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「日本会議の研究」 発禁処分とファシズムの台頭

2017 2/11
昨年、『日本を動かしているのは宗教家である – 水の国、日本の真実 -』の中で紹介した「日本会議の研究」菅野完著 (扶桑社新書212)が書籍に登場する「生長の家」幹部の男性により、名誉を傷つけられたとして出版差し止めを求める仮処分を申し立てた件で、東京地裁は1月6日、出版差し止めを命じる判決をしたようである。

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この決定を受けて、ネット言論界で、言論弾圧のファシズム社会が到来したとして大騒ぎが起きている。


ベストセラーに出版差し止め命令 新書「日本会議の研究」
2017/1/6 19:22 日本経済新聞

ベストセラーの新書「日本会議の研究」によって名誉を傷つけられたとして、書籍に登場する男性が、出版元の扶桑社に出版差し止めを求めて申し立てた仮処分で、東京地裁(関述之裁判長)は6日、真実でない部分があり損害も著しいとして、差し止めを命じる決定をした。

 裁判所がベストセラーの出版を差し止めるのは異例。

 日本会議の研究は昨年出版。保守系団体の日本会議と特定の宗教団体の関係を探り、安倍政権による改憲に向けた動きを批判する内容で、各書店でベストセラーランキングの上位に入った。〔共同〕

昨年この著が発売された直後に私はこの書の内容の重要性に気づき、いち早く読者の方に、ジョーティッシュによる解釈を加えて紹介したが、世間ではようやくこの本の危険なまでの真実性に気付いたようである。

この本は現在の体制側に都合の悪い真実が、ありのままに暴露されており、発売禁止処分にしなければならない程、生々しい真実がそこには書かれていたことをこの判決は逆説的に物語っている。


まだ読んでいない方はこの書を読んでみて頂きたいと思うのである。




但し、『日本を動かしているのは宗教家である – 水の国、日本の真実 -』の中でもある程度、内容を要約して紹介しているので、取りあえず、まだ読んでいない方はこの記事を読んで頂きたい。

何故、このようにファシズム(国家社会主義)が台頭しているかと言うと、まず、一つの理由としては、昨年2016年6月27日13時頃に牡羊座に天王星が入室したことが原因である。

天王星が入室した直後に英国独立党の党首ナイジェル・ファラージ氏の発言や勢力が拡大し、英国は国民投票で、EUから離脱した。

これが最初のファシズム的な動きの始まりである。


その後、米国でドナルド・トランプが台頭してきたが、韓国、中国、北朝鮮、そして、イスラム国からフィピン、ロシア、フランスに至るまで、世界中の政権が右傾化し、日本でも安倍政権が誕生し、安倍政権内に政策を箴言する日本会議(生長の家を主体とした神道系宗教グループ)が存在感を示しているのである。

日本会議の最終目標は戦後に米国に押し付けられた日本国憲法を戦前の明治憲法に戻すことである。


ドナルド・トランプの選挙集会で英国独立党のナイジェル・ファラージ氏が演説し、基本的にドナルド・トランプの政策は英国のEUからの離脱と同一の動きであり、支持すると表明した。


天王星の公転周期は84年であり、1つの星座をおよそ7年かけて運行する。

前回、牡羊座を運行したのは1930年代で、イタリアでムッソリーニを指導者とするファシズムが台頭し、ドイツで、ヒトラーを指導者とするナチスが台頭した。

日本でも2.26事件などが起こって、北一輝の思想を元に軍部の青年将校によって天皇を中心とする国家社会主義を求める動きが生じたのである。


それと同じことが今、天王星が牡羊座に移動した後に起こっていると考えられる。



まず、基本的な知識として、何故、牡羊座がファシズム(国家社会主義)なのかと言えば、まず蟹座から見て行為(10室)の星座だからである。


ヒトラーの出生図では、牡羊座7室に惑星集中し、蟹座10室に土星が在住している。

7室は10室(行為)から10室目で、10室の本質のハウスである。

つまり、ヒトラーにとって、蟹座と牡羊座は行為のハウスである。



蟹座は個人主義的で、基本的に家(国家)の中にいる家族の安全のことしか考えない。

従って、家の外にいる人々に対して、排他的であり、非寛容なのである。



1月20日に大統領に就任したドナルドトランプがテロ対策としてイスラム教徒が多数を占める7カ国の人の入国を禁止する大統領令に署名して、国内でその政策に反発するデモが起こって大変な騒動になっている。


これはドナルド・トランプの10室支配の金星が蟹座12室に在住しているからである。


彼の行動パターンは基本的に蟹座の行動パターンなのである。

従って、保守的で、排外的であり、米国人の雇用の拡大のことしか全く考えてはいない。

日本のトヨタが米国人の雇用を生み出していないと言って批判したり、彼は国内の労働者の雇用の拡大しか考えていない。

然し、米国内で雇用がない労働者にとっては、ドナルド・トランプの政策は頼もしい限りなのである。

従って、労働者階級を中心とした米国市民からは熱狂的な支持を受けてもいる。


ドナルド・トランプに反発しているのは、一部のハリウッド・セレブやメディアや金融関係者、知識人階級など既得権益を持つ人々である。

これらの人々は米国社会を代表する左翼リベラルであるが、既得権益を握ったまま米国の労働者階級や貧困層との格差の拡大を推進して来て、全く同国人たちの窮状の面倒を見てこなかった人々である。


まず、こうした蟹座の価値観や行動原理が、ファシズムの行動原理なのであるが、蟹座から見た10室である牡羊座もファシズムの行動原理なのである。

従って、ファシズムを考える場合、蟹座と牡羊座という2つの星座がメインプレイヤーである。



その基礎知識を押さえて頂いた上で、現在、天王星が牡羊座に入室したことと別の原因として、1月26日から土星が射手座に入室して、乙女座に木星と土星のダブルトランジットが起きているのである。


