MENU

「悪魔の詩」著者 サルマン・ラシュディ氏 刺される

2022 9/07




「悪魔の詩」著者として有名なサルマン・ラシュディ氏が、ニューヨークの講演会場で、刃物を持った男に襲撃されたとニュースが伝えている。


ラシュディ氏は、搬送先で手術を受け、人工呼吸器を装着しているというが、会話ができず、片方の目を失うおそれがあり、腕の神経が切断され、肝臓を刺されて損傷を受けたという。





サルマン・ラシュディ氏が、1988年に「悪魔の詩」を出版し、イラン革命の指導者ホメイニ師が死刑を宣告したことはよく知られているが、もうずいぶん昔の話である。


それを今頃、蒸し返しているように思われる今回の事件は、今の時代が、1990年代から進歩しておらず、過去の封建的な価値観に退行していることを感じさせる。


日本では、「悪魔の詩」を翻訳した筑波大助教授の五十嵐一氏が何者かに殺害されたことは衝撃である。


翻訳しただけで殺害されるというのは、余程のことで、イスラム圏の闇を感じさせる。



イラン・イスラム革命で、アメリカによる傀儡政権を排除して、国を取り戻した保守の国イランは、まさに蟹座的な国であり、建国図もラグナが蟹座で、木星が蟹座に在住して、逆行する土星と合わせれば、蟹座にダブルトランジットが生じている。





そして、蟹座から見て9室の魚座(キリスト教、イスラム教)に太陽、水星、火星が惑星集中して、宗教的原理主義の国家であることは一目瞭然である。


国全体で、アラーの神、ムハンマド、イスラムの伝統を信奉しているような国家である。


つまり、魚座や蟹座などの水の星座が強い、封建的な価値観の国である。


私は、サルマン・ラシュディ氏の「悪魔の詩」は読んでいないが、ムハンマドの日常生活を批判的に風刺したもので、ムハンマドの12人の妻たちと同じ名前を持つ12人の売春婦が登場するといった内容であるという。




イスラーム批判

イスラームの聖典クルアーン中に神の預言として、メッカの多神教の神々を認めるかのような記述がなされている章句があったとの伝承がある(ガラーニークの逸話)。伝承では、後に預言者ムハンマドは、その章句を神の預言によるものではなく悪魔によるものだとして取り除いているが、ラシュディはこれを揶揄したとされる。

(wikipedia 悪魔の詩より引用抜粋)



その他、上記のようにイスラムの聖典クルアーンの記述の矛盾なども指摘している。



サルマン・ラシュディ氏の著書「ジョゼフ・アントン」によれば、ラシュディ氏は、ホメイニ師から死刑宣告を受けてから、偽名を使い、武装警官の警護を受けながら、友人や出版社のつてを頼って、20カ所もの「隠れ家」を転々とする約9年間に及ぶ逃亡生活を余儀なくされたようである。



アストロデータバンクのデータを調べると、Rodden Ratingが、A評価で、まず信頼できるデータである。






このデータでチャートを作成すると、牡羊座ラグナで、4室に10、11室支配の土星が在住していることが分かる。


これが、転々と居場所を変えて、逃亡生活を余儀なくされた配置である。


いつ殺されるか分からない中で、同じ場所に長く住み続けることが出来ず、心安らぐ暇なく、次々と居場所を変えなければならない。


おそらく住み続けるうちにラシュディ氏が住んでいるといったうわさが段々広まって、周辺が不穏な雰囲気になって来て、それで引っ越しを余儀なくされるのではないかと思われる。


4室の土星は、居場所が居心地が悪くなる為、引っ越しが多くなる配置である。


これまで4室に土星が在住している人たちのチャートを見て来たが、2~3年ぐらいに1度ぐらいの頻度で、人生で十回とか数十回の引っ越しをしている人の事例なども何度か見たことがある。




