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イラン保守大国の内部事情 -女性の死に対する抗議運動がイラン全土に広がる-

2022 10/18

イランの道徳警察に逮捕され、数日後に亡くなったクルド系のマサ・アミニさん(22)


イランで、スカーフの着け方で、頭髪を適切に覆っていなかったとして、道徳警察に逮捕されていた女性が死亡したことに抗議するデモが4週目に突入している。


そのデモに対して、イラン当局は取り締まりを強化し、デモに参加した市民が200名以上死亡している。


イラン当局はインターネットを遮断し、デモが拡大している様子や、デモを弾圧する様子が海外に伝わらないように苦心している。


おそらく自分たちでもそれが恥ずかしいことであると認識しており、国際社会には知られたくないことを意味している。


西側各国は、イラン当局の取り締まり強化に懸念を表明し、デモに対する支持を表明している。



スカーフの着け方で……イラン道徳警察に逮捕された女性が死亡 女性たちが抗議
2022年9月19日 BBC NEWS | JAPAN

イランの首都テヘランで、道徳警察に逮捕された女性が数日後に死亡した。目撃者によると、頭髪を適切に覆っていなかったとして拘束されたこの女性は、警察車両の中で殴られていたという。警察への批判が高まる中、女性の葬儀では多くの女性が髪を覆うスカーフを脱ぎ捨てて抗議した。

マサ・アミニさん(22)は13日、頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして道徳警察に逮捕された。目撃者によると、アミニさんは警察車両の中で殴られ、その後、意識不明に陥った。アミニさんは16日に亡くなった。

警察は暴行を否定し、アミニさんが心臓発作に襲われたと主張している。

アミニさんの葬儀は17日、地元の西部サケズで行われた。大勢の市民が詰めかけ、警察への抗議の場となった。ヒジャブを脱ぎ捨てて抗議する女性たちや、「独裁者に死を」と叫ぶ抗議者も見られた。

ソーシャルメディアに投稿された動画では、治安部隊が葬儀に突入できないよう、地元住民が早朝から集まる様子が映っている。

また、アミニさんの死に抗議して市庁舎に押し寄せる抗議者もいた。BBCペルシャ語サービスが確認した動画では、治安部隊が抗議者に発砲していた。

また、逮捕者や負傷者も出ているという。

テヘラン北部のカスラ病院は声明で、アミニさんは13日に「生命兆候のない状態」で運ばれてきたと発表した。

しかし、強硬派のSNSアカウントなどが、病院職員を「反政府エージェント」と糾弾したため、この声明はSNSから撤去された。

イランの国営テレビも、アミニさん逮捕時の監視カメラ映像を放送したが、人権保護団体は、テレビ局が映像を検閲して事実と異なる物語を捏造(ねつぞう)していると批判している。

サイバーセキュリティーやインターネットのガバナンス(統治・管理)の監視団体「ネットブロックス」によると、アミニさんの死が報じられた直後、テヘランやセケズなど複数の地域でインターネットが阻害されたという。

この間、インスタグラムやワッツアップに動画を掲載することができなくなった。

保守派のエブラヒム・ライシ大統領は、アミニさんの死について調査するよう内務省に指示している。

イランでは1979年のイスラム革命後、女性は「イスラム的な」控えめの衣服を着るよう法的に義務付けられている。実際には、全身を覆うチャドルか、頭髪を覆うスカーフと腕を隠すマントを着る必要がある。

近年では、ヒジャブ義務化への反対運動が何度か繰り返されてきた。特に、服装規定違反だとされた女性に対する道徳警察の厳しい取り締まりをきっかけに、ヒジャブ強制への反対が高まっている。

一方でイランのゴラムホセイン・モフセニ=エジェイ司法長官はこのほど、こうしたヒジャブ強制反対の背後には外国勢力がいるという見方を示した。情報機関に「裸のベールの背後にある手」を見つけるように指示した。

ライシ大統領も、「イスラム社会における組織的腐敗の促進」を取り締まると約束。イラン国営テレビはここ数カ月、厳しい服装規定を守らなかったとして逮捕された女性の告白をテレビで放映している。

多くのイラン人は、最高指導者アリ・ハメネイ師が弾圧の原因だと非難している。ソーシャルメディアでは、ハメネイ師が道徳警察の役割とその運営方法を賞賛する演説が共有されている。

(英語記事 Iran headscarf protest at arrested woman’s funeral )


イランの2020年の新月図を作成してみると、蟹座ラグナで、土星、火星は7室に在住している。





イランはコロナの感染者数が755万で、死者数が14.4万と、他の各国と同様、大きな被害を受けている。



然し、土星、火星が7室に在住している為か、2020年はコロナの感染拡大もあったが、アメリカとの軍事的緊張が高まった時期である。


2020年1月3日にバグダード国際空港攻撃事件で、イランのイスラム革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官ら10人が、アメリカの無人攻撃機からの攻撃で、死亡している。


これは、2019年12月27日にイラク軍基地をイランの武装勢力がロケット弾で攻撃した際、アメリカの民間人1人が死亡、アメリカ兵4人とイラク治安部隊2人が負傷したことに対する報復であったが、1月3日にソレイマーニー司令官らが死亡した後、2020年1月8日にイスラム革命防衛隊が、アメリカ軍が駐留する基地に対して、複数の弾道ミサイルを発射するという応酬に発展している。

従って、2020年はアメリカとイランの軍事的緊張が高まった時期であると言える。



これは2020年の新月図によく現れている。





それでは、2022年の新月図を見ると、今度は土星と火星が8室に在住している。



8室から2室にアスペクトして、2室も傷つけている。



この山羊座8室の土星と火星は、非常に深刻なダメージをその国家に与える配置である。



それは2020年の新月図で、8室に土星と火星が在住していた中国やイタリアでは、新型コロナで、深刻な被害を受けたことからも納得できる。



8室には国の支配者、大統領、首相、王、独裁者の死、政府の終焉、国家の破壊といった象意があり、その国の行き詰まり状態を表わしている。







今回のデモが広がりを見せて、イラン当局が躍起になって、デモを鎮圧し、200名以上の死者が出ていることや、イラク国営テレビが、ハッキングを受けて、イランの最高指導者アリー・ハーメネイー氏の写真に照準が合わせられ、死亡した女性たちの写真が放映されるなどの事件も発生し、政権が動揺していることが、この8室の土星と火星で表わされている。


(2020年の中国では、道端でコロナで倒れる人々を共産党当局が、強制的にトラックに載せて、連れ去り、隔離したり、火葬場で焼くといった行為を行ったのもこの山羊座8室での土星、火星の表現である)


こうしたイラン当局の取り締まり強化について、アメリカや西側諸国が、懸念を表明し、経済制裁などにつながっていく可能性が出て来ている。


これは、土星、火星が2室(国の財政)にアスペクトして、2室を傷つけている為である。






イランの建国図を見ると、蟹座ラグナで、ラグナで9室支配の木星が高揚し、9室魚座に太陽、水星、火星が惑星集中している。



こうした蟹座と魚座への惑星集中が、イランが厳格な保守の国であることを表わしている。



パフラヴィー朝イランの第2代皇帝モハンマド・レザー・シャーの親欧米専制を打倒して、政権を奪取したイラン・イスラム革命が、この国の宗教国家、保守国家としての本質を象徴している。


先日、傷害事件のあった小説家サルマン・ラシュディー氏にかつてイランの最高指導者が死刑宣告を出したことなども考えると、頑強な保守の国である。



然し、2017年9月11日のCOURRIERで、イランの若者の間で、乱交パーティーなどが流行っているといった記事が紹介されていた。(参考資料参照)



厳格な保守の国イランでは、当局の目をかいくぐって、若者が文化的な面で、過激に反抗していたようである。




イランの建国図を見ると、このことはよく現れている。



イランは、木星、太陽、水星、火星などが、蟹座と魚座の水の星座に惑星集中している為、封建的な厳格な保守の国なのだが、金星が水瓶座の8室に在住し、そこにラーフ/ケートゥ軸も絡み、ディスポジターの土星が獅子座から水瓶座8室にアスペクトバックしているのである。


