小沢一郎

生年月日:1942年5月24日 

出生時間:不明 出生地:岩手県

職業、経歴:政治家 

出生図を見ると、アセンダントの位置が分からないため、獅子座の月をラグナとするチャンドララグナで見ると、10室にラグナロードの太陽が在住しており、6、7室支配の土星とコンジャンクトしている。

太陽は政府の仕事を意味し、10室に在住する土星は社会的成功や民主主義における大衆のリーダーを表す。11室には2、11室支配の水星が定座に在住しており、5、8室支配の木星と4、9室支配の火星とコンジャンクトしており、ラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。木星と火星はグルマンガラヨーガを形成し、叡智と実行力を表すコンビネーションを形成している。

また、水星と木星はダナヨーガを形成し、水星と火星も同様である。あえて言えば、このコンビネーションにおいては火星と木星は機能的吉星であるが、水星は機能的凶星で、2、11室を支配することから、ダナヨーガだけに関わっている。

木星は定座の5室にアスペクトすることで知性や学識を表す5室を強化しており、また火星、水星もアスペクトすることにより、非常に5室が強くなっている。チャートの持ち主が知性、学識(5室)が高く、また収入(11室)にも恵まれていることを示す。

マイナス面としては、ラグナの月がラーフとコンジャンクトして、ケーマドルマヨーガを形成していることである。この配置により、チャートの持ち主は、感情が不安定で、怒り易く、また暴力的な傾向が出てくると思われる。一般に人から嫌われるのはこのコンビネーションがあるからであろう。また、彼は、人を信用せず、自分が何を考えているか人に明らかにしないと言われ、一部の政治家から「恐怖政治」と揶揄されたことがある。この辺りは、水星が機能的凶星で強く、狡猾さが出ているのではないかと考えられ、また、ケーマドルマヨーガであることから、孤立して周りのサポートを受けることがなく、孤立を求める傾向もあるのであろう。この月とラーフのコンビネーションは筆者はテコンドーなどの格闘技に取り組んでいる人で3例ほど確認しているが、暴力や格闘と結びつく、コンビネーションと考えられる。サダム・フセインが蠍座でラーフと月がコンジャンクトしているが、彼の旧バース党員に対する残虐な粛清などに見られるようにこのコンビネーションは容易に暴力に結びつく配置である。また、月が獅子座プールヴァパールグニーに在住しており、支配星が金星の影響で、自己の快楽を求め、周囲を自己の快楽の為に仕えさせるという傾向が出てくると思われる。この辺りは、チャートの持ち主が、権力欲が強すぎて、また、周囲を信頼せず、自分の頭の中だけで策略を練り、実行するときに周囲に自分に従うか、それとも従わないかという踏絵を踏ませるような政治手法を取ることを説明している。彼の政治が基本的に「覇道政治」であると言われる所以である。

また、月から見ると、金星が8室で高揚しているが、彼に関しては全く女性問題が浮上して来ないが、8室は秘密、孤独、トラブル、苦悩、遺産、不労所得などを表す部屋である。

恋愛のカラカとしての金星は8室で高揚していても傷つくことになるため、恋愛関係においては秘密、トラブル、苦悩が生じている可能性は高い。金星は10室の支配星であり、8室で高揚しているが、やはり、彼は舞台の裏側で秘密裏に活動するのが得意であり、彼の政治家としての活動とも一致しているのである。

3、10室を支配する金星は演劇や俳優の仕事を表すが、8室で高揚という場合、それは秘密の一般には見えない場所においての役者であるということだろう。繰り返すが、この辺り、決して表舞台に立とうとせず、裏舞台で影の実力者として振舞う政治活動をよく表示している。

然し、8室で高揚する金星は恋愛のカラカである金星を傷つけるが、8室の象意はよくするはずである、従って、遺産や不労所得には恵まれているのではないかと思われる。

次に太陽をラグナとした場合も検討する必要がある。太陽は牡牛座のクリティッカーに在住し、クリティッカーの支配星は太陽である。このことが太陽を非常に強くしており、また牡牛座在住により、マイペースで目的の為に一歩一歩ゆっくりでも着実に進んでいく粘り強さを備えるが、クリティッカーはそれ以外に、切断するという象意がある。ナイフや鋭利な刃物を表すのである。これがすなわち壊し屋としての小沢一郎を作り出していると思われる。(1/5)

 

