ユーチューブに投稿したロボットダンスで、一躍、世界的に有名なったマーキューズ・スコットのチャートである。

重力を無視した人間離れしたその動きにダンスファンが熱狂しているようである。 ユーチューブの再生回数は３日で１０００万を超え、最初にアップした動画は１億回に到達しようとしている。

一度、見始めると何時間も目が離せなくなるそんなダンスである。

私も昨年、初めてユーチューブで見つけて時々、見ているが、見始めるとその動きに魅了され見るのをやめることが出来ない。

その人間離れした技に見入ってしまうのである。

英語版のwikipediaに経歴情報が載っているので１２時で出生図を作成してみると、金星が射手座に在住して、木星が天秤座に在住しており、金星と木星が星座交換している。

ダンスパフォーマンスは３室が表すため、天秤座ラグナか獅子座ラグナの可能性があると考えたが、天秤座ラグナでは３室がそれ程、強くないため、やはり獅子座ラグナではないかと思われる。

獅子座ラグナに設定すると、ラグナロードの太陽が３室で減衰し、特別な法則でラージャヨーガ的に働く配置である。

そして、５室支配の木星が３室に在住し、３、１０室支配の金星が５室に在住しているため、３室（ダンス）と５室（創造）で星座交換している。

この配置はダンスをオリジナリティある芸術に高められる配置である。

そして、３、１０室支配の金星が５室に在住しているので、仕事は創造的活動が仕事である。

５室に金星や木星が絡むため、舞台芸術とか演劇とか、 単なるダンスよりも質が高くなりそうである。

独創的な自分だけの世界を築いているのはその為である。

３室には他に２、１１室支配の水星も在住しており、木星、太陽、水星、そして、星座交換している金星も交えて、３室（踊り、パフォーマンス）でラージャヨーガ、ダナヨーガを形成している。

木星と水星はヴァルゴッタマを形成して強力であり、更にダシャムシャ（D10）でも木星と水星は天秤座に在住している。

更に見ていくと、ドレッカーナ（D3)やチャトゥルシャームシャ(D4)、サプタムシャ(D7)、ドヴァダシャムシャ(D12)などでも、木星と水星は同じ天秤座に在住している。

従って、ヴァルゴッタマが、ナヴァムシャばかりでなく、更に他の分割図にまで拡大されているという印象である。



更に水星に至っては、 サプタヴィムシャムシャにおいて、再び、天秤座に在住している。

実に１０の分割図（ダシャヴァルガ）のうち、７つにおいて、同じ天秤座に木星と水星が在住しているのである。

この３室で強い木星と水星こそが、マーキューズ・スコットがまさに神業のダンスパフォーマンスを披露する理由なのである。

このマーキューズ・スコットが世界1のSHOWタイム第5弾という正月番組で、ダンスを披露した後のインタビューで、たくさん練習することが大事であると述べたそうである。

練習のハウスと言えば、３室である。

３室はHouse of growthと呼び、時間の経過と共に改善されていくハウスである。

従って、 マーキューズ・スコットは練習が好きであることが分かる。

３室が強いので、人並み外れて練習熱心なのである。

その人間離れしたダンスパフォーマンスの技は、練習によって身に付けたと言うことが出来る。


そして、３室はメディアのハウスでもあるため、youtubeという媒体によって、世に出て、今まさに世界的にブレイクしようとしている。


因みにラグナには、４、９室支配の火星が在住しているが、この火星は、ヴァルゴッタマで非常に強い配置である。

また火星は身体を表す１室に在住しているため、強い筋力を表している。

マーキューズ・スコットの身体感覚、重力を無視した姿勢などは、この強い筋力が支えているのである。




マーキューズ・スコットは、カリフォルニア州ロサンゼルスの南西イングルウッドで生まれ、最初にダンスを披露したのは、地元のローラースケートリンクで、行われたダンスコンテストだったようである。

その後、インディアナ州インディアナポリスの高校に入学すると、学校のダンスクラブの友人たちに加わって、真面目にダンスをし始めたという。

1999年に米国の海兵隊に入隊し、軍隊生活の合間にも機会がある時にはいつでもダンスをしたそうである。

海兵隊での任務を終えた後、家族と共にジョージア州アトランタに引っ越しをし、そこで他のダンサーと出会い、アニメーションのテクニックを学んだという。

そして、ユーチューブに彼自身のダンスビデオをアップロードし始めたのだという。

そして、『So You Think You Can Dance』や『America's Got Talent』といったリアリティーＴＶ番組に彼のダンス仲間であるRemote Kontrolと出演する一方で、ウォルマートで働いていたが、人気が出始めると、世界中をツアーで巡ることを始めた。

マーキューズ・スコットは、５３のダンスビデオをアップロードし、２０１１年にアメリカのインディーズバンド『Foster the People's』の歌『Pumped Up Kicks』のリミックス（複数の既存曲を編集して新たな楽曲を生み出す手法の一つ）が、彼を一躍、スターダムに踊り挙げたという。

つまり、彼がブレイクしたのは、２０１１年である。


彼は１９９９年の時点では、海兵隊員だったが、その時はラーフ/ケートゥ期辺りである。

ラーフは１２室の蟹座に在住しており、蟹座は水の星座である。

従って、米海兵隊として、水の近くで生活していたと言える。

ラーフのディスポジターである月は６室に在住して、ケートゥと接合している。

この時期、奮闘（struggle)の時期であることが推測されるが、ラーフ、ケートゥはヴァルゴッタマであり、ケートゥはウパチャヤの凶星で敵を粉砕する配置であり、月は１２室支配で６室に在住していたため、ヴィーパリータラージャヨーガを形成している。