この水瓶座は、革新勢力を表わしており、リベラルで自由を求める若者文化を表わしていることは明らかである。



然し、この水瓶座は蟹座から見ると8室で、魚座から見ると12室であり、イラン当局から見ると損失であり、悩みの種である。




因みに水瓶座は、アメリカや西側諸国の何かとパーティーを行い、人が集って自由に交流する文化を表わしている。



乱交パーティーまで行かなくても何かとパーティーを行って、若者が交流するのがアメリカの文化である。



例えば、アメリカの高校生活の最後にプロムというダンスパーティが行われるが、男子が女子をダンスに誘って、参加するという習わしになっている。



西欧の宮廷文化などでもサロンに集う貴族が、仮面舞踏会を催したり、水瓶座的な集いが行われている。



モーツアルトがこうした舞踏会に呼ばれて、演奏するなどしたのであるが、こうした集いによる横の連帯がやがて、フランス革命などに繋がっていく。



こうした真面目な文化から不道徳な文化までが、水瓶座的なニュアンスがある。



因みにイランの若者の間で、過激な性文化が流行っているのは、金星がシャタビシャー(ラーフ)に在住し、ラーフがプールヴァパールグニー(金星)に在住し、金星とラーフがナクシャトラ交換していたり、金星のディスポジターである土星がプールヴァパールグニー(金星)に在住していることから来ているのではないかと思われる。




つまり、金星が在住する星座の支配星もナクシャトラの支配星もプールヴァパールグニー(金星)に在住している。



プールヴァパールグニー(金星)は快楽主義であり、娯楽や恋愛、快楽を追求するナクシャトラである。



人生において、自分がまず、果実を味わいたい、人生を謳歌したいと考えるナクシャトラであり、芸能界に多いと言われる。



またプールヴァパールグニーには、「夫婦の寝室」といった象意もあり、男女の恋愛や性愛、子孫繁栄というのは、このナクシャトラの基本的な象意である。



ネットの情報によれば、イランの女性は美意識が高く、当たり前のように整形手術を行なうという。



(この辺りは、私が以前の記事「筋トレの心理-マッチョな男の心理学-」でも示したが、プールヴァパールグニーは、自分の身体美を物質欲の一種として追求するのである)






そうしたことで、この厳格な保守の国であるイランで、若者の間に乱交パーティーといった文化が、当局の目を盗んで、流行っているのである。



そして、そうした精神が、リベラルな政治思想にもつながっていることは間違いなく、今回、イランの道徳警察が、暴行などして、女性を死亡させた事件に若者たちが怒り狂い、大規模デモにつながっているのである。



イランの建国図を見ると、金星は、若い女性を表わす表示体であるが、文化や芸術などを表わす惑星でもある。



この金星が、8室に在住し、ケートゥとコンジャンクトしている配置は、9室支配の木星が蟹座に在住していることを考えると、イランの宗教的指導者たちから見れば、若い女性たちの文化は悩みの種であり、幻滅、失望の原因になる配置である。



こうした若者のデモに賛同する映画俳優や有名人もいたようだが、イラン当局から、海外渡航を禁止されるなど、早速、厳しい制裁を科されている。






イランの建国図を見ると、4、11室支配の金星が8室水瓶座に在住し、7、8室支配の土星と相互アスペクトしている。



4室は国会や民主主義などを表わす配置であり、11室は国家の芸術家や文化人、重要人物を表わす配置である。



そうした勢力のリベラルな政治活動が、イランの宗教指導者たちにとって失望や、裏切りを感じたり、悩みの種となる配置なのである。







現在、トランジットを見ると、木星と土星が、それぞれ魚座と山羊座で逆行することで、水瓶座にダブルトランジットが生じている。



その為、元々イランの建国図では、水瓶座に金星、ケートゥが在住して、7、8室支配の土星からのアスペクトを受けている配置は、西側諸国(外国)の価値観によって、リベラルな権利意識を培った女性たちが、ブルカやニカブ、ヘジャブやチャドル、あるいはスカーフといった女性は身体を覆って隠さなければならないとするイスラムの厳格な規則に反発することを表わしている。










その女性たちの怒りの引き金になったのが、今回のスカーフの巻き方で、道徳警察に拘束され、死亡した女性の事件なのである。



この女性の死によって、デモが勃発し、リベラルな価値観に基づく、政治闘争に発展している。




今現在は、木星と土星がかろうじて、逆行することによって、水瓶座にダブルトランジットが生じているが、残念なことに2023年から土星が水瓶座に移動した後は、同じタイミングで、木星は牡羊座に移動し、その後、木星は水瓶座に全くアスペクトしないのである。



リベラリズムによる革命が、華々しい成果を生み出すといった配置になっていないのである。



むしろ、木星が牡羊座に移動することによって、土星と木星が牡羊座にダブルトランジットし、そこにラーフ/ケートゥ軸も重なることで、来年の4月以降は、国家社会主義といった状況が渦巻いていくと考えられる。



水瓶座を土星が移動していく2年半の間、土星はやや強権的な形で、法制度の整備といった形で、水瓶座への変化を促していくと思われる。



そこに木星の影響が加わらない為、民衆のリベラルな平和的なデモといった形にはならない。



むしろ、グレートリセットを推進しているエリートたちの上からの強制といった形で、改革が進められる可能性が高い。










デモに参加した後、イラン当局に追われ、死亡した16歳の少女(ニカ・シャカラミさん)




記事を書き終えかけていた頃、イランの女性たちの美容整形事情について調べていたが、非常に参考になる記事がある。


イラン当局が、美容整形が流行るのを何とか食い止めようとしていることがよく分かる。


厳格な保守の国で、アラーの神を敬虔に崇拝するイランにおいて、その国民である女性たちは、外見が第一であり、美容整形に異常に拘っているのだという。


彼女たちは外見第一なのである。(参考資料参照)


乱交パーティーの記事と合わせて考えると、イランの若者文化というのは、明らかにプールヴァパールグニー(金星)の快楽主義の影響を受けている。


刹那的な快楽に走ったり、見た目の外見にこだわったりしているようである。


イラン当局(イランの宗教指導者)の暴力による取り締まりは非常に良くないが、こうした女性の中に流行っている文化的退廃を何とか食い止めたいとして、当局が躍起になっている事情というのも分かる気がした。


イラン人は、プールヴァパールグニー(金星)の影響が強いということは、アメリカの物質主義的な価値観、文化の影響を受け入れやすいということでもある。


イランの宗教指導者たちは、今回のデモをアメリカや西側諸国の誘導によるものだとして非難しているが、皮肉なことにイランの女性たちや若者は、こうしたアメリカ文化を積極的に取り入れて、むしろ、それよりも先に進むぐらいの過激な文化を謳歌している所がある。


イラン当局は、こうした退廃的な若者文化に失望し、苦悩しており、これをアメリカの扇動によるものだとして捉えている。


その辺りの国内事情が、非常にこのイランの建国図には表れている。



(参考資料)

テヘランの「熱い夜」をレポート
イラン人の驚くべき「セックス三昧の日々」にベルギー紙記者が潜入

2017.9.11 COURRIER

婚前交渉には鞭打ちの刑。ひどい場合は牢屋に放り込まれ、驚くべきことに死刑の場合もある。それでも、いやむしろそのせいで、イスラム教国家における若者の「夜」はやすやすとボーダーを超えてしまうという。ベルギー紙「デ・モルゲン」に掲載され、世界的反響を集めた驚愕の現地潜入ルポ。