事件があったのは、2022年8月12日で、おそらく襲撃された時の映像が昼まであることから、ケートゥ/ラーフ/水星/金星/水星期である。


まず、サルマン・ラシュディ氏のチャートは、ラグナに1、8室支配の火星が在住し、10、11室支配の土星がアスペクトして傷つけている。


この土星は10、11室支配の機能的凶星だが、11室の支配星は、最悪の機能的凶星である。


敵対的で、暴力的で、競争心旺盛で、人を利用しようと悪意を持って近づいて来る人間を表わしている。


この土星が蟹座から牡羊座ラグナにアスペクトしていることから、この土星のラグナ、ラグナロードへのアスペクトは、極右民族主義者からの攻撃と解釈すべきである。


こうした民族主義者が、懸賞金を求めて、彼を暗殺しようと追いかけまわす為、ラシュディ氏は、転々とした逃亡生活を余儀なくされたのである。







8室の支配星がラグナに在住し、11室支配の土星がアスペクトしている為、これが彼の身体に危害が及ぶ配置である。


ラグナロードがラグナでルチャカヨーガを形成している為、体力があり、タフであるが、然し、8室と11室が絡んでおり、悪意のある暴力に晒される可能性を示唆している。


但し、9室支配の木星がアスペクトしてラシュディ氏の身体を守っており、それが今まで生きて来られた理由かもしれない。



まず、マハダシャーロードのケートゥは8室に在住しているが、ディスポジターの火星は、1、8室支配で、ラグナに在住して、11室支配の土星からアスペクトされている。



従って、ケートゥ期は、身体が暴力に晒される可能性を示唆しており、傷ついた8室の支配星は、マラカとなり得る配置である。



アンタルダシャーロードのラーフは、2室に在住して、2、7室支配のマラカの金星とコンジャンクトして、2室を傷つけている。



因みにラシュディ氏は、片方の目を失うおそれがあると言うが、右目は2室支配の金星、左目は12室支配の木星に該当するが、ケートゥのディスポジターである火星は、12室支配の木星を傷つけており、この場合、左目が損傷した可能性を示唆している。


ラーフは2室の支配星を傷つけているが、この場合は、右目の損傷を示唆している。



またラシュディ氏は、肝臓も刺されたというが、肝臓の表示体は木星である。



火星は木星にアスペクトして、肝臓の表示体を傷つけている。



プラティアンタルダシャーとプラーナダシャーの水星は、3、6室支配で3室に在住しているが、ナヴァムシャでは、ラグナロードでラグナに在住し、6、11室支配の火星のアスペクトを受けており、ナイフで身体を刺されるような配置をしている。このラグナには木星の保護も見られない。








事件のあった2022年8月12日のトランジットを見ると、まずラーフ/ケートゥ軸が、1-7軸にトランジットしている。



ラーフとケートゥは、マハダシャーロードとアンタルダシャーロードである為、このトランジットは重要である。



身体に何かが起こることを示している。火星は2日前まで牡羊座に留まっていたが、事件のあった日は牡牛座に移動している。



この場合、牡羊座にも牡牛座にも影響を及ぼしている可能性がある。



牡牛座には、アンタルダシャーロードのラーフと、スークシュマダシャーの金星が在住し、トランジットの火星は、この出生のラーフと金星を傷つけている。



従って、火星のトランジットからは、右目を損傷した可能性を示唆している。



また身体を表わす太陽や、2室支配の金星は、4室に在住する10、11室支配の生来的、機能的凶星の土星の上を通過していたが、これも重要である。



そして、現在、木星は12室魚座をトランジットし、土星が10室から魚座12室にアスペクトして、12室にダブルトランジットしている為、今回、入院したのである。



出生の木星に対して、トランジットの火星、土星がアスペクトして、ラーフ/ケートゥ軸がコンジャンクトしていることも肝臓や左目を損傷した可能性を表わしている。






サルマン・ラシュディ氏の事件の本質






サルマン・ラシュディ氏のチャートを見ると、双子座に月、太陽、水星が惑星集中しており、天秤座から木星のアスペクトを受け、定座の水星はヴァルゴッタマで、ナヴァムシャではラグナでバドラヨーガを形成している。



双子座はフリーメーソンの星座であり、理性や近代科学を推進した双子座の特質を強力に打ち出している人物である。



そういうラシュディ氏から見ると、イスラム教のクルアーンなどに示されている矛盾は、封建的なイスラム教の無知、迷信を表わすものとして許せないものだったに違いないのである。