チャートの持ち主は、つい最近まで、マスコミに姿を表さず、テレビの出演やマスコミへの対策は、全て、藤井幹事長に一任するというスタイルを取り、暫く、活動を控えて沈黙しているように見えたものである。然し、それが、昨年の衆院議員解散総選挙前から、突如マスコミに姿を表すようになり、瞬くまに自由党を解散し、役職なしの一議員となって、民主党との合併をし、選挙では民主党候補の応援に駆け回り、また、テレビへの出演にて、自らの考えを明らかにするなど、急に、その活動が目立ちはじめ、カリスマ性を発揮し始めたのである。

この事実とヴィムショッタリダシャーの比較検討により、ラグナの位置を割り出すことが出来るかと思われるのである。

ヴィムショッタリダシャーを見ると、衆議院解散総選挙があった昨年暮れは、木星−ケートゥ期である。ケートゥ期は、一般に内向的になり、今までを振り返ったり、内省する時期と言われているが、衆議院解散総選挙の時、チャートの持ち主は選挙運動を活発に展開しており、内向的な時期とはとても言えなかったと思われる。そこで考えてみると、木星−ケートゥ期は、正確なアセンダントが分からない為、少しずれており、実際は、衆院選挙の少し前より突如カリスマ性を発揮し出した頃よりも、もっと以前のマスコミに姿を表さず沈黙していた時期に相当すると思われる。そうすると、木星−金星期の今現在、何故、チャートの持ち主が突如、カリスマ性を発揮し始め、政治の表舞台に再び姿を表すようになったのかが説明できるのである。

マハダシャー木星をラグナとすると、金星は10室目に在住し、魚座で高揚している。また、ナヴァムシャでも魚座に在住しており、ヴァルゴッタマである。最高星位であるだけで十分に強いものが更にヴァルゴッタマのため、この金星は相当強い配置である。この10室で、金星が高揚し、ヴァルゴッタマという配置はもしダシャーが訪れれば、チャートの持ち主を社会的に昇進や成功させずにはおかないため、おそらく、2004年1月現在のダシャーが木星−金星であるのは間違いないと思われるのである。

彼は最近、民主党の代表代理に就任したそうだが、民主党の議員の中には、小沢一郎に権力を与えることに対する警戒心があるため、小沢一郎の力は利用したいが、権力は与えたくないというのが本音だろう。然し、今回、彼のカリスマ性が相当なものであるため、代表に匹敵する役職を与えないと、逆に不自然であるということかもしれない。

また、民主党の中にも自民党の中にも「小沢待望論」というものが最近、出てきているとの話が週刊誌などに掲載されている。「小沢氏は身売り社長どころか、大企業を買収した大オーナーにも見えてくる」と政治部記者が皮肉るほど、彼のカリスマ性は、高揚しているのである。

それでは小沢一郎のアセンダントは何座になるのだろうか。

冒頭のラシチャートは、出生時間が分からないため、仮に12:00で作成したものである。この時間に設定すると、アセンダントは獅子座の18°38’(プールヴァパールグニー)に位置している。

ラグナをこの時間に設定すると、ヴィムショッタリダシャーでは、木星−金星期が2004年3月20日から始まることになり、遅すぎることが分かる。

そこで、ラグナの位置を、乙女座の方向へ少しずつスライドしていくと、ラグナを獅子座26°40’(ウッタラパールグニー)以降になった時点(このケースだと26°41’)で、木星−金星期の始まりが2003年9月5日になる。この時期は、小沢一郎が衆院選挙に向けて、ちょうど活動を始めた頃と思われるため、ラグナがウッタラパールグニーに在住しているというのは可能性として、十分考えられるのである。但し、小沢一郎がいつ頃から、カリスマ性を発揮し始めたか、いつ頃、10室が表す社会的に目立つ活動を始めたかは正確に分からないため、実際はもっと早かった可能性も考えられる。そうすると、ラグナが乙女座である可能性も出てくる。ナヴァムシャを見ると、月が乙女座に在住しているため、そのことだけでも乙女座の影響を受けていると言えるが、彼のこれまでの政治活動を見てくると、決して、自分自らが、党首になったり、代表となったりすることは少なく、本人は参謀として、党首や総理大臣などの後ろで、影の実力を振るうというのが、彼の本来のスタンスである。新進党では党首になったが、彼は党首になると、力を発揮できないのである。それは、(資料)の中で、政治部デスクも述べている。