※著者と写真撮影者の名前は、取材対象者の身の安全を考慮し、本記事では掲載しません。

イラン人の奔放すぎる「日常生活」

「その『会』に参加したのは、男も女も同数の10人でした。

私は『もう少し遠くに車をとめてくれないか』と注意されました。警察や隣人に疑われないようにするためです。

場所はテヘランの北部、大きな別荘の庭にある小さな建物。この手の『会』によく使われるのです」

体験談を語ってくれたのはモーゼン(仮名)。スイスのジュネーヴ大学で物理学の博士論文を準備している人物だ。

「妻をのぞくと、初対面の人ばかりでした。でも朝まで続きました。帰るときは、猛烈な不安に襲われて汗だくになりました」

モーゼンは乱交パーティーのことについて話しているのだ。2013年から毎年夏になると、勤務地からテヘランに帰省し、不安におびえながらも参加していたという。

「だって、誰でも警察に密告しようと思えばできたんですから。それにセックス自体も安全なものではありません。取り返しのつかない病気に感染するかもしれないんですよね。いずれにせよ、人生を賭けて遊んだ、というわけです」

イランで表向き通用している性的な倫理観から大きく逸脱していることについて、モーゼンはこのような意見を語ってくれた。

「みんな、こうした行為を『遊戯的反逆』と呼んでいます。

イランではあらゆることが禁じられているから、あらゆることが可能になるのです。地下鉄では2秒で女性をナンパし、セックスに誘ったこともあります。ショッピングモールでは3人の知らない人と経験しました。乱交パーティーに来てくれた女性は、みんなきれいな人でした。

私たちイラン人の日常生活は、セックスを中心に回っているのです」

セックスによる抵抗

モーゼンの体験談を裏付けるような研究結果を、イラン系米国人の女性人類学者、パルディス・マハダヴィも話してくれた。

パルディスの両親は1979年、シーア派の起こした革命から逃れ、米国に亡命したのだ。パルディスは20歳のときにテヘランに戻り、7年間、性に関する研究に没頭した。

「これは性による反乱なのです」

いまロサンゼルスにいるパルディスは、電話取材でこう語る。

「政府は表向き、イスラム的なモラルを守らせようとしています。つまり、人生の恥部が入り混じるところにまで権力をおよぼしているのです。ですが、これに街頭で抗議するのは命がけです。だから若者は、密室での行為を通じて政府に不満を投げつけているのです」

こちろんこうした遊戯的反逆が罰せられる可能性もあるが、ほとんどの場合、実際には何の刑も科されないのだという。

「政府には、何が起きているのかわかっています。法律をきっちり適用して若者たちを逮捕してしまえば、現行法自体が現代のムスリム国民にとって意味がない、それどころか有害だ、と思われるようになってしまいます。

政府はいずれ『性による反乱』を鎮圧するかもしれませんが、そのとき彼らが体を張って伝えようとしたことを知ることになるでしょう。だから、若者はこれからも反乱を繰り返していくはずです」

パルディス自身、2回ほどイランでの集団セックスに立ち会っている。

1回目は、プールの飛びこみ板から、水の入っていないプールの底でおこなわれている乱交パーティーを見ていた。参加者はほぼ全裸だったが、パートナーのジェンダー(文化的な性)は誰にもわからない。

2回目は、とある権威ある宗教指導者の自宅の庭でのことだった。指導者本人がサウジアラビアのメッカに行って不在のあいだに、その娘がセックスパーティーを友人のために開いたのだ。

この例に限らず、乱交パーティーを主催するのは女性が多いが、偶然ではない。パルディスによれば、このような「性の反乱」で主導権を握るのは男性よりもむしろ女性が多い。彼女の説明はこうだ。

「この国に暮らす女性は、イスラムの不合理な社会制度のために犠牲を払っているからです。婚前交渉も中絶も、男性は罪に問われないのに、女性だけ摘発される。男性は処女膜をもたないし、妊娠もしない。男性は頭にヒジャブをかぶらなくていいし、体の線を隠すためのチャドルを着なくてもいい。

女性は男性よりも強く抑圧されているのです。だから、彼女たちが極端な方向に進みやすいというのも、納得のいく話でしょう」

渋滞すればするほど「旅」は楽しい?

記者は次にモーゼンが帰省するときに「会」への同行取材を打診していたが、2016年の夏にようやくチャンスが訪れた。

モーゼンが「私の所属しているリベラルなイラン人ネットワークを通して、『会』について連絡します」と約束してくれたのである。

灼熱のテヘラン。イスタンブールやカサブランカとは違って、街並みを見てもミナレット(イスラムの建物に附属する尖塔)は少ない。朝の祈りに起こされることはなかった。ある関係筋をたどって、意外と簡単にモーゼンと対面することができた。

だが、モーゼンは見るからに緊張していた。記者が性について質問を投げかけても、生返事しかよこしてくれない。まだ「会」が開かれるタイミングではないし、今日のところは出直すしかない。

(モーゼンの記者への対応はだんだん冷たくなってきたが、記者は聞き込み取材を継続。逆ナンされたり、夜の公園に潜り込んだりするうちに、後編ではついに記者が乱交パーティーに潜入。その驚くべき実態をレポート)

この国ではあらゆることが禁じられているから、逆にどんなことだってできる──。厳格な規則で縛られているように見えるイラン人の日常生活は、実は奔放なセックスに満ちていた。記者はテヘランの若者たちに溶け込んで取材を重ねる。だが情報提供者のモーゼン(仮名)は身の危険を感じたのか、記者への態度が冷淡になってきた……。

世界的な衝撃を与えたベルギー紙の本格ルポルタージュ、ついに核心へ迫る後編を全訳掲載!

※著者と写真撮影者の名前は、取材対象者の身の安全を考慮し、本記事では掲載しません。

この国でのデートがいかに素晴らしいのか教えてくれたのは、記者を滞在させてくれた家の30代の息子、フーマン(仮名)だった。

「これが僕らのバーだよ」と、フーマンは愛車を指さした。

「車のなかで女の子と会うんだ」

もう夕日は沈んでいた。テヘランの渋滞はひどいものだ。道路を見ると、金のロレックスをした男がBMWを運転し、隣にアイシャドウとマスカラを濃く塗った若い女性を座らせていた。

テヘランの若者が一夜限りのセックスを求めてやってくるのは、フェレシテという場所だった。フーマンはこう語る。

「運転するのが目的じゃないよ。『旅』をしたいからさ。この『旅』では、渋滞は長いほどいい」

テヘランで名物となっている終わりのない渋滞。フーマンたちはこれを利用して、女性たちと出会うのだという。

彼はナンパを開始した。車のなかには、あらかじめ未婚のイケメンもスタンバイ済みだ。この界隈にはヒジャブをかぶった女の子が多い。フーマンは窓越しに、電話番号を書いた紙を女の子たちに渡している。

テヘランの貧しい若者たちも、この道路でなら楽しむことができる。彼ら・彼女らは裕福な若者にナンパされながら、アルコールやドラッグをわけてもらう。そして、家へと「お持ち帰り」されていく。

記者が再びモーゼンと会うには時間を要した。彼はやっと電話に出てくれたかと思うと、「あなたたちと会っているヒマがない」と言う。しかし、もうラマダン(イスラム教における断食)が始まっている。普通、この時期の日中はヒマなはずなのだが……。

滞在させてもらっている家では、一日中、テレビ画面に放映禁止の映像が流れていた。ロサンゼルスで撮影された映像に、テヘランの画像が組み合わされたものだ。スヌープ・ドッグとラトーヤ・ジャクソンが「ペルシャ風のもの」を作ったPV、ということらしい。イランのポップスターとともに地の果てで歌うという設定の映像だった。

ようやくモーゼンからメッセージが入った。待ち合わせ場所は、フェレシテにある高級カフェ。

だがモーゼンはなかなか現れない。隣の席に、豊かな胸毛の、銀の首飾りに金の時計をしている男が座ったので話しかけてみた。男はフセイン(仮名)と名乗った。32歳で、車でのナンパを終えたところだという。彼は今夜のフェレシテの渋滞で、電話番号を6つ手に入れたらしい。

