ロマン・ポランスキーについて


前回、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』についての感想を述べたが、この映画は、シャロン・テート殺害事件前後のハリウッドを舞台としている。


当時、シャロン・テートと結婚した直後のロマン・ポランスキーも実名で登場する。


このポランスキーがフランス映画芸術技術アカデミーの「セザール賞」で最優秀監督賞を受賞し、著名仏女優が抗議の退場を行なったとニュースが伝えている。


性暴行のポランスキー氏が仏セザール賞で最優秀監督賞 著名仏女優らが続々と抗議の退場 
小林恭子 | ジャーナリスト
2020/2/29 21:57 yahooニュース

 2月28日、フランス映画芸術技術アカデミーは、フランス版アカデミー賞に相当する「セザール賞」の受賞者を発表した。

 最優秀監督賞は、未成年に対する性的犯罪で有罪となった過去を持つロマン・ポランスキー監督に贈られた。これを知った著名女優アデル・エネル(2014年、映画「ミリタリーな彼女」でセザール賞の主演女優賞受賞)が抗議の退場を行い、数人が続いた。

 第45回目となるセザール賞は、ポランスキー監督の映画「私は弾劾する(フランス語はL’Accused、英語はAn Officer and a Spy」が12部門にノミネートされたことで大きな批判を招いた。
 ポランスキー監督(86歳)はポーランド出身の映画監督で「水の中のナイフ」(1962年)、「ローズマリーの赤ちゃん」(1968年)、「テス」(1979年)、「戦場のピアニスト」(2002年)など、数々の名作で知られる。現在は、フランスとポーランドの市民権を持つ。 (略)

このようにロマン・ポランスキーについての注目が集まっている。


何故だろうかと思い、チャートを作成してみると、ポランスキーは、土星が出生の土星にリターンしていた。





土星は、5、6室支配で1、10室支配の水星と5-11室の軸で、相互アスペクトし、1-5、5-10のラージャヨーガを形成している。


映画の創作活動などで結果を出せる配置であり、また5室支配の土星が5室で自室に在住しているので、才能があることを示している。


然し、この土星が6室の支配星で、3、8室支配で2室に在住する火星と相互アスペクトして、5室で、6-8の絡みを形成している。


従って、その6-8の絡みのカルマが、土星のリターンによって噴き出しているのである。




土星は、5-11室の軸で、1-5、5-10のラージャヨーガを形成し、また1、10室支配の水星は、11室支配の月と10-11の星座交換をしている。


従って、ポランスキーは、映画監督として才能があり、優れた作品を創作することができ、仕事は高く評価されるのである。



然し、6室支配の土星が逆行して、11室や11室の支配星にアスペクトして、11室(評価、称号)を傷つけており、また月から見て火星は11室支配であるが、6室も同時に支配し、8、9室支配の土星と相互アスペクトして、ここでも6-8の絡みを生じている。


11室の支配星が9室の支配星と相互アスペクトして、9-11のダナヨーガも形成しているが、11室の支配星が8室支配の土星と相互アスペクトして、11室に傷がついている。


従って、評価に傷が付くような激しい批判を受けているのである。



11室を傷つけているのは、主にこの6室支配の逆行する土星であることが分かる。





性犯罪の配置


この土星は何かと言えば、5室の支配星で5室に在住していることから、教え子、弟子の表示体である。



映画監督というのは、俳優を見初めて、スカウトする所から始まって、俳優に演技指導し、俳優の個性を映画の中に活かして作品を創り上げるのであるが、俳優はいわば、映画監督にとって、教え子、弟子のような存在である。



俳優は画家にとっての絵の具のような存在であり、監督の創作の道具であり、映画監督の創作物と一体化している。



つまり、この土星は明らかに過去に関わった女優たち(弟子たち)の表示体である。



ポランスキーは1977年にジャック・ニコルソン邸で、当時13歳の子役モデルへの淫行容疑で逮捕され、裁判で有罪判決を受け、その後、42日間の勾留後、釈放され、国外脱出し、パリへと移住している。



