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サム・バンクマン=フリード -史上最大の仮想通貨詐欺-

2022 12/20


仮想通貨取引所FTXの創設者・サム・バンクマン=フリードが、顧客から預かった数十億ドルの資金(数千億円)を系列の暗号資産投資会社「アラメダ・リサーチ」に送金していた疑惑が浮上し、2022年11月8日、FTXは支払い危機に陥り、破産申請をした。

この1日で、サム・バンクマン=フリードの純資産は、ピーク時で、260億ドルあったが、94%減少して、9億9150万ドルになったという。


アメリカ政府の要請を受けて、バハマで12月12日に逮捕され、バハマの法廷に出廷したが、アメリカ連邦地検から、顧客や貸し手に対する電信詐欺とその共謀、証券詐欺、商品詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)の共謀など8つの罪状で起訴されている。



“54億円豪邸”から拘置所へ…FTX創始者の“億万長者”が入る拘置所を当局が公開 バケツで用足す部屋も
2022/12/16(金) 18:10 FNNプライム

経営破綻した、暗号資産の交換業大手「FTXトレーディング」。創業者、サム・バンクマンフリード被告(30)はアメリカで、詐欺やマネーロンダリングなど8つの罪で起訴されている。

若くして総資産3兆円を超えたともいわれ、54億円の豪邸に住んでいたバンクマンフリード被告。そんな億万長者は、今、逮捕されたバハマにいる。

総資産3兆円超…若き“億万長者”の転落 豪邸生活から拘置所へ
このたび当局が、入ることになる拘置所の内部を公開した。

「これが雑居房だ。 カメラに向かって笑え」

関係者がそう言って指した先には、ボロボロの鉄格子と、その向こうに薄暗い部屋が見える。狭く、4人も詰めこまれている部屋も。

衛生状態が悪く、ネズミも出るそうだ。さらにトイレが不足しているため、バケツで対応しているという。

現在、雑居房は改築中で、現地メディアによるとバンクマンフリード被告は、5人が収容できる医療用の部屋に入る予定だという。

世界有数の億万長者は、豪華な生活からはほど遠い日々をしばらく送ることになる。

(「イット!」2022年12月15日放送分より)


このサム・バンクマン=フリードの巨額詐欺事件を見て、彼のチャートは確認していたが、ラグナについては検討中だった。


最近、河合範安さんから非常に興味深い洞察についてメールで連絡があった。


それは、そのまま引用するが、以下のような洞察である。



『12Hの土星が2Hの惑星にアスペクトするチャートにおいて、2Hの惑星のダシャーがマハダシャーやアンタルダシャーで、12Hの土星がアンタルダシャーやプラティアンタルダシャーの時、資金面で非常に大きな損失をもたらす可能性が高い。また、ダシャーの関係は2Hの惑星(MDやAD)ー12Hの土星(ADやPAD)となるみたいである』

それはサム・バンクマン=フリードのラグナを水瓶座に修正したことを前提とするもので、他にもいくつかの事例があるという。



12室に在住する土星が、2室に在住する吉星にアスペクトして傷つけている時に2室に在住する吉星のマハダシャー、アンタルダシャー、12室に在住する土星のアンタルダシャーやプラティアンタルダシャーで、巨額の損失が起こるという。



まず、サム・バンクマン=フリードのラグナであるが、水瓶座ラグナというのは正しそうである。





まず、出生時間を00:00:01にしても23:59:59に設定しても月ラグナは魚座で確定である。



魚座の月ラグナから見ると、11室に金星、土星、火星が惑星集中して、2、9室支配の火星と11室支配の土星が、2-11、9-11の強力なダナヨーガを形成している。土星と火星はそれぞれ定座と高揚の座にあり、強力である。




この11室の強さが大金を稼ぎ出す配置である。


そして、稼ぎ出した大金を一夜にして失い、無一文になるのは、12室の象意である。


このチャートにおいて12室が強調されるには、この3つの惑星が12室の在住星となる水瓶座ラグナだけである。


それもとてつもない金銭を一夜に失っていることから、河合さんの意見では、それは12室に惑星集中するような形で、損失の配置が現れているとしか考えられないということだったが、私もその考えに同意する。


例えば、最近、ラグナ修正した大王製紙元会長・井川意高氏もギャンブル狂いで、一夜で、106億円を溶かしたという人物だが、おそらく12室へ惑星集中しているに違いないということから、蟹座ラグナが導き出された。


巨額の損失を被る人は必ず12室が強調されていなければならない。



サム・バンクマン=フリードは、ここ最近、突然、仮想通貨業界に登場し、急激に資産を増やしたが、それは持続せずに非常に短期間で、それは失われている。


これは富を生み出したその同じ惑星が、損失を表わしていたと考えられ、それが若干のタイムラグを経て、現れたと考えると納得する。


つまり、これは強力なダナヨーガを月から11室で形成する土星と火星のコンビネーションが、ラグナからは12室で形成されていることで、同時に巨額の損失を被り、無一文になるということである。



若干のタイムラグがあるが、運命学的には、それは同時に起こっていたといってもいいぐらい短期間のことである。



ラグナからの支配と在住の象意は起こるが、月からの支配と在住の象意も起こるし、それは打ち消し合ったりせず、どちらも起こるというのが、ジョーティッシュの原則(足し算の論理)である。


富と損失が両方とも起こるとすれば、それは富を得てから損失するという流れ(時間軸)になるのが自然である。



またサム・バンクマン=フリードは、仮想通貨取引業の事務所をバハマ(外国)に構えていたということがポイントである。



水瓶座ラグナから見て、3、10室支配の火星が12室に在住して、1、12室支配の土星とコンジャンクトしており、仕事場が外国であったことを表わしている。



そして、その12室に現在、土星がトランジットしており、その土星がまさに12室山羊座を抜けようとしている今のタイミングで、バハマ(外国)で逮捕監禁されたのである。


12室は外国の他に刑務所といった象意もある。




土星は星座を抜けていくタイミングで、仕事を行なう為、まさにこの彼の損失や逮捕監禁の象意が、この今のタイミングで起こったのである。



おそらく外国での逮捕監禁が起こったのは、ラグナロードの土星が月から見た8室の支配星とコンジャンクトし、火星によって傷つけられていた為である。



例えば、ラオ先生の『運命と時輪』にはアリシュタヨーガの古典的なコンビネーションとして、以下のような配置が紹介されているが、これと似たような配置である。





ラグナの支配星が、6室、8室、あるいは、12室の中で、凶星とコンジャンクトしていて、さらに、マーラカからのアスペクトを受けている場合、王子でさえも乞食に落ちる。


(『運命と時輪』P.112より引用抜粋)



そして、これはナヴァムシャの月ラグナから見ると、ラグナロードの火星が8室で、土星とコンジャンクトしている配置から似たような状況がもたらされると考えられる。





月ラグナから見ると、11室と12室で星座交換しており、これも巨額の損失を招く配置である。



そして、逮捕監禁されたタイミングが、金星/月/土星期であれば、ダシャーバランスを検討すると、ナヴァムシャのラグナは射手座ラグナになりそうである。



射手座ラグナだと、10室支配の水星が9室支配の太陽と相互アスペクトして、政治に関わることを表わしている。



サム・バンクマン=フリードは、民主党や共和党に巨額の献金を行っており、特に大半は民主党に献金していたようである。



民主党の候補者と共に登壇するようなこともあったというが、献金などを通じて、政治家と深いコネクションを築いたのは、10室の支配星に高揚した強い太陽が絡んでいるからである。



