2011/7/7　市川海老蔵のラグナを再検討する

2010年12月12日付の『市川海老蔵暴行事件について』を掲載した後で、海老蔵のラグナは獅子座ではなくて、牡羊座ではないかという問い合わせを受けていた。



確かにラグナを検討する過程で、牡羊座ラグナというのは最後まで残った可能性の一つだったが、牡羊座か獅子座か検討する中で、獅子座ラグナが正しそうに思えたため、牡羊座の可能性は捨ててしまった。

獅子座ラグナで正しいのではないかと考えた根拠は海老臓は５室と１１室で星座交換しており、５室支配の木星が１１室に在住する絡みこそが、マハダシャー木星期の躍進をもたらしたからではないかという仮説によるものである。

然し、以下の記事で確認できるように妻の小林麻央が２０１１年７月に第一子が誕生予定ということになると、

子供の誕生時の木星や土星のダブルトランジットの条件が獅子座ラグナでは合わず、むしろ、牡羊座ラグナにすると合うのである。

誕生予定の７月から９か月遡ると、少なくとも２０１０年１０月辺りには妊娠していなければならない。

従って、２０１０年１０月以降に５室、５室の支配星、９室、９室の支配星に木星と土星のダブルトランジットが生じていなければならない。

２０１０年１０月頃は木星は魚座をトランジットし、土星は乙女座をトランジットし、ダブルトランジットが魚座、乙女座、そして、蠍座にも生じている。



もし牡羊座ラグナだと、 蠍座に在住する５室支配の太陽にダブルトランジットが成立するのであるが、獅子座ラグナだとダブルトランジットは成立しない。

またその後、木星が牡羊座に入室した後、土星が逆行するなどして、獅子座と天秤座にダブルトランジットが生じたが、

この段階でも、牡羊座ラグナであれば、５室にダブルトラジットが生じたが、獅子座ラグナであれば、子供誕生の条件となる５室、９室、５室の支配星、９室の支配星にダブルトランジットが生じない。

従って、子供誕生時のトランジットの条件を検討すると、牡羊座ラグナが正しいということになる。

ダシャーを見ると、牡羊座ラグナだと、出産予定の２０１１年７月は木星/水星期である。
ＭＤＬの木星は９室の支配星で、９室にアスペクトバックし、アンタルダシャーロードの水星は９室の支配星と星座交換している。

獅子座ラグナだと、２０１１年７月の出産時は木星/金星期であり、アンタルダシャーの金星は５室にも９室にも絡んでいない。


チャラダシャーを見ると、獅子座/獅子座であり、獅子座はラグナからみた５室（子供）で、獅子座からみた５室にＡＫの月と、ＰＫ（プトラカラカ）の木星がアスペクトしている。チャラダシャーでも牡羊座ラグナの場合には出産の条件を満たしている。

然し、もし獅子座ラグナにすると、出産予定の２０１１年７月は山羊座/水瓶座か山羊座/山羊座である。

山羊座は５室からみた６室目であり、また山羊座からみた５室には何のヨーガも形成しておらず、ＰＫは６室に在住している。
従って、獅子座ラグナの人が、山羊座のメジャーダシャーの時期に子供を授かるというのはチャラダシャー的には該当していないようである。

例えば、 妊娠時の２０１０年１０月で考えた場合でもダシャーは山羊座/魚座である。
サブダシャーの魚座は獅子座からみた８室で、魚座にはＰＫの木星がアスペクトしているが、魚座からみた５室にはアスペクトしていない。子供誕生を強く表示しているとは考えにくい配置である。


このようなことから、仮に牡羊座ラグナの可能性が分かっていなかったとしても、２０１１年７月の出産予定を知り、子供誕生のトランジットを調べた時点で、獅子座ラグナの線は消えてしまうのである。

2010年11月25日に海老蔵の暴行事件があったが、2010年10月の直後であり、ちょうど妊娠した頃である。

牡羊座ラグナであれば、６室と１２室にダブルトランジットが生じており、暴力と損失、出費の時期である。

Fridayの記事によれば、海老蔵が、酒場で相手の反発を招くようなことを先に行ったことが分かる。

６室をトランジットする土星はウパチャヤの凶星であり、海老蔵の方が相手に対して支配的な立場から高圧的に振る舞ったことが原因のようである。

海老蔵が酒場で傍若無人に振る舞っている様子がよく分かる。

そして、海老蔵の方が立場は強いが、然し、反発も招いて、怪我（６室）に結びついたというのが真相のようである。

４室支配の月が６室に在住してラーフと接合し、その月が土星のトランジットを受けているという状況で、周囲に酒を強要するなど心理的にもかなり攻撃的で羽目を外し、他の友人達が呆れて帰ってしまうほど、海老蔵は普通ではなかったようである。

これは月とラーフと６室のコンビネーションでよく説明されていると思われる。

牡羊座ラグナで考えると、この暴行事件は、 海老蔵の周囲に対する傍若無人な振る舞い（６室）⇒それに反発した暴走族との相互暴力に発展（６室）⇒大怪我を負い入院（１２室）して、多額の出費（１２室）⇒事件後の謹慎生活（１２室）という流れで、全て、６室と１２室へのダブルトランジットが引き起こした事件であったことがよく分かる。

このように妊娠と、暴力事件がほぼ同時期に起こったということを説明できるという点で、牡羊座ラグナが正しいようである。

実際、彼が演じてきた宮本武蔵、織田信長、弁慶などは、皆、一匹狼で、獅子座というよりもむしろ、牡羊座の象意が合っていたようである。

過去の出来事もダシャーの推移で説明できそうである。

特に隠し子が発覚した頃のダシャーがラーフ/太陽期で、太陽が５室支配で８室に在住していることは子供の苦悩をよく表している。

然し、私が獅子座ラグナに設定した理由は、彼が歌舞伎で躍進して高い評価を得た頃が１１室に関連していなければならないという観点からであるが、それがこの牡羊座のダシャーでは分かりにくく、特にラーフ/月期に彼が海外で公演して注目を浴びているということがなかなか分かりにくい。