その後、最近になってから、ポランスキーに強姦されたと訴える女性たちが次から次へと計4人が名乗りを上げている。



「15歳でロマン・ポランスキーにレイプされた」 4人目が訴え出る
2017年10月4日 11時0分 女性自身

映画監督ロマン・ポランスキー(84)に、また新たな性犯罪疑惑が持ち上がった。ニューヨーク・タイムズによると、元女優のドイツ人女性ラナーテ・ランガー(61)が、15歳のときにポランスキーにレイプされたとスイス警察に訴え出たという。ポランスキーによるレイプ被害に遭ったという女性はこれで4人目となる。

ポランスキーは1977年にジャック・ニコルソン邸で当時13歳だったサマンサ・ゲイマーに薬物とアルコールを摂取させた上で性的関係を持ち、強姦をはじめとした6つの罪に問われた。保釈中だった1978年、判決が出る前にフランスへ逃亡し、以後一度も米国の土を踏んでいない。

2人目は『テス』(1979年)の主演女優ナスターシャ・キンスキー(56)。ポランスキーは彼女と交際していたが、その関係は彼女が15歳の頃から続いていた。

2010年には、『ポランスキーのパイレーツ』(1986)でデビューした英国人女優シャーロット・ルイス(50)が、16歳のときにポランスキーに性的虐待を加えられたと記者会見で公表している。

今回新たに名乗り出たランガーは、15歳だった1972年2月、スイスのリゾート地グシュタードにある家で、ポランスキーに性的暴行を受けたという。ポランスキーの代理人と顧問弁護士ハーランド・ブラウンは双方とも、この件に関してコメントを避けている。


訴えているのは、当時、子役モデルや女優の卵など、ポランスキー監督とは、監督と女優といった師弟関係となる15歳など未成年の若い女性たちである。



こうした女性たちが、ずっと当時のことを恨み続けて、かなりの年月が経過した後に訴え出て来るのである。



強姦などの性犯罪の場合、そのパターンが多いようである。



つまり、5、6室支配で、5室に在住し、11室や11室の支配星、月から見た11室の支配星にアスペクトする土星は、ポランスキー監督にとっての教え子、弟子たちに該当する。



映画監督という時点で、子役モデルや女優の卵の女性たちは、監督を自分の上司や教師、導き手とみなし、依存心が生じたり、圧倒的な力関係の違いを認識する。



そこで監督に上手く取り入って、女優として使ってもらいたいと思ったり、あるいは、そうしたことを期待して監督と恋愛関係に陥る場合もあり、微妙な世界である。



然し、そこで、一線を越えて、性的暴力や強制などがあった場合、女性は犯罪の被害を受けたのではないかと考え続け、だいぶ後になってから、そのことを訴え出るのである。




この教え子を表わす5室支配の土星が同時に6室を支配し、3、8室支配の火星と相互アスペクトしている為、6-8の絡みが生じ、性犯罪とその後の訴訟につながったものと思われる。




土星は逆行している為、広範囲にアスペクトを振りまいており、ポランスキーのラグナ、ラグナロード、11室、11室の支配星にアスペクトしているが、逆行する凶星は、やり残していた仕事をやり遂げるかのように逆行から順行に移行する過程で、速度を緩めながら、増大した強い凶意を投げかけるのである。




3、8室支配の火星は、3室が食欲、性欲、睡眠欲を表わす低次の肉体的欲望のハウスで、8室は性器や性衝動(クンダリーニなども表わす)、不道徳のハウスである。




この火星が5,6室支配の土星と相互アスペクトする配置は、ポランスキー監督が、子役モデルや女優の卵と、自身の性衝動を犯罪的な支配と服従の行為で満たしたこと解釈できる。




土星と火星という2つの生来的凶星がそれぞれ6室と8室の支配星となってコンジャンクションや相互アスペクトなどで絡む場合、支配と服従の暴力的犯罪的な関係(出来事)が生じるのである。




