渡辺淳一逝く

以前、私は2010年1月頃に渡辺淳一の『告白的恋愛論』を読んで感銘を受け、渡辺淳一を蟹座ラグナに設定した。

蟹座ラグナに設定したのは、あれだけのベストセラーとなるような作品を生み出す創作活動が出来るからには創造の5室に顕著な芸術的才能が現れていなければならないと思ったからである。

それも渡辺淳一は性愛の究極的な世界を描いたり、濃厚な性愛描写が売りであり、また自らもそうした体験談にあふれている。

蠍座では恋愛や性的関係を表す金星と火星の接合があり、そこに3室(文筆)支配の水星が在住している。
また水星は文筆の表示体である。

また9室支配の木星が3室(文筆)に在住して古典的知識を文筆に生かしている。この木星は乙女座に在住しているため、『遠き落日』、『静寂の声 ― 乃木希典夫人の生涯』といった初期の伝記や医療をテーマとした作品の中で生かされたと思われる。

蠍座はナチュラル・ゾーディアックで言えば8室であり、カーラプルシャで性器を表している。

また水の星座であり、火星が支配していることから最も性愛と絡んだ激しい情念の世界を描くことが出来る。

そうした蠍座で性愛を表す金星と火星の絡みを持つ惑星配置にはこの分野の経験や表現力においては誰も及ぶことが出来ない。

「失楽園」や「愛の流刑地」といった作品は既に古典的作品ということもできる。

また興味深いことにこれらの作品では必ず主人公たちが性交の最中に「死」に至るのである。

性愛を究極的に追求したところで主人公たちが無意識のうちに「死」を求めているのである。

蠍座はナチュラルゾーディアックでは8室であり、8室はヨーガやサマーディーのハウスである。

つまり、自我の解体、自然や宇宙との合一がサマーディーであるとすれば、性交におけるエクスタシーも自我の解体として、
サマーディーの類比として語られる。

そして、死というものも、また自我の解体である。

8室は寿命のハウスであるが、私たちの生命を支えているのは究極的にはこれらのエネルギーであるということである。

自我の維持が「寿命・生存」であり、自我の解体が「死」である。

ジョーティッシュでは8室に土星が在住すると長寿であると言われるが、8室を土星が傷つけているのに何故、短命ではなくて長寿であるのか誰もが疑問を抱いたことがあると思う。

8室は、今見てきたところによれば、

性器、性愛、性交、ヨーガ、サマーディー、寿命などを表している。

以前、何かの本で読んだのだが、サマーディーを目指して修行している人は性エネルギーを浪費してはいけないといったことが書いてあった。性エネルギーを浪費する性行為は7室で表され、7室とは8室(寿命)を損失するハウスである。

つまり、性エネルギーとはクンダリーニのことだが、土星が8室に在住していたら、それを浪費しないことを表しているから長寿なのかと思ったのである。土星は制限を与えるため、その浪費が制限されていることを意味している。

この場合の土星の制限は肯定的な意味で役割を果たしていると考えられる。

例えば、アーナンダー・メイエーマーといったサマーディーで有名な聖者のホロスコープを見ると、魚座ラグナで8室支配の金星が1室で高揚し、11、12室支配の土星が8室で高揚している。

つまり、以下のようなことが言えるのではないかと思うのである。

8室に在住する惑星や8室の支配星が強ければ、エネルギーが豊富で、長寿であり、サマーディーも経験しやすいということである。

また8室に吉星が在住したり、アスペクトしていたりすることもエネルギーが豊富で、長寿であり、サマーディーも経験しやすいことを意味している。

そして、逆に8室や8室の支配星が凶星(例えば火星)によって傷ついていたら、エネルギーが浪費され、サマーディーも経験しにくく、寿命が短いことを表している。

然し、例外的に土星が在住する場合のみ、土星は凶星として8室を傷つけるというよりも寿命の源であるエネルギーの保存や節約を意味するのではないかと思うのである。

何故、土星がこうした例外的な役割を果たすのかは分からないが、そのように考えないと辻褄が合わない。

 

8室に惑星が在住している人は、8室の支配星のダシャーの時期にヨーガを習っている人が非常に多いのである。

それも瞑想(メディテーション)ではなく、ほとんどがハタヨーガである。

 

渡辺淳一は4月30日午後11時42分頃、前立腺癌のため東京都内の自宅で亡くなったそうである。

私は渡辺淳一のラグナを蟹座アーシュレーシャの第一パーダに設定したが、そうすると現在、土星/ラーフ期である。

マハダシャーロードの土星は7、8室支配で7室(マラカ)に在住し、アンタルダシャーロードのラーフは8室に在住して、土星からみて2室(マラカ)に在住している。

またラーフのディスポジターである土星は7室(マラカ)に在住している。

ラグナをアーシュレーシャの第一パーダに設定すると、ナヴァムシャのラグナは射手座となり、土星は2、3室を支配して7室に在住している。

またラーフはドゥシュタナハウスの12室に在住し、ディスポジターの火星はマラカの土星からアスペクトを受けている。

つまり、土星/ラーフ期は、マラカと絡むアンタルダシャーの時期である。

※アーシュレーシャの第2~第4パーダでは土星はマラカに絡まず、ラーフもマラカに絡まない為、
ラグナのナクシャトラが蠍座のアーシュレーシャで正しいとすればアーシュレーシャの第一パーダではないかと思われる。
またプナルヴァス第四パーダやプシュヤ第一パーダの場合でも土星と絡むため、これらのラグナも検討しなければならない。 

8室はカーラプルシャでは性器を表しており、前立腺もおそらく8室で表されている。

そして、8室に在住するラーフは前立腺癌を表している。

この8室のラーフが飽くなき性的欲求をもたらしたと考えられるが、それは同時に前立腺癌をもたらしたと思われる。

因みに以前も書いたかもしれないが、渡辺淳一は蟹座の中でも典型的なアーシュレーシャの性質である。

以前、瀬戸内寂聴のラグナがアーシュレーシャではないかと書いたが、アーシュレーシャは恋愛において世間の常識を容易に踏み越えるようである。

 

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渡辺淳一氏が死去 「失楽園」「愛の流刑地」
2014/5/5 17:56 日本経済新聞

 中高年の性愛を大胆に描いた「失楽園」などで知られる作家の渡辺淳一(わたなべ・じゅんいち)さんが4月30日午後11時42分、前立腺がんのため東京都内の自宅で死去した。80歳だった。告別式は近親者のみで行った。喪主は妻、敏子さん。

 札幌医大で整形外科医として勤めるかたわら小説を執筆。札幌医大で行われた日本初の心臓移植手術(和田心臓移植事件)を題材にした小説を発表したのを機に大学を去った。1970年に「光と影」で直木賞、80年に「遠き落日」「長崎ロシア遊女館」で吉川英治文学賞を受賞した。

 初期は医療などをテーマにした社会派作品が多かったが、後年は成熟した大人の恋愛を描いた作品が話題を集めた。日本経済新聞で連載した「化身」や「失楽園」「愛の流刑地」はいずれもベストセラーになった。

 恋愛論や医療などをテーマとしたエッセーでも活躍。2007年に刊行した「鈍感力」は100万部を超える大ヒットとなった。直木賞や柴田錬三郎賞をはじめ、多くの文学賞の選考委員も務めた。

 03年には紫綬褒章、菊池寛賞を受けた。

 13年1月、日本経済新聞に「私の履歴書」を連載した。
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