2012年の日本のヒンドゥーニューイヤーチャート(Chaitra Shukla Pratipada)を作成したが、ラグナで、ラーフが減衰し、逆行の土星と火星がアスペクトしている。
1室は一般的な国家の幸福や全体としての国家の状態を示すハウスで、ラグナの状況を見れば、その1年の国家の状況が分かるそうだ。
2012年のチャートからは日本のよい状況は予測できない。
1-7室の軸にラーフ/ケートゥ軸が重なって、7室でケートゥが減衰しており、7室の支配星は6室に在住して、土星からアスペクトされている。
諸外国との外交関係も良くなさそうである。
竹島問題、尖閣諸島への中国船の無許可渡航、北方領土へのロシアのインフラ整備や視察など、米国がアジアから撤退する力の間隙を突いて、外交上の駆け引きが続いている。
日本と米国がどのように反応するか実験されている。
こうした問題やまたTPPへの参加なども外国上の重要課題であるが、参加するかどうかで国内世論が真っ二つに割れて、昨年は議論が重ねられた。然し、最終的に野田総理は参加を表明した。
また沖縄の在日米軍の普天間基地移転問題などもある。
こうした外交上の頭の痛い問題を沢山抱えていることがこの7室の傷つきが物語っていると言えるかもしれない。
2013年のヒンドゥーニューイヤーチャートを作成しても、やはり、ラグナと7室が傷ついている。
ラグナにはやはりラーフと土星が在住し、火星がアスペクトしており、7室にはケートゥが在住して、土星がアスペクトし、7室支配の火星は6室に在住している。
また6室と8室で星座交換している。
2012年のチャートでは木星と金星が6室に在住して土星からアスペクトされているが、6室は領土的な攻撃や公衆的健康、労働者階級などを表しており、この6室への木星の在住は、日本の国民の健康管理とか福祉、労働環境などの改善努力が続けられるということかもしれない。
然し、6室の吉星は敵を粉砕するのではなく、争いを避けるような弱腰外交となる可能性を示唆しており、二つの吉星が6室に在住することはダメージが大きい。
また2013年のチャートも6室に惑星集中している。
このようなことから2012年、2013年のヒンドゥーニューイヤーチャートからは、東北大地震の被害などを引きずって、苦しむ日本の姿がイメージできるが、2014年のヒンドゥーニューイヤーチャートは印象をがらりと変えるのである。
2014年のチャートはラグナに5室支配の水星が在住し、ラグナロードの土星は9室に在住し、5室に在住する木星はラグナとラグナロードにアスペクトしている。
1室が国民の一般的幸福や国家の状態を表しているとすれば、この頃から状況ががらりと改善され、良くなることが予想される。
そして、1室と絡むのは教育や娯楽や子供を表す5室や法律、宗教、貿易、科学、発明などを表す9室である。
文化的な発展が期待できる。
土星は今年の8月頃に一度、乙女座に逆行して、再び順行に転じて、天秤座に再入室する。
このタイミングがおそらく天秤座の土星のもっとも強い影響を発揮し始めるタイミングではないかと思われる。
マンデン占星術において、惑星が順行から逆行に転じるタイミングや逆行から順行に転じるタイミングは、何かが起こる重要なタイミングだという。
2010年の終わりに木星が水瓶座から一度、魚座に移動して、再度、11月頃に水瓶座に逆行して、順行に転じた時もそうしたタイミングであったと考えている。
木星を擬人化すれば、一度、乙女座に逆行して、再び、順行に転じて、天秤座に再突入することは、あたかもやり残した仕事をするために乙女座に戻って、仕事をやり終えて、天秤座に順行した後は、乙女座で仕事を完了しているだけにより天秤座の課題に100%取り組めるという、そんなイメージがある。
おそらく惑星は一度、逆行した後の順行の方がより力を発揮するのである。
私は以前からいろいろな人の個人鑑定を行って、そうした人たちの多くが2012年~2014年にかけて大きなマハダシャーの転機が訪れて、それ以降、ダシャーの惑星がダルマハウスの影響下に入ったり、ラージャヨーガが発動したりして、人生が上昇していくケースを多く見ている。
このことと、ヒンドゥーニューイヤーチャートの2012年、2013年、2014年の比較検討によって考えられることは、2014年以降の変容した世界の前に生みの苦しみとして、2年程度の年月を費やすということである。
それはちょうど土星が天秤座を通過していく時期と一致するのであるが、その土星の天秤座の滞在中に世界の変容が起こると思われる。
その間におそらくジョージ・ソロスがリーマンショック以上の危機と述べている欧州債務危機によって、大きな経済的な崩壊がやってきて、アメリカの米ドルも暴落し、今の資本主義体制が終わるのである。
現行の資本主義の欠陥、全ての人が生活していくことが出来ない欠陥が、各国一般大衆の大規模なデモ活動に結びついており、それが次の経済崩壊を引き金に現行のシステムを改革する動きに繋がっていく。
その時にやってくるのが、新世界秩序であって、経済システムを変えるということは一国に出来ることではなく、世界的な協力によって成し遂げられるレボリューション(革命)でなければ不可能である。
この2年の混乱の中で、日本の周辺各国の国家主義、民族主義的な動きが、領土問題などを生み出すかもしれないが、最終的に2014年以降になると、そうした動きが落ちついてくるのではないかと想像できるのだ。
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