またこのポランスキーの性犯罪には、6室に在住するラーフが大きな役割を果たしている。



6室は自分よりも目下の存在であり、愛人とか部下のハウスである。その6室にラーフが在住する配置は、ウパチャヤの凶星にもなるため、部下に対して強い配置であり、愛人や部下と関わった場合に自然と相手を支配する関係性となるのである。




それで、そのラーフがダシャーによって発動する場合、ラーフ期はそのディスポジターが結果を与える為、5、6室支配の土星が、3、8室支配の火星と相互アスペクトするカルマが噴き出すのである。



結局、6室のラーフ、5、6室支配の土星、3、8室支配の火星などの配置によって生み出されるものが、強姦などの性犯罪となったことがよく理解出来る。



また火星が、6室支配の土星にアスペクトし、6室にも部分アスペクト(50%)する為、6室に対して性衝動を表わす3、8室支配の火星が、1.5の力で影響していることも注目すべきである。



そして、ラーフはダニシュター(火星)に在住し、火星のアスペクトを受けることで、ラーフの火星からの影響は強まっている。



またラーフは5室目と9室目にアスペクトするという説もあるが、そうするとラーフは火星からアスペクトされているばかりでなく、火星にもアスペクトして、火星とラーフの結びつきが強化されている。



そして、火星自身は、チトラー(火星)に在住して、強い配置である。



またヴァルゴッタマで、6つの分割図で同じ天秤座に在住していることから、非常に強い配置である。



火星は月から見た場合、暴力の6室を支配して、11室にアスペクトバックしている為、非常に強い配置であり、ラーフと共に火星も大きな役割を果たしている。




2011年10月4日付の記事によれば、ポランスキーは、スイスのテレビ局TSRのインタビューで、1977年の淫行事件の後、33年間、後悔し続けたことを語り、自らの罪を認めている。






壮絶な生い立ち -2室への激しい傷-



ロマン・ポランスキーの生い立ちというのは、非常に壮絶である。



生い立ち

ユダヤ教徒のポーランド人の父親とカトリック教徒でロシア生まれのポーランド人の母親の間にフランスの首都パリで生まれる。出生時の名前はライムント・ロマン・リープリンク(Rajmund Roman Liebling)。3歳のとき一家はポーランドのクラクフに引越し、そこで幼少期を過ごした。異父兄妹の姉がおり、のちにアウシュビッツに連行されたが、生き延び、その後、パリで暮らしたという。
第二次世界大戦時はドイツがクラクフに作ったユダヤ人ゲットーに押し込められた。ゲットーのユダヤ人が一斉に逮捕される直前、父親はゲットーの有刺鉄線を切って穴を作り、そこから息子を逃がした。父母はドイツ人に別々に連行された。母親はアウシュビッツでドイツ人に虐殺された。また、母親はこの時、妊娠していたとポランスキーは証言している。父親はドイツ人により採石場で強制労働をさせられ、終戦まで生き残った。

(wikipedia ロマン・ポランスキーより引用抜粋)

幼少時にユダヤ系だったポランスキーはナチスドイツによって、ゲットーに閉じ込められ、両親はドイツ人に別々に連行され、母親はアウシュビッツで虐殺されている。


父親は強制労働をするが、終戦まで生き残ったと書いてある。



このように幼少時にナチスによって家族が離散したのは、3、8室支配の火星が2室(両親、家族)に在住し、5室支配の土星と相互アスペクトして、2室を激しく傷つけているからである。





2室支配の金星はラグナに在住し、木星とコンジャンクトしているため、若干の救いも見られるが、金星は9室の支配星であり、父親も表わす為、父親が強制労働後、戦後まで生き続けたのは、この木星の保護が働いたと考えられる。


また「異父兄妹の姉がおり、のちにアウシュビッツに連行されたが、生き延び、その後、パリで暮らした」と記されており、家族全員が失われずに済んだのは、この木星の働きとも考えられる。