そういう意味では別にイスラム教でなくてもかまわなかったのであり、ヒンドゥー教でもキリスト教でも宗教的原理主義の中にある無知、蒙昧、封建性というものを理性の立場から論駁したくてたまらない人物なのである。







そして、ラシュディ氏が、しばしば辛辣な風刺で、露骨にイスラム教を揶揄したのは、ナヴァムシャにおいて、ラグナから見て、6室蠍座に月、太陽、土星が集中しているからである。



それが宗教的原理主義的な人々を多少上から目線で、批判し、こき下ろす配置である。



3室に惑星集中し、5室の支配星も3室に在住している為、ラシュディ氏は、自分の知性が捉えた真実を書かずにはいられなかったに違いない。



それを書けば、命を狙われることを分かっていたにも関わらず、書かずにはいられなかったのである。



3室は文筆のハウスであり、また欲望のハウスでもある為、メディアや書籍などの媒体を通じた表現欲というものが抑えられないのである。



私も同じような配置があるので、そうした感覚がよく分かるのであるが、自分の頭が把握し、理解したことは何でも書きたくなって書かずにはいられないのが、この配置の性(さが)である。




このラシュディ氏の著作を巡る騒動は、本質的に西側世界の理性や近代という原理と、イスラムの封建的伝統的価値観のぶつかり合いであり、それが表現の自由の擁護などと相まって、当時、イランと西側諸国との間の政治問題にも発展したのである。



報道では、今だったら、サルマン・ラシュディ氏の「悪魔の詩」は出版出来なかっただろうと結んでいる。




確かに歴史が逆回転し、世界的に右翼民族主義者が跋扈し、戦争まで起こっている今では、イスラム原理主義者を刺激する本は出版できそうにない状況である。




まだリベラルが力を持っていた当時でさえもイスラム世界に大きな物議を醸したのであるから、今では尚更である。




現にサルマン・ラシュディ氏が、あたかも当時のことを思い出したかのようなイスラム信奉者から今頃になってしつこく襲撃されたことがそれを物語っている。




因みにサルマン・ラシュディ氏は、これだけ国際社会に大きな物議を引き起したにも関わらず、しっかりとリベラル派の人々から守られたのは、西側世界の価値観を代表していたからである。



9室支配の木星が天秤座からラグナ、ラグナロード、月、太陽にアスペクトして保護する配置がそれを物語っている。



サルマン・ラシュディ氏を英雄にしたのは、著作そのものの完成度や価値といったものよりも、イスラム世界に物議を醸し、死刑宣告を受け、その後、転々と9年間にも及ぶ逃亡生活をするといったスリリングな生を生きたことではないかと思われる。



そうした誰も真似のできないユニークな生を生きたという意味で、ラシュディ氏の人生には非常に輝かしい価値がある。



まさに牡羊座でルチャカヨーガを形成することから来る力強い人生である。




(参考資料)

「悪魔の詩」作者のサルマン・ラシュディ氏、NY州で講演中に首など刺される
2022年8月13日 BBC NEWS JAPAN

小説「悪魔の詩」を執筆後、イランの最高指導者だったルホラ・ホメイニ師から死刑宣告を受けるなど、長年にわたり殺害予告を受けてきた英作家サー・サルマン・ラシュディ氏(75)が12日、米ニューヨーク州での講演中に男に首などを刺された。ラシュディ氏はヘリコプターでペンシルヴェニア州の病院に搬送され、手術を受けている。

ラシュディ氏の代理人、アンドリュー・ワイリー氏は声明を発表し、「状況はよくない」と説明。ラシュディ氏は人工呼吸器をつけられ会話ができず、片方の目を失うおそれがあると述べた。

「サルマンはおそらく片目を失う。腕の神経が切断され、肝臓を刺されて損傷を受けた」と、ワイリー氏は述べた。

英ブッカー賞受賞者のラシュディ氏は事件当時、ニューヨーク州西部にあるショトーカ・インスティテュートで開催されたイベントで講演中だった。

ニューヨーク州警察によると、男1人がステージに駆け上がり、ラシュディ氏を襲った。ラシュディ氏は少なくとも首と腹部を1回ずつ刺された。現在、外傷センターで手術を受けている。