これがファシズムの本格的台頭と「日本会議の研究」 発禁処分の理由である。



ドナルド・トランプが入国禁止の大統領令に署名したのが、1月27日であり、ちょうど土星が射手座に入室した直後である。

従って、このよりファシズム的な排外主義が深化した入国禁止政策は、乙女座にダブルトランジットが生じた結果なのである。


何故、乙女座にダブルトランジットが生じると、ファシズムが台頭するかと言えば、これは私がかねてから主張している6-8理論で考えれば理解することができる。


牡羊座にとって乙女座は6室目(被支配者)である。


従って、この被支配者(6室)の象意が顕現する時、支配者として牡羊座が台頭するのである。



これがファシズムが最高度に台頭してきた理由である。


日本においては「日本会議の研究」が発禁処分になるというファシズム社会に近い状況が起こっているのである。


戦時中、米国の洋書が発禁処分になったようなことと全く似たような状況が起こっているということである。



然し、今年の2月6日から乙女座を運行中の木星が逆行を開始し、6月9日まで逆行する。


従って、2月6日~6月9日までは水瓶座にダブルトランジットが生じるのである。



ファシズム的な動きに対抗して、左翼リベラル派が勢いを取り戻して、両者は激突すると考えられる。

この間、乙女座には依然としてダブルトランジットが生じているので、ファシズム的な国家社会主義的な動きは強いのである。

乙女座は水瓶座から見ると8室に該当する為、左翼リベラル(水瓶座)にとっては苦悩や行き詰まりが今の状況である。

左翼リベラルの手法では、社会を救済し、安定させることが出来なかったのであり、左翼リベラルを主張する世界のエスタブリッシュメントが全く手詰まりの状態になっている。


木星は6月9日以降、順行に転じるが、6月22日以降、土星が蠍座に逆行して、乙女座へのダブルトランジットは終了してしまう。


そして、9月13日からは木星が天秤座に移動してしまう。


従って、乙女座にダブルトランジットが生じるのは、6月22日までである。


おそらくファシズムの最も危険な兆候は6月22日まで続くが、2月6日から左翼リベラルも勢いづいて両者は激しく激突する。

但し、6室にダブルトランジットが形成される牡羊座(ファシズム)の方が、今は強いのである。

8室にダブルトランジットが形成される水瓶座(左翼リベラル)は中断、行き詰まり、苦悩を示している。


2月6日~6月9日まで水瓶座にダブルトランジットが生じるが、それは乙女座から見た6室である。

従って、牡羊座(ファシズム)の台頭で、支配や攻勢を受けた乙女座が、今度は反撃、攻撃(6室)に出るということかもしれない。

いずれにしても今年の6月22日までは、ファシズム(国家社会主義)的な動きが活性化するはずである。




(参考資料)

「日本会議は中身空っぽ」 異色の著述家・菅野完氏が解明
2016年6月6日 日刊ゲンダイ

安倍首相を筆頭に多数の閣僚が関連議連に名を連ねる保守系市民団体「日本会議」。この組織を徹底解明した新書「日本会議の研究」(扶桑社)が飛ぶように売れている。4月末の発売前から重版が決定。今は入手困難の状態が続く“騒ぎ”になっている。しかも、著者は学者でもジャーナリストでもない一介の元サラリーマンだった著述家の菅野完氏だ。

■日本会議は本来の右翼でも保守でもない

――1年ほど前まで会社勤めしながら、扶桑社のウェブサイトで連載したものを書籍化したそうですね。なぜ日本会議に関心を持ったのですか?

 いわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる人たちが現れ、さらには7、8年前くらいから、「朝鮮人を殺せ」と叫ぶヘイトスピーチが各地で繰り広げられるようになりました。変な人たちだと思って調べていくと、彼らのネタ元がいわゆる「保守論壇誌」であることに気づき、そこから日本会議に行き当たった。私は自分のことを思想的に“かなり右寄り”だと思っていますが、彼らの言説はあまりに幼稚だし、レベルが低いと言わざるをえない。

――どの辺が幼稚だと。

 彼らは平気で資料を無視する。事実より「物語」を重要視する。「国家の誇り」が事実より大事だという。右翼の本来の役割は「国を国家から守る」ことだと思うのです。国とは“邦”であり“故郷”でもある。また、保守という視点で言えば「国家の暴走に掣肘を加える」ことも重要です。しかし、日本会議周辺の人々の意識には、“国家”しかない。その意味では彼らのよって立つところは、本来の右翼でも保守でも何でもない。

 しかも、「憲法改正」「夫婦別姓反対」「従軍慰安婦」など判で押したように同じような主張が目立つ。この異様ともいえるバラツキのなさは何なのかと、彼らの言動を観察しつつ、主張の“出典”を探したら、ほぼ例外なく「正論」「WiLL」「諸君!」などの保守論壇誌でした。寄稿している“識者”の多くが日本会議周辺の人たちでした。

――保守論壇誌を読み込むうちに違和感を覚えたそうですね。

 相撲解説者の舞の海秀平氏がなぜ憲法を語るのか。教育学者の高橋史朗・明星大教授がなぜGHQの占領政策の過去について論じているのか。門外漢の人たちがもっともらしく戦後の歴史や憲法を語る。これが日本会議の特徴です。

■会員は団塊の愛国オジサンと愛国オバサン

――日本会議の関連議連には与野党の国会議員280~300人が所属していると報じられています。

 日本会議本体の役員名簿には元最高裁長官、東大名誉教授、神社本庁統理など法曹界・学界の要職経験者が名を連ねています。多数の宗教団体も参画しているため、とてつもなく巨大な組織に見えますが、中身は空っぽです。

――具体的にはどんな点が。

日本会議が唱えている「改憲」「靖国参拝」「愛国教育」などは、非近代的で、思想的にも政治的にも目新しさがまったくありません。組織の中核を担っているのは70年安保の学生運動のときに左翼学生と戦った「右翼学生運動」のメンバーたちで、運動のモチベーションは突き詰めると「反左翼」「反戦後民主主義」に過ぎません。単に「壮大なる反対運動」に過ぎない。だから中身が空っぽなんです。

――ものすごい巨大組織というイメージがあります。どんな人たちが参加しているのですか?