またこの木星は7室の支配星で、ラグナに在住していることから配偶者の恩恵を表わしているということも出来る。



木星は4、7室支配で2つのケンドラを支配し、月からも同様である為、吉意を失い、機能的凶星化してはいるが、それでも木星は、2、9室支配の金星とコンジャンクトしている為、機能的凶星化の効果は少なく、4-9、7-9のラージャヨーガをラグナで形成し、ラグナは2つの吉星によって守られている。




例えば、ロマン・ポランスキーは仏アカデミーの「セザール賞」の授賞式の時にセキュリティーの問題で授賞式に参加しなかったが、2017年5月のカンヌ映画祭では2人の女優(エヴァ・グリーン、エマニュエル・セニエなど)に守られるようにして、公の場に登場した。







現在の妻、エマニュエル・セニエは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で実名でポランスキーを映画に登場させたタランティーノを激しく非難したようである。







7室支配の木星がラグナに在住し、5、6室支配の土星にアスペクトして、ある程度の保護を与えているようである。




それで、彼は淫行事件で批判されていても、妻と再婚して、ある程度の正常な社会生活を送れているのである。





ケンドラの3つの吉星



またポランスキーは、これだけ性犯罪で告発され続けても映画監督を続けることが出来るのは、ケンドラに3つの吉星が在住しているからである。




これは連続殺人犯のテッド・バンディーのチャートと比較すると、その違いが浮き彫りになるが、テッド・バンディーの場合、ケンドラに6つの凶星が在住していた。




ポランスキーの場合、10室に在住する月が1、10室支配の水星と10-11の星座交換をして、4室にアスペクトし、またラグナに在住する4、7室支配の木星と2、9室支配の金星が、4-9、7-9のラージャヨーガを形成し、金星は減衰しているが、ニーチャバンガラージャヨーガを形成し、7室にアスペクトして、ケンドラの1、4、7、10室を保護している。







従って、性犯罪を働いたが逮捕を免れて、批判は受けているが、再婚もして、今でも映画監督を続け、作品を創り続け、その作品は評価を受けているのである。




この辺りは、ケンドラに吉星が在住することがいかに大切かを物語っている。





ナヴァムシャを見ても木星と金星がケンドラの7室に在住しており、これだけ批判を受けても再婚相手が現れるのはその為である。




また2室支配の太陽が10室で高揚し、5、10室支配のヨーガカラカの火星と、4-10軸で、相互アスペクトする配置は、生来的凶星ではあってもむしろ、良い結果をもたらすと考えられる。




家族や家系に公権力を持つ強力な支援者がいる印象で、政府から守られる配置に見える。



2室は家系、先祖を表わすため、ユダヤ系の有力者やコミュニティーがポランスキーを守っている可能性もあり得る。





何故、シャロン・テートは殺害されたのか?


シャロン・テート殺害事件は、人違い殺人であると言われている。



wikipediaの記述によれば、ポランスキーとシャロン・テートが住んでいた家は、元々、ミュージシャンのテリー・メルチャーが居住しており、当時、ミュージシャン志望だったチャールズ・マンソンがメルチャーを訪ねたが、プロの道に繋がらず、その逆恨みが襲撃の動機であったという。

事件が起こったのは、1969年8月9日で、ダシャーは水星/木星/土星期である。





7室をシャロン・テートのラグナとすると、マハダシャーの水星は、4、7室支配のマラカで、11、12室支配のマラカの土星と相互アスペクトしている。



アンタルダシャーの木星は3、8室支配の金星と共にマラカの7室に在住し、逆行の11、12室支配のマラカの土星のアスペクトを受けている。



プラティアンタルダシャーの土星はマラカの11、12室の支配星で、ラグナ(身体)と8室(寿命、急所)にアスペクトし、また逆行してラグナロードの木星やマラカの7室にもアスペクトしている。



またマラカの7室支配の水星と相互アスペクトしている。



また土星は2、9室支配で8室に在住する火星と相互アスペクトしており、8室(寿命)を激しく傷つけている。



ナヴァムシャのラグナをシャロン・テートのラグナとすると、アンタルダシャーロードの木星は3、12室支配のマラカで、4、11室支配のマラカの火星からアスペクトされており、ラグナロードの土星は7室支配のマラカの月と共に6室に在住している。