この人の脇に回って、参謀として、影の実力を振るうというのは、乙女座の影響を受けていると考えると非常に納得できるのである。もし、純粋な獅子座であれば、自分が必ず目立ち、注目されることを好むのである。然し、彼は実際、目立つ人間ではあるが、割と目立たないようにしているとも感じさせるのである。これらは、獅子座に月とラーフが在住しており、非常に識別が難しいところであるが、小沢一郎の演説や討論でのトークを見ていると、意志や我は強いが、控え目で上品な印象も見出されるのである。これは彼の狡猾さが生み出した演技力によるものかもしれず、識別が難しいところではある。シャドバラを見ても分かるように太陽が非常に強いため、乙女座によって表現された繊細さや控えめな性格も太陽が強ければ打ち消され、目立たないものとなってしまうからである。

そこで、乙女座ラグナを仮定すると、7室目に高揚してヴァルゴッタマの金星が在住することになるのであるが、これだと、金星は2、9室支配で、7室在住になり、配偶者からの幸運や幸福に恵まれることになるが、配偶者の話は全く表に出てこないことから、やはり、金星は8室在住として、ラグナは乙女座の影響を受けた獅子座ウッタラパールグニーと考えるのが妥当である。

このようにヴィムショッタリダシャーは、何故、チャートの持ち主がこの時期、カリスマ性を発揮し、社会的にも成功するのかをうまく説明することができる。そして、その時期のずれを考慮することによって、アセンダントの位置も仮定することが出来るのである。

次に、チャラダシャーを見てみるが、現在のダシャーが双子座−魚座であることは注目すべき事実である。アートマカラカで、ヴァルゴッタマの金星が在住している魚座のブクティであれば、このことも魂の表意星である金星が高揚しているにふさわしい発展がもたらされることを示している。また、アートマカラカの金星とアマティアカラカの火星が、変通星座でジャイミニアスペクトをしていることも更に吉条件を強化している。また魚座は双子座から見て10室目であり、ダシャー−ブクティの位置関係においても社会的成功、昇進を表す配置となっている。

そして、次に、アシュタカヴァルガを見るが、金星が在住している魚座は総合アシュタカヴァルガのビンドゥー値が34ポイント、金星のビナシュタカヴァルガのビンドゥー値が6ポイントと高い数値を示しており、アートマカラカが吉星として働く条件も有している。また、水星のビナシュタカヴァルガのビンドゥー値も高いがトランジットの水星が魚座通過時に力を発揮する可能性は高い。その際、理想主義な力を発揮するのではないかと考えられる。

最後にジャイミニの技法で、聖典に載っているものを紹介する。

ナヴァムシャにて、アートマカラカが在住している星座をスワムサというが、チャートの持ち主の場合、魚座である。このナヴァムシャの魚座を見ると、金星、太陽、土星が在住している。

スワムサの解釈として、テキストに載っているものから、抜粋して、下記に掲載する。

 

「スワムサの太陽は、社会奉仕、政府や政治的な仕事に向いています。」

「スワムサの金星は、政府や政治に関わる役人、情熱的な人を暗示します。」

「スワムサの土星は、どの方向へ活動しても成功と名声を得ることを暗示します。」

「スワムサから3番目の部屋にある有害な惑星は勇気を表し、有益な惑星は臆病で内気な人を表します。」

「スワムサから数えて12番目の部屋に有益な惑星の影響があれば、死後、魂が吉兆な状況に置かれることを暗示します。ケートゥが12室目に位置し、有益な惑星の影響だけがあれば、解放(解脱)を暗示します。」

「スワムサから数えて7番目の部屋に有益な惑星が位置していれば、魅力的で才能ある配偶者を得るでしょう。有害な惑星が位置していれば、配偶者の健康上の問題、配偶者との年齢的な相違、文化的な相違を暗示します。」

「魚座ナヴァムシャは、法律の遵守、カイヴァリヤ(解脱)を成し遂げた宗教的で正しい人を暗示する。−この星座は、解き放たれること、完了、カルマの周期の満了、そして次の段階への移行、あるいは解放(生死のサイクルの完了または解脱)さえをも暗示します。」

 

これらのジャイミニの聖典からの知識が適合しているかどうかを検証するのは非常に興味深いのである。

 

このように見てくると、非常にチャートの持ち主の人物像が見えてくる。

 

 

(資料)