 日本会議には約3万8000人の会員がいますが、その多くは「日教組の教師は追い出せ」と叫んでいるような団塊世代の愛国オジサンや愛国オバサンです。圧力団体としての日本会議は、労働組合や業界団体などのかつての圧力団体と比べて規模は小さく、財界に強力スポンサーがいるわけでもない。この1年で徹底的に資料を集めて調べましたが、日本会議の小ささ、弱さが目についたのが正直な感想です。

政治家には信条より確実な「票」が魅力

――そんな組織が明らかに政権に影響を与え、実際に安倍首相は改憲に向かって突き進もうとしています。どうしてそんなことが可能なのでしょう?

 事務局のマネジメント能力の高さが力の源泉なのだと思います。日本会議はこれまでに大規模な集会を何度も日本武道館で開催してきました。例えば去年11月に開催された「今こそ憲法改正を!1万人大会」などは事前に「1万人を集める」と公言し、言葉通りに参加者を動員し、きっちり1万人を集めています。単一の宗教団体のイベントで1万人という数は驚くに値しませんが、日本会議の事務局は霊友会、崇教真光、遺族会など異なる各種教団・団体から複雑な利害関係を調整して正確に参加者を動員する。政治家は改憲うんぬんといった日本会議の思想信条以前に、彼らの緻密な計数管理能力に魅力を感じているのでしょう。

――数は少なくとも選挙の「票」が読めるということですね。しかし、同様な“集票マシン”では、農協など多くの団体で高齢化による弱体化が指摘されます。何が違うのでしょう?

日本会議も高齢化しています。しかし利権維持や経済的な理由で団結する農協や医師会などと比べ、思想的な理由だけで団結しているので、不況などの世の中の動向に左右されないのが大きな強みなのでしょう。

――しかも、市民運動の手法を取り入れている。

 事務局を取り仕切るのは新興宗教「生長の家」にルーツを持つ民族派学生運動が発展してできた組織です。70年代に入り左翼学生運動が停滞し始めると、民族派学生たちはリベラル陣営の運動手法を模倣しながら取り入れました。署名活動や講演会活動といった「草の根」の運動をコツコツと地道に続けた努力が、2000年代になって結実したといえます。

――生長の家の学生運動といえば、去年の安保法制審議で「集団的自衛権は合憲」と主張した憲法学者の百地章・日大教授や、安倍首相の“右翼思想の師匠”と呼ばれる衛藤晟一・首相補佐官も出身者だと指摘されていますね。

百地、衛藤の2氏および、明星大の高橋史朗教授などは、日本会議事務総長である椛島有三氏が率いる「日本青年協議会」という生長の家学生運動にルーツを持つ右翼団体の幹部です。メディアは彼らを安倍首相のブレーンとして紹介することがありますが、来歴にまで踏み込んでおきながら、なぜか「生長の家学生運動」には言及しない。

■弱小派閥と弱小学生運動組織が結束

――安倍首相と日本会議がシンクロするのは、幼稚な思考回路が同じだからでしょうか?

 思想信条というよりも、双方の置かれた特殊な事情が結びつきを強めているのだと思います。安倍首相の出身派閥である清和会は、自民党主流派だった木曜クラブや宏池会などと比べ、利権も票田も少なく、生き残るために宗教組織と結びつくしかなかった。その弱小派閥に、弱小学生運動組織が結びついたのが、今の安倍政権とも言えます。

――弱い立場の者同士がくっついた感じですね。

 はい。しかも安倍首相は閣僚経験がほとんどないまま異例の出世を遂げました。党内基盤が脆弱だった首相にとっては、規模が小さくても堅固な日本会議は頼れる組織だったのでしょう。そしてこの「弱者連合」は、今、ついに「改憲」という結実を迎えようとしています

――ところで、大手メディアでさえほとんど触れようとしてこなかった組織に正面から斬り込んだことで、嫌がらせなどはありませんでしたか?

 出版元の扶桑社には「日本会議事務総長・椛島有三」名義で、出版の差し止めを求める申し入れ書が届きました。個人的にもウェブ連載中は何度か嫌な思いはありましたが、出版後はピタッとやみました。

(聞き手=本紙・岩瀬耕太郎)

▽すがの・たもつ 1974年、奈良県生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら執筆活動を開始。退職後の2015年から主に政治分野の記事を雑誌やオンラインメディアに提供する活動を本格化させる。扶桑社ウェブ系メディア「ハーバー・ビジネス・オンライン」の連載「草の根保守の蠢動」が大反響を呼び、今回書籍化された。
参照元:「日本会議は中身空っぽ」 異色の著述家・菅野完氏が解明
2016年6月6日 日刊ゲンダイ
あの『日本会議の研究』が出版差し止めに! 過去の判例無視、「表現の自由」を侵す裁判所の不当決定の裏に何が?
2017.01.10 LITERA 本と雑誌の知を再発見

