出生場所について

芸能人の出生データなどで出生場所のデータが○○県とか、大まかな都道府県レベルの情報しかない場合がある。

【例】長嶋一茂 男 1966/01/26 13:12 東京都

上記の例は長嶋一茂の例であるが、この場合に生まれた場所は「東京都」のどこであるか、細かい地名が分からない。

それで適当に東京都の中に含まれる一点を決めてその緯度経度によってチャートを作成することになると思うが、その場合、正確なチャート作成にどのくらいの影響を及ぼすのか?

これは一度、考えてみるテーマであった。

まず、基本的な所から説明すると、地球は1日(24時間)で1回(360°)自転するため、

24時間÷360°= {1°あたり自転するためにかかる時間} となる。

これを計算すると、24時間は

60×60×24

=86400秒で、これを360°で割ると、240秒 = 4分となる。

これはラグナが移動する速度であり、経度の1°は時間にすると4分に変換可能である。

出生場所が1°ずれると出生時間が4分ずれたことと全く同じである。

出生場所が「東京都」としか分からない場合、東京の東端は江戸川区で、139°E54’(東経139°54′)、西端は西多摩郡で、138°E55′(東経138°55′)であり、東端から西端までの幅がおよそ1°である。

時間にすると4分であり、もし出生時間が正確でなく前後に4分以上ずれている可能性がある場合は、出生場所の精度をあまり細かく求めても無駄である。

出生時間というものは産婦人科で記録していたとしても数分遅れて記録されることはよくあることと考えれば、4分ぐらい(実際にはそれ以上)の出生時間のずれを考慮することは鑑定する者にとって必須となる。

そう考えると、出生場所はだいたい「東京都」であればよく、東京都品川区とか更に細かいデータを求めても出生時間が数分ずれているのであれば、その細かさを生かすことが出来ないのであまり意味がないといえる。

そして、4分のずれ、すなわち、ラグナの1°の誤差ではナヴァムシャのラグナが変わる可能性もそれほどないのである。

3°20’(時間にして13分20秒)の幅で、ナヴァムシャのラグナが別の星座に移動するので、1°ぐらいでは同じ星座に留まる可能性が高いのである。

そうすると、出生場所が「東京都」であっても「東京都品川区」であってもほとんど問題はないのである。どちらを使ったとしても、4分程度の出生時間の誤差は考慮しなければならず、ナヴァムシャのラグナの星座が正しいのか、隣の星座ではないのかという可能性は、結局、毎回検討しなければならないのである。

それではもし出生場所が「関東」としか分からない場合はどうなるかと言うと、関東地方は茨城県の東端付近(140°35′)から群馬県の西端(138°35′)まで、およそ2°の差がある。

時間にして8分である。

これでどのような影響が出るかというと、ラグナが3°20’ずれるとナヴァムシャのラグナが1星座分ずれてしまうため、ナヴァムシャのラグナが変わる可能性が高まるぐらいの影響である。

それでは、ある人が「日本」で生まれたとしか分からない場合はどうかと言うと、日本の本土の最東端は、北海道根室市納沙布岬(145°E49′)で、最西端は、長崎県佐世保市神崎鼻岬(129°E33′)であるから、その差(145°E49′ - 129°E33’)は、16°E16’で、およそ16°である。

さらに沖縄を含めると、沖縄県那覇市(127°E42′)で、およそ東端から18°の差がある。

時間にすると、1時間4分~1時間12分、つまり、およそ1時間である。

日本の東端から西端まで1時間の時差しかないということは、だいたい日本の真ん中辺りの経度を使えば、誤差は最大でも30分程度しか生じないということである。

ラグナは2時間で星座を移動するので、出生場所が「日本」としか分からない場合に被る影響としては、ラグナが前後の星座にずれてしまう可能性があったり、ナヴァムシャのラグナが3つの星座分ずれたりする可能性があるぐらいである。

仮に出生場所が分からなければ、東京の緯度経度を入れておけば、それで出生図のラグナの星座は変わらず、もし変わったとしても前後にずれる程度である。

例えば、鑑定をしていると時々、出生時間が正確に分からない人に遭遇するが、それでも「早朝」とだけ分かるとしたら、そうした情報から何とかチャートを割り出そうとする場合に、早朝を5:00~8:00と仮定して、5:00、6:00、7:00、8:00のように4種類の出生図を比較して、ラグナの配置を検討する場合がある。

それに比べると、日本の東端から西端までは最大でも1時間の時差しかないのであり、しかも出生場所を東端と西端の中間点を取れば、30分程度の時差を考慮するのみで問題ないのである。

つまり、日本に生まれたことが分かってさえいれば、出生場所は適当であったとしても、出生時間のずれは30分程度の違いと同じことである。

従って、出生場所のデータに関しては、出生時間程には神経質になる必要がないのである。

経験豊富で計算が得意な人であれば既によく知っていることであるとは思われるが、改めて、計算してみると、出生場所はおよその位置で問題ないということがよく分かる。

ジョーティッシュを実践していく上では、出生図のラグナを検討したり、ナヴァムシャのラグナを検討することが必須であるため、13分20秒~2時間程度の時間に該当する出生場所の経度の違いは、出生時間とまとめて修正の対象としてしまえばいいのである。


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