占星コラム


2008/11/9 バラク・オバマ大統領就任について

11月5日午後、バラクオバマ大統領当選のニュースが報じられ、私もネットを通じて直ぐにそのことを知った。
マケイン氏に圧倒的な差をつけての快勝である。

オバマ氏当選、米史上初のアフリカ系大統領誕生へ
2008年11月5日14時19分 asahi.com

【ワシントン=小村田義之】08年米大統領選は4日、全米各州で投票、即日開票され、米国の「変化」を掲げた民主党のバラク・オバマ上院議員(47)が、共和党政権の「継続」を図ったジョン・マケイン上院議員(72)を破り、当選を決めた。米史上初のアフリカ系(黒人)の大統領が誕生する。副大統領には、民主党のジョセフ・バイデン上院議員(65)が就く。  オバマ氏は4日深夜、地元シカゴで10万人近くの観衆を前に勝利演説し、「米国民は今夜、我々は一つの合衆国なのだというメッセージを世界に発した。変化が米国に訪れた。この勝利はあなた方のものだ」と宣言した。  マケイン氏はオバマ氏に電話し、敗北を認めた。その後、地元アリゾナ州フェニックスで支持者を前に敗北宣言し、「これは歴史的な選挙だ。オバマ氏は偉業を達成した。私は彼が国を率いるのを助けると誓う」と語った。  オバマ氏は09年1月20日、ワシントンで就任式に臨み、ブッシュ現大統領につぐ第44代大統領になる。任期は13年1月までの4年間。民主党はクリントン前大統領以来、8年ぶりに政権を奪還する。

4日午後11時(日本時間5日午後1時)すぎ、CNNがオバマ氏の当選を報じた。集計によると、オバマ氏は、激戦州のバージニアやフロリダ、オハイオ各州をはじめ、マケイン氏が最終盤に力を入れていた東部ペンシルベニア州も獲得。オバマ氏の地元イリノイのほか、西部の大規模州カリフォルニアなどで勝利を収め、獲得した選挙人数は、当選に必要な過半数270を大きく上回る338に達した。一方で、マケイン氏も南部サウスカロライナ州などを得たが、選挙人数は156にとどまっている。  米メディアの出口調査によると、有権者にとって最も重要な争点は「経済」が62%で圧倒的だった。このうち約6割がオバマ氏を支持した。続いて、イラク政策が10%、テロとの戦いが9%、医療保険改革が9%、エネルギー政策が7%の順。経済の状況が「良くない」との回答は計93%。「良い」との回答は計6%にとどまり、政権党である共和党に逆風となった。年収1千万円以上の人々の間でも、52%がオバマ氏を支持した。  最も重要な争点を「テロとの戦い」と回答した有権者のうち、86%はマケイン氏に投票した。今回初めて投票した人のうち72%はオバマ氏を支持しており、マケイン氏支持は27%にとどまった。

人種別にみると、白人男性の55%、白人女性の51%がマケイン氏に投票した。一方で、黒人の男女の96%はオバマ氏に票を投じた。ヒスパニックも、男性の65%、女性の70%がオバマ氏に投票。CNNによると、有権者の2割が「人種問題は投票の際、重要だった」と答えたが、そのうち55%はオバマ氏、44%がマケイン氏に票を投じた。人種問題が重要でないと回答した8割の中でも、オバマ氏が53%対44%で上回った。  オバマ氏は集会の動員などにインターネットを駆使し、若者の政治への関心を高めた。草の根の100ドル(約1万円)以下の個人献金を広く集め、オバマ陣営への献金は過去最高の約6億ドル超に達した。本選挙ではこうした資金力を生かしてテレビ広告を大々的に展開し、約8400万ドルの公的助成金を中心に戦うマケイン氏を突き放した。  共和党内では「一匹おおかみ」的な存在のマケイン氏は、同党初の女性副大統領候補としてペイリン・アラスカ州知事(44)を起用し、党内保守派の支持を固めた。だが、ペイリン氏の知識不足や風変わりな発言がテレビなどを通じて浸透し、無党派層の支持離れを招いた。

昨年の2007年5月の段階は、まだヒラリーに支持率で差をつけられていたバラクオバマが、徐々にヒラリーに追いついて来て、ほぼ並んできた時期であった。その頃、彼らのチャートから次の大統領が予測できるか調べてみたのである。