一兵卒になってまで民主党・菅直人代表を担ぐ本当の理由 剛腕小沢一郎が描く政権奪取シナリオ

民主党と自由党の合併が7月末、決まった。自由党はいったん解党し、個々人の単位で民主党に合流するのだという。自由党の小沢一郎党首は無役の一兵卒として参加し、他の自由党議員も役員には加わらない。つまり、自由党は民主党に"身売り"したのだ。しかし、その"身売り社長"小沢氏は最近、妙に機嫌がいい。訪れる若手議員、記者、財界人に対し誰彼の見境なく「次の選挙で絶対に政権を取る」と饒舌に語っている。 「自由党にとっては屈辱的な合併。自由党議員の大部分は、当選どころか小選挙区から出馬できないのです」  全国紙の野党担当記者は首をかしげる。合意の際に両党が交わした合意書では(1)小選挙区の当選者、(2)比例代表で復活当選現職が競合する選挙区では惜敗率の高い者――の順で候補者を決めることになっている。この原則だと現在自由党議員で小選挙区から打って出ることができるのは、小沢氏ら数人にとどまる。この記者の指摘通り"身売り"後、自由党は大リストラに遭う。  なぜ上機嫌なのか。この謎解きを自民党旧竹下派時代、小沢氏と同じ釜の飯を食った長老議員が解説してくれた。 「小沢はポストを失って力を発揮する男だ」  確かに全盛期の小沢氏は、本人が求めれば首相になれる地位にありながら頑なに拒み続け、自身はキングメーカーになった。海部、宮沢、細川、羽田の四首相を思いのままに操ったのは記憶に新しい。  長老議員は、さらに小沢氏の政治遍歴を振り返る。「小沢はその後、新進党党首になるが、ちょうどいい操り人形がいなくて不本意ながらトップに就いた。つまり党首に"甘んじて"いたことになるな。実際、小沢は自分が党首になってから影響力を失った」。小沢氏は、久しぶりに菅直人民主党代表という一流の「操り人形」を手にした。このことが小沢氏を高揚させているのは間違いない。国会論戦で抜群の切れ味を見せる菅氏と、剛腕小沢氏。小沢氏は今、菅氏の横顔に、細川氏や羽田氏をだぶらせているのだろう。菅―小沢コンビに対する期待の表れか、7月末に発表された共同通信の世論調査で、民主党の支持率は前月よりも6.3ポイントも高い16.2%を記録した。 身売り社長どころか 大企業買収のオーナー  迎え撃つ自民党や保守新党の幹部たちも「共産党、社民党がスキャンダルで沈没した今、民主党と自由党が合併すれば、小泉政権への批判票を独り占めする」「候補者調整しだいでは政権交代の可能性も全くなくはない」と危機感を見せ始めている。もう一つ小沢氏を上機嫌にさせる理由がある。民主党内で小沢神話が広がっていることだ。昨年来、小沢氏は民主党の若手と極秘裏に数人単位で会合を重ねている。若手の一人は「小沢氏が、僕の選挙区の有力者の名前をすらすらと挙げて話し始めたのには驚いた。鳩山(由紀夫)や菅とはひと味もふた味も違う」と目を輝かせる。衆院選が近づくにつれ、選挙基盤の弱い民主党若手は「選挙の神様」と言われた小沢氏に急接近している。今回の合併劇は、こういった若手の小沢待望論が底流にある。  子飼いの自由党議員を見殺しにしかねない合併をあっさり呑んだ小沢氏。彼の頭の中には、自由党議員を守るより、民主党内に新たな小沢派をつくることがあるのかもしれない。実際、民主党内の若手、鳩山グループ、そして手勢の自由党議員を足せば小沢派はあっという間に民主党内の多数派だ。  菅氏というパートナーを見つけ、選挙での浮上のきっかけもつかみ、党内基盤も強化の目処がたった。こう考えると、小沢氏は身売り社長どころか、大企業を買収した大オーナーにも見えてくる。政治部デスクは皮肉まじりにこう総括してみせた。 「状況を冷静に分析すると民主党が次期衆院選で躍進する可能性はかなり高い。ただそれ以上に可能性が高いのは、来年の今頃、小沢氏と菅氏が仲違いをしているということでしょう。あの二人の蜜月が長続きするとは思えない」 自民党を政権から引きずり降ろし、最後に民主党まで壊し……。"壊し屋"の本領発揮といったところか。