「戦利品だよ」ともらったメッセージを見せてくれた。彼1人で処理するのは多すぎるので、いくつかは友人に回すそうだ。

「簡単なことだよ」と彼は言い、カフェにいる女性たちをちらちら見ながら続けた。

「自分か女性が電話をかける。道端か公園で話をする。女の子を家まで連れて帰る。家ではウォッカを飲み、ケバブを焼き、何か喋って、セックスする。1週間後には相手を変えるんだ。

女の子から文句を言われたことは一度もない。女の子のほうも『次』に行くことが多いからね。何の問題もない。イランではこうなっているんだ」

デートすればもうセックス

女性のほうがセックスに積極的だ、というパルディスの指摘が本当なのかどうか、今度は女性の証言者に登場してもらおう。ある地下パーティーで泥酔していた29歳のネゲーン(仮名)が取材に応じてくれた。

もう真夜中だ。映画館のそばにある公園で、彼女はいきなりこう言い放った。

「私はセックスが大好きなの」

この公園は男女の逢い引きの場としても有名だ。ネゲーンはこの公園にも、フェレシテの渋滞にも通い詰めているという。

「あの渋滞にはもう4年くらい行ってるわ。もちろんセックスのためよ。毎週とは言わないけど、2週間に1回は相手を変えるの」

若者の乱交を政府が厳しく規制する必要はあるだろうか、と尋ねると、ネゲーンは自分の考えを語ってくれた。

「規制自体は理にかなっていると思うわ。未婚の女性が男の家に行ったら、もう何にも言えない。立ち上がれないほどにされちゃう。男の家に入ってしまったら、実はセックスしたくないなんて後から言うことはできないのよ」

ひげもじゃの男たちの乗った4台のオートバイが走ってくると、突然ネゲーンは会話をストップさせ、記者から離れて映画館のほうへ走って行った。

オートバイは止まった。降りてきたのは若者たちのようだ。彼らは公園でいちゃいちゃしている男女に何か言いにいったようだ。

わけがわからなかったが、とっさに壁の影に隠れた。

あとになって合流できたネゲーンの解説によると、ひげの若者たちは「バージ」という自警団の一味だった。貧しい田舎出身の無職の若者たちが、政府からお金をもらって、自分のような連中を取り締まっているのだという──。

2人の女の子に逆ナンされて…

モーゼンからの返信を待って、2週間が過ぎた。

現地潜入取材というものの弱みは、「その国にいる理由を誰も知らない」という点だ。だから、記者には誰もどんな危険があるのか知らせてはくれない。

ここ数日で、イランの当局は若者たちの乱交パーティーに対して厳しい態度を取るようになったようだ。あとになって知ったことだが、記者がテヘラン入りした翌日には、近郊で35人のパーティー参加者が99回の鞭打ち刑を下されていたという。

その数日後には132人の若者が逮捕されたが、そのうちの72人は記者の滞在場所から20km圏内のレストランにいたらしい。

穏健派の大統領穏健派ハッサン・ロウハニが選挙で快勝してからというもの、保守強硬派は若い世代に対して復讐をしようとしているようだ。裁判所は、党組織に隠れた「西からの侵入者」は見つかり次第、厳しく罰せられなければならないと表明している。

記者の潜入調査はタイミングが悪かったのだろうか。モーゼンが、ワッツアップ(欧州で流通しているコミュニケーションアプリ)で以下のような知らせをよこしてきた。

「もうお会いすることはできません。私の連絡先を携帯から消してください。私からの写真もすべてです。あなた方は、自分がどこにいて、何をしようとしているのかわかっていません。私と家族の人生はリスクにさらされているのです」

モーゼンは記者との関係を切ることにしたのだろう。正確な理由を知ることはもはやできない。

だが、出会いの場として有名なフェレシテの存在はわかっている。ここで誰かと出会えるかもしれない。いや、テヘランの若者の性の実態を知る方法は、もはやこれしかないのだ。

フェレシテに着いて10分もすると、BMWのX5が目の前に現れ、窓をあけた。念入りな化粧をして頭に布をかぶった2人の女の子が、テクノのビートに合わせて歌い叫んでいた。

これは必然か?

記者はその車に乗せてもらった。運転はテヘランの市街地までで、そこからは歩いて暗い小道にあるモスク横のバーに行った。バーの店内はネオンで照らされている。どうやらここはトランスジェンダーやヒップスターのたまり場のようだ。

店に居合わせた自称ヒップスターはシリアから来たと語り、自分で撮影したという処刑場面の動画をスマホで自慢げに見せてくれた。

トランスジェンダーとも盛り上がった。おかげで、この国における「越境する性のあり方」について少しわかった気がする。2人の女の子は名前を教えてくれ、記者を滞在先の家まで送ってくれた。

ついにパーティーへ参加

3日後のよく晴れた日、記者は車に乗せてもらって西へと向かった。1時間後には国の真ん中に着いた。

高い壁と分厚いドアの向こうには、アプリコットの樹に囲まれ、中央にプールのある広い別荘が見えた。一緒にいるのは10人の男性、10人のビキニ姿の女の子、何人かのトランスジェンダー。

テクノがひっきりなしにかかり、15歳の男が下着姿で踊り、飲み、タバコを吸っていた。彼のそばには母親がいたが、彼女は合法のボトックス注射で美しさを維持しているという。

いかにも上流階級に属するような40歳くらいのきれいな女性が来ていた。彼女は満足げに頭布を結び、外套を着、ドアを開けて外界へと戻っていった。

この集会はとても快適だった。ハグにはキス以上の意味がある。女性と男性、男性とトランスジェンダー、女性と女性、男性と男性。くすくす笑ったりして、30分に1回はパートナーを換えている。

化粧室にはタトゥーを入れた筋肉質な男がいて、2人のトランスジェンダーと抱き合っていた。

外にはウォッカの空き瓶が並んでいた。

股間に描かれた「ピノキオの鼻」

それから10時間後。記者はコテージ・パーティーで有名な田舎の村へ向かった。ここでは都会の若者が前日に家を借りて、当日は音楽、酒、ドラッグとともに大騒ぎし、翌日は夜の汚れを残して去っていく。いま、この村では窃盗事件が多発して困っているそうだ。

真っ赤な口紅を分厚く塗った女の子4人がプール横のテーブルのところに座っていて、記者が中庭に入るなり、上から下まで入念にボディーチェックをした。このパーティーは昨日のよりも頻繁に開かれているらしい。服を脱いで踊り、30分以内にはほとんどが酔いつぶれてしまう。

主催者のナヴィッド(仮名)が、初めてこの村で空き部屋をダンスホールとして借りた人物だ。彼のお尻を追いかけるような形で、「クレイジー・キャット・レディー」の異名をとるTシャツ姿の女の子が走り寄る。女の子はナヴィッドをつかまえて、うれしそうに部屋のドアを閉めた。

彼の趣味はわからない、とでも言いたげな様子で、キスをしあう2人の男性が後に続き、ドアの向こうに消えた。

午後4時になった。記者は庭の壁にかけてあったはしごに登ってみた。イランの砂漠やたくさんの村がラマダンの静寂に沈む様子が見えた。

記者を車で送ってくれたのは、20歳のグラフィックデザイナー、マーディ(仮)だ。だがテヘランへの帰り道、また渋滞に遭遇した。車に乗っている青年たちが、他の車に乗っている女の子たちを誘い出すのに絶好のチャンスだ。

突然、助手席に乗っている人が下着をおろした。記者に、ペニスのまわりにいれたタトゥーを見せてきたのだ。見ると、ピノキオの鼻、耳、目が完璧に配置されていた。彼の“それ”がピノキオの鼻だったのである。