日本を戦前に戻すかのような歴史修正主義と憲法改正の草の根運動を展開、安倍政権にも大きな影響を与えている極右組織・日本会議。その存在を広く世に知らしめるきっかけとなったのは、菅野完氏の著書『日本会議の研究』(扶桑社)だった。同書は昨年春の発売直後から各方面で高い評価を受け、こうしたジャンルでは異例ともいえる約15万部のベストセラーとなった。

 ところが、この高い評価を受けている日本会議批判本が、なんと“出版禁止”になってしまった。同書をめぐっては、宗教法人「生長の家」の元幹部である安東巖氏が同書の記述が名誉毀損に当たるとして出版差し止めの仮処分を申し立てていたのだが、6日、東京地裁が安東氏の申し立てを認めるかたちで、出版差し止めの仮処分命令を出したのだ。

 たしかに同書は、日本会議のルーツとして、70年安保当時、右派学生運動を担った元生長の家の信者たちに着目。資料や証言をもとに、彼らがどう右翼運動に関与し、それを日本会議に発展させていったかを詳細に記述していた。たとえば、現・日本会議事務総長である椛島有三氏や、「安倍首相のブレーン」といわれる伊藤哲夫・日本政策研究センター所長なども、同書によって、元生長の家信者だったことが明かされている。

 こうした人物たちは、過去をほじくりかえされるのが、よほど嫌だったのだろう。同書の発売前には、その椛島日本会議事務総長名義で、版元の扶桑社に出版差し止めを要求する文書が送られるという“圧力事件”が起きていた。

 そして、同書が椛島氏や伊藤氏と並んで、元生長の家人脈を束ねる「リーダー格」とし、最終章でその実像に迫ろうとしたのが、今回の差し止め仮処分の申立人(債権者)である安東氏だった。

 そういう意味では、元生長の家幹部である安東氏が申し立てをしたこと自体は不思議ではない。しかし、問題は、裁判所の判断だ。

 裁判で安東氏側は、『日本会議の研究』の記述の6箇所について真実ではないと主張した。裁判所はそのうち5箇所については訴えを退けたが、1箇所については真実ではない蓋然性があるとして、関述之裁判長は「販売を継続することで男性は回復困難な損害を被る。問題の部分を削除しない限り販売してはならない」としたのだ。

 はっきり言って、ありえない決定だろう。たかが一箇所、真実性が証明できない記述があるだけで、出版物の販売を差し止めるとするのは、憲法で保障された表現・報道の自由および読者の「知る権利」を著しく損ねるもので、あきらかに行き過ぎである。

 過去の事例を見ると、たとえば2007年には、田中真紀子(当時・衆議院議員)の長女が、自身の離婚について報じた「週刊文春」(文藝春秋)の記事がプライバシー権を侵害するとして申し立て、地裁が同誌出版前に差し止めの仮処分決定を出したことがあった。この決定には、日本雑誌協会、出版労連、日本ペンクラブが抗議声明を出すとともに、言論界からリベラル派、保守派を問わず大きな批判の声があがり、文藝春秋が抗告した高裁は「記事はプライバシー侵害だが、事前差し止めを認めなければならないほど重大な損害を与える恐れがあるとは言えない」として決定を取り消している。

 最近では、百田尚樹氏の『殉愛』の記述をめぐって故・やしきたかじんの娘が起こした名誉毀損裁判も記憶に新しい。この裁判では、長女が発行元の幻冬舎に出版差し止めを求めたが、東京地裁は4件でプライバシー侵害と名誉毀損を認めたものの、差し止めに関しては「頒布することで原告が被る不利益は大きいが、事後に回復するのが著しく困難と認められない」として棄却している。つまり、百田氏による記述のデタラメさこそ認定したが、それでも出版差し止めという表現の自由の剥奪には至らぬと配慮したのだ。

 出版物の差し止めが、このように通常よりかなりハードルが高く設定されているのは、もちろん、その濫用が近代民主主義の根幹である表現の自由を侵す可能性があるからだ。損害賠償や訂正・おわびの掲載などと違って、出版物の頒布・販売を禁止するというのは、下手をしたら国家による「検閲行為」につながりかねない。

 そういう意味では、今回の『日本会議の研究』についてただ一箇所の記述のみで差し止めを決定したことのほうがむしろ、異常事態なのだ。

 事実、同書には、これまでの裁判所の基準で出版差し止めにあたるような要素はまったくない。出版差し止めの判例としては1986年の「北方ジャーナル事件」が知られ、「もっぱら公益を図る目的でないことが明白であること」と「被害者が重大にして著しく回復困難な被害を被るおそれがあること」が、その後の差し止め判決でも大きな基準とされてきた。『日本会議の研究』のケースでは、第一に、安倍首相をはじめとする現役政治家の多くが日本会議の議連に参加し、関連集会などに出席していることから、同書の公益性は自明である。また、日本会議の源流を探るうえで、個々人の政治活動家について言及することもまた、公益を図るものとして当然、認められるべきものだ。

 差し止めの対象となった記述も、「え、これで?」というようなものだ。東京地裁が問題にしたのは、同書が1970年代、生長の家青年会の機関紙の部数を拡大する「『理想世界』100万部運動」によって、青年会学生らが消費者金融に手を出してまで購入することを余儀なくされ、「結果、自殺者も出たという。しかし、そんなことは安東には馬耳東風であった」(同書より)と記述した部分。これが、安東氏は冷酷に運動を続けたという意味に解釈でき、それによって社会的評価が低下し、重大かつ著しく回復困難な損害を被ると判断したというのだ。