ラシュディ氏と共にステージ上にいた司会者のヘンリー・リース氏は頭に軽いけがを負い、地元の病院に運ばれた。リース氏は、迫害の脅威にさらされた亡命作家たちに安全な場所を提供する、非営利団体の共同創設者。

警察は、ニュージャージー州フェアヴュー在住のハディ・マタール容疑者(24)を拘束したと発表した。警察は、男の動機や容疑を明らかにしていない。

警察は記者会見で、スタッフと観客が襲撃犯に突進して地面に押し倒したところを拘束したと説明した。

インターネット上に投稿された動画には、事件発生直後に、複数の人がステージ上へ急ぐ瞬間が映っている。警察によると、観客として現場に居合わせた医師が、ラシュディ氏に応急処置を施した。

インド出身でイギリス国籍のラシュディ氏は、1981年出版の小説「真夜中の子供たち」で一躍有名になった。同小説は英国内だけで100万部以上を売り上げた。

しかし、1988年出版の4作目の小説「悪魔の詩」をきっかけに、9年もの間身を隠さざるを得なくなった。

超現実主義でポスト・モダンなこの小説は、その内容がイスラム教を冒涜(ぼうとく)しているとして一部のイスラム教徒の怒りを買い、いくつかの国で出版が禁止された。

出版から1年後、イランの最高指導者だったホメイニ師はラシュディ氏の死刑を命じた。ホメイニ師はラシュディ氏を殺害した者に300万ドルの懸賞金を支払うとする「ファトワ」(イスラム教の法学者が宗教的な立場から出す勧告や判断)を発した。

イラン政府はホメイニ師の命令から距離を置いているものの、ラシュディ氏にかけられた懸賞金はいまも有効で、イランの準公的な宗教団体は2012年に50万ドルを報奨金に上乗せした。

「悪魔の詩」をめぐっては、1991年7月、同小説の日本語訳を手掛けた筑波大学の五十嵐一助教授(当時44)が同大学筑波キャンパス内で刺殺されているのが見つかった。喉を切られており、「イスラム式の殺し方」だったとされる。2006年、容疑者を特定できないまま時効が成立した。

ラシュディ氏は宗教活動を実践しないイスラム教徒の両親のもとに生まれ、無神論者で、表現の自由を声高に主張するようになった。何度か自分の作品を擁護している。ラシュディ氏はアメリカの市民権も持つ。

2007年にエリザベス英女王から「ナイト」の称号を受けた際には、イランとパキスタンで抗議活動が起こった。ある閣僚は、「自爆攻撃を正当化する」ものだと述べた。

ラシュディ氏が出席したいくつかの文学イベントは脅迫やボイコットの対象となった。それでも執筆を続け、2023年2月に最新作「Victory City」が出版される予定。

イギリスやアメリカから支援の声

イギリスのボリス・ジョンソンン首相は、「我々が決して守ることをやめてはならない権利を行使している最中に、サー・サルマン・ラシュディが刺されたことに、愕然(がくぜん)とした」とツイートした。

イギリスの人気作家ニール・ゲイマン氏は、友人でもある作家仲間が攻撃されたことに「ショックを受け、動揺している」とツイッターで書いた。

「彼はいい男で、素晴らしい人だ。無事を願っている」と、ゲイマン氏はツイートした。

ゲイマン氏はさらに、「(ラシュディ氏の)無事を強烈に願っている。彼は面白くて素晴らしい人で、乾いたユーモアの持ち主で、美しく賢い本をいくつも書いてきた。彼が憎いと思い込んでいる人たちに、彼の言葉を読んでもらいたい(あなたたちは、本物の人間としてのサルマンを憎んでなどいない。あなたたちは、一度も存在したことない、自分の頭の中にだけ存在する誰かを憎んでいるんだ)」とも書いた。

ラシュディ氏の版元ペンギン・ランダムハウスは声明で、「私たちは、公共の場でのこの暴力的な暴行を非難する。このつらい時に、私たちはサルマンと彼の家族を思っている」とした。

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、この殺傷事件の「捜査に必要なあらゆる支援を行う」と約束した。