ピノキオの隣で、マーディがパーティー事情を話してくれた。参加すれば必ずセックスにありつけるわけでもないと言いながらも、こんな決まりごとを教えてくれた。

「たとえば、ダンスフロアではこんな感じだ。もし女の子が踊っているときに首にキスしてきたら、その子を寝室かトイレに連れて行かなきゃならない」

パーティーに参加するうち、マーディも彼女も、どんどん純粋さを失っていた。彼女は“元カノ”になった。ちなみに、いきあたりばったりのセックスでは、女性はいつも服を着ているという不文律があるという。

「パーティーのときだけじゃないよ」とマーディは笑いながら言う。

「友達に、お前は3Pに興味がないのか、と聞かれるのは日常茶飯事。元カノが女性パートナーを連れてきてくれたら、男としては楽しすぎる。2~3ヵ月に1回は、こんなおいしい思いができるね。

俺たちペルシャの文化では『分かち合いを覚えよ』というのがあるからね」

パトカーが通り過ぎていった。

「見てみなよ。あの人たち、俺らが楽しくやっていないのを確認したぜ」

マーディたちが新しい組み合わせを実験するのは、もちろん警察が通りかかったりしないタイミングだ。

安全でないセックスも…

イスラムの厳格な統治により、テヘランの若者たちの性的な知識は非常に少なくなった。性の学術的な研究は、保守的な権力に嫌われるので、あまり進んでいない。イラン系米国人の女性人類学者、パルディス・マハダヴィも、性に関する研究を続けるために、結局は亡命を余儀なくされた。

カナダ系イラン人の性衛生学の教授、ホマ・フッドファーは、記者が出国する前の数日間、空港で革命軍に捕らえられ、隔離監禁された。

保守系の前大統領、アハマディネジャドの政権下では、優秀なエイズ研究者が拘留されることもあった。

現政権で性教育を受けることができるのは、結婚を控えたカップルのみだ。だから、イランの若い人たちはインターネットで安全なセックスについて検索することができるにせよ、目の前に多くの課題を抱えている。

国際連合エイズ合同計画(UNAIDS)が報告するところによると、15歳から29歳までのイラン人男性の10人に6人が、「健康そうな女性はエイズに感染していない」と思いこんでいる。複数のセックス相手のいるイラン人男性のうち、約3分の1がコンドームを使ったことがない。3分の1はたまにしか使わない。

エイズ感染者数はイランでは比較的少ないが、生のセックスによる感染者数はこの10年で10倍になった。

パルディスが見た乱交パーティーでは、2回ともどこにもコンドームは置かれていなかった。マーディも安全なセックスについては一言も語らなかった。

そうこうしている間にも、パーティーは続く。

ほかにも多くの人々が取材に答えて、セックスについて語ってくれた。厳格な街の出身だという40代の男性は、ある女性グループから「セックス・パーティーに招待されたんだよ!」と意外そうな様子で話してくれた。

テヘランでの最後のドライブでは、27歳の女性教師が、まだ一度も乱交パーティーに行ったことがないと告白しながらも、ハンドル越しにこう打診してきた。

「お行儀が悪いと思うけれどね」と、彼女はバックミラーをちらちら見ながら続けた。

「いつ行く? あなたが行きたいなら、私が企画するわよ」
参照元:テヘランの「熱い夜」をレポート
イラン人の驚くべき「セックス三昧の日々」にベルギー紙記者が潜入

2017.9.11 COURRIER
美容整形で「ゾンビ」顔に…有名インスタグラマーが後悔語る イラン
2019年10月25日 1:47 AFP BB NEWS (発信地:テヘラン/イラン [ イラン 中東・北アフリカ ])

【10月24日 AFP】イラン国営テレビは、美容整形で容姿を激変させてゾンビのような顔になり、その後「神への冒涜(ぼうとく)」を理由に逮捕された有名インスタグラマーのインタビューを放送した。

動画:美容整形で「ゾンビ」顔に…有名インスタグラマーが後悔語る イラン

 同局は、ソーシャルメディア上でサハル・タバル(Sahar Tabar)の名で知られるこの女性について、拘束されるべきだという「市民からの多数の要請」を受け、今月5日に首都テヘランの裁判所の命令で逮捕されたと説明。

 現在22歳のタバルさんには、神への冒涜や暴力の扇動に加え、不適切な手段による収入や若者に堕落を促した疑いが持たれているという。

 22日に放送され、顔にぼかしを入れてインタビューに応じたタバルさんは、「今は一連の写真のような顔ではない」と語り、携帯電話で自身の写真を表示させて「これが最近の私の見た目に近い」と話した。

 タバルさんの顔は、ハリウッド(Hollywood)スターのアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんを想起させる一方で、鼻はつんと上を向き、頬はげっそりとこけている。

 タバルさんは、ジョリーさんに似せようとしていたという報道については否定し、ファンタジーアニメ映画『ティム・バートンのコープスブライド(Corpse Bride)』のゾンビのようなキャラクターに着想を得ていたと話した。

 48万6000人のフォロワーを抱えていたと話す自身のインスタグラムのアカウントは現在、休眠状態になっているようだ。

 同局によると、タバルさんは一人っ子で両親は離婚。母親と暮らしており、高校を中退しているという。タバルさんは「いいねが増えてくると、自分が正しいことをしているような気がしてきた」と語った。

「子どもの頃の夢は有名になることだった」と話したタバルさんは、母親が容姿を変えることをやめさせようとしていたにもかかわらず、人気が出てインスタグラムでいいねが増えたために続けてしまったと後悔を吐露。

 同局は、タバルさんが「ソーシャルメディア上では俗悪に振る舞えばたくさんのクリックがもらえる」と認め、もしこの道をたどらなければ「今もっと良い場所」にいられたはずだと話したとしている。
参照元:美容整形で「ゾンビ」顔に…有名インスタグラマーが後悔語る イラン
2019年10月25日 1:47 AFP BB NEWS (発信地:テヘラン/イラン [ イラン 中東・北アフリカ ])
鼻整形でアピールするイラン女性の戦い
スカーフの女たちが世界一のペースで鼻を整形する理由
2013年3月15日(金)13時00分 ニューズウィーク日本版
エレン・コノリー

イランは世界に冠たる「鼻整形大国」だ。毎年20万人が手術を受けるとも言われている。英紙ガーディアンによると、その圧倒的多数はハリウッド女優の「お人形のような顔」に憧れて、鼻を高くする美容整形手術に踏み切る女性たちだ。

 イラン鼻科学学会と米ジョンズ・ホプキンズ大学は、鼻整形手術を受けるイラン人の割合はアメリカ人の7倍に達すると発表した。イラン女性は早ければ14歳ぐらいから、欧米風の顔立ちを手に入れるために手術を受けるという。

 鼻の整形は、ヒジャブ(髪の毛を隠すスカーフ)の着用を強制されているイランの現状に対する反乱の意味もある。あるイラン人女性はガーディアンの取材にこう語っている。「美しい容姿や髪、肌に(男たちの)注目を集めたいと思うのは自然な感情。でもヒジャブのせいで、私たちはそれができない。だから、『顔のアート』を見せて本能を満足させているの」

 イランの女性たちは手術を受けたことを恥ずかしいと思わないらしい。整形手術後は多くの女性が、鼻を覆う「名誉の包帯」を付けて、堂々と外出するそうだ。

[2013年3月12日号掲載]
参照元:鼻整形でアピールするイラン女性の戦い
スカーフの女たちが世界一のペースで鼻を整形する理由
2013年3月15日(金)13時00分 ニューズウィーク日本版
エレン・コノリー
イスラム圏の美容医療事情
2019.10.03 woman's LABO

近年、美容医療は日本だけでなく、世界中で人気を拡大している。美容医療といえばアメリカや韓国などを思い浮かべる人が多いだろうが、あまり美容医療のイメージがない国、例えばイスラム圏ではどのような現状なのだろうか。(執筆:日本国内の美容クリニック専門サイトアリュクスWEB)

古来イスラム教では、男女問わず公共の場では体や顔をあまり人目にさらしてはならないという戒律がある。外観に過度にこだわることは当然良しとされず、美容医療も重い外傷をおった場合のみに限られ、わざわざ怪我のない体にメスを入れて美を追求する美容医療はご法度とされてきた。