 こんなレベルの記述で、出版差し止めが濫発されるなら、週刊誌や夕刊紙はすべて出版再し止めになってしまうだろう。もちろん、政治家のスキャンダル報道などまったくできなくなり、あたりさわりのない「取材」を許可され、言い分を垂れ流してくれる“御用ジャーナリスト”以外は筆を折らねばならなくなる。いや、それどころではない。こんな裁判官はおかしい、言論弾圧に加担している、独裁政権を走狗と化している、なんていう表現までできなくなり、公権力に対する一切の批判が封殺されてしまう可能性さえある。その状況で一番の不利益を被るのは誰か。いうまでもなく、情報を受け取れなくなるこの国のすべての生活者だ。

 今回、東京地裁の関述之裁判長らはなぜこんなトンデモな決定を出してしまったのか。

 関裁判長は2014年、グーグルで自分の名前の検索結果が表示されるのがプライバシー侵害だとして検索結果の削除を求めた仮処分申し立てで、検索結果の一部削除を命じたことがあり、「表現の自由」に対する意識が低かったというのはあるかもしれない。

 しかし、もうひとつ気になるのが、差し止めになったのが日本会議をテーマにした本であるという事実だ。いうまでもなく、日本会議は安倍政権を熱烈に支持し、安倍首相の悲願である憲法改正などで二人三脚の関係にある。実際、15年秋には、日本会議が実質的に取り仕切る改憲団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の武道館集会に、閣僚を含む大勢の政治家が出席。安倍首相もビデオメッセージで「憲法改正に向けて渡っていく橋は整備された」と意気込みを語り、会場から大喝采を受けていた。

 そういう意味では、今回の差し止め決定は、安倍政権が批判的なメディアに対して陰に陽に強い圧力をかけているここ数年の状況と重なるものがある。もしかすると、司法もまた、安倍政権のメディアへの強行姿勢を忖度し、これまで自制的だった出版差し止めにまで踏み込んできたのではないか。そういう懸念が頭をもたげてくる。

 いずれにしても、今回の判決が司法の暴挙、言論弾圧であることは明白だ。前述した「文春」の田中真紀子長女記事出版差し止め事件の際には、リベラルなジャーナリストや言論人はもちろん、あの櫻井よしこ氏など、右派からも激しい司法批判が飛び出した。

 本来なら、今回の件でも、言論の自由と読者の知る権利を守るために、徹底的に裁判所の決定を批判する大キャンペーンが展開されるべきだが、はたしていまのマスコミ、言論人にそんな意識や気概が残っているのだろうか。

(編集部)
参照元:あの『日本会議の研究』が出版差し止めに! 過去の判例無視、「表現の自由」を侵す裁判所の不当決定の裏に何が?
2017.01.10 LITERA 本と雑誌の知を再発見
出版停止申し入れの『日本会議の研究』 異常ペースで売れた
2016.05.16 07:00 NEWSポストセブン

4月末に発売されたある新書が、ゴールデンウィーク直後、日本中の書店から姿を消した。紀伊國屋書店新宿本店の売り場担当者が語る。

「本当に異常なスピードで売れて、連休が終わったタイミングで品切れとなりました。全国ほぼすべての店舗が同じ状態だったそうです。ネット上では中古品には3~4倍の値段がついているらしく、在庫補充後も転売しようと買い占め客が殺到したため『1人1冊まで』という表示を今も出しています」

 その異例のベストセラーが、『日本会議の研究』(扶桑社新書)である。

 テーマとして取り上げられた「日本会議」は1997年に設立された団体で、公式ホームページでは、〈私たちは、美しい日本の再建と誇りある国づくりのために、政策提言と国民運動を推進する民間団体です〉としている。安倍政権との密接な関わりが指摘されており、近年は政界関係者を中心に注目を集める存在となっていた。

 とはいえ、今回の研究本の著者である著述家・菅野完(すがのたもつ)氏の知名度も高くはなく、同書の初版は8000部に過ぎなかった。売れ出したのは著者の菅野氏が発売直後に「日本会議側が出版停止を求めてきた」と公表してからだ。

 自身のツイッターで、〈なぜ出版直後の本に文句をつけられなきゃいけないのか〉〈かかる言論弾圧に対し抗議します!〉などと発信。それが大きな話題となり、売り切れ続出の事態に発展した。

 出版元の扶桑社は本誌の取材に「日本会議の椛島有三事務局長から、弊社社長宛に個人的に出版停止の申し入れがあったことは事実です」(第二編集局局長・渡部超氏)と答え、騒動は収束する気配がない。

※週刊ポスト2016年5月27日号
参照元:出版停止申し入れの『日本会議の研究』 異常ペースで売れた
2016.05.16 07:00 NEWSポストセブン
政権に近い保守団体が出版停止を要求 話題の本「日本会議の研究」
BuzzFeed Japan 2016/5/4(水) 19:13配信

日本会議とは

4月28日、出版社「扶桑社」にFAXで申入書が届いた。差出人は「日本会議事務総長 椛島有三」。扶桑社から出たばかりの菅野完さん著『日本会議の研究』の出版停止を求めるものだった。【BuzzFeed News / 石戸諭】

本は、菅野さんによるウェブ上の連載をまとめたもの。日本会議のルーツや歴史、彼らが展開してきた保守系の市民運動について取材、検証している。連載時にはなかった抗議が、なぜか出版直後に送られた。

日本会議による申入書の趣旨はこうだ。

この本では、日本会議について裏付けの取れない証言を並べ、活動を貶める目的で編集されており、団体・個人の名誉を傷つける。「日本会議が、宗教的背景を持つ特定の人物」に束ねられているという結論部分に対し、特に強く反応しており「全く事実に反している」と主張。直ちに出版停止するよう求めている。