ダシャーの支配星に１１室が絡んでいないため、この辺りの解釈上の思い込みが獅子座ラグナでよいと考えた理由である。

結婚時のダブルトランジットも７室できちんと形成されており、多くの人から注目されて、たくさんの有力者が披露宴に招かれたことを考えると、５−１１室の軸で、ダブルトランジットが形成されていたということも理解できる。

結婚時のダシャーは木星/土星期であり、出生図の木星は７室にアスペクトし、出生の土星も７室にアスペクトしている。
ダシャー、トランジット共に７室に絡んでいる。

また子供が誕生したのは木星/水星期であるが、これもダシャーとトランジットの両方が５室や９室に絡んでいる。


また父親と初共演を果たした時に木星/木星期に移行したということも、牡羊座ラグナで考えると納得できる。

海老蔵が暴力事件を起こした時は、木星/土星期であり、 アンタルダシャーロードの土星が暴力の６室をトランジットしていたことを考えるとこれも納得できる。(※この暴行事件時のダシャーについては後から木星/水星期に修正）


獅子座ラグナでないことは、子供誕生時のダシャーとトランジットで十分に説明され、これは否定のしようがないことが分かる。

また、牡羊座ラグナとしては、多くの出来事がダシャーとトランジットで説明でき、牡羊座ラグナであることを否定する材料は見当たらない。

一部、疑問も残るが、それよりもはるかに多い出来事がダシャーとトランジットで説明される。

従って、今のところ、 海老蔵のラグナは牡羊座の可能性が高いことが分かる。

獅子座ではないことは今回の検証で明らかになったと言える。


因みに以前、牡羊座ラグナの可能性を指摘してくれた閲覧者のＮさんの文章は以下である。

この中で牡羊座ラグナであることの証明が詳しく述べられている。

（※私は知らなかったが、海老蔵の出生時間はだいたい１５時頃？だということがどこかに掲載されているそうである）

ここで述べられている検証では出生時間が１５時付近に設定しており、海老蔵が暴力事件を起こしたのを木星/水星期に設定している。

ここまで書いてきて、私も気づいたことだが、海老臓の暴力事件は６室支配の水星期の方が説明が成り立つということである。

ここでの時系列によれば、海老蔵の暴力事件が木星/土星期になっている。

従って、海老蔵の暴力事件を木星/水星期にするためには木星/水星期の開始時期を早めなければならない。そのためには出生時間を遅らせなければならず、ラグナがより牡牛座よりにならなければならない。

木星/土星期に結婚し、木星/水星期に暴力事件を起こし、息子の不祥事の後始末に追われる父親との間に口論が生じたのは、９室支配の木星と６室支配の水星が星座交換しているからである。

アンタルダシャーの水星が６室の支配星のために暴力事件（喧嘩騒ぎ＝６室）を起こしたことになる。

そして、木星/水星期に子供が誕生するのは、水星が９室に在住し、９室支配の木星と星座交換しているからである。

ナヴァムシャのラグナがＮさんの言うように射手座であるとすれば、木星からみて７室にアンタルダシャーの土星が在住するため、木星/土星期に結婚したことの説明がつき、また木星/水星期に入っても、引き続き、夫婦生活が密である新婚時の状況が説明される。



またサプタムシャでもＭＤＬの木星が５室にアスペクトして、ADLの水星が９室を支配して５室に在住しており、木星/水星期に子供が誕生することをよく説明している。

そして、ダーシャムシャを見ても、ラグナと、仕事の表示体である太陽から見た１０室で、高揚するラグナロードの土星と、５、１０室支配のラージャヨーガカラカで、ムーラトリコーナにある金星が接合して、強力なスーパーラージャヨーガを形成していることも、海老蔵の歌舞伎役者としての活躍をよく説明していることが分かる。

さらにダーシャムシャでも木星と水星が３室と９室で星座交換しており、さらにそこに１２室なども絡んで、父親との海外での共演などを出生図と共にダーシャムシャでもよく説明している。

ダーシャムシャのラグナが山羊座ということになると、出生図のラグナは２７°〜３０°の間になければならないため、自動的にナヴァムシャのラグナは射手座である。



ナヴァムシャの射手座ラグナは木星/土星期に結婚したことをよく説明している。

ナヴァムシャで子供の誕生を説明する場合には、 木星は子供の表示体で、５室支配の火星と接合し、水星は９室支配の太陽と相互アスペクトしていることを理由に挙げることが出来る。

従って、上記のように主に結婚、暴行事件、子供の誕生などから検討してみても、ラグナは射手座ラグナで正しそうである。

従って、Nさんの検証は正しかったと思われる。

Ｎさんの検証で優れているのは、ヴィムショッタリダシャーの第４レベルまで検証していることである。

また個人的に重要だと思われた箇所を青字と赤字で示している。

特にダシャーを検討する際に、ある出来事の象意を表すハウスがマハダシャーにもアンタルダシャーにも、プラティアンタルダシャーにも、スークシュマダシャーにも絡んでいなければならないというのが正統な考え方（法則）であり、この考え方を適用すると、事象とダシャーのバランスが厳密に絞り込まれる。

出来事の象意を表すハウスが、マハダシャーにもアンタルダシャーにも、プラティアンタルダシャーにも、スクーシュマダシャーにも、プラーナダシャーにも、さらにそれ以下の細かいダシャーにも絡んでこなければならないのであり、それくらい厳密なのである。

（参考文献）

wikipedia 市川海老蔵