9室支配の太陽が5室で高揚し、水星と相互アスペクトする形だが、水星と太陽のコンビネーションは、数学の才能を表わすコンビネーションである。



サム・バンクマン=フリードは、マサチューセッツ工科大学に「数学オタク」として入学したようである。



出生図の5室に在住するケートゥは、コンピュータープログラミングの才能や外国語の才能、そして、ケートゥは数学の才能も表わしている。




射手座ラグナに設定すると、金星は6、11室支配で10室で減衰し、7、10室支配の水星と10-11の星座交換をしているが、これがマハダシャー金星期に経済的に成功した理由である。



金星は、ニーチャバンガラージャヨーガを形成し、パラシャラの例外則によるラージャヨーガ的な効果を発揮する配置である。



その為、経済的に成功したが、月から見ると、11-12の星座交換をしており、それは巨額の損失をもたらす配置でもあったのである。





仮想通貨のアービトラージで利益を得る


サム・バンクマン=フリードは、FTXを起ち上げる前は、日本の取引所と米国の取引所の価格差を利用して、裁定取引で、1日、2000万ドルの利益を上げたようである。


従って、彼の活動の舞台は、最初から海外であり、利益は海外から来ていることが分かる。



それが12室で、強力なダナヨーガを形成している理由である。





そうした裁定取引で稼ぐ機会は、2017年ぐらいから始まったらしく、それはちょうどマハダシャー金星期が始まる頃である。






サム・バンクマン・フリードの理想主義


サム・バンクマン・フリードは、大学時代から給料を稼いで慈善活動に充てることを考えており、自分は寄付をする為に稼ぎたいといったことも盛んに口にしている。


これが本当か、あるいは、ただの偽りの演技なのかが問題だが、チャートからすると本当のようである。


ラグナロードの土星が12室に在住し、9室の支配星が12室に在住するといった形で、トリコーナの支配星が12室に在住する配置は、しばしば寄付や献金をする配置である。


9室の支配星が10室の支配星や1室の支配星と共に12室に在住する配置は、明らかに慈善とか良い意図が感じられる。


実際、民主党に巨額の献金も行なっている。


但し、山羊座は木星が減衰する星座である為、それが実利的であったり、世俗的な実際的な表現を取ったのかもしれないということである。



月は魚座に在住しているが、魚座のパーソナリティーはしばしば理想的なことを口にするが、具体的に形にすることが難しい星座である。


ふわふわした夢みたいな理想を抱いて、それを口にして、良い意図に満ちているが、何一つ実行できないとか、形に出来ないといったことになりがちである。


最悪の場合、言っている理想とやっている現実が全く矛盾したり、かけ離れてしまったりするのである。


また魚座は宗教の星座であり、魚座のキャラクターは宗教団体の教祖のような性格である。






宗教団体の教祖は信者から集めた金を自分の金のように考え、右から左へ自由自在に動かしたり、私的に流用したりする。


基本的に個人主義的なパーソナリティーであり、公私の区別が難しい性格である。




通常、日本のFXの取引所などは、顧客から預かった資金は、日本の規制当局によって、きちんと保全されているかチェックされている。


顧客の預け入れた資金は勝手に運用してはならず、それは厳格に信託保全という形で、区別されて管理されている。


日本の仮想通貨取引所でもこの信託保全で、顧客資産を守るという方法が、遵守されている。



然し、サム・バンクマン・フリードは、仮想通貨取引所FTXで預かった資金を関連企業である暗号通貨取引会社アラメダ・リサーチに勝手に送金して、流用していたのである。


あるいは、FTXで預かった顧客資金を勝手に民主党に献金したりしていたのである。




そして、FTXの方で、顧客に対して最終的に払い出しができなくなって、破産に追い込まれている。



おそらく、サム・バンクマン・フリードは、魚座の月である為、あたかも宗教団体の教祖が、教団が集めた信者の献金を自分の財布の中の金のように勘違いしているのと同じように自分のポケットマネー感覚で、投資会社の方で流用していたのである。



そして、それをさしたる悪いこととも感じていなかったようである。



ケートゥが5室に在住していて、非常に数学に強い能力は持っていたが、ケートゥのディスポジタ―の水星は、魚座2室で減衰しており、6室支配の月とコンジャンクトしており、ある意味、顧客から預かった資産をしっかりと保全して管理するようなビジネスマインドに欠けており、透明性や堅実性に欠けていたのである。



おそらくどんぶり勘定で、自分の感情に任せて、彼の言う所の理想の実現の為に献金などに流用していたのである。



彼の中では、それは慈善活動のつもりだったかもしれないが、月が6室(奴隷、ペット)の支配星である為、資金を預けた顧客のことを小馬鹿にした態度だとも言える。



これは水瓶座の人物が蟹座の人物に対して、酷く見下して、こき下ろし、操作することに現れる。



従って、彼の中ではそれ程、悪いことはしていない、自分は慈善活動を行っているという感覚だったのである。



その為、FTXが破綻した後も人前に出て、無邪気に謝罪会見を行なったり、インタビューに答えたりしていたのである。



それは彼が図太く、ふてぶてしいというよりも、むしろ、彼が本当に自分は良い意図のもとに行動したのであり、それ程、悪いことはしていないという感覚から来ているのである。



但し、6室支配の月と8室支配の水星が、2室でコンジャンクトする配置は、6-8の絡みを生じており、不正な手段による事業収益を表わしている。




因みにこの魚座の月から見ると、金星は、3、8室の支配星で、11、12室支配の土星と11室で、コンジャンクトしている。



この配置において、3-11、8-11、3-12などのトリシャダハウス同士の絡み、そして、トリシャダハウスとドゥシュタナハウスの絡みが見られ、この配置が、本人、または周囲の人々の欲望や悪意をもたらした配置である。




バイナンスが一時、FTXに救済を申し出たが、後に撤回するなどの狡猾な動きも見せており、集まってくる人物や顧客も貪欲な人物が多かったと思われる。









サム・バンクマン・フリードは8つの罪状で告訴されており、終身刑になる可能性があると言われている。



金星は土星、火星と共に12室に在住しており、また金星は月から見た3、8室の支配星である。



まず12室の在住星であることを考えると、公の場に出て来れないことを意味している。



刑務所にいるか、または外国に滞在することを意味しているように思われる。



但し、金星期が終わって太陽期になると、太陽は、7室支配で1室に在住し、2、11室支配の木星と相互アスペクトしている。



また月から見て、6室支配で12室に在住して、6-12のヴィーパリータラージャヨーガを形成し、1、10室支配の木星と相互アスペクトしている。



従って、金星期は、社会復帰できないにしても、太陽期になると再び、社会復帰し、公の場に現れることが出来るかもしれない。



6-12のヴィーパリータラージャヨーガは、借金が消えるとか、敵が消えるという意味であり、この頃には、この事件は過去の出来事になっているかもしれない。



現在、言われているほど、サム・バンクマン・フリードの刑は重くならないと思われる。



何故なら、基本的にラグナから見た12室は1室、9室、10室の支配星の絡みによって吉祥な配置になっており、そこに逆行の木星のアスペクトもある為である。



民主党議員に巨額の献金をした効果も出るのか、彼は比較的、軽い刑で、社会復帰できるのではないかと思われる。



例えば、外国で暫く隠遁的に生活しなければならないといった境遇に置かれる可能性はあるが、実際、言われているほど、重い刑を受けるようには思えない。





サム・バンクマン・フリードが、不正会計で、創業したFTXが破綻し、巨額の損失を被り、逮捕監禁されたのは、金星/月/土星期だとすれば、特に月と土星が重要である。



月は6室の支配星で、8室支配の水星とコンジャンクトし、不正な手段による事業収益を表わしている。(6-8の絡みは犯罪を免れ得ない配置である)