しかしソーシャルメディアの発展で、外見の美についてのイスラム圏の価値観も大きく変容しつつあるようだ。モデルやインフルエンサーによる美容医療の広告を頻繁に目にするようになり、その影響で次々に美容医療を受けるようになった。

意外に思う方も多いだろうが、イスラム圏、特に近代化が進むイランでは、すでに美容医療大国と言っていいほど大流行している。2016年の美容医療利用者数の世界ランキング調査では、イランは世界16位、もう少し厳格なサウジアラビアでも23位にランクインしている。

もともと戦火の激しい地域でケガをした部位の見た目を整えるために美容外科医がたくさんいたことがあり、また美容医療業界が送り出した「コンプレックスを克服することは心の健康のために必要なことで反宗教的行為ではない」という考え方が浸透してきたということもある。

イランにおける美容医療の一番人気は鼻の美容整形手術だ。イスラム系に多い中央アジア系の顔は一般的に大きなかぎ鼻が特徴で、この大きな鼻にコンプレックスを持つ人が少なくないようだ。鼻の根元を削り、鉤鼻をツンとした上向きのスッキリ鼻に変える手術である。高額な美容手術を受けて鼻を修正することはある種の社会的ステータスにもなっている。手術後しばらくの間、鼻にテープを貼ることになるが、「モテるために」、手術をしていないのにわざわざ手術をしたフリをして、ファッションとしてテープを貼る人まで現れているようだ。

その他によく受けられている治療は世界的大定番のボトックス。それから豊胸手術。これぐらいが人気ナンバー3といったところらしい。

他に二の腕のたるみを引き締めるアームリフト、パッチリとした目元を作る瞼のリフト、お尻を引き上げるヒップリフトなどのリフトアップ系手術も人気のようだ。

イランの美容医療は女性のみならず男性の間にも広がりつつあり、それまでゴツくてマッチョだった理想の男性像から美肌で細身の中性的な男性像の方が多くの女性に受けるようになってきた。

イスラム圏における美容医療の流行は、女性男性の在り方を役割ごとに厳格に分けてきたイスラム社会の文化的・社会的変化を少なからず象徴しているようだ。
参照元:イスラム圏の美容医療事情
2019.10.03 woman's LABO
実は整形大国?! イランの美容事情
2018.7.12 zakzak by 夕刊フジ

皆さんこんにちわ! イラン人コスプレイヤーの痛子です。

 前回のコラムは、沢山の方に読んで頂けて嬉しかったです。

 今回は個人の話は置いといて、皆さんの知らない母国のお話をしたいと思います

(1)イランのファッション事情

 ご存知かとおもいますがイランはイスラム教の国です。なので女性は9歳になると外出時はチャドルと言って体全身を隠す黒い布を着なくてはいけません。

 少し緩くなって、今では前髪と顔周辺の髪の毛は出せるようになっても、それ以外は手と顔以外は絶対に見せてはいけない決まりです。イランに住んでいた当時は、凄く暑いし巻くのも面倒だし嫌だったのですが、今では漫画やゲームの闇の組織みたいでカッコいいと思ったりしています(笑)。

 ですがそれは私が今、日本に住んでるから思える事で、イランの女性だってお洒落したいし、毎日、同じ格好は飽きるので嫌だと思います。服を選ばなくていいのは楽なんだけどね。

 やっぱりみんな頭まで同じ服だし、待ち合わせとか出会えるまで大変なんですよ(笑)

 私がイランに住んでた幼女時代はみんな真っ黒だったので、お母さんと間違えて違う人の手を繋いだりしてましたね。ですが今では女性の考えも変わってきて、法律を守りつつもお洒落を楽しむ人が増えてきました。

 例えばこちら(笑)(掲載画像)。

 私のは少し露骨ですが、イランではセンスのいい女性が、肌を多く見せずに長いカラフルな柄やアニマル柄などのスカーフを巻いてファッションを楽しんでいます。

 巻き方もルールさえ守れば大丈夫なので、カッコいい巻き方をして肌さえ見えなきゃいいので服装もお洒落になりつつあります。中にはその変化をよく思わない方もいますが、ルールを守りつつもお洒落を楽しめるのは素晴らしいですね。

(2)整形に偏見なし! むしろ自慢?!

 イランでは顔と顔周辺しか見せられないので、とにかく顔が命で、お洒落な女性は髪の色もカラフルに染めたり化粧も常に最先端のメイクを心掛けています。とにかく化粧が濃い人が多いです。しかもメイクが非常に上手いのでとにかく綺麗な方が多いですね。

 それとあまり知られていないですが、イランでは整形が物凄く流行っています。

 私の父の弟はイランで美容整形外科をしていて、毎日多くの方がカウセリングに来てはオペの予約をするので、数ヶ月先まで予約が取れない状況だそうです。

 整形というと、日本では少し偏見もありますので、隠す人の方が断然多いです。

 ですが、イランでは整形はむしろ自慢なんです!

 その理由として大きいのは、イランの平均月収が5万円位に対して、整形するパーツにもよりますが手術代が日本とそこまで差が無く裕福な方しか整形が出来ないので、整形は一種のセレブアピールなんです。

 中でも鼻の整形が男女問わず人気で、イランの人は鼻が高過ぎる人が多いので曲がってたりボコボコしがちなので、バランスをよくする為に鼻を低くします。中には整形してないのに整形してると見せびらかしたくて、鼻にガーゼやテープを貼る人もいるくらいだそうです。

 次に人気なのは唇で、ぷっくりプルプルな太い唇にする人が多いそうです。

 同じイラン人として美意識を見習いたいです。

 でも、同時に闇医師なども多いので、取り返しのつかない失敗も多かったり、何度も整形をして、整形依存症になる人も多いそうです

 美意識高いのは見習いたいですが、失敗って聞くとやっぱりまだまだ整形は怖いですね…。

最後に…整形がステータスなのはびっくりですが、国が変われば考え方も変わるように、とらえ方次第で偏見にもなれば自慢にもなるってことですね。

 技術が進み整形も身近になって、プチ整形は化粧と変わらないとかの話も聞きますが、怖い失敗例の話しも沢山聞くので、まずは本当に整形手術が必要なのか自分と相談してから、ちゃんとしたクリニックを選ぶ事が大事だと思います。

 今回の巨乳あるあるは……エイトフォーなどのスプレーは胸の下にも使うのが当たり前

■痛子 イランで生まれ、18歳の時に日本へ移住。現在はイラン人コスプレイヤーとして活動。得意なコスプレは叶恭子さん。
参照元:実は整形大国?! イランの美容事情
2018.7.12 zakzak by 夕刊フジ
イラン抗議デモ、若い女性が次々死亡 当局は親族にうその説明を強要か
2022年10月7日 BBC NEWS | JAPAN

イランの首都テヘランで、デモに参加した16歳の少女が死亡した。そのことをめぐり、当局が親族に事実と異なる声明を強要したと、少女の家族に近い人物がBBCペルシャ語に語った。

イランでは先月、髪の毛を覆うよう女性に義務づけた法律に違反したとしてマサ・アミニさん(22)が道徳警察に逮捕され、その後に死亡した。それをきっかけに、抗議デモが広がっている。

ニカ・シャカラミさん(16)は9月20日にテヘランでの抗議に参加。警察に追われていると友人にメッセージを送った後、行方不明になった。30日になって、テヘランの勾留施設で死亡しているのが見つかったと、家族は説明していた。

イランの国営テレビは10月5日、シャカラミさんのおばのアタシュさんが「ニカは建物から落ちて死んだ」と話す映像を放送した。

この映像の中ではシャカラミさんのおじのモフセンさんも、自分は抗議デモに反対だと語っている。その隣では誰かが、「言うんだ、くそったれが」と、モフセンさんにささやいているようにも見える。