「何十年もの間、権力に対して真実を語ってきた1人の人間がここにいる。大人になってからずっと、脅迫を受けながらも臆することなく、あえて表に出て活動してきた人だ」

(英語記事 Salman Rushdie in surgery after stabbing attack)
参照元:「悪魔の詩」作者のサルマン・ラシュディ氏、NY州で講演中に首など刺される
2022年8月13日 BBC NEWS JAPAN
「悪魔の詩」著者のサルマン・ラシュディ氏、NY州の講演で刺される
2022年8月13日 06:53朝日新聞デジタル

 小説「悪魔の詩」を書いたことで論争を巻き起こし、長らく殺害予告の対象になってきた作家、サルマン・ラシュディ氏(75)が12日昼、講演のために訪れていた米ニューヨーク(NY)州ショトーカで男に首や腹部を刺された。州警察が発表した。

 ラシュディ氏は数時間にわたって手術を受けた。代理人は12日夜、米メディアにラシュディ氏が人工呼吸器につながれ、話すことができない状態だと明らかにした。「片目の視力を失うおそれがある。腕の神経が切断され、肝臓も損傷を負っている」という。

 州警察によると、男は現場で身柄を拘束され、ハディ・マタール容疑者(24)と特定された。現場から約500キロ離れたニュージャージー州に暮らし、動機は明らかになっていない。

 事件は午前10時45分、教育施設「ショトーカ総合学園」で起きた。ラシュディ氏は壇上に上がった直後、容疑者に襲いかかられ、首と腹部を少なくとも1回ずつ刺されたという。

 容疑者は会場のスタッフや聴衆から取り押さえられ、現場にいた州警察に引き渡された。早ければ12日中にも刑事訴追される見通し。ラシュディ氏は現場で手当てを受けた後、ヘリコプターで地元の病院に搬送された。

 ラシュディ氏の講演予定は施設のウェブサイトで公開されていた。州警察によると、ともに壇上に上がった進行役の男性(73)も顔に軽傷を負ったが、すでに退院している。  現場に記者がいたAP通信によると、男は10~15回にわたり、ラシュディ氏を殴ったり刺したりした。ラシュディ氏は倒れ、血まみれだった。会場には数百人の観客がいて、そのうちの1人はAP通信に対し、「襲撃は20秒ほど続いた」と語ったという。

 ニューヨーク・タイムズ紙は会場にいた別の目撃者の話として、「犯人は1人だった。ゆったりとした黒い服を着ていて、すさまじいスピードでラシュディ氏に駆け寄っていった」と伝えている。

 現在は米国に暮らすラシュディ氏は、インド出身で英国籍を持つ。1981年、インドの独立前後の様子をテーマにした小説「真夜中の子供たち」で権威のある文学賞、英ブッカー賞を獲得した。

 88年には、イスラム教の預言者ムハンマドの生涯を題材とした「悪魔の詩」を出版。同作もブッカー賞の最終候補になった。ただ、登場人物の売春婦たちがムハンマドの妻たちの名前だったことなどから、「イスラム教を冒?(ぼうとく)している」との意見も多く出た。

 イランの当時の最高指導者、ホメイニ師は「ファトワ」(宗教見解)として、89年に「死刑」を宣告。イラン国内の財団は、ラシュディ氏を殺害した者に330万ドルの「懸賞金」をかけていた。

 同書は日本でも90年に出版された。翻訳を務めた筑波大助教授、五十嵐一さん(当時44)は91年7月、何者かに大学構内で殺害された。だが、容疑者が検挙されないまま、2006年に時効が成立した。(ニューヨーク=藤原学思、テヘラン=飯島健太)
参照元:「悪魔の詩」著者のサルマン・ラシュディ氏、NY州の講演で刺される
2022年8月13日 06:53朝日新聞デジタル
「悪魔の詩」ラシュディ氏襲撃 「衝撃だ」 バイデン大統領が声明
2022年8月14日 6時35分 朝日新聞DIGITAL

小説「悪魔の詩」で世界的な議論を巻き起こした著名作家、サルマン・ラシュディ氏(75)が12日、米ニューヨーク州で襲われた事件を受け、バイデン米大統領は13日、声明を出した。「凶悪な攻撃を受けたと知り、衝撃を受け、悲しみに暮れた」と述べ、ラシュディ氏の回復を祈るとした。