そして、そこに対して、12室支配の土星が12室からアスペクトして、2室と2室に在住する月と水星の6-8の絡みを傷つけている。



従って、この月と土星の絡みが、ダシャーによって連携して現れて、犯罪によって稼いだお金を失なう象意として現れたのである。



マハダシャーの金星も月から見て、3、8室支配で、11、12室支配の土星とコンジャクトして、3-11、8-11、3-12などの絡みを生じ、8-11の絡みは不正な手段による収益などを表わし、3-12などは損失を表わしている。



そして、そもそも土星は11、12室を支配することにより、稼いだ収入を全て失うという象意を保持している。



それが金星と絡むことによって、マハダシャー金星期にそれが現れたのである。









チャラダシャーで見ると、双子座から見て、AKの金星とBKの土星、MKの火星が8室に在住している。



AKはラグナロードに相当し、それが8室に在住して、土星と火星という2つの凶星と絡んでいる配置は、不正に手を染めて、逮捕監禁などされるに至ったことを表わしている。



ラグナロードが8室に在住し、凶星とコンジャンクトする配置は、逮捕監禁などされる配置である。



双子座のメジャーダシャーは、2017年3月~2026年3月迄だが、この間は、6、11室支配の火星と8、9室支配の土星が8室で、9-11のダナヨーガを形成している。



ここでも6-8の絡みがあり、しかもダナヨーガが形成されている為、不正な手段によって、不労所得を得たことを表わしている。




サム・バンクマン・フリードの両親は、2人ともスタンフォード大学法科大学院の教授で、息子の事業に信用を与えることに果たした役割が大きいことから、米当局の調査対象になっていると言うが、双子座から見ると、父親を表わすBKの土星と、母親を表わすMKの火星が両方とも8室に在住しており、現在、父親と母親も苦悩していることを表わしている。



しかし、2026年3月に双子座のメジャーダシャーが終わる為、その頃には早くもサム・バンクマン・フリードは、罪を免れて、出所してくる可能性すらあると思われる。





因みに今回のサム・バンクマン・フリードのケースでは、12室に在住する土星が2室に在住する吉星にアスペクトしていて、その両方の惑星がダシャーに現れたタイミングである。




この認識は非常に重要だと思われるが、特に土星が12室からアスペクトしているという在住星としての配置が重要である。




通常、惑星の機能的吉凶ということをよく学習した人は、どのハウスの支配星なのかを気にするが、惑星がどのハウスからアスペクトしているかということも大きな意味を持っているのである。




これはある意味で、何も知識を習得していない初心者の方が、直感的に感じ取れることかもしれず、ジョーティッシュの単純さ、分かりやすさを改めて感じさせる認識である。




河合さんによれば、他にもこの12室に在住する土星が2室の吉星にアスペクトするパターンが、ダシャーにMDL-ADL、あるいは、ADL-PADLといった形で、現れる際に同じように巨額な損失が起こった事例があるということだ。







また私が、最近、仮想通貨で詐欺事件の被害を受けて損失を被ったこともこのコンビネーションで説明できるのではないかということだった。




私はちょうど金星/土星期だったが、私の月、太陽から見た2室の金星に12室から土星が一方的にアスペクトしている。




そして、2室に在住する金星のマハダシャー、12室に在住する土星のアンタルダシャーの時期に損失を被ったのである。




これは確かにその通りで、この組み合わせは一つの公式のように作用するかもしれない。




私にとって、金星/土星期の働きについては、まだこれだけでは終わらず、土星が山羊座を抜けていく最後のタイミングに再び、問題を引き起こした。




ちょうどサム・バンクマン・フリードが事件を起こした同じようなタイミングである。




これについてはまた別の記事の中で語りたいと思う。




(参考資料)

破綻したFTX「前代未聞」イカサマ経営驚愕の実態
中身はあのエンロンよりずっとひどかった
2022/11/23 7:30 The New York Times

2001年の不正会計スキャンダルで自壊したエネルギー取引会社エンロンなど、歴史に残る企業破綻の後処理に貢献してきたのがジョン・レイだ。同氏は先日、破産した暗号資産(仮想通貨)取引大手FTXの経営を引き継いだが、その機能不全ぶりはレイがこれまで目にしたものの中でも最悪だった。

レイは11月17日、裁判所に提出した資料でFTXの驚くべき無秩序状態を痛烈に批判。「ここまで完璧な企業統治の失敗例」は見たことがないと述べた。レイは、安全でないグループ電子メールを使った機密データへのアクセスなど「容認できない経営慣行」の数々を列挙。FTXが管理していた財務情報は、まったく信用できないとした。

「安全性の低いシステム、国外での監督の不備、未熟でお粗末かつ問題を起こしかねない個人からなる、極めて小さな集団への支配権の集中。前代未聞の状況だ」。レイはデラウェア州の連邦破産裁判所に提出した資料にそう記した。

顧客の資金回収も危うい状態

FTXは11月上旬の取り付け騒ぎにより財務の深刻な脆弱性が露見し、破綻した。同社は11日、連邦破産法11条の適用を申請し、最高経営責任者(CEO)のサム・バンクマンフリードは辞任。司法省と証券取引委員会(SEC)は、FTXが顧客の資金を不正流用し、バンクマンフリードが設立したグループ内のトレーディング会社アラメダ・リサーチの資金繰りを支えていた可能性について調査を始めている。

今回の破綻により、FTXに暗号資産を預けていた数十万人の顧客は資金回収が危うくなっている。FTXの影響は暗号資産市場全体に及んでいたため、業界には衝撃が走った。

バンクマンフリードの暗号資産帝国と密接な関係にあった暗号資産貸付業者ブロックファイは、FTXの破綻を受けて事業の停止を発表。16日には、暗号資産取引を手掛けるジェネシスがレンディング(貸出)部門で顧客の出金を停止している。

バンクマンフリードは、コメントの求めに応じなかった。

今回、裁判所に提出された資料は、FTXのビジネスの詳細を初めて明らかにするものとなった。そこに記されたずさんな経営は、FTXの破綻をめぐってこれまで語られてきた最も厳しい評価さえ凌駕する。

レイは「顧客資金の不正使用を隠す」ソフトウエアの使用をはじめ、FTXが犯した数々の問題行動と疑わしい経営実態を詳しく描写。バンクマンフリードがほぼ完全に所有していたアラメダ・リサーチとFTXの間には「独立したガバナンスが存在しなかった」とした。

さらにレイは、バンクマンフリードの下で作成された財務諸表の正確性は信用できないとも述べている。「FTXグループはデジタル資産について適切な帳簿や記録、あるいはセキュリティー管理をしていなかった」。

アラメダ・リサーチの四半期財務諸表が監査を受けたことは一度もないという。ただ、今回の提出資料からは、アラメダ・リサーチがバンクマンフリードと彼の支配企業に対して合計約33億ドル、ほかのFTX幹部2人に対して約6億ドルの融資を行っていた実態が明らかとなっている。

レイはFTXの経営を引き継いで以来、FTXの各所から約7億4000万ドル相当の暗号資産を保全したという。これは回収を目指している金額の「ごく一部」にすぎないため、サイバー犯罪対応スキルを持つフォレンジックアナリストやブロックチェーンの専門家をサポートとして雇い、残りの資金の所在を突き止める作業を進めているとした。

誰が従業員かもわからない驚愕のずさん経営

レイの話では、ずさんな経営管理は全社に染みわたっていた。

レイによると、FTXの人事部門があまりにも無秩序だったせいで、レイのチームは従業員のリストを完成させることすらできなかったという。会社の資金は従業員や顧問の自宅や私物の購入に使われ、そのための適切な書類も存在しなかった。従業員はチャットで支払いを依頼し、管理職は「パーソナライズされた絵文字」を使って支払いを承認していたと、資料には書かれている。