1冊の研究本に対し、即座に出版停止を求めた「日本会議」は民間の保守派団体だ。彼らのホームページによると、「全国に草の根ネットワークをもつ国民運動団体」であり、「日本会議は、美しい日本を守り伝えるため、『誇りある国づくりを』を合言葉に、提言し行動します」とある。

すみやかな憲法改正、日本会議の女性組織による夫婦別姓反対の集い…。活動方針や彼らが進める国民運動は、ホームページに公開されている。

日本会議が注目を集めるのは、政権と近い関係にある点だ。朝日新聞によると「超党派による『日本会議国会議員懇談会』」のメンバーに、2015年9月時点で、安倍晋三首相を筆頭に、閣僚、自民党役員らが名を連ねている。

日本会議「出版停止を求めたのは事実」

抗議は、申入書だけにとどまらない。

申入書とは別に『日本会議の研究』に登場する人物から、代理人を通じて出版差し止めを求める法的文書が扶桑社に送られているという。BuzzFeed Newsの取材に対し、複数の関係者が認めた。

なぜ、日本会議はここまで抗議をするのか。

「出版停止を求めているのは事実だが、これ以上詳しいことはコメントはできない。見解は後日、明らかにする」

日本会議の担当者は、BuzzFeed Newsにこう話した。

BuzzFeed Newsは出版側にも話を聞いた。

扶桑社は「係争関係にあり、コメントできない」。菅野さんは「1年間かけて取材と資料を読み込んだ結果を、世に問うたまでだ」とコメントした。
参照元:政権に近い保守団体が出版停止を要求 話題の本「日本会議の研究」
BuzzFeed Japan 2016/5/4(水) 19:13配信
日本会議産みの親「生長の家」が安倍政権と日本会議の右翼路線を徹底批判!「日本会議の元信者たちは原理主義」
2016.06.10 LITERA 本と雑誌の知を再発見

〈来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。〉

 宗教法人「生長の家」が、昨日6月9日、ホームページにてこんな書き出しで始まる声明文を公開。安倍政治に真っ向から反対を宣言した。

 生長の家は1930年に故・谷口雅春氏によって設立された宗教団体で、49年に法人化。当時は皇国史観や国粋主義的思想のもと「明治憲法復元」や反共を掲げ、政治家と結びついて積極的に政治活動を行っていた。

 また、現在、安倍政権と一体化して、改憲を推し進めている極右団体「日本会議」も元生長の家の信者が中心になっている。その生長の家が、この声明文では、安倍首相の政治姿勢に対する明確なNOを突きつけているのだ。

〈その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。〉

〈安倍政権は、旧態依然たる経済発展至上主義を掲げるだけでなく、一内閣による憲法解釈の変更で「集団的自衛権」を行使できるとする“解釈改憲”を強行し、国会での優勢を利用して11本の安全保障関連法案を一気に可決しました。これは、同政権の古い歴史認識に鑑みて、中国や韓国などの周辺諸国との軋轢を増し、平和共存の道から遠ざかる可能性を生んでいます。また、同政権は、民主政治が機能不全に陥った時代の日本社会を美化するような主張を行い、真実の報道によって政治をチェックすべき報道機関に対しては、政権に有利な方向に圧力を加える一方で、教科書の選定に深く介入するなど、国民の世論形成や青少年の思想形成にじわじわと影響力を及ぼしつつあります。〉(声明文より)

 見ての通り、生長の家は、安保法の強行による民主主義と立憲主義の破壊だけでなく、原発再稼働や歴史修正主義、さらにメディアへの圧力行為まで、かなり全般的に安倍政権の政策を批判しているが、同教団がこれほどまでにはっきりと現政権との距離を明確にするのは、安倍首相と二人三脚でその極右的政策の数々を支援している「日本会議」の存在がある。

 日本会議は、1997年に宗教右派が結集した「日本を守る会」と、「日本を守る国民会議」という二つの団体が合流して結成された国内最大の保守系団体。著述家・菅野完氏の労作『日本会議の研究』(扶桑社)に詳しいが、日本会議の事実上の事務方である右翼団体「日本青年協議会」は、かつての全共闘時代に民族派学生運動を牽引した生長の家関係者が組織したものだ。とりわけ、日青協会長の椛島有三氏は、現在日本会議の事務総長を務め、その前身から運動のオーガナイズに寄与してきたという。こうした同書が指摘する生長の家OBと安倍政権との関係について、声明文ではこのように書かれている。

〈最近、安倍政権を陰で支える右翼組織の実態を追求する『日本会議の研究』(菅野完、扶桑社刊)という書籍が出版され、大きな反響を呼んでいます。同書によると、安倍政権の背後には「日本会議」という元生長の家信者たちが深く関与する政治組織があり、現在の閣僚の8割が日本会議国会議員懇談会に所属しているといいます。これが真実であれば、創価学会を母体とする公明党以上に、同会議は安倍首相の政権運営に強大な影響を及ぼしている可能性があります。事実、同会議の主張と目的は、憲法改正をはじめとする安倍政権の右傾路線とほとんど変わらないことが、同書では浮き彫りにされています。〉(声明文より)

 また、生長の家は60年代半ばには「生長の家政治連合」(生政連)を結成し、運動だけでなく、「参院のドン」と呼ばれた村上正邦氏らを通じて政界に影響力を及ぼしていた。しかし、生長の家内では、こうした政治偏重の一部信者らの姿勢に反発する動きも現れ、生政連は83年に活動停止。生長の家自体も同時期に政治活動から撤退し、近年では、環境問題への取り組みなどにシフトしている。そうした現教団から見て、日本会議と安倍政権の行いは「誠に慚愧に耐えない」ものだという。