 ラシュディ氏は、講演のために訪れたニューヨーク州ショトーカの教育施設「ショトーカ総合学園」で、男に首や腹部を刺された。米メディアによるとラシュディ氏の容体は深刻で、入院を続けている。

 バイデン氏は声明で、ラシュディ氏を「人間への洞察力、物語への比類のないセンスを持ち、脅迫や沈黙を拒否し、本質的で普遍的な理想を表している」と評価。「真実。勇気。回復力。恐れることなくアイデアを共有する能力。これらは自由で開かれた社会の構成要素だ」と述べ、「ラシュディ氏と、表現の自由を支持するすべての人々と連帯する」とした。

 ニューヨーク州警察は12日、ラシュディ氏を壇上で襲ったとして、現場で身柄を拘束したニュージャージー州在住のハディ・マタール容疑者(24)を殺人未遂や暴行の罪で訴追した。マタール容疑者は13日、州裁判所で無罪を主張した。(ワシントン=清宮涼)
参照元:「悪魔の詩」ラシュディ氏襲撃 「衝撃だ」 バイデン大統領が声明
2022年8月14日 6時35分 朝日新聞DIGITAL
「悪魔の詩」ラシュディ氏を襲った男、シーア派過激主義やイラン革命防衛隊に「共感」
2022/08/14 00:07 讀賣新聞オンライン

 【ニューヨーク=寺口亮一】イスラム教の預言者ムハンマドを侮辱しているとして反発が広がった小説「悪魔の詩」の著者で、インド出身の英作家サルマン・ラシュディ氏(75)が12日、米ニューヨーク州で刃物を持った男に襲われ、首などを刺された。州警察が発表した。

 AP通信は代理人の話として、ラシュディ氏は搬送先の病院で手術を受け、人工呼吸器を装着していると報じた。片方の目を失明する恐れがあり、腕や肝臓も損傷しているという。

 ラシュディ氏は同州ショトーカの教育施設で講演しようとしていた際、男に襲撃された。司会役の男性(73)も顔に軽いけがをした。男は、会場を警備していた警察官に取り押さえられた。

 州警察によると、男はニュージャージー州に住むハディ・マタール容疑者(24)。単独犯とみられ、動機は不明だ。AP通信によると、マタール容疑者は中東レバノンから移住した両親の間に米国で生まれた。米NBCニュースは捜査関係者の情報として、本人のソーシャルメディアを分析したところ、「イスラム教シーア派の過激主義やイランの軍事組織『革命防衛隊』に共感を抱いていたことがわかった」と報じた。

 1988年出版の「悪魔の詩」はイスラム諸国で発禁処分となり、イラン革命の指導者ホメイニ師は89年、ラシュディ氏に「死刑」を宣告。イランの宗教団体は懸賞金330万ドルをかけた。

 ラシュディ氏は英国の治安機関が約10年にわたり、保護していた。その後、ニューヨークに移り、2002年以降は警護をつけず生活していたという。

 日本では1991年、「悪魔の詩」を日本語に翻訳した筑波大助教授の五十嵐一さん(当時44歳)が何者かに殺害された。容疑者が特定されないまま2006年に時効を迎えた。
参照元:「悪魔の詩」ラシュディ氏を襲った男、シーア派過激主義やイラン革命防衛隊に「共感」
2022/08/14 00:07 讀賣新聞オンライン
「悪魔の詩」ラシュディ氏、人工呼吸器が外され話ができる状態に…襲撃容疑者は殺人未遂で訴追
2022/08/14 17:40 讀賣新聞オンライン

【ニューヨーク=寺口亮一】英作家サルマン・ラシュディ氏(75)が米ニューヨーク州で刃物を持った男に襲撃された事件で、地元検察当局は13日、現場で取り押さえられたハディ・マタール容疑者(24)を殺人未遂などの容疑で訴追したと発表した。計画的犯行とみて動機を解明する方針だ。