資料によると、FTXには意思決定の記録がきちんと残されていなかった。1つにはバンクマンフリードが、短期間でメッセージが自動削除されるよう設定された通信プラットフォームに頼り、従業員にも同じアプリを使用するよう促していたためだ。

11月11日にFTXの新たなCEOとなった63歳のレイは、有名企業の破綻処理で活躍してきたベテランで、「企業再生の職人」との呼び名が高い。エンロンの破産処理を指揮したことで有名だが、そのほかの有名企業の再建にも多数関わり、債権者のために執念の努力で資金回収する姿が称賛されてきた。

FTXの破綻は、野放図で規制の緩い暗号資産業界の中で最も信頼できる人物の1人と広く考えられていたバンクマンフリードにとって衝撃の転落劇となった。

一時は240億ドルもの資産を手にしたバンクマンフリードは、議会に頻繁に登場。暗号資産業界の未来について証言を行い、業界を管理する法律の行方に影響を与えようとした。

有名な俳優やスポーツ選手と肩を並べ、バハマで開かれた会議では元大統領ビル・クリントンやイギリスの元首相トニー・ブレアと壇上に立ったこともある。政治献金活動も盛んで、現大統領ジョー・バイデンが勝利した2020年の選挙対策に500万ドル以上を寄付するなど、まさに引く手あまたの存在だった。

危機のさなかにゲームで遊んでいた

ところがFTXの破綻後は、その経営不祥事が次々と明らかになっている。彼はお仲間経営陣の小さな輪に閉じこもり、社内の肝心な人物と情報を共有しないことも少なくなかった。

アラメダ・リサーチのCEOキャロライン・エリソンとは恋愛関係にあったこともある。そして今、バンクマンフリードは法執行機関や政府規制当局の標的となり、刑事告発や服役の可能性が高まっている。

バンクマンフリードはCEOを辞任して以降、自身の会社の崩壊について公に語る場面が増えてきた。13日に行われたニューヨーク・タイムズとのインタビューでは、アラメダ・リサーチがFTXからどれほどの資金を借りていたのか知らなかったと主張し、自身の経営に対する深い後悔の念を口にした。

もっとも、経営危機のさなかにプレイしていたビデオゲームについて語ったり、謎めいたツイートを連続投稿する奇妙な計画を口にしたりと、かなり不真面目な印象を与える場面もあった。

その後、Voxメディアの記者に対しツイッターで送った一連のメッセージでバンクマンフリードは、会社の破産申請を行ったことを後悔していると述べ、規制当局が「すべてを悪くしている」と付け加えた。

(執筆:David Yaffe-Bellany記者)
参照元:破綻したFTX「前代未聞」イカサマ経営驚愕の実態
中身はあのエンロンよりずっとひどかった
2022/11/23 7:30 The New York Times
FTX創業者サム・バンクマンフリードが逮捕、“暗号通貨の王”に何が?
2022/12/15(木) 21:20 ELLE

暗号資産(仮想通貨)交換業大手「FTX」のCEOから「被告」へ――。サム・バンクマンフリード被告の転落ぶりが、世間を騒がせている。

バンクマンフリード被告は2019年4月に「FTX」を設立。一時は保有資産10億ドル超の“ビリオネア”となった。だが、2022年11月、「FTX」が顧客の資金数十億ドル(数千億円)を系列の暗号資産投資会社「アラメダ・リサーチ」に送金していた疑惑が浮上。「FTX」は同月、破産を申請した。

一時は“暗号通貨の王”としてもてはやされたバンクマンフリード被告はいまや、“史上最大のネズミ講詐欺”と呼ばれる事件を起こしたバーナード・マドフ受刑者(2021年、服役中に死去)と比較される事態に至っている。

バンクマンフリード被告は逮捕前に「BBC」のインタビューに対し、「故意に詐欺を働いたわけではありません。こんなことを望んでいたわけではありません」「自分が思っていたほど、有能ではなかったことは間違いありません」と語っている。

バンクマンフリード被告の逮捕や、その罪について、わかっていることは次の通り。

中米バハマで逮捕

アメリカ政府の要請を受けていたバハマ当局は12月12日(現地時間)、国内に滞在していたバンクマンフリード容疑者(当時)を逮捕した(両国の間では犯罪人引渡し条約が締結されている)。その後、バンクマンフリード被告は13日にバハマの裁判所に出廷。被告は本国送還を拒否している。

罪状は8件

『ワシントン・ポスト』紙によると、ニューヨーク州南部地区の連邦地検は、顧客や貸し手に対する電信詐欺とその共謀など、合わせて8件の罪でバンクマンフリード被告を起訴した。証券詐欺、商品詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)を共謀したことなどについても、罪に問われている。

起訴状には、「バンクマンフリード氏は『FTX.com』の顧客の資金を不正に流用し、『アラメダ・リサーチ』の経費の支払いや債務の返済に充てていた」と記されている。そのほか被告は、選挙資金に関する連邦法にも違反したとされている。

米国証券取引委員会も提訴

米国証券取引委員会(SEC)もまた、バンクマンフリード被告を相手に民事訴訟を起こしている。SECのゲイリー・ゲンスラー委員長は声明で、次のように見解を述べている。

「偽りの上に砂上の楼閣を建てながら、それは暗号資産のなかで最も安全なもののひとつであると投資家に説明していた」

「バンクマンフリード氏による詐欺行為の疑惑は、暗号資産プラットフォームに対し、法律を遵守することの必要性を明確に呼びかけるものだ」

そのほかアメリカの商品先物取引委員会(CFTC)も、バンクマンフリード前CEO個人と「アラメダ・リサーチ」、そして「FTX」を訴えている。
参照元:FTX創業者サム・バンクマンフリードが逮捕、“暗号通貨の王”に何が?
2022/12/15(木) 21:20 ELLE
暗号資産大手FTXの経営破綻、上位債権者50人に4400億円の債務
2022年11月21日 BBC NEWS JAPAN

暗号資産(仮想通貨)の大手交換業者FTXが経営破綻した。上位債権者50人に対する債務は約31億ドル(約4400億円)に上ることが、同社が裁判所に提出した19日付の資料で明らかになった。

FTXは今月11日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。上位債権者10人に対しては約14億5000万ドル(約2000億円)の債務を負っているとしているが、債権者の名前は公表していない。

世界第2位の暗号資産交換業者の経営破綻は、すでに問題が生じている暗号通貨市場の信頼を揺るがすこととなった。

FTXの共同創業者のサム・バンクマン=フリード氏は最高経営責任者(CEO)を辞任した。

FTXが14日付で裁判所に提出した資料によると、債権者は投資家や企業など100万人を超える可能性がある。

同社は19日、世界の保有資産の見直しを開始し、一部事業の売却や再編を計画していると発表した。

破産申請の法廷審理は22日に予定されている。

FTXに資産を預けている人のもとに、破産手続きが終わる時点でどれくらいの資産が戻ってくるのかは不明だ。多くの専門家たちは、預けたうちのほんの一部しか戻ってこない可能性があると警告している。

FTXのジョン・レイ新CEOは先週、破綻に追い込まれた同社の運営方法を非難。「企業統制がこれほどにまで完全に失敗している例は見たことがない」と述べた。

また、「信頼できる財務情報が全くない」と批判した。

バンクマン=フリード前CEOはニュースサイト「Vox」に対し、破産申請を残念に思うとし、この決定により自分では財務問題が制御できなくなってしまったと語った。また、金融規制当局に対する軽蔑も示した。

