった時は2日位大きく下げました。木星が減衰してるから太陽に焼かれ安かったのかも。
    このまま暴落かと思い増したら戻しました。
    太陽が木星から離れて行ったからでしょうか。
    次のイベントは逆行水星が山羊座で太陽と2/8辺りで重なります。ここで市場は下がるかもしれないと予測してます。
    ただ暴落までは行かないかと今でも思ってます。
    1961年にも少し下げましたが、大きな暴落はもっと後でした。
    でも 現状を見れば今いつ暴落しても不思議ではないです。
    かろうじて耐えてる。何かキッカケ出来たらあっという間に崩れる。状況なのは間違いないと万人が考えるとは思います。
    • 検証ありがとうございます。
      木星や土星が山羊座を通過して経済崩壊が起こるのであれば、それは太陽や月、水星などの動きの速い惑星でも同じだと思います。その理論から考えて、経済、金融の表示体である水星が山羊座を通過してしかも逆行するようなタイミングは可能性はあるかもしれません。あとは過去の株式市場の大崩壊は天秤座を太陽がトランジットする10月に起こっています。今年の4月以降、木星が水瓶座に移動して、天秤座に木星と土星がダブルトランジットしたタイミングで、10月から太陽も天秤座を通過します。太陽が減衰するので、投資家が自信を失うと考えられますが、上がり過ぎたもののバランスを取るといった現象とも考えられ、山羊座から見て天秤座は10室で山羊座の行為のハウスであり、ケンドリヤ効果で関連しており、10月というのも面白いタイミングかと思います。

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