その時の分析は、

2007/5/6   『米大統領選の行方
2007/5/17 『米大統領選の行方2
2007/5/21 『米大統領選の行方3

に記述した通りである。

最初に分かったことは、ヒラリークリントンが大統領になれないということである。
その理由は、2007/5/6付の『米大統領選の行方』の中に記述している。
彼女は大統領選挙投票日の真っ只中において自分の思い通りに行かず、歯ぎしりしている様子が12室に在住するアンタルダシャーのラーフによって推測できたのである。そんな状態にいる時に大統領に当選し大衆に注目されて輝いているはずがないのである。

だから、当時、私が書いた通り、最近、ヒラリークリントンは家にこもって、テレビ中継で、オバマ選出の模様を苦々しい想いで見ていたのではないだろうか?ヒラリーは激戦を演じたオバマに対して、集会に出かけて行って応援するまでの気持ちの切り換えが出来ないのである。彼女はいまだに自分が大統領になれなかったことを内心、地団駄踏んで悔しがっていると思われる。12室のラーフとはそのような時期である。彼女の内心の葛藤は2008年12月19日の太陽/ラーフ期が終わる頃まで続いていくものと思われる。

それで消去法によって、まずヒラリークリントンの大統領就任が消えたわけであるが、次に共和党候補のチャートを作成してみたのである。当時、名乗りを上げていたジョン・エドワーズ、ルディ・ジュリアーニ、ダンカン・ハンター、ジョン・マケインの4人のチャートを作成したが、いずれも大統領選挙の投票時期に著しく地位の向上を示すようなヨーガは見られなかったのである。従って、私はこの時、バラク・オバマが大統領になると予想したのである。

それで最近、オバマの出生時間が間違っていたというハプニングがあったが、元々消去法でオバマ当選を予想していたため、バラクオバマ氏の大統領就任に変更はなかったのである。然し、バラクオバマが大統領になるという根拠であった10室の太陽が消えたため、内心ひやひやしたものである。このようにジョーティッシュ、いやジョーティッシュに限らず、占星術というものは、理屈づけすることは簡単であるがゆえに正確な出生時間で正確な出生図を作成していないと後から大恥じをかくこととなる。然し、この場合、消去法でやっていたのが幸いし、バラクオバマの当選に変更はなかったのである。

実際、新しい出生時間で再度、確認してみても、バラクオバマは大統領に就任した現在、高揚する月による強力なラージャヨーガを形成しており、マケインと比較してみて圧倒的に強かったのである。

従って、バラク・オバマの当選の予測は途中ハプニングがあったものの無事、的中したと言えるのではないだろうか。

特に技術的に高度な技法や膨大にあるヨーガの知識など駆使したわけではなく、K.N.ラオ氏が『ラオ先生のやさしいインド占星術』や『占星術、運命、時輪』などで示してくれている基本レベルやその少し上の中級レベルぐらいの知識しか使っていないはずである。

それでこのように一流の政治経済学者でも分からないような予言が出来てしまうのである。

これはジョーティッシュの知識そのものの力によるものである。

私が”ヒラリー・クリントンは大統領になれない”と言い切ることが出来たのは、日頃の有名人チャート検証や自分自身の日々のダシャーの検証、対面鑑定、メール鑑定などでの検証作業によるヴィムショッタリダシャーの信頼性についての確信から来ているのである。

今までヴィムショッタリダシャーには裏切られたことがないのである。
裏切られたとしても、それは出生時間があいまいで不確かだったり、解釈の仕方や優先順位が間違っていたからであることが考えられる場合である。

そうしたほんの極少数の例外を除けば、ヴィムショッタリダシャーが機能しない事例もあるとは聞いてはいるが、私が記憶している限りでは殆どそうした事例には出会ったことがないのである。それくらいダシャーシステムというのは信頼性が高いのである。インドで次々と予言を的中させる偉大な占星術師たちが輩出されるのはこのツールのおかげであり、この古代から伝わる秘教科学のおかげであると言える。

そうした太古の知識を万人に再現性のある科学として認めさせたK.N.ラオ氏はまさに占星術のルネッサンスを創始した開拓者であると言える。

因みにバラクオバマが当選したことで次に関心が高まるのが、当選後の政策運営である。
彼のチャートを見ると、来年1月20日の首都ワシントンでの大統領就任式ではまだ現在の木星/月期であるが入るのである。