そして、ラーフ/ケートゥ期の次にラーフ/金星期が来ているが、金星は３、１０室支配で５室に在住しているため、海兵隊の中でも時間がある時にはダンスを行い、ダンスへの想いが募っていっただろうことが理解できる。

そして、２００３年の頃、ラーフ/太陽期の頃にダンサーになることを決意したようである。

太陽はラグナロードで３室で減衰して、特別な法則で、ラージャヨーガとなる配置である。

１室の支配星であるため、人生に目的意識が生じ、自分自身の自己実現（１室）のためにダンサーになろう（３室）と決心したのではないかと思われる。


そして、その間、ラーフ/月期、ラーフ/火星期などを経過しているため、この期間が海兵隊員としての活動の期間ではないかと思われる。

そして、マハダシャーラーフ期が終わったタイミングで、彼は、海兵隊を退役し、家族と共にジョージア州のアトランタに引っ越しをして、それまでの人生で得てきた人間関係などを一旦全てリセットして、また新たな歩みを始めたのである。

それが彼のマハダシャー木星期のスタートである。

そして、マハダシャー木星期に入ると、ダンサー仲間と出会い、そして、彼の今のブレイクをもたらしたアニメーションダンスを教わったのである。

これらの象意はマハダシャー木星期に起こらなければならないため、彼が海兵隊を退役し、ジョージア州のアトランタに引っ越しをした頃が、マハダシャーラーフ期から木星期へ移行するタイミングでなければならない。

そして、彼は木星期になってからユーチューブに彼自身のダンスビデオをアップロードし始めて、彼のブレイクが始まったのである。

５室支配の木星は３室に在住して、３室支配の金星と星座交換している為、まさにユーチューブで世界的に有名になるきっかけがこの木星期からなのである。


彼はジョージア州のアトランタに引っ越してから出会ったダンスユニット『Remote Kontrol』の仲間と共にダンス活動を続け、途中、Remote Kontrolの彼の役を別のメンバーに譲って、彼自身はソロで活動すると共に、『Remote Kontrol』のメンバーの夢の実現に助力しているようである。

そして、２０１１年にあった時にインディーズバンド『Foster the People's』の歌『Pumped Up Kicks』に合わせて踊った彼のダンスによって、彼は一躍、スターダムに躍り上ったのである。

おそらく、マハダシャー木星期のセカンドアンタルダシャーの木星/土星期が終わり、木星/水星期が始まった頃に彼はブレイクしたのだと推測できる。

水星は上述したように多くの分割図で、天秤座に在住しており、木星と接合して強力であるからである。


私は昨年、このマーキューズ・スコットが『Pumped Up Kicks』に合わせて踊るこの映像を見て、その人間離れした動きに目が釘付けになった。

まさに彼のダンスを通じて創造の神が顕現しているかのようである。


ここ最近、 マーキューズ・スコットのダンス動画がどんどん増え続けているので、昨年よりもより彼の活動が活発化しているような印象である。

おそらくそれは現在、木星が獅子座１室に入室しつつあるからではないかと思われる。

５月ぐらいからその効果が表れてきているからである。

それ以前は１２室にダブルトランジットが形成されていたため、 ネットでの動画のアップロードや海外での活動が多かったと思われるが、まだそれ程、目立って活動していない印象であった。

ここに来て、 マーキューズ・スコットという個人にスポットライトが当たっている印象なのである。

昨年の秋ぐらいから木星/金星期に入っているので、まさに彼は今、ブレイク中である。

２０１７年までこの調子で、どんどん有名になっていくことが予想される。

そして、その後も木星/太陽期が続くので、また彼のダンスは自分の自己実現の手段として燃え上がるのである。

因みに彼の太陽は３室で減衰しているが、この配置を見ていて、渡辺謙の太陽を思い出した。

渡辺謙は双子座ラグナで、３室支配の太陽が５室で減衰している。

少し違うが、いずれも太陽が天秤座に在住していることでは共通している。

太陽が天秤座で減衰すると、自己主張が弱まるが、その代わりに他人の視線や他人の意見といったものを重視し、客観的な視線というものを自己に内在化する。

そのため、渡辺謙のように人に自分の演技がどう見えるかという視点での技巧的な演技が可能なのである。

このマーキューズ・スコットの太陽も減衰して、しかも特別な法則によって、ラージャヨーガ的に働いているのであれば、何か普通でない形で、彼のパフォーマンスに強みをもたらしているはずである。

それは彼がアニメーションの動きを研究して、それを自分のダンスに取り入れて、それを正確に再現できるというこの客観的な技術である。

通常は、獅子座の人間は、自分自身というものがはっきりしすぎていて、自分でしかいられない人間となってしまうが、それが、太陽が減衰することによって、その欠点が失われている。

また彼のジーンズに帽子といったラフなスタイルは、完全に獅子座の人の典型的なファッションセンスである。

最近では、帽子をかぶるなど、彼のファッションを真似るファンが多くなっているという。

村上春樹もジーンズにＴシャツというラフな格好を好むが、このファッションは獅子座に典型的なファッションなのである。