(英語記事 Crypto exchange FTX owes biggest creditors $3.1bn )
参照元:暗号資産大手FTXの経営破綻、上位債権者50人に4400億円の債務
2022年11月21日 BBC NEWS JAPAN
米当局、FTX創業者を起訴や提訴 「米史上最大規模の金融詐欺」
2022年12月14日 BBC NEWS JAPAN

米連邦地検は13日、11月に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)の大手交換業者FTXの共同創業者、サム・バンクマン=フリード容疑者を、詐欺罪など合わせて8つの罪で起訴した。関係当局も提訴を発表した。「アメリカ史上最大規模の金融詐欺」だと非難している。

バンクマン=フリード被告は、破産申請に伴いFTXの最高経営責任者(CEO)を辞任。12日に滞在していたカリブ海の島国バハマで逮捕された。

13日にはバハマの裁判所に出廷し、現在はアメリカへの身柄引き渡しを前に拘束されている。同被告は、本国送還について法的に争うと述べた。

当局はまた、バンクマン=フリード被告が選挙資金に関する法律にも違反したとみている。

「詐欺を基礎にした砂上の楼閣」

W 米証券取引委員会(SEC)は、バンクマン=フリード被告について、1933年証券法と1934年証券取引所法の詐欺防止条項違反をめぐって提訴するとした。

SECによると、バハマに本拠を置くFTXは2019年以来、株式投資家らから合わせて18億ドル以上を調達していた。これには、アメリカを拠点とする約90人の投資家も含まれる。

バンクマン=フリード被告はFTXを、「安全で責任感のある暗号資産取引プラットフォーム」だと紹介。しかし実際には、個人的に所有していた暗号資産ヘッジファンド「アラメダ・リサーチ」に顧客の資産を横流しし、そのことを投資家にも隠しており、「何年にもわたる詐欺を指揮していた」と、SECはみている。

また、アラメダ・リサーチが過大評価されたFTX発行トークンを大量に保有していることを、同被告が隠していたと疑っている。

バンクマン=フリード被告はさらに、FTXの顧客の資金をアラメダ・リサーチと「共同管理」し、「非公開のベンチャー投資、ぜいたくな不動産購入、多額の政治献金」を行ったとされる。

SECのギャリー・ゲンスラー委員長は、同被告が「詐欺を基礎にして砂上の楼閣を作った」と述べた。

また、今回の詐欺疑惑での起訴は、アメリカ法に準拠する他の仮装通貨プラットフォームへの警告にもなると語った。

米ニューヨーク州南部地区の連邦地検と米商品先物取引委員会(FCTC)も、同じタイミングでバンクマン=フリード被告の訴追について発表した。

同地検のデイミアン・ウィリアムズ検事は、同被告が関わった詐欺はアメリカ史上最大規模だと指摘。債権者や投資家、顧客をだましただけでなく、不正に得た「数千万ドル」を民主・共和両党への選挙資金として違法に寄付しと非難した。

「この汚い金がすべて、超党派の影響力を買い、米政府の公共政策の方向性に影響を与えたいというバンクマン=フリードの欲望のために使われた」と、ウィリアムズ氏は述べた。

「経験がなく洗練されていない個人」

業界2位のFTXは1日当たり100億ドル規模の仮想通貨を取引していたが、11月に経営破綻。多くのユーザーが資産を引き出せなくなった。

11月の裁判資料によると、上位債権者50人に対する債務は約31億ドル(約4400億円)に上る。

バンクマン=フリード被告はかつて、アメリカの伝説的な投資家ウォーレン・バフェット氏と比べられることもあった。今年10月の資産総額は150億ドルを超えていた。

米政界では大口献金者としても有名で、パンデミック防止対策や暗号資産規制の改善を支援しているとされた。

バンクマン=フリード被告は11月、BBCニュースの取材で、違法行為に対する非難から距離を置こうとしていた。

ジョー・タイディー記者に対して同被告は、「私は故意に不正を行ったわけではない。詐欺を働いたとは思っていない。このような事態を望んでいたわけでもない。私が、自分が思っているほど有能ではなかったことは確かだ」と語っていた。

また、「アラメダ・リサーチ」が顧客の資金を使い込んでいたことを知っていた疑惑も否定していた。

こうした中、FTXの新CEOに就任したジョン・レイ氏は13日に米連邦議会の委員会に出席し、FTXの破綻は「非常に経験がなく、洗練されていない個人」の少人数グループによる経営が原因だろうと語った。

また、「記録管理が全くなされていない、つまり内部統制が全くなされていなかった」と述べた。

(英語記事 US says FTX fraud 'one of biggest' in its history)
参照元:米当局、FTX創業者を起訴や提訴 「米史上最大規模の金融詐欺」
2022年12月14日 BBC NEWS JAPAN
若きビリオネアのバンクマン-フリード氏が熱中すること:最も影響力のある人物【2021】
2021年 12月 14日 06:30 coindesk JAPAN

今となってはビリオネアだが、サミュエル・バンクマン・フリード(Samuel Bankman-Fried)氏はいまだに、相変わらずのモサモサとした髪型をしている。

「ベッドから起き上がったばかり」と言わんばかりの髪型なのだ。あるいは、ベッドではなくクッション型ソファか。「ベッドで寝るという点では、その頻度は5割にまで上がっている」と、バンクマン-フリード氏は語る。

わずか1年での飛躍

5割というのは、すごい数字なのだ。バンクマン-フリード氏にとって、ベッドはかつて手の届かない贅沢品であった。わずか1年前には、元トレーダーの彼は香港で、当時は無名の投資会社の立ち上げを行いながら、ほぼ毎日、デスクの下で眠っていた。(一度は香港時間午前3時30分に電話をかけたこともあるが、彼はオフィスにいて、喜んで電話を受けてくれた)

大半のアメリカ人は、FTXなんて聞いたことがなかった。ビットコイナーの間でさえも、当時はデリバティブのようなプロ向けの投資プロダクトに重点を置いていた取引所FTXのことを、知る人はあまり多くはいなかった。

それから1年。

NBA(全米プロバスケットボール)チーム、マイアミ・ヒートの本拠地はいまや、FTXアリーナと呼ばれるようになった。FTXのCMには、NFLプレイヤーのトム・ブレイディや、モデルのジゼル・ブンチェンが出演。

MLBの優勝決定戦ワールドシリーズの期間中は、ホームベースの後ろのFTXのサイン、数え切れないほどのFTXのCM、審判のユニフォームのFTXのロゴなど、FTXが至る所で目に入った。FTXは、「MLBの公式暗号資産(仮想通貨)取引所」となったのだ。

10月に4億2000万ドルの資金調達ラウンドを完了させたFTXの時価総額は現在、推定250億ドル(約2.8兆円)。まだ30歳に満たないバンクマン-フリード氏は、世界で最もリッチでパワフルな人物の1人となった。

そのことは、彼を変えてしまってはいないようだ。彼はいまだに「その日その日でちょうど良いと思える時間」に食事をとっており、それは時には午後3時、時には午前3時を意味する。

(「動物の福祉がすべて」と言って)動物愛護の理由からヴィーガンを貫き、「自然界が与えてくれた驚きのヴィーガン食品の1つ」と彼が呼ぶところの、大好物のオレオにいまだに手を伸ばしている。

規制対応に全力投球

そして彼は、規制に対して、エネルギーを集中投下している。バンクマン-フリード氏は今年、規制関連の問題に自ら対処するのに、1日に5時間も費やす時期もあった。2022年にも、規制が暗い影を落とすと見込んでいる。

「面倒な分野だ。しかも、195もの国があるのだ」とバンクマン-フリード氏は語り、「それぞれの国が別々に、自国の規制枠組みを検討している。そのすべての先を行こうとしているんだ」と説明した。

