取り違えられた男性のチャート

60歳の男性が取り違えられて、違う親の元で暮らしていたことについて、病院側の賠償責任を求めるニュースが報じられている。

これを見た私の占星術コミュニティーの仲間が、この事件が面白いのでコラムに書いて欲しいとのことだった。

男性は取り違えられたことによって、実母とは違う女性の元に渡されたが、2歳の時に戸籍上の父親が死去し、育ての親は生活保護を受けながら男性を含む3人の子を育て、6畳アパートで家電製品一つない生活だったという。その後、男性は中学卒業と共に町工場で就職、自費で定時制の工業高校に通い、今はトラック運転手として、働いていた。

取り違えられたもう一方の新生児は、4人兄弟の長男として育ち、不動産会社を経営、実の弟3人は大学卒業後、上場企業に就職した・・・。

何か「王子と乞食」のような話である。

ここまで読んできて、まず、思い浮かぶことは、この取り違えられた男性の9室は傷ついているということである。

2歳の時に戸籍上の父親が死去してしまい、以後、経済的に貧しい生活を送るのである。

これは父親(9室)を失って(8室)、経済的に貧しい生活を送ったことを示しており、おそらく、9室と8室が星座交換したり、9室の支配星が8室に在住して、凶星から傷つけられるなど、9室の象意を損なっているのである。

『運命と時輪』の「占星術、運命と自由意思」の中に書いてあるが、幼少期に父親が変わり、養子縁組するようなチャートにありがちな9室と8室の典型的な絡みが見られるのではないかと思われるのである。

自分の意志によらず、強制的に父親を変えられる(つまり、家族が変わる)のであり、9室は幸福のハウスであることから、その9室を失う8室との絡みによって、必然的にその体験には若干の不幸が伴うのである。

この取り違えられた男性は、父親が変わった後、戸籍上の父親も早くに亡くなってしまい、そして、経済的に貧しい生活を強いられ、中学を卒業して、直ぐに働かなければならなかったのである。

父親からの幸福が損なわれると経済的に恵まれないというのは9室を損なうことによって幸福全般が損なわれるからである。

しかし、この男性の3人の弟たちが、戸籍上の兄が全く容姿が似ていないことから、DNA鑑定をし、実の兄でないことが分かり、本当の兄探しを始め、そして、ようやく60年近く経過した後で、その実の兄を探し当てたというのである。

そして、この男性は病院側の賠償責任を勝ち取ることができた。

これは裁判訴訟による賠償金であり、8室の象意である。

もし8室と9室が星座交換していたら、9室の象意は損なわれるが、8室の象意は、若干、強くなる。
従って、不労所得、保険金、賠償金などに恵まれることを意味している。

然し、それは幸福というものを代償にした利得であり、決して幸福な訳ではない。

このケースを見て、思うことは、この男性が実の弟たちと再会できたのは、およそ60年後である。
60年とはトランジットの土星と木星が、出生の位置に戻ってくるタイミングである。

従って、60年経つと振り出しに戻るのである。

間違えられて親を失ったという体験をもう一度、やり直す(あるいは修復する)チャンスがやってくる。

またこの男性は何らかのカルマによって、実の親から引き離される運命であったが、60年経って、そのカルマが終わったのだとも思える。

カルマが完了したので弟たちと再開できたのである。

そして、最後に賠償金をもらい、失った時間は取り戻せず、大きな代償を払ったが、最終的に真実を知ることになり、取り合えずは、今、全てが終わったような気持ちになっているのではないだろうか。

私はこの事例を読みながら、60年経つとカルマが時間的に完了するのだと思えた。

この男性は1953年3月生まれらしいが、3月1日から1日ずつずらしながら、チャートを12時で作成してみたところ、最初の10日までは、火星が魚座に在住し、木星が牡羊座に在住して、星座交換を形成していた。

それ以外の日付では星座交換を形成するタイミングはなかった。

それで例えば、3月1日にして、牡羊座と魚座を9室と8室にしてみると、獅子座ラグナとなるが、このケースは生まれた日付が分からないので、そんなに簡単ではない。

弟が3人いるということも手がかりになりそうだが、3室が強く3室に木星や火星がアスペクトするなどして絡んでいることも考えられる。

この男性はもし実の親に育てられていたら全く違う人生を歩めたはずだと思っているだろうと思うが、そうではなく、この取り違えられたことはこの男性の運命である。

この困難な人生を生きることはあらかじめ決められていたのである。

然し、そこからこの男性は何を学んだのか。

この男性は実の母親でない戸籍上の母親から特にかわいがられたと言っている。

この男性は母親の愛情によって貧しさの中にありながらも立派に育つことができた。

それがこの取り違えからこの男性が得たものである。

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新生児取り違え:60歳男性「生まれた日に時間を戻して」
毎日新聞 2013年11月27日 

 「違う人生があったとも思う。生まれた日に時間を戻してほしい」。東京都墨田区の病院で60年前、出生直後に別の新生児と取り違えられ、東京地裁で病院側の賠償責任を認める判決を勝ち取った都内の男性(60)が27日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、揺れる思いを吐露した。

 男性は1953年3月に出生。13分後に生まれた別の新生児と、産湯につかった後に取り違えられ、実母とは違う女性の元に渡された。育った家庭では、2歳の時に戸籍上の父親が死去。育ての母親は生活保護を受けながら、男性を含む3人の子を育てた。6畳アパートで家電製品一つない生活だったが「母親は特に(末っ子の)私をかわいがった」と振り返る。「この世に生を受けたのは実の親のおかげ。育ての親も精いっぱいかわいがってくれた」。既に他界した4人の親への感謝を口にした。

 男性は、中学卒業と同時に町工場に就職。自費で定時制の工業高校に通った。今はトラック運転手として働く。

 取り違えられたもう一方の新生児は、4人兄弟の「長男」として育ち、不動産会社を経営。実の弟3人は大学卒業後、上場企業に就職した。

 兄弟で「長男」だけ容姿が異なることから、3人の弟が2009年、検査会社にDNA型鑑定を依頼。血縁関係がないことが確認された。その直後から実兄捜しが始まり、病院の記録を基に11年、男性を捜し当てた。

 「そんなことあるわけがない」。男性は取り違えの可能性を告げられた時、最初は信じられなかった。だが、育ての母親が兄たちと足の指の形が違うことに触れ「誰に似たんだろうね」と笑ったのを思い出した。

 今は実の弟と月に1度飲みに行き、育った家庭の兄の介護をする日々だ。だが、実の両親との再会はかなわなかった。「何もお返しできなかった。生きて会いたかった。写真を見ると涙が出る」【川名壮志、山本将克】
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