BBCペルシャ語が取材した情報源によると、アタシュさんとモフセンさんの発言はいずれも「激しい尋問と他の家族が殺されるとの脅しを受けた後」の「強制された自白」だった。

アタシュさんとモフセンさんは、アタシュさんがシャカラミさんの死に関してメッセージをネットに投稿し、メディアの取材に応じたところ、当局に拘束された。テレビで放映された発言は、2人が解放される前に撮影されたものだったという。

アタシュさんは2日に拘束される前にBBCペルシャ語に対し、革命防衛隊からシャカラミさんについて、5日間拘束されたあとに刑務所当局に引き渡されたと聞いたと述べた。

司法当局は、シャカラミさんが失踪当夜、8人の建設作業員がいた建物に入り、翌朝、外の庭で死んでいるのが発見されたと発表している。

また検視の結果、シャカラミさんの「腰と頭部、腕と脚の上部と下部に、複数の骨折」が確認されたため、「この人物は高いところから投げ落とされたと思われる」と説明。その上で、このことがシャカラミさんの死と抗議運動に関連がないことの証明になるとした。

しかしBBCペルシャ語が入手した、墓地発行の死亡診断書には、シャカラミさんは「硬い物体が当たったことによる複数の負傷」のため亡くなったと書かれている。

SNSアカウントが削除

アタシュさんによると、シャカラミさんのインスタグラムやテレグラムのアカウントは、シャカラミさんが失踪した時点で削除されていた。イランの治安部隊は、拘束した人物にSNSアカウントへのアクセス権を渡すよう要求し、アカウントや特定の投稿を削除することで知られている。

5日夜の国営放送では、アタシュさんがシャカラミさんの遺体について、司法当局の言ったとおりの場所で見つかったと認める場面も流れた。だがこれは、アタシュさんや他の家族が以前述べていたことと矛盾するものだった。

シャカラミさんの家族は、彼女が行方不明になってから10日後に拘置所の霊安室で遺体を見つけ、身元確認のため数秒間だけ顔を見ることが許されたと語った。アタシュさんは拘束される前、霊安室には行かなかったと話していた。

シャカラミさんの遺体は2日、17歳になるはずだった誕生日に、父親の故郷である同国西部ホラマバードに移送された。

しかし家族に近い別の情報源はBBCペルシャ語に対して、シャカラミさんの遺体はホラマバードに運ばれた後に治安当局に盗み出され、約40キロ離れた村でひそかに埋葬されたと話した。

その後、数百人のデモ参加者がホラマバードの墓地に集まり、「独裁者に死を」などと反政府のスローガンを唱えた。この「独裁者」は、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を指している。

アミニさんの死後勃発した騒乱で殺害された若い女性抗議者は、シャカラミさんだけではない。

ハディス・ナジャフィさん(22)の遺族は先に、ナジャフィさんが9月21日にテヘラン西部のカラジ市での抗議行動中に治安部隊に射殺されたと発表した。当局は、ナジャフィさんの父親に対し、娘が心臓発作で死んだと言うよう要求した疑いが持たれている。

人権擁護団体アムネスティ・インターナショナルは情報筋の話として、9月23日にカラジで行われた抗議デモで、16歳のサリナ・エスマイルザデフさんが治安部隊に警棒で頭部を激しく殴られ、死亡したと明らかにした。この情報筋は、治安当局と情報機関職員がエスマイルザデフさんの家族に嫌がらせをし、口止めをしたとも話したという。

エスマイルザデフさんが生前に撮影したいくつかの動画が、現在ソーシャルメディアに投稿されている。学校の試験を終えた後に録画された動画で、エスマイルザデフさんは、「自由ほど気持ちのいいものはない」と話している。

(英語記事 Iran teen's family made to lie about death - source)
参照元:イラン抗議デモ、若い女性が次々死亡 当局は親族にうその説明を強要か
2022年10月7日 BBC NEWS | JAPAN
イランの女性たち、各地でスカーフ燃やし抗議 5夜連続でデモ
2022年9月21日 BBC NEWS | JAPAN

イランで頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして拘束された女性が死亡したことを受け、首都テヘランなどで20日、5夜連続となる抗議デモが実施された。女性たちがデモの先頭に立ってスカーフを燃やすなど、抗議は激しさを増している。

テヘランの北の都市サリでは、女性たちがスカーフに火をつけて抗議の意を示し、大群衆が声を張り上げた。

抗議デモは、いくつかの都市や町にも広がっている。

BBCの記者は、イランでの抗議行動の場面とされる複数の動画を、自らのツイッターアカウントに投稿した。ケルマン市の広場で20日夜に撮影されたとされる動画では、女性がスカーフを外し、自らの髪の毛を切っている。周囲の人々は「独裁者に死を」と声を上げている。

サリで撮影されたとされる別の動画では、女性たちが抗議行動として、自らのスカーフを燃やしている。

マサ・アミニさん(22)は13日、女性に頭髪をスカーフで覆うよう定めた法律に違反したとして、テヘランで道徳警察に逮捕された。まもなくして勾留施設で意識不明に陥り、16日に病院で死亡した。

国連人権高等弁務官代理ナダ・アルナシフさんによると、アミニさんは警棒で頭をたたかれ、警察車両に頭を打ちつけられたとの報告が出ている。

警察は虐待行為を否定。アミニさんが「突然の心不全」を起こしたと述べている。アミニさんの家族は、彼女は健康だったとしている。

アミニさんの出身地の西部クルディスタン州では19日、デモ参加者たちに治安部隊が発砲し、3人が死亡した。

国営メディアによると、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師の側近が19日、アミニさんの家族を訪ね、「侵害された権利を守るため、すべての機関が行動を取る」と伝えたいう。

一方、有力国会議員のジャラル・ラシディ・クーチさんは、道徳警察を公然と批判。これまでイランに「損失と損害」をもたらしただけで、その存在は「誤り」だと述べた。

警察が実弾を発砲か

イランのクルド人居住地域の人権を監視している団体Hengaw(本部ノルウェー)は、17~18日にクルディスタン州の州都サナンダジュとサケズであった抗議デモで、機動隊が実弾とゴム弾、催涙ガスを発射し、38人が負傷したと発表した。

同団体はまた、19日にはサケズなどで治安部隊との衝突が発生し、デモに参加していた男性3人が射殺されたと報告した。

インターネットに投稿された動画によると、テヘランでは女性たちがスカーフを脱いで、「独裁者に死を」と叫んだ。このかけ声は、最高指導者を指すことが多い。また、「正義、自由、ヒジャブ(スカーフ)の義務化に反対」と叫ぶ人もいた。北部ギラン州でも、抗議者たちと警察が衝突した。

北部の都市ラシュトで19日夜にあった抗議行動に参加した女性は、機動隊に警棒やホースで殴られてできたあざを撮影したという写真を、BBCペルシャ語に送ってきた。

この女性は、「(警察は)催涙ガスを発射し続けた」、「私たちは逃げていたが、私は追い詰められ、殴られた。警察は私を売春婦と呼び、自分を売るために路上に出ていると言った」と述べた。

「団結が素晴らしい」

中部の都市イスファハンで抗議した別の女性は、「私たちがスカーフを空に振っている間、他の男性に囲まれて守られていることに感激した。この団結が見られて素晴らしい気分だ。世界が私たちを支持することを願っている」と、BBCのアリ・ハメダニ記者に話した。

一方、テヘランのモフセン・マンスーリ知事は20日、抗議行動は「不安を引き起こすことを狙って全面的に組織された」とツイート。国営テレビは、アミニさんの死が、クルド人分離派と反体制派によって「口実」に利用されていると主張した。

イランでは1979年のイスラム革命後、女性は「イスラム的な」控えめの衣服を着るよう法的に義務付けられている。実際には、全身を覆うチャドルか、頭髪を覆うスカーフと腕を隠すマントを着る必要がある。