FTXがその本拠地を香港からバハマへと移したのも、規制が理由だ。バンクマン-フリード氏は、バハマは「暗号資産に対して包括的な規制枠組みを持っており、そのような国はほとんどない」と説明した。

バンクマン-フリード氏は、過度の規制がビットコイン(BTC)に対する最大のリスクと考えている。「完全禁止」の可能性は低いと考えているが、「緩やかな禁止」のリスクは認めているのだ。

「アメリカとEUにおいて、暗号資産プロジェクトへのアクセスを制限する組織的な動きがあれば、市場には著しい悪影響を与えるかもしれない」と、バンクマン-フリード氏は指摘する。

2022年の規制に関してバンクマン-フリード氏は、何らかのステーブルコイン規制があるのは「ほぼ間違いない」と見込んでいる。ステーブルコインの裏づけとなっている資産の定期的監査など、「ステーブルコインをめぐって色々と騒がしくなっており、その規制を目指す意志が大いに見える」からだ。

そこにはメリットもあるかもしれない。ウィンクルボス兄弟と同じように、バンクマン-フリード氏は、アメリカにおける規制は不可避で、むしろ有用なものと考えており、米ニュース専門テレビ局CNNに対しては、「暗号資産業界の最強バージョンは、規制による監視を受けたものだ」と語っている。

ビットコインに対するリスクの中には、すでにそれほど懸念すべきものではなくなっているものもあると、バンクマン-フリード氏は指摘する。例えば、機関投資家が市場から逃げ出すリスクだ。2021年末現在のビットコインをめぐる現状と、2017年末時点でのビットコインをめぐる状況を比較すると分かりやすいと、彼は考えている。

「世界中の機関投資家が、ビットコインに関わるかどうかを、積極的に決断しようとする」のに伴って、「2018年を控えた時期には、かなりの興奮が渦巻いていた」と、バンクマン-フリード氏は語る。そこに、大暴落が起こった。暗号資産に興味を示していた機関投資家は、辛うじて大惨事を免れたと感じ、そのまま様子見するにとどまった。そしてビットコイン価格は、勢いを失ったのだ。

「そのような機関投資家の多くが、ビットコインに投資するまでには、そこから2、3年かかった」とバンクマン-フリード氏。暴落が2020年の夏に起こっていたら、大手機関投資家は暗号資産投資に足を踏み入れなかっただろうと、彼は考えている、

しかし現在、機関投資家はすでに投資しているのだ。もう後戻りはできない。「今となっては、多くの機関投資家が、昔よりコミットしていると思う」とバンクマン-フリード氏は語り、2022年にはさらに多くが投資に加わってくると見込んでいる。「この勢いを止めるには、はるかに多くのマイナスの影響が必要となるはずだ」と、彼は指摘した。

ビットコイン価格が急落したら?

その大規模な事業拡大を考えると、FTX自体にとって、「マイナスの影響」とはどんなものか、私は興味を持った。外部の人間からすると、FTXは宣伝に対して湯水のようにお金を使ったように見える。しかもそれは、爆発的な強気相場の最中に起こったのだ。

ビットコイン価格が急落したら、FTXはどうなるのだろうか?

バンクマン-フリード氏はそのことを思い悩んで、眠れない夜を過ごしたりはしていない。まず、驚くことに、FTXの宣伝やパートナーシップの予算は2021年の収益の10%未満に過ぎず、「その点では大きな痛手にはならない」と話した。

ビットコイン価格が2万ドルまで暴落した場合、長期的収益(「あるいは少なくとも中期的収益」)は低迷するだろうが、「利益を出せないほどまで下がるとしたら、大いなる衝撃だ」とバンクマン-フリード氏は語る。

ビットコインが弱気相場に転じたとしても、新たに調達した4億2000万ドルのおかげで、FTXは「かなりしっかりとした資金の防護壁」を持っている。しかもその防護壁は、さらに「しっかり」としたものになるかもしれない。FTXが15億ドルの資金を調達して、評価額は320億ドルとなる可能性があると、最近報じられているのだ。

「効果的利他主義」

スタンフォード大学ロースクールの教授を両親に持つバンクマン-フリード氏は、「効果的利他主義」を長年信奉している。つまり、その影響を最適化できるような形で寄付を行えるよう、可能な限りお金を儲けようとする、ということだ。

彼は2020年、大まかに計算を行い、自らの資金は、1つのシンプルな働きをさせることで、最大限の善を成し遂げられると決断した。トランプ大統領を大統領の座から引きずり下ろすことだ。バイデン陣営への500万ドルの寄付(最大規模の寄付者の1人であった)は、リバタリアンの多い暗号資産の世界では、珍しいことであった。

「共和党議員にも、民主党議員にも寄付したことがある」とバンクマン-フリード氏は語ったが、すぐに「今では、民主党議員への寄付の方が多い」と述べた。

しかし彼は、特定の党への忠誠よりも、政策の方を重要視している。例えば、ビリオネアに対する民主党の課税提案には愕然としているようで、ニューヨーク・タイムズの中でも、金融関連ニュースを扱うプラットフォーム「DealBook」に対して、「大きなマイナスの副作用を及ぼす可能性があり、イノベーションの数、そしてそもそも課税できる基盤を減らしてしまうことになると考えている」と語った。

2024年の大統領選はどうだろうか?「誰が候補者となるかが分からない状態で、しっかりと予測するのは難しい」と彼は語ったが、知ってか知らずか、バイデン大統領に対して、笑ってしまえるほど痛烈なコメントとなっている。

そもそも、暗号資産の基準からすれば、2024年なんてはるか先の未来だ。その頃には、マンハッタンのFTXタイムズスクエアで新年を祝うようになっているかもしれないし、FTXのキャッシュアプリを使ってクリスマスプレゼントを買い、小さな子供たちは、FTX北極からサンタがプレゼントを運んでくれるよう願うようになっているかもしれない。

それは冗談だが、バンクマン-フリード氏はその頃になっても、髪の毛を梳(と)かしていないということだけは、間違いないだろう。
参照元:若きビリオネアのバンクマン-フリード氏が熱中すること:最も影響力のある人物【2021】
2021年 12月 14日 06:30 coindesk JAPAN
「バイナンスに騙された」、FTXのバンクマンフリードが主張
2022/12/13 17:00 Forbes JAPAN

フォーブスのデジタルアセット部門のスティーブン・エーリックは12月12日、暗号通貨取引所FTXの創業者で元CEOのサム・バンクマンフリードに独占インタビューを行った。

バンクマンフリードは、FTXの破綻が同社の競合のバイナンスの創業者の“CZ”ことジャオ・チャンポンに仕組まれたもので、その戦略がCZの予想以上にうまくいった可能性があると述べていた(バハマ警察は、このインタビューの直後に、米国からの通知を受け、バンクマンフリードを逮捕した)。

「私の推測では、彼(CZ)は私をうまく利用したのだと思う」と、彼は語った。「彼はおそらく、彼自身が考えていたよりもうまくやったと思う。彼は、自分の企みがこれほどのダメージを私に与えるとは思っていなかったと思う」とバンクマンフリードは話した。

バイナンスのジャオは、11月6日に「“最近明らかになった事実”を理由に、FTXが発行したトークンを清算する」とツイッターに投稿し、FTXの財務の健全性に関する市場の懸念を引き起こした。そして、FTXに救済を申し出たが、3日後にはそのオファーを撤回した。

バンクマンフリードによると、CZは買収価格を含む取引の条件を「驚くほど気にしていなかった」とのことで、今になって考えると、このオファーがまっとうなものだったと思えないという。