ラグナからは12室に在住しており、パートナーの損失、別離を表わしている。




シャロン・テート自身のチャートは、以下のような双子座ラグナである。






事件が起こった時のダシャーは、月/太陽/木星期である。



月はマラカの2室を支配し、ラーフとコンジャンクトしている。



また2室には土星と火星がアスペクトしており、マラカの2室支配の月は、これらの凶星からの傷を受けていることが分かる。



アンタルダシャーの太陽は、3室支配で8室に在住しているが、マラカの月とラーフのディスポジターとして、これらの惑星の凶意を受けている。



太陽は吉星である金星や水星とコンジャンクトしているが、8室に在住することで、これらの吉星は力を発揮できず、吉意を大きく損なっている。



プラティアンタルダシャーの木星はマラカの7室を支配して、ラグナに在住しているが、逆行している為、吉意を損なっており、6、11室支配の火星、逆行の8室支配の土星からアスペクトされている。



この木星は、プナルヴァスに在住しているが、ポランスキーの出生図の月は同じプナルヴァスに在住しているので、この木星は、ポランスキーの表示体である。



然し、この木星はマラカの7室を支配して逆行しており、ほとんど役に立っていないことが分かる。



事件の当日、ポランスキーは家におらず、シャロン・テートを助けることは出来なかった。







致命的な出来事を表わすアシュタムシャ(D8)を見ると、マハダシャーロードの月は3室に在住し、アンタルダシャーロードの太陽は6室支配でマラカの7室支配の水星とコンジャンクトし、プラティアンタルダシャーロードの木星は、ラグナロードで12室に在住し、11、12室支配のマラカの土星と星座交換し、マラカの7室に在住する火星からアスペクトされている。


このようにシャロン・テートのチャートから見ると、7室からラグナにアスペクトする火星、そしてラグナにアスペクトする土星などが、事件の悲劇を物語る配置となっている。







再び、ポランスキーのチャートに戻ると、7室をラグナとした時に8室に火星が在住しており、土星と相互アスペクトして8室を激しく傷つけている。



そして、7室をラグナとすると、12室にラーフが在住し、太陽や土星からアスペクトされている。



つまり、7室をラグナとした場合に8室や12室が激しく傷ついているのである。



8室の火星は特に性暴力を受けやすい配置であり、女性のセックスアピールを拡大する配置である。




ポランスキーは、常にこうした(性)暴力の被害者の女性と縁があり、自分が暴力の担い手になるか、あるいは全く別の犯罪者が暴力の担い手になるかの違いでしかない。






5室=前世の功徳のハウス



ポランスキーのチャートを見ると、土星と火星の相互アスペクトに特徴があり、ラグナから見て、2室と5室で相互アスペクトして、2室と5室を傷つけ、月から見て5室と8室で相互アスペクトし、5室と8室を傷つけている。




このことによって、幼少時の家族の離散や悲劇(2室)、弟子(教え子)への性暴力と訴訟(5室)、配偶者の悲劇的な死(8室=7室から見た2室:マラカ)などを生み出している。




5室は前世の功徳のハウスである為、この5室に在住する5、6室支配の逆行する土星は、おそらく前世で積み上げた功徳の結果なのである。




それはクリエーターとしての一定の才能を与えたが、そこには3、8室支配の火星と相互アスペクトしており、そこには激しい傷つきがある。




例えば、サンスカーラ(輪廻において繰り返された行為がもたらす行動傾向、あるいは、精神的な気質)として考えれば、ポランスキーは同じようなことを繰り返して来たと考えることも出来る。




これは、前世まで行かなくても、ポランスキーは自分が昔、若い頃に行なった行為のつけを今現在、払わされていることは明らかであり、これは原因と結果の分かりやすい現れである。







【ダシャーの検証】


1977年 ジャック・ニコルソン邸で、当時13歳の子役モデルに淫行をした嫌疑をかけられ逮捕、裁判では司法取引により法定強姦の有罪の判決 ⇒ ケートゥ/火星 or ケートゥ/ラーフ