現在の月期は月は大衆からの人気を表し、また5−7のラージャヨーガを形成しているため、彼を支持する大衆と相思相愛の恋愛状態の中にいるということではないかと思われる。

然し、2009年3月24日から木星/火星期に入ると、火星はラグナからみて4、11室を支配し、8室に在住し、マハダシャーの木星から見ても4、11室支配で8室に在住している。

従って、現在の人気の状態が維持されるとはとても言えないのである。
彼はブッシュ政権で培われた解決困難な山積みの問題を抱え、早々に苦境に陥っていくのである。

まず、4室は幸せを表すため、彼は大統領に就任した今は4室の表示体である月がラージャヨーガで高揚する幸せの絶頂にいて心弾む想いであるが、この木星/火星期に入ると、幸せが変化し、中断し、心苦しい状態に陥ることが予想されるのである。

また11室は評価を表すため、彼に対する各方面からの高い評価や彼に付与されている期待と名声も、この頃から変化し始め、彼の政策や能力などに対して疑問符が付与され、支持率も低下していくのがこの頃である。
またバラクオバマ氏自身の何かを変化できるという期待と願望も、現実の前に挫折して、彼の意図する改革や変化も実現が難しい情勢が分かってくるのである。

これは、おそらくアメリカ経済の回復が非常に難しいことを示しているのではないかと思われるのである。
それでその現実に気づき始め、オバマを単純に支持していた大衆もこの来年3月24日以降には支持できなくなるのである。

アメリカのチャートを見ても、2009年1月13日以降、8月14日まで月/ケートゥ期であり、月から見るとケートゥは12室であり、ラグナから見ると6室に在住している。これはアメリカが国際政治の舞台で全く蚊帳の外に置かれてしまうことを表しており、かつ、経済的な回復の見込みが全く立たないことを示している。6室は負債のハウスであり、また批判を受けるハウスである。今回の世界的な経済危機を招いたアメリカは全く国際政治の舞台で、発言力を失い、窓際に追いやられるのである。

緊急金融サミット、11月15日に開催 米政府発表

【ワシントン=米山雄介】米ホワイトハウスは22日、金融危機対応を協議する国際的な緊急首脳会合を11月15日にワシントンで開催すると発表した。主要国首脳会議(サミット)に参加する日米欧のほか、中国やインドなど新興国も含めた合計20カ国(G20)が出席。主要国と新興国の首脳が集まり、グローバル規模での異例の政策協調を目指す。  参加国はG20財務相・中央銀行総裁会議を構成する主要・新興国。国際通貨基金(IMF)の専務理事、世界銀行総裁も出席する。日本の麻生太郎首相は先に参加の意向を表明している。  ペリーノ米大統領報道官は記者会見で「金融危機の原因、各国の対応と進ちょく状況などを議論する」と説明。金融規制改革についても協議するという。(NIKKEI NET 00:06)

11月15日に緊急金融サミット(G20)が開かれるそうであるが、この会議も米国主催でワシントンで開かれることになっているが、話し合うことは米国が招いた経済危機の後始末をどうつけるかということであり、アメリカ政府が本来であれば主導権を握る資格がないような議題について話し合うのである。