FTXは11月11日に破産を申請したが、その直後から複数の救済のオファーが舞い込んだという。バンクマンフリードによると、それらのオファーの大半は、「新株に転換可能な融資」という形の投資家からの提案だったという。

2008年の金融危機の際にウォーレン・バフェットは、ゴールドマン・サックスに50億ドルを出資したが、このときに発行された優先株は10%の利回りが約束されており、さらにワラント(発行会社の株式をあらかじめ定められた価格で購入できる権利)や、ゴールドマンの都合で優先株を買い戻したい場合は、バフェットが支払った価格より10%高い価格で買い取るという条件がついていた。

バンクマンフリードへの提案も、貸し手の側に非常に有利な内容で、その多くは彼を外部の取締役の監視下に置きつつ、会社に残すものだったという。彼は、自身が会社のリスクマネジメントに無関心だったことが、FTXの破綻につながったと述べていた。

辞任に「追い込まれた」

FTXの過半数を保有していたバンクマンフリードは、「結束の固い弁護士や法律事務所のグループ」から、辞任に追い込まれたと主張した。彼は、破産申請に同意したことをすぐに後悔したと語り、FTXの米国子会社のFTX USには支払能力があり、破産申請に含めるべきではなかったというこれまでの主張を繰り返した。

バンクマンフリードは、別の複数のインタビューでFTXの顧客の資金が適切に分別して管理されておらず、そのために資金の引き出しリクエストが殺到した際に、危機に陥ったことを認めていた。

FTXが受けたプレッシャーの多くは、姉妹会社の暗号通貨ヘッジファンドのアラメダリサーチからもたらされたと彼は述べ、ヘッジの構築が不適切だったため、暗号通貨市場の急落による打撃を受けたと話した。バンクマンフリードはさらに、アラメダを標的とした「特異な市場」があったとも述べている。

自分がどのような人物として人々の記憶に残ることになると思うかと尋ねると、彼は「今回の事件との関わりを自分のレガシーにしたくない。何もしなければ、そうなってしまうのではないかと心配している」と語った。

(forbes.com 原文)
参照元:「バイナンスに騙された」、FTXのバンクマンフリードが主張
2022/12/13 17:00 Forbes JAPAN
FTX破綻は仮想通貨の「終わりの始まり」なのか
2022/12/18 8:30 Forbes JAPAN

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの経営破綻と創業者サム・バンクマン・フリードの証券詐欺やマネーロンダリング(資金洗浄)での逮捕・起訴は、あまたの暗号資産懐疑論者たちに新たな希望を抱かせる出来事になった。

80億ドル(約1兆900億円)にのぼる損失を出したとされるこの騒動を、仮想通貨の終わりを告げるものと受け止めたからだ。ビットコインが登場してから、彼らはずっとこの終焉を予想してきたし、待ち望んでもきた。

だが、FTXの破綻はおそらくそれとは反対の結果をもたらすだろう。とくに規制当局がしかるべき対応をとることで、仮想通貨業界に新たな活力、新たな現実主義が吹き込まれると考えられるからだ。一方で、業界と規制当局が今後待ち受けるさらに大きな危険ときちんと向かい合わなければ、仮想通貨は世界の金融安定にとって想像を絶するほど大きな脅威になりかねない。

FTXの破綻後の状況は、仮想通貨業界全体の崩壊につながると予想あるいは期待していた人たちにとっては、残念な展開になっている。ここで指摘しておかないといけないのは、FTXは仮想通貨の取引所やヘッジファンドだったのであり、仮想通貨の開発や発行をする企業ではなかったという点だ。FTXの破綻によって、たしかにイーサリアムやビットコインといった代表的な仮想通貨の相場は大きな打撃を受けたが、その後は回復基調にある。

FTXの破綻によってマーケット全体に余波が広がるのではないかと心配する人も多くいたが、それも杞憂に終わったようだ。

■仮想通貨の果たす機能

仮想通貨が存在し続けていることに、反対派は怒りを募らせている。彼らは仮想通貨について、「そこには『そこ』がない(There is no there there)」、つまり、取引される実物がなく、コンピューター画面上の光の明滅にすぎないとよく言う。仮想通貨の人気を、1630年代のオランダで起きたチューリップへの投機熱にたとえる人もいる。

だが、こうした批判は仮想通貨の重要な点を見落としている。仮想通貨ブームは、米連邦準備制度理事会(FRB)など中央銀行がインフレの現実化に直面するのを拒んだことに端を発している。実際、過去のチャートをたどれば、金融当局がインフレの脅威に対応し始めると、ビットコインなどの価格は下落基調に転じたのがわかるはずだ。

ここから、仮想通貨の真の価値がどこにあるのかが浮き彫りになる。それは、政策立案者や中央銀行による誤った判断や決定に対するヘッジ(リスク回避)機能である。金(ゴールド)の代わりにはならないとしても、仮想通貨は、規制当局や政治よる逆風にさらされるほかの投資や通貨に対するヘッジになるものなのだ。

量子コンピューター攻撃への備え

仮想通貨は、残り続けるか消えゆくかには関係なく、2つの不朽の遺産を残すことになるだろう。ひとつは、ブロックチェーンや分散型台帳技術(DLT)を新たなデジタル取引システムとして確立したことだ。これはFTXのスキャンダルなどで揺らぐものではない。

もうひとつは、金融部門が、今後予想される量子コンピューターを使ったサイバー攻撃に脆弱であることを予見させたことだ。ハドソン研究所の研究によると、量子コンピューターによる攻撃はたんなるシステムクラッシュ以上の被害をもたらし得る。それは仮想通貨の持ち高や価値を長期的かつ壊滅的に損ない、金融システム全体に影響が及ぶおそれがある。

ハドソン研究所の試算では、量子コンピューターを用いた大規模なハッキングとそれにともなうビットコインの価値下落だけで、損失額は最大3兆ドル(約409兆円)に達する。

そこで規制当局の出番になる。ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)は先月、すべての連邦政府機関に対して、量子コンピューターによるサイバー攻撃からの保護に関するタイムラインの策定を求めた。仮想通貨業界や金融業界も量子コンピューター攻撃の脅威から身を守る方法について真剣に考え、同様のタイムラインを定める必要がある。

バンクマン・フリードがどのような運命になろうと、また証券取引委員会(SEC)をはじめとする規制当局の失策や政治家との癒着関係などが明らかになろうと、仮想通貨業界は今回の嵐を切り抜けられそうに見える。だが、将来量子コンピューター攻撃を許してしまったときには、おそらくそうはいかないだろう。
参照元:FTX破綻は仮想通貨の「終わりの始まり」なのか
2022/12/18 8:30 Forbes JAPAN
バンクマン-フリード氏の起訴内容を理解する【コラム】
2022年 12月 16日 06:00 coindesk JAPAN

FTXとアラメダ・リサーチ(Alameda Research)の創業者サム・バンクマン-フリード氏がバハマで逮捕されたことが報じられた時、私は飛行機に搭乗するところだった。詐欺が行われていたことを示す気がかりなサインが毎日のように浮上し、彼の深刻で多方面にわたる犯罪はすでに数週間前から明らかだった。

新事実が次々と発覚していったにもかかわらず、バンクマン-フリード氏はたびたびメディアに登場し、自分を悪質だったのではなく、ただ無能であったかのように見せることによって、法律や規制の分野からのお咎めを軽いものにすることに成功するのではないかとの懸念があった。

見当違いの少数の人たちは、バンクマン-フリード氏に同情的なコメントをしていたほどだ。そのため、少しでも良識のある人たちは歯がゆい思いをし、愚か者や詐欺師たちがストーリーをコントロールして、ここ最近では最大、あるいは史上最大の犯罪者の1人が報いを受けることを免れたりしないよう願っていた。