アンタルダシャーのラーフが目下の者への支配的立場を表わしており、ディスポジターの5、6室支配の土星が3、8室支配の火星と相互アスペクトして、6-8の絡みを生じている為、犯罪的支配服従関係を表わしている。


5室を激しく傷つけている為、部下(教え子)との関係が性的欲望を満たすのに利用されたと考えられる。




2002年『戦場のピアニスト』で第55回カンヌ国際映画祭パルムドール及びアカデミー監督賞を受賞 ⇒ 太陽/火星 or 太陽/ラーフ


ラーフ期は、一方で、ディスポジターの土星が5室支配で、11室に在住する1、10室支配の水星と1-5、5-10のラージャヨーガを形成し、月から見て、土星は9-11のダナヨーガを形成してもいる。その為、ラーフ期に高い評価を受け、受賞したことが分かる。



2009年9月 チューリッヒ映画祭の「生涯功労賞」授与式に出席するためスイスに滞在中、前述の少女への淫行容疑に関連してスイス司法当局に身柄を拘束された ⇒ 月/ラーフ

一方で、ラーフ期は、淫行容疑で、身柄を拘束されるような時期にもなっている。ラーフのディスポジターである土星が6室支配で8室支配の火星と相互アスペクトしているからである。



2010年『ゴーストライター』で第60回ベルリン国際映画祭監督賞、ヨーロッパ映画賞では作品賞、監督賞、脚本賞を受賞 ⇒ 月/ラーフ or 月/木星


マハダシャーロードの月は、11室の支配星で、1、10室支配の水星と10-11の星座交換をし、1-11のダナヨーガを形成している。


ラーフのディスポジターの土星は、月から9-11のダナヨーガを形成し、ラグナから1-5、5-10のラージャヨーガを5-11軸で形成している。


4、7室支配の木星はラグナから見て、2、9室支配の金星と4-9、7-9のラージャヨーガを形成し、月から見て7、10室支配で、5室支配の金星と、5-7、5-10のラージャヨーガを形成している。

また木星のディスポジターの水星は、1、10室支配で、11室支配の月と星座交換して、1-11のダナヨーガを形成している。




2018年5月 前述の性的行為を理由としてビル・コズビーとともに映画芸術科学アカデミーから除名 ⇒ 火星/ラーフ/金星


マハダシャーロードの火星は、3、8室支配で、5、6室支配の土星と相互アスペクトし、6-8の絡みを生じている。



ラーフのディスポジターの土星は、5、6室支配で、3、8室支配の火星と相互アスペクトして、6-8の絡みを生じている。



プラティアンタルダシャーの金星は、9室の支配星だが、火星、ラーフと絡んでいない。






ポランスキーの現在



ロマン・ポランスキーは、2017年3月17日からマハダシャー火星期に移行しているが、火星は3、8室支配の生来的機能的凶星であり、月からも生来的機能的凶星である。



従って、この火星期は、ポランスキーの人生の晩年に波乱をもたらすことが予想される。




現在、火星/土星期(2019年8月3日~2020年9月10日)であり、火星と土星は、ポランスキーの5室を激しく傷つけており、また土星はラグナやラグナロード、11室や11室の支配星を傷つけている。



そして、今年の1月24日からトランジットの土星が出生の土星にリターンしたため、特にこの5室のカルマが噴き出すタイミングである。



それで、仏アカデミーで、ポランスキー批判が巻き起こっているのである。





【その他】

因みにクエンティン・タランティーノは、過去にロマン・ポランスキーを擁護した発言について批判を浴びている。



また映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で、ポランスキーを大物映画監督として理想化している。



これは、おそらくポランスキーはラグナロードの水星が蟹座のプシュヤに在住している為、タランティーノが好む蟹座の落ち目の人物を象徴するからである。



最近の映画からアメリカの現状を知る』の中でも書いたが、タランティーノは、落ち目となった人物にスポットを当て、復活させることを好むからである。





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