ラシュディ氏は搬送先の病院で治療を受け、12日夕は人工呼吸器を装着した状態で、片方の目が失明する恐れもあるとされていた。米紙ニューヨーク・タイムズなどは13日、代理人の情報として「人工呼吸器が外され、話をし始めた」と伝えた。

 ラシュディ氏は12日午前、講演のため訪れた同州西部の教育施設で、壇上に突然駆け上がってきたマタール容疑者に首などを刺された。

 検察は13日の罪状認否手続きで、「ラシュディ氏を狙った計画的な攻撃」と指摘した。ラシュディ氏が10回前後刺されていたと明らかにした。

 マタール容疑者は事件前日に現地入りし、偽の身分証明書を所持していたという。マタール容疑者側は無罪を主張している。

 ラシュディ氏を巡っては、1988年発表の小説「悪魔の詩」がイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱しているとして、イラン革命の指導者ホメイニ師が89年、ラシュディ氏に「死刑」を宣告するなど反発を招いた。

 米メディアでは、マタール容疑者について、利用していたソーシャルメディアの分析から、イスラム教シーア派の過激主義やイランの軍事組織「革命防衛隊」に「共感を抱いていた」と報じられている。

 バイデン米大統領は13日、「凶悪な襲撃に衝撃を受け、悲しみに暮れている」との声明を発表し、ラシュディ氏や表現の自由を擁護する人々との連帯を表明した。
参照元:「悪魔の詩」ラシュディ氏、人工呼吸器が外され話ができる状態に…襲撃容疑者は殺人未遂で訴追
2022/08/14 17:40 讀賣新聞オンライン
ラシュディ氏襲撃犯を称賛 「背教者」刺され「喝采」―イランメディア
2022年08月13日18時15分 JIJI.COM

【テヘランAFP時事】イスラム教を風刺する小説「悪魔の詩」作者の英作家サルマン・ラシュディ氏が襲撃された事件について、イランの主要メディアは13日、相次いで容疑者を称賛する記事を掲載した。イランではラシュディ氏に「死刑宣告」が出されている。

 編集責任者が最高指導者ハメネイ師に任命されている保守系紙ケイハンは、「神の敵の首をナイフで切り裂いた者の手にキスをしよう」「勇敢で務めに忠実な男(容疑者)に喝采を」と呼び掛けた。改革派系を除く主要メディアも、おおむね「背教者」が襲われたと好意的に伝えている。
参照元:ラシュディ氏襲撃犯を称賛 「背教者」刺され「喝采」―イランメディア
2022年08月13日18時15分 JIJI.COM
サルマン・ラシュディ氏刺される 講演前、男拘束―米NY州
2022年08月13日10時51分 JIJI.COM

 【ニューヨーク時事】イスラム教を風刺する小説「悪魔の詩」(1988年)で知られる英作家サルマン・ラシュディ氏(75)が12日、米ニューヨーク州西部のイベント会場で男に襲撃された。州警察によると首と腹部を少なくとも1回ずつ刺され、ヘリコプターで病院に搬送。その後、手術を受けた。

 米メディアによると、搬送後のラシュディ氏は、人工呼吸器につながれ、話ができない状態。肝臓が損傷し、腕も刺され、片目を失明する恐れがある。

 事件は午前10時45分(日本時間午後11時45分)ごろ発生。講演のために演壇に登場したラシュディ氏に男が襲い掛かった。ラシュディ氏は血を流して倒れ込み、男はその場で拘束された。会見した州警察によると、男はニュージャージー州に住むヘイディ・マタール容疑者(24)と確認された。
参照元:サルマン・ラシュディ氏刺される 講演前、男拘束―米NY州
2022年08月13日10時51分 JIJI.COM

スポンサーリンク


スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • たまたま五十嵐一さんについて昨晩調べていたので、こちらの記事に驚きました

    五十嵐さんの生年月日が1947年6月10で、サルマン・ラシュディさんが1947年6月19日というわずか数日しか生年月日が変わらないというのが興味深いです
    • 五十嵐一氏のチャート見ましたが、土星と火星の相互アスペクトで激しく傷つけ合っていたり、火星が牡羊座で強い辺りは同じです。