野心的で計算高い犯罪者

とりあえず我々は安堵のため息をつくことができそうだ。ここ2日間の起訴内容からは、アメリカ政府がバンクマン-フリード氏をいくつかの間違った投資をしたテック界の神童ではなく、野心的で計算高い犯罪者として扱っていることが明らかになっている。

SEC(証券取引委員会)、CFTC(商品先物取引委員会)、そして最も重要な司法省の3つの当局から、極めて重い民事上、刑事上の起訴が行われている。

起訴内容は包括的なもので、そこに示された見解に曖昧さはない。どの当局もバンクマン-フリード氏が歴史上最も手の込んだ詐欺に匹敵するような規模で、故意に、しかもかなりの計画性を持って詐欺を行ったと主張している。

FTXはエンロンだけでなく、1860〜70年代のフランスの銀行クレディ・モビリエのスキャンダルや、1720年代の南海泡沫事件と並んで記憶されることになるだろう。

バンクマン-フリード氏は暗号資産や金融の天才ではなかった。金融犯罪の才を持った愚か者だった。一生、刑務所から出られない可能性もある。

SECとCFTCの起訴内容

3つの当局の管轄に基づいて、起訴内容は3つに分けられている。

SECは証券を担当し、その告訴内容は顧客よりも株式投資家に対する詐欺に重点が置かれている。ほぼ間違いなく多額の罰金を課され、おそらく金融業界から一生追放という結果になりそうだ。

SECは「バンクマン-フリード氏が、FTX顧客資産のアラメダ・リサーチへの非公開の移動、(中略)FTXプラットフォームでアラメダに与えられていた秘密の特別待遇、FTX関連のトークンなどアラメダが大量に保有する、価値が吊り上げられた流動性のない資産にFTXがさらされていたことに起因する非公開のリスクをFTXの投資家から隠すために、何年にもわたって詐欺を働いた」と主張している。

CFTCは基本的に市場構造を監督しており、その起訴内容はバンクマン-フリード氏の犯罪の中核に重点を置いている。FTXとアラメダの間での顧客資産の混同だ。こちらも主に罰金につながる民事的な起訴となる。

司法省による刑事起訴

しかし我々が本当に気にかけているのは司法省による刑事起訴の方だ。詐欺、共謀、マネーロンダリングが8件の容疑のうちの3つを占めるという驚くほど幅広く深刻なものだ。

捜査の進展に伴って検事が具体的な主張を組み立てる余地を残すために起訴状は意図的に曖昧なものとなっているようだ。

曖昧さも一因となって、バンクマン-フリード氏に課される懲役の長さについての予想はさまざま。しかし、刑事起訴が複数行われたことで、少なくとも理論的には終身刑になる可能性もあるとのこれまでの予想は肯定されている。

司法取引を持ちかけられ、応じた場合には、刑罰が軽くなる可能性もあるが、そうした取引でもおそらく、かなり長く服役することになるだろう。

司法取引の可能性

司法取引の可能性は通常、非常に大きいが、2つの否定的要素がある。まず、バンクマン-フリード氏は自ら作り上げた妄想の中にいるように見えること。具体的に言うと、何も悪いことはしていないと信じているようだ。そうなると司法取引ではなく、陪審裁判を選ぶかもしれない。私としては、そちらの方を見てみたい。

しかしそもそも、司法省が取引を持ちかける保証はない。非常に深刻な犯罪でも司法取引はよくあるのだが、FTXをめぐる国民の怒りは激しく、バイデン政権はその怒りをなだめるために裁判を選ぶ可能性もある。

多くの人の予測通り、FTXがアメリカではなくバハマに拠点を置いていたことは、バンクマン-フリード氏を守ることにはほとんど役立たなかったようだ。例えば司法省による刑事起訴は、FTXの財政状況についての誤った情報を含む、9月18日付けの投資家へのEメールに基づいている。Eメールにはおそらく、すでに経営陣によって資産が搾り取られていたのに、FTXの経営は順調と書かれていたのだろう。

こうして、バンクマン-フリード氏とその詐欺帝国の驚くべき凋落は、よりゆっくりと、より整然とした段階へと進んでいく。もっと恐ろしい新事実も出てくるだろう。

ここからの道筋はおおむね決まっており、バンクマン-フリード氏にとっては楽しい結末にはならないだろう。あなたがこの記事を読んでいる時、彼は劣悪な環境のバハマの刑務所にいて、アメリカの警備の厳重な施設への迅速な送還を望んでいるだろう。裁判に臨むか、司法取引に応じるまで、十分な保護を受けられるはずだ。

元天才青年よ、さようなら。大きな賭けに象徴される人生の中で、彼は何度も何度も、間違った賭けをしてきた。
参照元:バンクマン-フリード氏の起訴内容を理解する【コラム】
2022年 12月 16日 06:00 coindesk JAPAN

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 秀吉先生、

    ラグナから、太陽ラグナから、月ラグナから、それから、マハーダシャーの天体をラグナとした場合と、色々な側面から見られるわけですが、

    よく分かりませんが、それらの「効き」の強さから言えば、どういう順番というか、階層なんですかね?

    同時に効いているが、効きの強さの割合的にはこう、みたいなのを考えるのでしょうか?

    その時にPACDARESや表示体のシャドバラのポイントとかを考慮するんですかね?
    • 通常、ラグナと月から見た支配と在住が同じくらいの重要度で、優先度が高く、太陽からの支配と在住は優先度が落ちます。
      知識としてはそれだけで十分です。

      それ程、複雑なものではなく、シャドバラのポイントなどは一切、見ません。

      ジョーティッシュは単純で簡単なものにしておくことをお勧めします。

      ここは質問コーナーではない為、技術上の質問はしないようにお願いします。

      技術上の質問などは有料のサービスで回答していますので、

      ここでは感想やフィードバック、内容についての評価、見解、ご自分の事例の紹介などの書き込みをお願いします。
  • 秀吉先生、

    >これは水瓶座の人物が蟹座の人物に対して、酷く見下して、こき下ろし、操作することに現れる。

    これ、私も思い当たるんですが…

    蟹座って、水の活動星座で、放っておいても勝手に感情がアップダウンして、しかも行動せずにいられないじゃないですか?

    私(水瓶座ラグナ)が、私のデマを流す婆さんを退治したのは、まさにこの、「操作」なんですよね…

    ちょっと煽っただけで(ふっ、と、まさに、小馬鹿にして(笑)、鼻で笑うとか…)、顔が真っ赤になって(それを通り越して紫色の時もありました…)カーッとなって、その後、私の悪口やデマを周りにいいふらすんです…

    まぁ、そのうち、私のが妄想してるとかまで言い出して。

    私はそんな感じでちょっと煽ってやってて(犯罪も犯してないし、裁判で訴えられて負けるような行為や程度までのことではない)、それで、まぁ、その婆さんが墓穴を掘ったんですね…彼女のやったのは風説の流布で犯罪ですから。

    まぁ、そんな感じで、水瓶座が、蟹座の性質や反応パターンを逆手に取って、条件付けまでして「操作」できるのは、確かだと思います…

    まぁ、私がラーシとナヴァムシャ両方で6室の支配星が減衰してるので、敵に負けない配置だというのもあるんですが…

    彼女にしてみれば、もしかしたら、人生最初の敗北かもしれません。
    なんせ、その繰り返し頻度や裏工作がすごいですから。
    人によったら、負けてたでしょうね。

    ここからは想像ですが、そんな感じで他人を陥れて生きてきたから、最後私に会って、引導を渡されたのかも知れません。
    • そのマンション住民との確執の物語は興味深く、参考になりますが、まさにそれこそが水瓶座と蟹座の関係だと思います。

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