近年では、ヒジャブ義務化への反対運動が何度か繰り返されてきた。特に、服装規定違反だとされた女性に対する道徳警察の厳しい取り締まりをきっかけに、ヒジャブ強制への反対が高まっている。

(英語記事 Women burn headscarves in Iran anti-hijab protests)
参照元:イランの女性たち、各地でスカーフ燃やし抗議 5夜連続でデモ
2022年9月21日 BBC NEWS | JAPAN
イラン抗議デモ 別の17歳少女が死亡 政権側の関与疑う声広がる
2022年10月10日 4時30分 NHK

イランでスカーフのかぶり方をめぐり逮捕された女性が死亡したことに抗議するデモが広がるなか、デモに参加していたとみられる17歳の少女が死亡しているのが見つかりました。

検察は死亡した理由はデモとは関係ないとしていますが、政権側の関与を疑う声が広がっていて、さらに反発が強まっています。

イランでは9月、スカーフのかぶり方が不適切だとして逮捕された22歳の女性が死亡したことをめぐり、警察官による暴行が原因だとして抗議するデモが続いています。

こうした中、デモに参加していたとみられる17歳のニカ・シャカラミさんが先月21日、首都テヘランのビルの中庭で死亡しているのが見つかりました。

これについて検察は当日の未明、付近で建設中のビルにシャカラミさんが入っていく姿が監視カメラに映っていたとしたうえで、何者かに突き落とされたとみられ、死亡した原因はデモとは関係なく、現在、捜査中だとしています。

一方、シャカラミさんの母親はメディアに対し「娘はデモに参加していて行方がわからなくなった。電話で話したとき治安当局のことで叫んでいて、逃げているようだった」と話しています。

これを受けてSNS上などではシャカラミさんの死に治安当局が関わっていたのではないかと疑う声が広がり、政権側への反発がさらに強まっています。
参照元:イラン抗議デモ 別の17歳少女が死亡 政権側の関与疑う声広がる
2022年10月10日 4時30分 NHK
イラン抗議デモは「アメリカとイスラエルが仕組んだ」 最高指導者が非難
2022年10月4日 BBC NEWS | JAPAN

イランで、女性に髪の毛を覆うよう義務づけた法律に違反したとして逮捕されたマサ・アミニさん(22)が死亡した問題で、同国の最高指導者は3日、抗議デモが広がっているのはアメリカとイスラエルのせいだと非難した。

イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が、この問題で公にコメントするのは初めて。

ハメネイ師は3日にあった警察と軍士官の学校の卒業式で、アミニさんの死は「私たちの心を痛めた」と述べた。

同時に、「異常なのは、一部の人たちが証拠も調査もない状況で、通りを危険な場所に変え、コーランを燃やし、女性から着けているヒジャブ(スカーフ)を奪い取り、モスクや車に火をつけたことだ」とした。具体的にどの事案のことなのかは示さなかった。

その上で、イランが「あらゆる分野で力をつけている」ことを容認できない外国勢力が、「暴動」を計画したと主張。

「私は断言する。この暴動と社会不安は、アメリカと、占領を続ける偽のシオニスト政権(イスラエル)、それらが雇った工作員らが、海外にいる裏切り者のイラン人の助けを借りて仕組んだことだ」と述べた。

また、治安部隊への全面的な支持を表明し、同部隊は騒動の中で「不当」な扱いを受けたとした。

ハメネイ師にとって今回のデモは、この10年で直面した最大の抗議行動となっている。同師は治安部隊に、さらなる事態に備えるように指示している。

米英が弾圧を非難

これについて、アメリカのジョー・バイデン大統領は声明を発表。「平和的なデモ参加者に対する、暴力的な弾圧が激化している」と報じられていることについて、「深く懸念している」とした。

また、抗議デモ参加者らについて、「正当で普遍的な道理」を求めていると理解を示した。そして、「勇気をもって世界を鼓舞」している「イランの女性たちを支持する」と付け加えた。

イギリスも、こうした姿勢に同調。3日にはロンドンでイランの外交トップを呼び出し、「政情不安を外部のせいにせず、自らの行動に責任を持ち、国民の懸念の声に耳を傾けるべきだ」と、イラン指導層に伝えるよう求めた。

イランの首都テヘランでは9月13日、クルド系のアミニさんが、頭髪を覆うスカーフを適切に着けていなかったとして道徳警察に逮捕された。しばらくしてアミニさんは意識不明に陥り、3日後に死亡した。

アミニさんの家族は、警官らが警棒で彼女の頭を殴り、警察車両に頭を打ち付けたと主張。一方、警察は暴行の証拠はなく、アミニさんは心臓発作で死亡したと主張している。

133人が死亡と人権団体

アミニさんの葬儀の後、女性たちが抗議デモを主導。スカーフを取って振りかざしたり火をつけたりし、「女性、生命、自由」、「独裁者に死を」と唱えている。「独裁者」はハメネイ師を指しているとみられる。

ノルウェーを拠点とする団体「イラン・ヒューマン・ライツ」は2日、これまでに少なくとも133人が治安部隊によって殺害されたと発表した。

国営メディアは、治安当局者を含む40人以上が死亡したと報じている。

アメリカはすでに、イランの道徳警察に制裁を科している。バイデン大統領は最新の声明で、平和的なデモ参加者に暴力を振るう者には今週、「さらなるコストを強いる」とした。

ハメネイ師の発言があった前日の2日には、イランで最も権威のある理工系大学、シャリフ工科大学(テヘラン)の学生による抗議行動を、治安部隊が激しく取り締まった。数十人が逮捕されたと報じられている。

BBCのカスラ・ナジ記者によると、2日夜に同大学のキャンパス周辺で銃声がし、多くの市民らは、当局が学生を見せしめにするつもりではないかと心配したという。

学生たちは、キャンパスに入ろうとする治安部隊をはね返し、すべての門を閉めた。学内に閉じ込められる格好となり、隣接する駐車場から出ようとした学生もいたが、治安部隊に捕まって殴られ、目隠しをされて連行されたと、同記者は話した。

ソーシャルメディアに投稿された動画には、大勢の人々がバイクに乗った男たちに追われながら、駐車場内を走っている様子が映っている。

大学の包囲網は、教授や閣僚の介入により、夜遅くに解除された。

同大学の学生らは3日、拘束された学生全員が解放されるまで授業に戻らないと表明。大学側は「学生を保護する必要」があるとして、授業をオンラインに移行したと発表した。

抗議デモは、テヘランの他の大学や、マシュハド、イスファハン、シラーズ、タブリーズ、ケルマンシャーなど国内各地でも報告された。

カラジとシラーズでは、女子学生がスカーフを振りかざしながら「独裁者に死を」と唱える様子が撮影された。

(英語記事 Iran supreme leader blames unrest on US and Israel)
参照元:イラン抗議デモは「アメリカとイスラエルが仕組んだ」 最高指導者が非難
2022年10月4日 BBC NEWS | JAPAN

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • イランの記事を読んでいて

    いま日本で起きているマイナンバーと保険証の一体化を押し進めようとしてる動きが思い浮かびました

    ーー水瓶座を土星が移動していく2年半の間、土星はやや強権的な形で、法制度の整備といった形で、水瓶座への変化を促していくと思われる。

    そこに木星の影響が加わらない為、民衆のリベラルな平和的なデモといった形にはならない。

    むしろ、グレートリセットを推進しているエリートたちの上からの強制といった形で、改革が進められる可能性が高い。
    • マイナンバーカードと保険証や運転免許証の一体化の話は、マイナンバーカードの普及率を高めるための施策であり、やがてマイナンバーカードと銀行口座との紐づけも模索されると思います。そのようにして、国民の財産状況を一元的に把握できるような体制が整っていきます。これは制度機構という形で、水瓶座のハードな仕組みが構築されていくということだと思います。
      このテーマに関しては、ちょうど記事に書こうと思っていた為、考えをまとめてアップしたいと思います。

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