      ただ五十嵐氏の場合、火星はバラニーに在住して、より凶暴であり、また水星もアールドラーに在住しており、かなりナクシャトラの象意が異なっています。


      サルマン・ラシュディ―氏の場合、火星はクリティッカーで、水星は、プナルヴァスで、ヴァルゴッタマでした。


      また五十嵐一氏は、月がケーマドルマで、土星と星座交換しており、太陽が強い敵対星位で、敵対惑星のラーフとコンジャンクトして傷ついています。


      サルマン・ラシュディ―氏の場合、ラグナ、ラグナロード、月、太陽に9室支配の木星がアスペクトして保護していることが大きいと思います。



      五十嵐一氏は、ラグナは分かりませんが、出生時間を何時に設定したとしても刺殺された1991年は、マハダシャー土星期です。


      土星は強い火星と相互アスペクトしており、この土星が、五十嵐一氏やサルマン・ラシュディ氏を苦しめたと言っていいと思います。


      この土星は、蟹座プシュヤに在住しており、愛国民族主義者で、プシュヤに在住している為、真面目な印象ですが、


      冥王星とコンジャンクトして、火星からアスペクトされて、盲目的な意志で、凶暴化しているように思います。


      イスラム教を真面目に信仰する純粋な右翼に殺されたといっていいかもしれません。



      本文には書かなかったですが、サルマン・ラシュディ氏が死刑宣告された時(1989年2月14日)は、土星/ケートゥ期(土星/ケートゥ/金星)で、土星期は、2002年まで続きますが、


      逃亡生活をしたのが、9年間であるという為、ちょうどこの土星期の残りに一致します。


      この土星期の間中、ずっと暗殺未遂が繰り返され、居場所を20回も変えて、転々と逃亡生活をしなければならなかったということが、4室に土星が在住し、火星からアスペクトされていることが物語っています。


      このケンドラに在住する火星と土星が、非常に困難な人生を物語っています。


      火星がルチャカヨーガで、土星が10室定座にアスペクトバックして強い為、非常に大きな影響力をもたらし、イスラムの暴動や襲撃事件などで、他にも大勢、死者が出ています。


      一個人がこれだけ大きな騒動の引き金になり、しかもそれが、不穏な出来事であるというのは、凶星がケンドラに在住して強いからであると思います。



      今回の事件では、サルマン・ラシュディ氏の出生の火星にラーフ/ケートゥ軸がトランジットし、そして火星も2日前に牡牛座に移動してますが、牡羊座をトランジットしていたと見なしていいと思います。


      また土星も10室から出生の土星にアスペクトしていました。そして、魚座と蟹座に木星と土星がダブルトランジットしていました。


      まさに牡羊座と蟹座で相互アスペクトする2つの凶星が、活性化したタイミングであったと思います。


      ダシャーもケートゥ/ラーフ/水星期で、まさにこうした配置を活性化するものでした。


      ケートゥのディスポジターは、火星で、ケートゥはアヌラーダに在住していますが、アヌラーダの支配星は、土星です。


      そして、ラーフのディスポジターは、ラーフ/ケートゥ軸に傷つけられる2、7室支配のマラカの金星で、ラーフは、クリティッカー(太陽)に在住しています。


      これは、今、気づいたことですが、太陽は、ムリガシラー(火星)に在住し、火星はクリティッカー(太陽)に在住している為、火星と太陽は、ナクシャトラ交換しています。


      従って、クリティッカーに在住するアンタルラーフ期は、結局、土星と相互アスペクトする火星の結果を表わしたと考えることが出来ます。


      水星は、プナルヴァス(木星)に在住していますが、木星は、火星からアスペクトされて傷ついています。


      木星から見て、ケンドラの位置に火星と土星が在住しており、木星は傷ついていると言えます。


      然し、木星は、ラグナ、ラグナロード、月、太陽にアスペクトして保護している為、それが助かる要素なのかもしれません。


      サルマン・ラシュディ氏は、ひどくやられましたが、報道によれば、命は助かったようです。


      プラティアンタルダシャーの水星が、プナルヴァス(木星)に在住し、機能的吉凶とコンジャンクトし、木星からアスペクトされていることが助かった要素に見えます。

コメントする

CAPTCHA