この世界情勢について参考となるのが、11月3日、朝日新聞朝刊に掲載された米コロンビア大教授・ジョセフスティグリッツ氏の見解である。以下に引用する。

恐慌防ぐ手を正しく打て

・・・・(略)・・・・・

企業だけでなく働く人を助けよ

 今回の危機に対し、ブッシュ政権は、巨額の金を金融界につぎ込めば他の人々もいくらかは助かるだろうという「トリクルダウン」(金持ちや企業が富めば、そこからしたたり落ちた富で全体が潤うという考え方)の手法をとっている。企業を助けるだけで、働く人々を助けようとはしていない。何もしないよりはましかもしれないが、まずいやり方だ。
 ウォール街の特殊利益を優先する「企業温情主義」の発想が正しい政策を阻んでいる。ポールソン財務長官やバーナンキFRB議長は、もはや市場の信頼も米国民の信頼も失っている。
 米国政府がまずなすべきは、ローン返済に行き詰まった人が担保の住宅を失うのを防いだり、失業者を支援したりすることだ。景気を刺激して、経済を回復に導かなければならない。予定されている減税は早く実施すべきだし、インフラ整備も必要だ。高速道路の建設も有効だが長期的な視野に立って地球温暖化対策に力を入れ、「グリーンなアメリカ」をつくるべきだ。
 民主党はそういう政策を掲げている。しかし、(11月の大統領選で民主党のオバマ候補が当選しても)新しい大統領が政策を打ち出す来年1月の就任式まで、まだ3ヶ月もある。この期間中、共和党内の支持すらも失ったブッシュ氏が大統領の座にあることが、対策を遅らせる要因になっている。
 この危機をきっかけに新自由主義は終わりを迎えなければならないと思う。規制緩和と自由化が経済的効率をもたらすという見解は行き詰まった。
 ベルリンの壁の崩壊で、共産主義が欠陥の思想であると誰もが理解したように、新自由主義と市場原理主義は欠陥のある思想であることを、ほとんどの人々が理解した。
私の研究はすでにそれを説明してきたが、今回は経験によって示されたことになる。

・・・・(略)・・・・・

特定通貨に依存しない仕組みを

基軸通貨としてのドルと、米国の役割も、やがて終わっていくことは明らかだ。
ただ、私がすでに著書「世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す」(原題はMaking Globalization Work)に書いたように、各国が保有する準備通貨がドルから二つや三つに分散すれば、より不安定なシステムになってしまう。
もし、ドルとユーロの二つになれば、米国に問題が起きたときは、みんながユーロ買いに殺到する。逆に欧州に問題が起きれば、ドルに殺到するだろう。それでは不安定きわまりない。
  結局のところ、特定の通貨に依存しない多角的でグローバルな準備通貨システム、すなわち「グローバル紙幣」が必要とされているのだ。それは各国通貨のバスケット方式であり、IMFのSDR(特別引き出し権)を恒久化したようなものだ。ケインズが44年のブレトンウッズ会議でドルやポンドの代りに主張した国際通貨「バンコール」の現代版でもある。
 同時に、IMFに代わる国際機関を創立することも必要だろう。新たなブレトンウッズ会議を開催すべき時なのだ。その意味では、今月半ばにワシントンで開かれる「G20サミット」は、今後のグローバルな金融制度について議論を始める場として意義がある。
しかし、そのG20を、もはや誰もが尊敬しなくなっている大統領が主導するのは問題だ。危機を克服するには素早く行動しなければならないのに、それができないという困った状況に我々は直面している。
  日本はバブル崩壊後の不況を克服するのに長い時間を費やした。今回の危機を長期化させてはならない。

・・・・(略)・・・・・

(11月3日付 朝日新聞朝刊 3面記事より引用抜粋)

このジョセフ・スティグリッツ氏は、田中宇の国際ニュース解説によると、IMF、世界銀行体制の大改革を提唱している、この分野の最前線で指揮をとる人物のようである。彼の構想は国連の構想であり、それはアメリカが発展途上国を支配し搾取してきた現在のIMF、世界銀行体制を終わらせ、世界各国が等しく資源を分かち合うことが出来るような方向性に導くものであると思われる。

▼国連でも途上国の反乱

 サルコジやG20の動きと並んで、国連でも注目すべき展開が起きている。国連総会は10月30日、国際金融危機に関する討論会を開いた。そこでは、米国人経済学者のジョセフ・スティグリッツが、現行の国連組織は先進国優先になっており、発展途上国に不利になっているので大改革が必要だと述べた。そして彼は、IMFや世界銀行に代わりうる国連の新たな経済組織として、中国・日本・インド・産油国といった外貨備蓄の多い国々が主導する形の国際基金を作ることを提案した。この会議では、米英による世界支配の道具だったIMF・世銀(ブレトンウッズ機関)を大改革する(潰す?)方向性として「ブレトンウッズ体制の作り直し」が提唱された。

 スティグリッツの意見は、単に学者として発せられたものではない。彼は、国連が今後作る予定の、国際金融制度と国連経済組織(IMFと世銀など)の改革のための専門家組織のトップに就任する予定となっている。彼の構想は、国連としての構想なのである。

