占星コラム


2007/5/21 米大統領選の行方3

バラク・オバマ氏やヒラリー・クリントンのチャート分析だけで、大統領選の予想は十分な感じもするが、念のため、多少名前に見覚えのある候補者のチャートを作成して、大統領になれそうな人物がいるのかどうか検証してみたい。

ジョン・エドワード(John Edwards/元ノースカロライナ州選出、上院議員)民主党候補

まず、ジョン・エドワード候補だが、アストロデータバンクによれば彼の出生時間は7:02である。
チャートを作成すると双子座ラグナで、1、4室支配の水星が自室に在住して、バドラヨーガを形成している。
現在、土星/水星期であり、水星はバドラヨーガを形成する強い配置で、土星からみても水星は10室に在住してバドラヨーガを形成している。10室は大舞台を表している。月から見ると土星は9、10室支配のラージャヨーガカラカであり、水星は2、5室支配で2室で自室に在住している。そして、ラージャヨーガカラカの土星が水星にアスペクトして、2、5、9、10室の絡みが生じている。大統領選に立候補すること自体が大舞台で活躍することであり、一つの成功を表しているため、現在水星期で、指名に向けて非常にアピールしているというのは理解できる配置である。
然し、大統領選挙がある2008年11月は土星/ケートゥ期である。ケートゥは隠遁生活である。ケートゥ期に大統領就任式を迎えるというのは理解できない。また、占星術によらなくても彼の現在の支持率はバラク・オバマ氏やヒラリー・クリントンに全く及ばないのであり、普通に予想しても彼が大統領になれそうもない。
因みに私はこの候補者のことはよく分からない。 それくらい知名度が小さい候補者である。以下の3名の候補者も皆、ほとんど日本人の我々にとっては知らない人物ではないかと思われる。

ルディ・ジュリアーニ(Rudy Giuliani/元ニューヨーク市長)共和党候補

しかし、ジュリアーニ元ニューヨーク市長については多少記憶に残っている人もいると思われるが、9.11事件の際にニューヨークの市長だった人物である。出生時間が分からないため、12:00でチャートを作成するが意外にチャートが強いことが分かる。水星と木星がナヴァムシャで、それぞれ高揚、自室に在住し、月からケンドラに在住しているところはバラク・オバマ氏と同じである。問題は彼がどんなダシャーにいるかどうかである。
おそらく、共和党候補者の中ではかなり有力であり、チャートの強さでもそれは分かるのである。
自室の月と高揚する木星が蟹座で同室し、火星が減衰して、高揚する木星と接合することでニーチャバンガを形成している。現在の彼のダシャーは何であるか全く分からない。彼の月は蟹座の最後の度数にあるが、もし、彼の月が獅子座に在住していたら、月から10室の太陽がヴァルゴッタマである。強い敵対星座に在住しているが、ヴァルゴッタマで強さが増している太陽である。もし、彼がラーフ/太陽期などだったら、要注意である。
彼が共和党の対立候補として浮上してくる可能性も高いと思われる。然し、2008年11月は土星と木星のダブルトランジットが獅子座に形成されているが、彼の月がもし蟹座だったら、2室、獅子座だったら1室である。
1室や2室にダブルトランジットが形成されてもそれらは自分や家族のハウスであり、社会的に有名になり高い地位に上る人物に強調されるハウスではない。彼の場合もバラク・オバマ氏やヒラリー・クリントンに匹敵できそうになく、普通に考えても彼が大統領になれそうには思えないのである。

ダンカン・ハンター(Duncan Hunter/カリフォルニア州選出、下院議員)共和党候補

次にダンカン・ハンター候補だが、私は彼のことは全く知らない。
出生時間が分からないため、12:00でチャートを作成してあるが、彼のチャートで強い配置は木星と水星である。
然し、バラク・オバマ氏のような土星と水星が極限まで強いチャートには匹敵できそうにない。
また2008年11月のダシャーが何であるが分からないが、例えば金星/木星期だとしても、大統領に立候補できたというだけでも十分成功であり、実力を示したということであるから、強いアンタル木星期であったとしても大統領になりそうなチャートとはいえない。

ジョン・マケイン(John McCain/上院議員)共和党候補

アストロデータバンクのデータによれば出生時間は9:00とのことである。
彼は土星と太陽が自室でアスペクトし合っているが、ラグナから6−12室の軸、月から2−8室の軸で相互アスペクトしている。強い土星と強い太陽は、民衆のリーダーでもあり、生まれついてのリーダーであることを示している。
然し、土星や太陽はナヴァムシャでそれ程、強い訳ではなく、また高揚する水星もナヴァムシャでは減衰している。
彼は現在、土星/木星期であり、土星はムーラトリコーナで強く、ラグナから6室に在住して、競争には強い配置であるが、バラク・オバマ氏のような最高の強さと吉星度を備えた土星と水星には及ばないのである。実際、ナヴァムシャで水星と木星が減衰しており、惑星の底力に欠けるのではないかと思われる。 彼は共和党の指名を受けることも難しいと思われる。

このように見てくると、総合的なチャートの強さでも、2008年11月時のダシャーの条件ともに備えているバラク・オバマ氏に匹敵する人物はいそうにないのである。 然し、意外にもジュリアーニ元市長のチャートが強いので彼は健闘するかもしれない。

他にも立候補者はいるようだが全く名前を知らない無名の人物であり、もし大統領になるほどの人物であれば、今から出てこなければおかしいのである。

従って、やはり、バラク・オバマ氏が大統領になるのではないかと思われる。
これはオバマ氏のチャート解析と消去法の両面から出した結論である。