〈当教団では、元生長の家信者たちが、冷戦後の現代でも、冷戦時代に創始者によって説かれ、すでに歴史的役割を終わった主張に固執して、同書(『日本会議の研究』)にあるような隠密的活動をおこなっていることに対し、誠に慚愧に耐えない思いを抱くものです。先に述べたとおり、日本会議の主張する政治路線は、生長の家の現在の信念と方法とはまったく異質のものであり、はっきり言えば時代錯誤的です。彼らの主張は、「宗教運動は時代の制約下にある」という事実を頑強に認めず、古い政治論を金科玉条とした狭隘なイデオロギーに陥っています。宗教的な観点から言えば“原理主義”と呼ぶべきものです。私たちは、この“原理主義”が世界の宗教の中でテロや戦争を引き起こしてきたという事実を重く捉え、彼らの主張が現政権に強い影響を与えているとの同書の訴えを知り、遺憾の想いと強い危惧を感じるものです。〉(声明文より)

“テロや戦争を引き起こす「原理主義」”というのは強烈な批判だが、これは、椛島氏ら一部OBへの決別宣言であると同時に、その影響を受けて戦前回帰的傾向を強める安倍政権への明確な拒絶に他ならない。声明文の最後はこのように締めくくられている。

〈私たちは今回、わが国の総理大臣が、本教団の元信者の誤った政治理念と時代認識に強く影響されていることを知り、彼らを説得できなかった責任を感じるとともに、日本を再び間違った道へ進ませないために、安倍政権の政治姿勢に対して明確に「反対」の意思を表明します。この目的のため、本教団は今夏の参院選においては「与党とその候補者を支持しない」との決定を行い、ここに会員・信徒への指針として周知を訴えるものです。合掌。〉

 日本会議と安倍政権の関係者たちにこの言葉が響くとは思わないが、有権者には、彼らを生み出した当の宗教団体ですら、その右翼路線に危惧を抱いていることをぜひ認識しておいてもらいたい。

(編集部)
参照元:日本会議産みの親「生長の家」が安倍政権と日本会議の右翼路線を徹底批判!「日本会議の元信者たちは原理主義」
2016.06.10 LITERA 本と雑誌の知を再発見
話題書『日本会議の研究』に関係者激怒「トンデモ本ですよ」
2016.05.27 07:00 NEWSポストセブン

決して知名度が高いとはいえない著者が、あまり広く知られていない団体を取り扱った本が大ベストセラーになっている。『日本会議の研究』(扶桑社新書)──。“研究対象”となった日本会議は安倍政権と密接な関係が指摘される一方、その規模や資金力、目的などの全貌は謎に包まれている団体だ。そこで、渦中の日本会議の幹部・関係者に直接、「日本会議とは何か」を聞いた。

「日本会議に関することは何をお話ししても誤解されることが多いので、取材はお受けしないことにしています」

 元最高裁長官で、14年間にわたって日本会議会長を務めていた三好達・名誉会長は、そういって電話を切った。三好氏が長くトップを務めてきた日本会議を取り上げて話題なのが、著述家・菅野完氏の著書『日本会議の研究』だ。

 本誌前号では、同書が指摘する、日本会議と安倍政権の密接なつながりなどについて紹介した。日本会議は会員数約3万8000人の保守系民間団体だが、連携する超党派議連「日本会議国会議員懇談会」には安倍首相を筆頭に、麻生太郎・副総理兼財務相や菅義偉・官房長官、高市早苗・総務相ら閣僚20人のうち実に半数の10人が名を連ねる。

 政策面でも、日本会議の主張や活動と、安倍政権の動きは奇妙な符合を見せている。例えば昨年、菅官房長官が「集団的自衛権の行使を合憲とする憲法学者はいくらでもいる」として名前を挙げた百地章・日本大学教授、西修・駒澤大学名誉教授、長尾一紘・中央大学名誉教授の3人は、いずれも日本会議が活動を後押しする「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(以下、つくる国民の会)の役員を務める人物だった。

 そうした点を指摘した『日本会議の研究』に対し、日本会議側が「(自分たちの)活動を貶める悪質な宣伝本」だとして出版元の扶桑社へ出版停止を求める文書を送付する騒動になっている。

 一体、どの記述が問題なのか。そもそも、日本会議とは、どのような組織なのか。前述の「つくる国民の会」の幹事長である百地教授は、本誌記者が『日本会議の研究』の中では……」と質問を切り出すと、開口一番、怒りを露わにした。

「あんなものはトンデモ本ですよ。許せないのは、匿名証言だけを積み上げて話を捏造していることです。『つくる国民の会』も日本会議のフロント団体と書いているが、完全に別組織ですからね。不愉快すぎて、あの本については話したくない。何をいってもあの著者の利益になるだけですから」

「つくる国民の会」の代表発起人の西名誉教授も、別団体であることを強調する。

「私は日本会議のメンバーではなく、あくまで『つくる国民の会』に所属しています。ですから、日本会議がどういう意思決定をしているのか知りません。私は安倍内閣側の学者といわれることもありますが、集団的自衛権の行使は合憲であるという憲法解釈は、30年以上前から一貫して主張していることで、安倍首相に迎合したわけではない」

 3人の憲法学者のもう1人、長尾名誉教授は、「最近は日本会議の活動から遠ざかっており、特に何かしているというわけではありません。『つくる国民の会』も名前を連ねている程度。取材に答えるには適任ではありません」とするのみ。