 中国・日本・産油国、といった組み合わせは、私にとってピントくるものがある。IMFやアジア開銀といった国連組織が05年春に作った、国際通貨の多極化のための「サーベイランス委員会」が、中国・日本・サウジアラビアとEU、米国という5極体制になっていたからだ。国連は今後、スティグリッツ主導の専門家組織によって、この国際通貨5極体制の実現を目指す可能性が強い。

(田中宇の国際ニュース解説 「ブレトンウッズ2」の新世界秩序(2) より引用抜粋)

そのスティグリッツ氏が、新自由主義経済や戦争経済を推進し、もはや世界の誰からも尊敬されなくなったブッシュ大統領やブッシュ政権の閣僚がG20の音頭を取ることによって改革が全く進まないと不満を漏らしている。

従って、改革の障害となっているジョージ・ブッシュからバラクオバマに大統領が交代することによって、この国連を中心とした世界経済の改革運動が、一気に加速するはずである。 その時期がアメリカの月/ケートゥ期である。

ケートゥは月から12室目に在住しており、この時期、アメリカは全く世界経済の改革運動の蚊帳の外に置かれて、沈黙しているほかにないのが、おそらくこの月/ケートゥ期なのである。

その時、国際政治上で全く指導力を発揮できず、また国内経済の回復もままならないバラクオバマ氏に批判の目が向けられることは間違いないのである。

また彼が大統領になるために献金してきたのは、新自由主義経済を推進してきたニューヨーク金融財界のゴールドマンサックスやシカゴの金融業界であり、そうした所からは自由主義経済に規制をかけないように圧力が掛かる事が予想され、それで彼は国際政治の動きと、矛盾するそうした現行経済の支配者によって政策を束縛され、その板ばさみになることが考えられるのである。

今までの検証では、マハダシャーからみてアンタルダシャーが8室に在住する場合は、自分を指示し、拘束してくる人物によって悩まされることが多かったのを覚えている。従って、バラクオバマ氏も自由が拘束され、彼の思い通りの政策ができないかもしれない。それで彼の政策はどっちつかずの曖昧なものになりがちになるのではないかと思われるのである。

それは彼が当初、イラクからの即時撤退を主張していたにも関わらず、イラクからの撤退の期限を遅らせると共に、テロとの主戦場はアフガニスタンだと述べて、アフガニスタンへの兵力の増強を発表していることからも確認できる。
彼はやはり操り人形なのである。それが8室に火星とラーフが在住する意味である。さらに8室には冥王星と、天王星も在住している。冥王星は通常、決して抗うことの出来ない強制的な意志を表しており、彼に一切、自由な政策をさせないような支配者を暗示しているのである。

そして、バラクオバマの2室を見ると、2室はケートゥが在住して、ラーフ/ケートゥ軸で傷ついており、火星がアスペクトして傷つけている。さらに2室支配の土星には8室支配の太陽と6室支配の水星がアスペクトして傷つけている。

従って、彼が盛んに”Change”という掛け声で、訴えてきた変化も結局実現できるかあやしいのである。
バラクオバマ氏は彼に献金をした支配者たちに逆らえずに結果的に嘘をつくことになるのではないかと思われる。

そうすると、何故、彼のスピーチがあれ程に素晴らしいのかと疑問が沸くが、それは、2室支配の土星がラグナに在住し、3室支配の木星と接合して、9室支配の水星と相互アスペクトしているからではないかと考えることが出来る。

ナヴァムシャでは水星は2室で高揚しており、5室支配で自室に在住する木星からアスペクトされている。
このナヴァムシャの配置を見ると素晴らしいスピーチをする理由をかろうじて理屈づけられるのである。

然し、木星/火星期になると、火星は8室から2室にアスペクトしているため、真実を語る事が難しくなることが考えられるのである。


【2009/3/22 追記】

オバマ大統領の支持率が急速に低下しているようである。

3月21日付のニュースが報じている。

<オバマ政権>AIGで逆風、支持率下降止まらず
3月21日19時28分配信 毎日新聞

 【ワシントン及川正也】オバマ米政権発足から20日で2カ月が経過したが、最重要課題と位置付ける経済政策をめぐり逆風にさらされている。公的支援を受ける保険大手AIGの巨額ボーナス問題への批判が噴出、大統領も「責任」を認める事態に。支持率もじりじりと下降を続け、厳しい政権運営を強いられている。

 「いくらでも怒ることはできる。しかし、やるべきことは金融システムの大混乱を克服することだ」

 オバマ大統領は19日、遊説先のロサンゼルスでの対話集会で聴衆にこう訴えた。国民の怒りが爆発したAIG巨額ボーナス問題から世論の関心をそらし、経済政策論議へと誘導する狙いがあった。

 オバマ政権の支持率は下降傾向に歯止めがかからない状態だ。ラスムセン社調査では1月の政権発足直後の65%から19日現在56%まで下落、不支持率は13ポイント増の43%に達した。AIG問題は支持率をさらに押し下げる可能性がある。

 オバマ政権の経済政策への懸念も広がる。同社が19日発表した調査では、50%が政府の対策を「やり過ぎ」と回答、「不十分」の40%を上回った。巨額の財政支出や企業救済への反発などが背景にあるとみられる。

 さらにAIGボーナス問題では事前に支給を阻止できなかったガイトナー財務長官に対する責任論が噴出。「オバマ大統領の政治的資産を激減させた」(ワシントン・ポスト紙)と厳しい報道が相次ぐ事態となった。

 19日に下院で可決されたボーナス課税法案に共和党のベイナー院内総務は「政権の責任から目をそらせるための茶番」と酷評。法案に賛成した多くの共和党議員も金融機関への新たな支援には反対姿勢を強めている。

オバマ大統領は3月24日から木星/火星期に入るのであるが、以前、この木星/火星期のオバマ大統領については、以下のように予測している。おさらいの意味で、再度、その箇所を抜き出すこととする。

然し、2009年3月24日から木星/火星期に入ると、火星はラグナからみて4、11室を支配し、8室に在住し、マハダシャーの木星から見ても4、11室支配で8室に在住している。

従って、現在の人気の状態が維持されるとはとても言えないのである。
彼はブッシュ政権で培われた解決困難な山積みの問題を抱え、早々に苦境に陥っていくのである。

まず、4室は幸せを表すため、彼は大統領に就任した今は4室の表示体である月がラージャヨーガで高揚する幸せの絶頂にいて心弾む想いであるが、この木星/火星期に入ると、幸せが変化し、中断し、心苦しい状態に陥ることが予想されるのである。

また11室は評価を表すため、彼に対する各方面からの高い評価や彼に付与されている期待と名声も、この頃から変化し始め、彼の政策や能力などに対して疑問符が付与され、支持率も低下していくのがこの頃である。
またバラクオバマ氏自身の何かを変化できるという期待と願望も、現実の前に挫折して、彼の意図する改革や変化も実現が難しい情勢が分かってくるのである。


これは、おそらくアメリカ経済の回復が非常に難しいことを示しているのではないかと思われるのである。
それでその現実に気づき始め、オバマを単純に支持していた大衆もこの来年3月24日以降には支持できなくなるのである。

あさってから3月24日だが、記事によれば、既にオバマ支持率急落の兆候が出始めており、まもなく、誰の目にも明らかなほど、激しい支持率の急落として大々的に報じられることが予想されるのである。

ニュースの記事でそのことがうっすらと今の段階で感じられるのである。

その支持率急落の原因が公的資金を投入したAIGの巨額ボーナスを阻止できなかったことに対する米国民の批判である。

木星から8室に在住する火星は支配者を表しており、オバマ大統領に大口献金して当選を支援したアメリカ経済を実質的に支配する金融財界人たちを表している。

この金融財界の支配者たちにオバマ大統領は丸め込まれて、米国民の税金を銀行、証券会社などへ投入し、歯止めのない公的支援を行い、抜本的な金融の改革が出来ないというこの状況について、国民が怒りだし、それが支持率の低下へとつながっていると思われる。

このように当初、予想していた状況がオバマ政権に起こりつつあるといえる。

まさにダシャーの切り替わるピンポイントのタイミングで予測していた出来事が生じるのである。

おそらく3月24日以降になると、このオバマ大統領の支持率急降下がもっと目に見える形で現れてくると思われるため、この後の状況についてもこの下に追記して、さらに今後の推移を見守っていくこととする。(続く)


 


(資料)

11月3日付 朝日新聞朝刊 3面記事

田中宇の国際ニュース解説 「ブレトンウッズ2」の新世界秩序(2)