「つくる国民の会」は、憲法改正に賛同する1000万人の署名を集めようと活動している団体だが、共同代表に前出の三好氏が名を連ねるなど、日本会議と複数の役員が重複する。また、日本会議の公式HPでは「日本会議の行動の記録」と題されたページの中に、「つくる国民の会」のイベントが掲載されている。にもかかわらずなぜ「別組織」を強調するのか。理由は見えてこない。

※週刊ポスト2016年6月3日号
参照元:話題書『日本会議の研究』に関係者激怒「トンデモ本ですよ」
2016.05.27 07:00 NEWSポストセブン

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 6-8理論のご教授ありがとうございます。

    以下のものは
    ここ最近私が独自に考察したものです。

    仮に9室の象意に

    「鳥」というものがあるとすれば

    4室は

    「陸」だと解釈できるのではないかと思います。

    空を飛行する鳥類も1日に数回は陸や木々に下りるものです。

    例えば電柱に停まっている烏(からす)のように。

    そしてそこは
    彼らにとっての8室(休息所)であるわけです。

    また車で例えれば

    1室をスピードにしたら

    8室はブレーキ等による停止

    また3室は
    方向転回と再始動を表すと言えるのではないかと思います(停止の変更と考えるとわかりやすいかもしれません)。
  • 現在乙女座にダブルトランジットが形成されていますが

    工事の仕事をしている私の知人から

    最近は工事現場が減ってきているそうです。

    私の観点では
    工事とは水瓶座の象意のひとつで

    そこから見た8室乙女座にトランジットしているから

    そうした状況にあるのだと思います。

    また
    私の視点では

    大工や鳶や土木作業員などの職人は

    山羊座の火星の象意のひとつだと思います。


    工事を行う場合 前もって官公庁へ届け出をしなければいけないのですが

    山羊座から見て

    役人を表す獅子座は8室目になります。

    そして火星は4室目のハウスにアスペクトしますが

    牡羊座へアスペクトバックするのです。

    水瓶座から見れば3室ですが

    これが工事による道路の一時使用と封鎖です。

    交通規制により通行する車などの乗り物は

    ほかの道へ迂回を余儀なくされます。

    またそれは舗装をして最終的には水で洗浄するという形で終えます。

    水瓶座から見て2室目は魚座という水の星座です。

    ちなみに

    また私の視点では

    現在のものつくり大国といわれる日本の技術の礎になった

    江戸幕府始原図は水瓶座ラグナです。
    • 確かに水瓶座は大規模インフラ工事や公共事業などを表すと思います。

      水瓶座は共産主義の星座であり、日本の土木関係の公共事業は、ケインズ経済的な景気刺激策的な発想もありますからそうした富の再分配的な大規模インフラ事業がなくなり、今はトランプ政権に象徴される各国の個人主義、保護主義が台頭し、税金を使った公共の福祉のための公共事業が減らされる傾向にあると思います。

      例えば、公共的な掲示板や市町村の施設を廃止したりする傾向も出ていると思います。

      大規模的なインフラ計画がなくなることで多くの小さい仕事も減っているのかもしれません。


      大工や鳶や土木作業員などの職人は確かに山羊座の象意かもしれません。

      実際、これらの人々が獅子座(王様)の国造りのためにインフラ事業を行なうのであり、王様の許可を得なければならない立場です。

      江戸幕府始原図が水瓶座ラグナというのはどういうロジック、根拠に基づいてでしょうか
  • それは

    1、チャートの年月日は徳川家康が「江戸幕府」を宣言した日付です。

    2、ダシャーの経緯がほぼ一致する事を確認できた為です。

    このチャートでは月は蟹座に在住していますが

    例えば、月のダシャー期に島原の乱が起り、幕府はそれを機に鎖国を開始しました。

    また、幕府が武断政治から文治政治に変換したのは

    火星-土星期です。

    江戸幕府崩壊の時期は金星ー水星期です。

    3、惑星の配置は、10室蠍座に惑星集中しており、その中には1室支配星の土星が在住しています。
    ラグナには金星が在住しています。

    また、魚座―蠍座間で星座交換がされており、蠍座の木星これが徳川政権を表しているのだと思います。

    さらに星座交換した火星がそこに加わるので、これは武士の社会である事を表しています。

    実際、徳川家康のチャートでは2室支配星は蠍座に在住しています。

    また蠍座にはラーフが在住していますが江戸時代には変わった職業が数多くあったそうです。

    ラグナに在住する4,9室支配星の金星は国民が教育に恵まれる事を意味しますが

    日本という国は当時の世界中の基準から見ても識字率が高かったのです。

    また、10室に在住する土星は悪名を世に轟かす配置と言われますが

    江戸時代は罪に対する罰が(例えば放火に対する刑罰は火刑であるなど)大変重かったのです。

    また、水星は牡羊座に在住していますが

    月から見て10室に在住しています。星宿はアシュビニーです。

    私はこの10室に在住する水星とは

    飛脚や馬子や船渡、さらには参勤交代に伴う移動を表しているのだと思います(牡羊座には移動という意味合いがあります)。

    また、「火事と喧嘩は江戸の華」といいう風説があるように

    江戸時代は火災や喧嘩や一揆が大変多かったそうで

    これもまた、月から見た10室が表わしているものだと思います。

    また、当時の貨幣経済のシステムは毎日貨幣の価値が変わる

    つまり今日の為替市場に相当するものだと思いますが

    宵越しのお金を持たずにその日に得たものはその日のうちに使い切る

    というのが当時の風習だったそうです。

    これもまた、後先の事をあまり考えない牡羊座の性格を表し

    そしてそれが10室であるという事をよく表していると思えます。

    江戸幕府始原図を研究した結果わかった事ですが

    3室には、活力、喧嘩、白黒つかない状態という象意があると思います。

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